タグ:ブルクハルト・クラウスナー ( 7 ) タグの人気記事

「アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男」

Der Staat gegen Fritz Bauer…akaThe People vs. Fritz Bauer2016 ドイツ

a0051234_23502965.jpg

a0051234_23504553.jpg

1950年代後半の西ドイツ、フランクフルト。検事長フリッツ・バウアーは妻と別居し仕事一筋の生活を送っている。戦後の経済復興が進み、戦争の記憶が風化しようとして行く中、理想主義者のユダヤ人バウアーはナチス戦犯の告発に執念を燃やし続けている。ある日、南米から1通の手紙がバウアーの元へ届く。それには逃亡中のナチス親衛隊中佐アイヒマン潜伏に関する情報が記されていた...


フリッツ・バウアーに「白いリボン/2009」「ゲーテの恋~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~/2010」「23年の沈黙/2010」「コッホ先生と僕らの革命/2011」「パリよ、永遠に/2014」「ヒトラー暗殺、13分の誤算/2015」ブルクハルト・クラウスナー。

カール・アンガーマンに「東ベルリンから来た女/2012」「あの日のように抱きしめて/2014」ロナルト・ツェアフェルト。

ヴィクトリアにリリト・シュタンゲンベルク。

監督、脚本はラース・クラウメ。


アドルフ・アイヒマンを描いた映画と言えば「ハンナ・アーレント/2012」「アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち/2015」2本。それぞれにアルゼンチン、ブエノスアイレスでモサドによって拘束された後、イスラエルで裁判にかけられるアイヒマンを描いている。

本作は1950年代の西ドイツ・フランクフルトを舞台に、ナチス戦犯の告発に執念を燃やす検事長フリッツ・バウアーが、ナチス残党による妨害や圧力にさらされながら孤立無援でアドルフ・アイヒマンを追いつめて行く姿を描く。

検事長バウアーの部下カール・アンガーマンは架空のキャラクターで同性愛者。そしてバウアー自身も同じ嗜好の持ち主で、ドラマでは二人の深い友情も語られる。


アドルフ・アイヒマンの罪をドイツ国内で裁きたいと願うバウアーは国家反逆罪に問われかねない危険も顧みず、単身モサド(イスラエル諜報特務庁)に乗り込み極秘情報を提供する。しかし今だ国内に寄生するナチスの残党からの妨害や圧力にさらされ孤立無援の苦しみを強いられる。


1950年代後半を舞台に描かれる「顔のないヒトラーたち/2014」も、ドイツ国民の間でナチスによるユダヤ人虐殺の事実は面倒な歴史として忘れ去られようとしていたことを案じた一人の検事が奔走し、1963年にアウシュヴィッツ裁判が行われることになったいきさつを描いた映画。このドラマを見た時にやはり「ハンナ・アーレント」を思い起こした。

50年代の西ドイツに熱心な検事がいたからこそアイヒマン裁判やアウシュヴィッツ裁判が行われたのだと感心した次第。


ドイツの名優ブルクハルト・クラウスナーが理想主義者のユダヤ人検事長フリッツ・バウアーを好演している。カール役のロナルト・ツェアフェルトも然り、そういえばちょっと太った?

怪しい女/男を演じるリリト・シュタンゲンベルクが強烈な個性を放っている。リリト・シュタンゲンベルク主演で今公開中の「ワイルド わたしの中の獣/2016」も見てきたのでレビューを書こうと思っている。


ヒューマントラストシネマ有楽町にて



[PR]
by margot2005 | 2017-01-21 00:02 | ドイツ | Trackback(2) | Comments(2)

「23年の沈黙」

「Das letzte Schweigen」…aka「The Sielende」2010 ドイツ
a0051234_0254254.jpg

ドイツの田舎町。ある日、13歳の少女が疾走し、後に死体となって発見されるが事件は迷宮入りしてしまう。そして23年後、以前と全く同じ麦畑で一人の少女が疾走する事件が起きる…

