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「マチルド、翼を広げ」

Demain et tous les autres jours…akaTomorrow and Thereafter2017 フランス

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ノエミ・ルボフスキーが自身の母親役を演じる自伝的なファンタジー・ドラマ。


ノエミ・ルボフスキーが監督、脚本、主演した「カミーユ、恋はふたたび/2012」は大人のファンタジーといった展開で素敵なドラマだった。本作はファンタジックではあるのだが、テーマは少々重くて、情緒不安定な母親に振り回される大人びた少女の物語。母がプレゼントしてくれたフクロウが話す(マチルドとしか会話できない)発想がユニーク。


母親が情緒不安定なせいか?マチルドも少々変わった女の子で友達がいない。ある日、学校の授業で骸骨が登場する。服を着ないで一人倉庫に閉じ込められている彼(骸骨は男)に同情したマチルドは内緒で運び出し、ムッシュー、あなたは私の最高の友達ですと言って森に手厚く埋葬する。そうかなり変な女の子なのだ。


水のシーン…夢の中で、マチルドが川に落ちて浮びあがれなくなってしまう様はジョン・エヴァレット・ミレーのオフィーリアを連想する。そしてラスト、大雨の中でダンスをする母と娘が印象的。

マチルドにまるで父親のように助言するフクロウが面白い。マチルド自身、最初は父親がどこかに隠れて喋っているのか?なんて思っていたし


母親の奇行にもめげずたくましく生きようとするマチルドが健気で、演じるリュス・ロドリゲスはナイス・キャスティング。

成長したマチルドが施設にいる母親に会いに行くシーンでエンディングを迎える。この母と娘はなんと深い愛情で結ばれているのだろうと感心する。そして映画はノエミ・ルボフスキーの母親に捧げられている。


基本的にお子様が主人公の映画は避ける傾向にあるが、大好きなマチューが出演しているので見ることにした。出番は少ないながらマチルドの父親役のマチューが、別れた妻にも、もちろん娘にもなんとも優しいキャラで、彼のこのような役柄は初めて見たかも知れない。


マチルドにリュス・ロドリゲス。

監督、脚本、出演(マチルドの母)に「告白小説、その結末/2017」のノエミ・ルボフスキー。

マチルドの父に「バルバラ セーヌの黒いバラ/2017」のマチュー・アマルリック。

教師エスコフィエにエルザ・アミエル。

成長したマチルドに「バード・ピープル/2014」のアナイス・ドゥムースティエ。

フクロウの声に「サンローラン/2014」「グッバイ・ゴダール!/2017」のミシャ・レスコー。


シネマカリテにて



by margot2005 | 2019-02-12 23:23 | フランス | Comments(0)

「バルバラ セーヌの黒いバラ」

Barbara2017 フランス

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フランス、パリ。国民的シャンソン歌手バルバラの伝記映画に主演するブリジットは役作りのために、特別に用意された仮住まいに暮らしている。やがてブリジットは取り憑かれたようにバルバラを演じ始める


ジャンヌ・バリバールが伝説的シャンソン歌手バルバラと、彼女の伝記映画で主役を演じる女優の2役を演じてセザール賞主演女優賞に輝いた異色ドラマ…”ということだが、確かに異色。このようなドラマを見たのは初めて。


歌姫バルバラを演じる女優ブリジット観客はどこまでブリジットで、どこからバルバラなのか次第にわからなくなって行く。そして伝記映画の監督イヴもブリジットに個人的な感情を持っており、撮影中我を忘れてしまうのだ。我を忘れてしまうイヴを演じるマチューの恍惚とした表情が真に迫る。


1950年代からシャンソン界に君臨したバルバラは20世紀最高の歌姫らしいが、残念ながら彼女のことを知らない。黒い吸血鬼のよう衣装を纏うバルバラ...個性的な風貌のバルバラを演じるジャンヌ・バリバールはぴったりのキャスティング。

大好きなマチュー・アマルリックは才能豊かな人だと改めて思った。本作は「さすらいの女神(ディーバ)たち/2010」「青の寝室/2014」に続く彼の日本公開監督3作目でとても異色かつ神秘的。


ブリジット/バルバラに「クリーン/2004」「サガン−悲しみよこんにちは−/2008」「ランジェ公爵夫人/2007」「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札/2014」のジャンヌ・バリバール。

ローランにヴァンサン・ペイラーニ。

バルバラの母エステルに「フレンチなしあわせのみつけ方/2004」「彼は秘密の女ともだち/2014」のオーロール・クレマン。

監督、脚本、出演(イヴ)に「ダゲレオタイプの女/2016」のマチュー・アマルリック。


Bunkamura ル・シネマにて(既に上映終了)



by margot2005 | 2018-12-25 23:42 | フランス | Comments(0)

「皆さま、ごきげんよう」

Chant d'hiver…akaWinter Song2015 フランス

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管理人に「アメリ/2001」「ロング・エンゲージメント/2004」のリュファス。

人類学者にアミラン・アミラナシヴィリ。

家を建てる男に「あの頃エッフェル塔の下で/2015」「ダゲレオタイプの女/2016」マチュー・アマルリック。

知事にマチアス・ユング。

やくざに「愛より強い旅/2004」のトニー・ガトリフ。

ヴァイオリニスト(知事の娘)にフィオナ・モンベ。

監督、脚本、編集、出演(アンクレジット)は「汽車はふたたび故郷へ/2010」オタール・イオセリアーニ。


現代のパリを舞台に描かれる群像ドラマ。アパートの管理人と骸骨収集が趣味の人類学者を軸にドラマは展開される。アパートの住人は他にローラースケートで万引きを繰り返す姉妹や恐妻家の金管楽器職人。そしてヴァイオリニストにホームレスや警官、ヤクザや貴婦人などなどユニークでヴァラエティに飛んだ人物が取りとめなく登場してくる。


現代のパリが描かれる前にフランス革命の時代と、どこかの戦場での出来事が短く描かれる。

オープニングはフランス革命時代ギロチンにかけられる貴族の様子。当時ギロチン処刑は見せ物で、処刑される貴族が現れるのを今か今かと待ちわびる市民たち。女性陣は一番前に陣取って編み物をしている。


次にどこかの戦場が登場し、住民を銃で撃ち、略奪を繰り返して女を犯す兵士たち。そして神に祈る聖職者。

現代のパリに住む管理人役のリュファスがフランス革命の貴族と戦場の聖職者を演じているのがわかる。


オタール・イオセリアーニは有名な俳優を起用しないことで知られるらしいが、今回はフランスの名優マチュー・アマルリックが出演。ひらすら家を建てることに集中する飄々とした男が可笑しい。

ほのぼのとしたと言うのかなんとも形容しがたい奇妙な映画。

「汽車はふたたび故郷へ」もファンタジーのような要素も取入れた一風変わった映画だった。やはり本作もオタール・イオセリアーニの世界炸裂!他愛もなく、無目的で良くわからない変な?映画だった。


岩波ホールにて

by margot2005 | 2017-01-15 20:31 | フランス | Comments(0)

「あの頃エッフェル塔の下で」

「Trois souvenirs de ma jeunesse」…aka「My Golden Days」2015 フランス
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人類学者で外交官でもあるポール・デダリュスは長い外国暮らしに幕を閉じ故郷のフランスへ帰国する。しかし空港でパスポートに問題ありと入国を拒否される。やがて取調官が現れポールは過去を語り始める...

ポール・デダリュスにカンタン・ドルメール。
エステルにルー・ロワ=ルコリネ。
ポール・デダリュス(大人)に「カミーユ、恋はふたたび/2012」のマチュー・アマルリック。
ポールの父親アベル・デダリュスに「キングス&クイーン/2004」「96時間/2008」「君を想って海をゆく/2009」「神々と男たち/2010」「ラブ・クライム 偽りの愛に溺れて/2010」「96時間/リベンジ/2012」のオリヴィエ・ラブルダン。
ポールの弟イヴァン・デダリュスにラファエル・コーエン。
ポールの妹デルフィーヌ・デダリュスにリリー・タイエブ。
取調官に「パリよ、永遠に/2014」のアンドレ・デュソリエ。
ソ連のポールの恋人イリーナに「やさしい嘘/2003」「愛について、ある土曜日の面会室/2009」「愛、アムール/2012」「1001グラムハカリしれない愛のこと/2014」のディナーラ・ドルカーロワ。
コヴァルキにピエール・アンドロー。
コヴァルキ(大人)に「ビッグ・ピクチャー 顔のない逃亡者/2010」のエリック・リュフ。
監督、脚本は「キングス&クイーン/2004」「クリスマス・ストーリー/2008」「ジミーとジョルジュ 心の欠片を探して/2013」のアルノー・デプレシャン。