ピアに「ある愛の風景/2004」「未来を生きる君たちへ/2010」「真夜中のゆりかご/2014」のウルリク・トムセン。
ティモに「es [エス]/2002」「SOUL KITCHENソウル・キッチン/2009」「ヒンデンブルグ 第三帝国の陰謀/2001」「ピエロがお前を嘲笑う/2014」のヴォータン・ヴィルケ・メーリング。
エレナに「グッバイ、レーニン!/2003」「陽だまりハウスでマラソンを/2013」のカトリーン・ザース。
ダーヴィトに「バーダー・マインホフ 理想の果てに/2008」「血の伯爵夫人/2009」のゼバスティアン・ブロンベルク。
クリシャンに「白いリボン/2009」「ゲーテの恋~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~/2010」「コッホ先生と僕らの革命/2011」「パリよ、永遠に/2014」「ヒトラー暗殺、13分の誤算/2015」のブルクハルト・クラウスナー。
監督、脚本は「ピエロがお前を嘲笑う/2014」のバラン・ボー・オダー。

23年前に起きた事件は未解決に終わり、その事件のせいで妻と別れることになった元警官のクリシャン。一方で、警官のダーヴィトは妻を亡くしたばかりで情緒不安定に陥っている。クリシャンは今回起きた事件は23年前と同じ犯人だと考え独自に捜査を開始する。

夫とも別れ一人で暮らすエレナは23年前の事件で亡くなった少女の母親。とても酷似した事件が起き戸惑いを隠せない。そんなある日、クリシャンが訪ねて来る。やがて共に配偶者がいない二人は急接近して行く。

成功した建築家のティモは妻子に囲まれ幸せな日々を送っている。そんなある日、麦畑で疾走した少女の事件がTVから流れるのを見て愕然となる。彼は大学生の時にピアと言う一風変わった男と出会い親交を深めていた。そして二人は人には言えない共通の性癖を持っていた。やがてティモは名前を変え、過去を完全に封印して今の生活を得る。妻には知られてはならない性癖をひたすら隠して生きてきたティモは過去に引き戻され茫然自失に陥る。

過去と現在が何度か行ったり来たりする。ピア役のウルリク・トムセンはヘアー・スタイルを変え老けて見せているが、ティモを演じるヴォータン・ヴィルケ・メーリングの容貌が23年前とあまり変わらなく、ほぼ同じ時代の人間に見えて困った。
ウルリク・トムセンはドイツに移住してきたデンマーク人ピアを演じている。彼は善い人役が多いのでこういった役柄は初めて見たが、癖のあるキャラも似合っている。

クリシャンとエレナの急接近と、妻を亡くしたダーヴィトの滑稽なまでの嘆きぶりが、重いサスペンスの中でちょっと一息つける。
面白いサスペンスだったが映画のラストにすっきりしなかった。原タイトルは“最後の沈黙”で、結末はあれで良いのか?と思ったりもしたが、一番すっきりしなかったのは警官のダーヴィトに違いない。犯人は一人ではないと確信し上司に直訴するが聞き入れてもらえず事件解決と納めてしまったのだから...。

「ピエロがお前を嘲笑う/2014」が大ヒットしているのに多分便乗して1週間限定のレイトショー(だれでもワンコイン500円で鑑賞できる)で公開された(既に上映終了)。映画はDVDで上映なので画質は悪い。

新宿 シネマカリテにて
[PR]
by margot2005 | 2015-10-31 00:49 | ドイツ | Trackback | Comments(0)

「ヒトラー暗殺、13分の誤算」

「Elser」…aka「13 Minutes」2015 ドイツ
a0051234_23271859.jpg
a0051234_23271085.jpg
a0051234_2327358.jpg
a0051234_23265613.jpg

1939年11月8日、ミュンヘン。恒例のミュンヘン一揆記念演説を行っていたアドルフ・ヒトラーは、その日の悪天候によりいつもより早く演説を切り上げる。やがて人々が会場から去った後仕掛けられた時限爆弾が爆発する。それはヒトラーの演説が終わった13分後だった...

ゲオルク・エルザーに「白いリボン/2009」のクリスティアン・フリーデル。
エルザに「コーヒーをめぐる冒険/2012」のカタリーナ・シュットラー。
アルトゥール・ネーベ大佐に「白いリボン」「ゲーテの恋~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~/2010」「コッホ先生と僕らの革命/2011」「パリよ、永遠に/2014」のブルクハルト・クラウスナー。
ハインリヒ・ミュラーに「顔のないヒトラーたち/2014」のヨハン・フォン・ビューロー。
監督は「es [エス]/2001」「ヒトラー ~最期の12日間~/2004」「ダイアナ/2013」のオリヴァー・ヒルシュビーゲル。