パスポートは偽物と言う事実を突きつけられポールは過去に思いを馳せる。
精神に異常をきたし自殺を図った母親。妻の死から立ち直れない父親アベル。やがてソリが合わなくなった父親とポールは絶縁状態となる。しかしポールにはとても仲の良い弟イヴァンと妹デルフィーヌがいた。
思い起こせば高校時代親友とソ連へスリリングな旅をした際パスポートを盗まれたと偽り再発行申請していた。だがそのパスポートはユダヤ人青年を助けるため彼に与えたもので、ポール・デダリュスはユダヤ人に取って代わっていたのだ。高校生活に戻ったポールはデルフィーヌの同級生エステルと出会い恋に落ちる。卒業後ポールは憧れのパリ大学に進学するがエステルは故郷 ルーベに残ることになる。

恋人を取るか仕事を取るか?との究極の選択に迫られたポールは仕事を選ぶ。こういったシチュエイションに置かれた時の人ってスゴくツライだろうな?と感じる。ラスト近くでポールがずっとエステルを愛していたことが語られあっと思った。
パリに戻ったポールがオペラを鑑賞した劇場で偶然にもコヴァルキと再会する。中年になったエステルも登場するのか?とも思ったけど…やはり出てこなかった。スクリーンが青春時代のポールに戻る大ラスはとても良かったな。
邦題の「あの頃エッフェル塔の下で」は全くタイトルにふさわしくない。エッフェル塔の下の二人が映ったのは確か一回だけだったと思うけど…。

本作は「そして僕は恋をする/1996」と同じ役 名でアルノー・デプレシャンとマチュー・アマルリックがコンビを組んだという。「そして僕は恋をする」は未見なので是非見てみたい。
こうして見るとデプレシャン監督はマチューが相当好きらしい。

マチュー大好きなので楽しみにしたいた一作ながら中々見に行けなくてやっと見れた。
ドラマはポールの若い頃を中心に描いているのでマチューの出番は少ない。
若いポールを演じるカンタン・ドルメールと、恋人エステル役のルー・ロワ=ルコリネには初めてお目にかかった。ルーのキュートさは若かりし頃のブリジット・バルドーを彷彿とさせる(顔のみ)。

Bunkamura ル・シネマにて
by margot2005 | 2016-01-21 00:15 | フランス | Comments(0)

「カミーユ、恋はふたたび」

「Camille redouble」2012 フランス
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パリに住む女優のカミーユは、25年連れ添った夫エリックが若い娘に夢中になり離婚を迫ってきたことにムカつきの日々。あるパーティの夜飲み過ぎた上転倒し病院へ運ばれる。意識が戻り気がつくと、彼女の人生はいきなりタイムスリップして高校生に戻っていた…

監督、脚本、出演(カミーユ)に「ぼくの妻はシャルロット・ゲンズブール/2001」「キングス&クイーン/2004」「マリー・アントワネットに別れをつげて/2012」のノエミ・ルボフスキー。
エリックに「トランスポーター イグニション/2015」のサミール・ゲスミ。
カミーユのクラスメート、ジョセファに「ヴェルサイユの子/2008」のジュディット・シュムラ。
同じくアリスにインディア・エール。
同じくルイーズに「世界でいちばん不運で幸せな私/2003」のジュリア・フォール。
カミーユの母親に「パリ、ジュテーム/2006」「セラフィーヌの庭/2008」「ミックマック/2009」「ゲンズブールと女たち/2010」「危険なプロット/2012」のヨランド・モロー。
カミーユの父親に「ボン・ヴォヤージュ/2003」「ダニエラという女/2005」「モンテーニュ通りのカフェ/2006」「風にそよぐ草/2009」「愛して飲んで歌って/2014」のミシェル・ヴュイエルモーズ。
物理教師アルフォンスに「隠された記憶/2005」「サガン-悲しみよこんにちは-/2008」「愛の残像/2013」のドゥニ・ポダリデス。
エリックのクラスメート、ヴァンサンにヴァンサン・ラコスト。
ムッシュ・デュポン(時計屋)に「大人は判ってくれない/1959」「ドリーマーズ/2003」「ル・アーヴルの靴みがき/2011」のジャン=ピエール・レオ。
フランス文学教師に「青の寝室/2014」のマチュー・アマルリック。

中年のおばさんが飲み過ぎて病院へ運ばれる。やがて目を覚ますが、彼女の前に現れたのは亡くなったはずの両親。何がなんだかわからないまま両親の家に落ち着いたカミーユは学校へと送り出される。学校ではかつての親友たちが待っていた。そして自分を捨てた夫エリックも…。
カミーユは40代のおばさんながら周囲からは16歳の高校生に見えるらしい。猛烈な違和感を覚えながらも、大好きだった両親や友人たちと二度目の青春を謳歌しようと考える。しかし彼女の前にエリックが現れ猛烈にアタックして来る。

不仲の夫婦が青春にタイムスリップし、再び過去を経験して真実の愛を取り戻すハートフルなファンタジー・ドラマ。
撮影時、カミーユとエリックを演じる俳優は共に40代。カミーユの友人たちは20代と30代。カミーユはもちろん浮いているが、他の俳優たちは高校生役が意外に違和感なくてドラマに溶け込んでいる。

キャスリーン・ターナー&ニコラス・ケイジの「ペギー・スーの結婚/1986」と言う映画を見たことがある。浮気まみれの夫と別居中の妻が高校時代にタイムスリップして若き日の夫と出会い真実の愛を確認する…といった展開は本作とほぼ同じ。「ペギー・スーの結婚」はかなり素敵な映画だった。本作はまぁまぁかな?
ノエミ・ルボフスキーには「マリー・アントワネットに別れをつげて」でのカンパン夫人役が記憶に残っていたので、16歳の高校生役が笑える。
マチューはワンシーンにしか出演していなくて残念。

シネカリテにて(既に上映終了)
by margot2005 | 2015-12-04 23:25 | フランス | Comments(0)

「愛の犯罪者」

「L'amour est un crime parfait」…「Love Is the Perfect Crime」2013 フランス/スイス/ベルギー
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大学で文学を教えるマルクは女子学生が大好き。しかも運の良いことにいつも彼女たちの方から誘いをかけてくる。ある夜、キャンパスから一人の女子学生を雪に覆われた山荘へ連れ帰る。なんという名前だったか?とマルクは彼女の名前すら思い出せない。やがて一夜が明け、妹のマリアンヌに“昨夜何か物音がしたけど…”と問いつめられるが上手くかわしてしまう…

マルクに「青の寝室/2014」のマチュー・アマルリック。
マリアンヌに「美しき運命の傷痕/2005」「PARIS(パリ)/2007」「しあわせの雨傘/2010」「パリ警視庁:未成年保護特別部隊/2011」のカリン・ヴィアール。
アンナに「天使の接吻/1988」「フィフス・エレメント/1997」「パリ警視庁:未成年保護特別部隊:監督、脚本、出演」のマイウェン。
アニーに「恋は足手まとい/2005」「ダニエラという女/2005」「風にそよぐ草/2009」「ゲンズブールと女たち/2010」「漆黒の闇で、パリに踊れ/2012」「ラブバトル/2013」のサラ・フォレスティエ。
リシャールに「隠された記憶/2005」「サガン-悲しみよこんにちは-/2008」のドゥニ・ポダリデス。
監督、脚本はアルノー・ラリユー。

ある日、マルクを訪ねて刑事がやって来てバラバラの失踪について尋問する。適当に答えその場をしのぐマルク。そうこうするうち失踪したバラバラの継母アンナがマルクを訪ねてやって来る。やがて何度かアンナと会ううちに彼はアンナに恋をしてしまう。
とてもフランス映画らしい。そこここに“アムール”が漂う。マルクとアンナ。マリアンヌとリシャール。
夜中に行動するマルクに“あなたは夢遊病者なのよ。”とマリアンヌが言う。マルクの怪しい行動を彼女は知っていたのだろうか?いやそれはないとは思うけど…。

まずこのドラマの冬景色の美しさに圧倒される。ロケされたのはスイス、ローザンヌやフランスのローヌアルプス。ラストにスイスのヌーシャテル湖が映る。メイン舞台となったカレッジはスイス連邦工科大学ローザンヌ校。このカレッジが素晴らしく美しくて驚き。
映画を見終わって思い出したのはスペイン映画「カニバル/2013」。マルクはカニバリズム愛好家ではないけど、若い女性を車で連れ込む、雪に埋もれた山荘がどうしても「カニバル」を連想させる。
母親から虐待を受けて育ったマルク。歪んだマルクの性格はそのせい?未婚で妹と二人で暮らし互いの恋の相手に嫉妬する兄妹の関係がなんとなく怪しくも映る。
アニーに猛烈にアタックされる中年オヤジ役のマチュー。なぜか?モテまくる男を演じていて可笑しくてしかたなかった。

wowowにて
by margot2005 | 2015-08-05 23:25 | フランス | Comments(0)