家具職人ゲオルク・エルザーはスパイなどではなくたった一人でヒトラー暗殺を実行した。自身の暗殺を知ったヒトラーは容疑者に対し徹底的な尋問を命じる。命を受けたナチスの親衛隊ネーベとゲシュタポ局長ミュラーは、“暗殺の背後に誰がいる?”と問いつめエルザー単独犯を決して信じようとしない。やがて尋問は拷問に至るがエルザーの答えは変わらない。いや変えられないのだ。単独犯なのだから…。口を割らないエルザーに業を煮やしたゲシュタポはエルザーの恋人エルザを連行してくる。

ドラマは過去に戻る…美しい湖のほとりで友人たちと音楽やダンスに興じるゲオルク・エルザー。ゲオルクは音楽を愛し、平和を愛する家具職人。ある夜、酒場で人妻エルザと出会い魅了される。エルザは暴力をふるう夫に悩まされているが子供を持つ身で別れることもできない。しかし互いに惹かれ合う二人は逢瀬を重ねて行く。
一方でナチスに対する不満を募らせるゲオルクは、ユダヤ人の友人が連行され過酷な労働を強いられていることを知りますますナチスに対して反感を抱くようになる。そこで彼は行動にでるのだ。
たった一人で組み立てた時限爆弾を森に持ち込み爆発の実験を行う。ゲシュタポも認めたように彼の作った時限爆弾はかなりの優れもの。職人のゲオルクは器用な人だったに違いない。巧妙に計画をたて実行に移したものの爆発時間がズレさぞかし悔しかったことだろう。

拷問のシーンなどとてもリアルで目を背けるシーンが多くちょっとツライ映画。でも又一つナチスが起こした悲惨な史実を知った。
原タイトルは主人公の名前。エンディングにゲオルク・エルザー本人の写真が登場する。
反ヒトラーに転じたネーベが殺されてもエルザーは殺されず、ナチスの収容所で生かされたまま1945年4月9日、ヒトラーの死の少し前に処刑された。
エンディングにゲオルク・エルザーの私生活はフィクションであると記される。そう確かに彼の私生活はドラマティックだった。

BSの旅番組で見たヒトラー演説の場所として有名なミュンヘンのビアホール“ホフブロイハウス”。そこで撮影されたのだろうか?あのシーンはスゴく臨場感があった。
トム・クルーズ主演の「ワルキューレ/2008」でもアドルフ・ヒトラー暗殺が描かれている。ヒトラー暗殺は40回以上行われたにも関わらず一度も成功しなかったと言う。暗殺においてはヒトラーはとてつもない強運の持ち主だったに違いない。

TOHOシネマズシャンテにて
[PR]
by margot2005 | 2015-10-26 23:33 | ドイツ | Trackback(5) | Comments(0)

「パリよ、永遠に」

「Diplomatie」…aka「Diplomacy」2014 フランス/ドイツ
a0051234_22574212.jpg
a0051234_22573364.jpg

1944年8月25日深夜、ナチス・ドイツ占領下のパリ。ヒトラーにパリ破壊を命じられた男と、パリを守りたい男の駆け引きが始まる…

スウェーデン総領事ラウル・ノルドリンクに「あるいは裏切りという名の犬/2004」「アガサ・クリスティーの奥様は名探偵/2005」「ミックマック/2009」「風にそよぐ草/2009」「美女と野獣/2014」「愛して飲んで歌って/2014」のアンドレ・デュソリエ。
ディートリヒ・フォン・コルティッツ将軍に「潜水服は蝶の夢を見る/2007」「フェアウェル/哀しみのスパイ/2009」「サラの鍵/2010」「戦火の馬/2011」のニエル・アレストリュプ。

ハウプトマン・ヴェルナー・エーベルナッハに「白いリボン/2009」「ゲーテの恋~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~/2010」「23年の沈黙/2010」「コッホ先生と僕らの革命/2011」ブルクハルト・クラウスナー。