「青の寝室」

「La chambre bleue」…aka「The Blue Room」 2014 フランス
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フランスの田舎町。農機の販売をするジュリアンには愛する妻デルフィーヌと幼い娘がいる。ある時、偶然再会した女性エステーと関係を持ってしまう。元々ジュリアンとエステーは幼なじみで、再会以来二人の関係は11ヶ月にも及んでいる。一方で、薬屋を経営するエステーの夫は病を抱えていた…

監督、脚本、出演(ジュリアン)に「ジミーとジョルジュ 心の欠片を探して/2013」のマチュー・アマルリック。
脚本、出演(エステー)にステファニー・クレオ。
デルフィーヌに「パリの確率/1999」「女はみんな生きている/2001」「ナルコ/2004」のレア・ドリュッケール。
判事にロラン・ポワトルノー。
原作はジュルジュ・シムノンの“青の寝室”。

ドラマのオープニングはジュリアンとエステーが愛し合うホテルにエステーの夫がやって来るところから始まる。窓からエステーの夫を見つけたジュリアンは慌てて身支度を整えホテルを後にする。
やがてシーンは変わり逮捕されたジュリアンを尋問する判事の部屋…尋問されるジュリアン、そして妻デルフィーヌと幼い娘のいる平和な家...シーンは過去、現在と行ったり来たりする。

エステーがジュリアンに“あなたの奥さんは私たちのことに気づいていないの?”と聞く。“妻は全く気づいていない。”と答えるジュリアン。しかし彼は後ろめたさから家族サービスに努めたりしている。
夫の浮気を妻は本当に知らなかったのだろうか?その辺りも曖昧にしか描かれない。ジュリアンとエステーはそれぞれの配偶者を本当に殺したのだろうか?結末は全く知らされない、あのあまりにも唐突のラストに唖然とする。
妻とは決して上手くはいってなかったが、妖艶なる女性に溺れ破滅へと向かった哀れな男が至ってお気の毒。マチュー・アマルリックがジャストな演技で素晴らしい。

マチュー・アマルリックと共同で脚本を書いているのは現在の彼のパートナーであるステファニー・クレオ。
マチューの大ファンなのでwowowで放映され、見る事ができて実に嬉しい。エロティックでまさにフランス映画といった展開のサスペンスは臨場感にあふれとても見応えがある。

wowowにて
by margot2005 | 2015-05-18 00:40 | フランス | Comments(0)

「ジミーとジョルジュ 心の欠片を探して」

「Jimmy P.」2013 USA/フランス
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1948年、アメリカ、モンタナ州ブラウニング。アメリカ・インディアン、ブラックフット族のジミーは第二次世界大戦から帰還後、原因不明の不快なる症状に悩まされていた。姉ゲイルと一緒に暮らすジミーは彼女に促されるままカンザム州トピカの軍病院へ入院する。しかしジミーを悩ます症状の原因を突き止めることはできず、困った病院のスタッフはニューヨークからフランス人精神科医ジョルジュ・ドゥヴルーを呼び寄せる…

ジミー・ピカードに「悲しみが乾くまで/2008」「チェ 28歳の革命/2008」「チェ 39歳別れの手紙/2008」「セブン・デイズ・イン・ハバナ/2012」「野蛮なやつら/SAVAGES/2012」のベニチオ・デル・トロ。
ジョルジュ・ドゥヴルーに「毛皮のヴィーナス/2013」のマチュー・アマルリック。
マドレーヌに「ノッティングヒルの恋人/1999」「ボルジア家 愛と欲望の教皇一族/2011~2013」「つぐない/2002」のジーナ・マッキー。
ゲイル・ピカードにミシェル・スラッシュ。
カール・メニンガー医師に「キング・オブ・マンハッタン 危険な賭け/2012」「グランド・ブタペスト・ホテル/2013」のラリー・パイン。
ホルト医師に「ミルク/2008」ジョセフ・クロス。
ヨークル医師に「13ディズ/2000」のエリヤ・バスキン。
ジェインに「フローズン・リバー/2008」「8月の家族たち/2013」のミスティ・アッパム。
監督、脚本は「キングス&クイーン/2004」「クリスマス・ストーリー/2008」のアルノー・デプレシャン。