監督、脚本は「ブリキの太鼓/1979」「スワンの恋/1983」「シャトーブリアンからの手紙/2011」のフォルカー・シュレンドルフ。

「シャトーブリアンからの手紙」を観ていたので公開されたら是非観たいと思っていた一作。
事実を元に描いた密室ドラマは素晴らしかった。二人の俳優も適役だ。

破壊予定の場所を標したパリの地図を広げるコルティッツ将軍…
建物はエッフェル、オペラ、エトワール、ルーヴル、アンバリッド、ノートルダムetc.
駅舎はオルセー(この当時はまだ駅舎)、北、東、リヨン、サン・ラザールetc.
そして橋はポンヌフを除いた33カ所。
今や世界中からの観光客が集まるスポットばかりを破壊しようとしたアドルフ・ヒトラー。ヒトラーはパリが大好きで愛人を伴って二度訪れていたそう。特にオペラ座がお気に入りだったとか。しかしベルリンを破壊されパリに仕返しをしようと目論む。

“パリを破壊せよ!”との命令を受けたドイツ軍パリ防衛司令官コルティッツ将軍。その命令文には“背けば妻子を殺害する!”と明記してあった。ヒトラーに逆らうことなどできないコルティッツはパリ破壊への準備を着々と進めて行く。
そんな折、スウェーデン総領事であるラウル・ノルドリンクが将軍の駐留するホテル、ル・ムーリスにやって来る。中立国であるスウェーデン人外交官ノルドリンクはパリ生まれのパリ育ち。パリを守りたい一心でコルティッツを説得し始める。
“命令に背けば妻子が殺される!”と訴えるコルティッツ。そこでノルドリンクは妻子を中立国であるスイスに行けるよう手配すると約束する。
コルティッツ将軍の部下や、ホテルの従業員が行き交う中二人の交渉は決裂するかに見えたが、コルティッツも最後の最後には折れ破壊作戦中止を宣言する。ノルドリンクの交渉、そして説得によりパリは守られたのだ。

舞台となる超高級ホテル、ル・ムーリスはリヴォリ道りに沿いに建ち窓からチュイルリー庭園が見渡せる超高級ホテル。パリに行った時チュイルリー庭園から何度も目にしているがホテルに足を踏み入れたことは一度もない。ホテルはルーヴルの近くにあり、ドラマの中でも語られるようにここはかつてナポレオン3世が愛人ミス・ハワードと熱い一時を過ごした場所らしい。

ルーヴルがもし破壊されていたら…なんて考えられない。そしてヒトラーはモナリザも狙っていた様子。
そびえるノートルダム寺院には左右上下数カ所に爆弾をしかけ、セーヌ川沿いに立つエッフェルには魚雷を仕掛けたとドラマで語られるシーンに唖然とする。

でも映画を観た後ふと思ったのは、パリを破壊するにあたって“市民を巻き込んでは行けない!”と主張するノルドリンク。結果パリ破壊は免れたが、この後もまだ戦争は続き、1945年2月、連合軍がドイツの美しい街ドレスデンを爆撃した際は大勢の市民が犠牲になったと言う事実を忘れてはならない。
ルネ・クレマンの「パリは燃えているか/1966」という有名な映画がある。1944年8月7日~25日までのパリ解放までを描いたドラマ。本作もパリ解放でエンディングを迎える。俄然「パリは燃えているか」が見たくなった。

ヒューマントラストシネマ有楽町にて

[PR]
by margot2005 | 2015-03-13 23:09 | フランス | Trackback(7) | Comments(3)

「コッホ先生と僕らの革命」

「Der ganz große Traum」…aka「Lessons of a Dream」 2011ドイツ
a0051234_23541946.jpg

ダニエル・ブリュール映画は「セブン・デイズ・イン・ハバナ/2012」以来(本作は以前の製作)だが、ちょっと前にジュリー・デルピーが監督、製作、脚本、主演し、音楽まで担当した未公開作「血の伯爵夫人/2009」をwowowで観た。ヒロインの相手役を演じたダニエルはとてもキュートで、おまけにホラー映画であり中々面白かった。
スペイン人の母親と、ドイツ人の父親を持つダニエルは童顔のせいかとても若く見える(1978年、6月生まれ)。

本作はドイツにサッカーを広め、後に“ドイツ・サッカーの父”と呼ばれるようになったコンラート・ コッホと彼の教え子たちの物語。
イングランドがサッカー発祥の地ということは知っていたが、最初は野蛮なスポーツと見なされドイツ本国でも受け入れられるまで時間がかかったというサッカーの歴史が面白い。と言うことは、イングランド人て野蛮なのか?
a0051234_2356360.jpg
a0051234_23552312.jpg
a0051234_23551262.jpg
a0051234_2355498.jpg
a0051234_23545551.jpg
a0051234_23544549.jpg