第二次世界大戦で頭蓋骨を骨折し、頭痛や視覚障害を訴えるジミーの治療にあたったメニンガー、ホルト、ヨークルたち医師は科学的な方法でジミーの症状を解明しようとするが敵わない。そこで精神療法に長けるジョルジュ・ドゥヴルーにジミーを委ねる。人類学者でもある彼はアメリカ・インディアンのモハヴェ族の実地調査を行っていた人物。
ジョルジュとの対話で、ジミーは優しい姉や、元妻、そしてかつてのガール・フレンド、ジェイン等、女性たちとの関係を語り始める。戦争後遺症と思われていたジミーの症状は過去の体験や、女性たちとの関係に大きく影響しているとジョルジュは気づくのだった。ジミーには結婚と、一人の娘が存在する過去があった。
二人の対話は毎日続き、ジョルジュを訪ねてやって来た英国人の恋人マドレーヌが見守る中、患者と精神科医の間に友情のようなものが芽生え始める。

マチュー大好きなのと、お気に入り俳優ベニチオ・デル・トロの出演に是非観たかった一作。地味ながら二人の俳優が素晴らしい。監督はアルノー・デプレシャンだし…。
シアター・イメージフォーラムで予告を何度か観た。このシアターで公開される映画は万人好みではない。実話を元にしたとても重厚な心理ドラマは中々見応えがあった。

プエルトリコ出身のベニチオ・デル・トロがネイティブ・アメリカンを演じている。映画の舞台は1940年代。この頃彼らはインディアンと呼ばれていた。フランス人精神科医ジョルジュがユダヤ人でもあることも興味深い。
オフィシャルに“見るものに静かな感動を与える...”とあるがその通りのドラマ。

シアター・イメージフォーラムにて
by margot2005 | 2015-01-26 00:06 | フランス | Comments(0)

「毛皮のヴィーナス」

「La Vénus à la fourrure」…aka「Venus in Fur」2013 フランス/ポーランド
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ドラマは舞台演出家のトマが新しい舞台劇のために女優をオーディションするところから始まる。会場にうーんと遅れてやって来た無名の女優ワンダ。トマは追い返そうとするがワンダは決して帰ろうとしない。あきらめ境地のトマは仕方なしにオーディションを始める。トマを相手に台詞を語り始めるワンダ。やがてトマはワンダの演技に魅せられて行く...

ワンダ・ジュルダンに「フレンチなしあわせのみつけ方/2004」「エディット・ピアフ~愛の讃歌~/2007」「潜水服は蝶の夢を見る/2007」「危険なプロット/2012」「母の身終い/2012」のエマニュエル・セニエ。
トマ・ノヴァチェクに「グランド・ブタペスト・ホテル/2013」のマチュー・アマルリック。
監督、脚本は「おとなのけんか/2011」「ゴーストライター/2011」のロマン・ポランスキー。

原作“毛皮のヴィーナス”を書いたレオポルド・フォン・ザッヘル=マゾッホとは“マゾヒズム”の語源となった人物らしい。
本作はブロードウェイで大ヒットした二人芝居“毛皮のヴィーナス”をモチーフに作られている。そういえば監督の「おとなのけんか」も舞台劇だった。でも本作の出演者はエマニュエル・セニエ&マチュー・アマルリックの二人だけ。二人の延々と続くやりとり(台詞)の間にトマの恋人からかかる電話や、ワンダがかける電話の話に中断されるが、その他は全く二人だけの世界。その延々と続く台詞は舞台劇での台詞…いつも思うのは、あのような膨大な言葉(台詞)を俳優はどのようにして記憶するのか!?ということ。もうただただ感心の一言。一つのシーンだけで構成されるドラマなのだが、何日かけて撮影したのか?妙に知りたくなる。とにかく二人の俳優が素晴らしい!

エンドクレジットが始まると、パリのルーヴルやオルセー、そしてフィレンツェのウッフィツィなどにある巨匠の描いた“ヴィーナス”の絵画が登場する…ボッティチェッリ、ティツィアーノ、ドラクロワ、アレクサンドル・カバネルetc.で、ラストはやはり“ミロのヴィーナス”だった。

マチューの大ファン。本作の予告はシアターで何度も見ている。ちょっと興味深い作品かな?と思って楽しみにしていた一作。期待どうりの素晴らしいドラマだった。エマニュエル・セニエは昨今脇役ばかりで…本作でヒロインを演じる彼女も文句無しに素晴らしい。40代後半のエマニュエルが実に妖艶で驚く。

ハリソン・フォード主演のロマン・ポランスキー監督作品「フランティック/1988」にヒロインで監督夫人のエマニュエル・セニエが出演していたのを思い出す。パリが舞台のあのサスペンスはトレ・ビアン!だった。同じくポランスキー作品でエマニュエルがヒロインの「赤い航路/1992」もかなり前に見た作品なので今一度見てみたい。
マチュー映画は今週末公開されるベニチオ・デル・トロ共演の「ジョルジュ 心の欠片を探して/2013」が楽しみ。

ヒューマントラストシネマ有楽町にて
by margot2005 | 2015-01-10 00:07 | フランス | Comments(0)

「グランド・ブタペスト・ホテル」

「The Grand Budapest Hotel」2013 USA/ドイツ
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ムッシュ・グスタヴ・Hに「007 スカイフォール/2012」のレイフ・ファインズ。
ミスター・ゼロ・ムスタファに「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌/2013」のF・マーレイ・エイブラハム.
若き日のゼロにトニー・レヴォロリ。
監督/脚本/原案/製作は「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ/2001」「ライフ・アクアティック/2005」「ダージリン急行</2007」「ムーンライズ・キングダム/2012」のウェス・アンダーソン。

時は1932年。ヨーロッパの最高級ホテルであるグランド・ブタペスト・ホテルには究極のサービスでもてなすコンシェルジュ、ムッシュ・グスタヴ・Hがいる。ある日、移民のゼロ・ムスタファがムッシュのベルボーイ見習いとして働き始める。ムッシュに付かず離れずで忠実に仕事をこなすゼロ。そんな折、ムッシュにぞっこんの富豪のマダムDが殺害され、彼女の遺言により名画がムッシュに贈られることになる…

マダムD、息子ドミトリーと彼に雇われる殺し屋ジョプリング、マダムの館の執事セルジュ・Xとメイドのクロチルド。それぞれティルダ・スィントン、エイドリアン・ブロディ、ウイレム・デフォー、そしてウェス・アンダーソン初のフランス人俳優マチュー・アマルリックとレア・セドゥがナイス・キャスティング。特にマチューは良かった。

ゼロのガールフレンド、アガサ役のシアーシャ・ローナンがキュート。彼女が作る菓子もとてもキュートなのだ。そしてティルダ・スィントンの怪演と、ウイレム・デフォー演じる殺し屋がダークなのに可笑しくて最高。エドワート・ノートンの存在も面白かった。少々「ムーンライズ・キングダム」とかぶってはいたが...。

ムッシュがマダムDの殺人容疑で逮捕され刑務所に収監される。ハーヴェイ・カイテル演じるルートヴィヒに助けられ脱獄に成功したムッシュがゼロと共に疑惑を暴く様には大いに笑わせてもらった。真に笑ったウェス・アンダーソン映画は今回初めてかも知れない。
ウェス・アンダーソンの描く世界は絵本のようだが、本作は今迄で最高に美しい。何せグランド・ブタペスト・ホテルはピンクだ。ウェス・アンダーソンのもう一つの世界は乗り物。ホテルの玄関にたどり着くために乗るケーブルを始めとして、列車や車、スキーにソリまで登場する。そしてやはり「ダージリン急行」のインドの列車の旅を思い出した。

とにかく出演陣が上ポスターにあるようにとてもとてもゴージャス!
ウェス・アンダーソンとは相性が合わないながら本作はキャストの豪華さにパスすることなどできなかった。しかしながら主演のレイフ・ファインズ初コメディ映画はスゴく面白くて、巷で宣伝しているのか?初日の最終回、ミニ・シアターがなぜか?満員で驚いた。

舞台は仮想の国ズブロッカ共和国でロケはドイツ、ザクセン州(州都ドレスデン)。
本作の中では東ヨーロッパの歴史(ナチズムや難民)が語られ、映画のエンディングにオーストリアのユダヤ人作家シュテファン・ツヴァイクの名前が記されている。

TOHOシネマズ・シャンテにて
by margot2005 | 2014-06-29 20:20 | MINI THEATER | Comments(4)