1874年、ドイツ、ブラウンシュヴァイク。オックスフォードへの留学から戻ったコンラート・ コッホは名門カタリネウム校にやって来る。校長のグスタフ・メアフェルトはドイツで初めての英語教師として彼を採用したのだ。しかしながら生徒たちは教壇に立ち英語を教えるコッホに全く興味を示さない。ある時コッホにある考えが浮かび、生徒たちを体育館に呼び寄せる。オックスフォードから持ち帰った愛用のサッカー・ボールを手に“これはボールだ!”と英語で話し始める。そしてサッカー用語を連発しながらボールをキックしゴールへと入れる。コッホのマネをしながらボールを蹴り、ゴールに入れるを繰り返すうち彼らはサッカーというスポーツに興味を抱くようになる...

主演のコンラート・コッホにダニエル・ブリュール。
校長グスタフ・メアフェルトに「白いリボン/2009」「ゲーテの恋~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~/2010」のブルクハルト・クラウスナー。
フェリックス・ハートゥングにテオ・トレブス。
ヨスト・ボーンシュテットに「トスカーナの贋作/2010」のアドリアン・ムーア。
フェリクスの父親で会長のリヒャルト・ハートゥングに「es[エス]/2001」のユストゥス・フォン・ドーナニー。
歴史の教師ボッシュに「善き人のためのソナタ/2006」のトマス・ティーマ。
ヨストの母親クララ・ボーンシュテットにカトリン・フォン・シュタインブルク。
教会の牧師に「厨房で逢いましょう/2006」のヨーゼフ・オステンドルフ。
監督、原案はセバスチャン・グロブラー。

上に若く見えると書いたダニエル・ブリュール…彼ってとても爽やかなのだ。本作では爽やかなダニエルが100%見られる。今までで一番爽やかなダニエルに会えること間違いなし。
サッカーに興味を持った子供たち。しかしドイツ帝国の教育は秩序と服従が全てと言い切る会長とコッホの間に亀裂が生じ、野蛮なスポーツであるサッカーをすることは許さない!と宣言され、“野蛮なスポーツを子供たちに教えた責任を取れ!”とカタリネウム校を追い出されることになる。
しかしこの後は語るまでもない。子供たちがサッカーを続けなくてはドイツにサッカーというスポーツが広まらなかったのだから…。

富裕層である会長の息子フェリックスと母子家庭に育つヨスト…この二人を軸に物語は展開して行く。ちびのヨストが意外にもフォワードの才能があったりして、とても心温まるドラマに仕上がっている。
ダニエル主演の「ベルリン、僕らの革命/2004」を文字った邦題は全く持っていただけない。

TOHOシネマズ・日比谷シャンテにて
[PR]
by margot2005 | 2012-10-01 23:58 | ドイツ | Trackback(5) | Comments(0)

「ゲーテの恋~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」〜」

「Goethe!」 …aka「Young Goethe in Love」2010 ドイツ
a0051234_1648563.jpg

ヨハン・ゲーテに「ブッデンブローク家の人々/2008」「イングロリアス・バスターズ/2009」のアレクサンダー・フェーリング。
シャルロッテ・ブッフにミリアム・シュタイン。
アルベルト・ケストナーに「ミケランジェロの暗号/2010」のモーリッツ・ブライブトロイ。
ゲーテの父にヘンリー・ヒュプヘン。
シャルロッテの父に「ベルリン、僕らの革命/2004」「白いリボン/2009」のブルクハルト・クラウスナー。
ゲーテの友人ウイルヘルム・イェーザレムに「バーダー・マインホフ 理想の果てに/2008」「愛を読むひと/2008」のフォルカー・ブルック。
監督、脚本に「アイガー北壁/2008」のフィリップ・シュテルツェル。
a0051234_16484730.jpg

1772年、ドイツ、ヴェッツラー。フランクフルト生まれのヨハン・ゲーテの夢は作家になること。しかし出版社に送った原稿はボツとなり、父親の命により田舎町ヴェッツラーの裁判所で実習生として働くことを余儀なくされる。そしてゲーテはある日、田舎町で催された舞踏会でシャルロッテという女性と出会う...

アレクサンダー・フェーリング…「イングロリアス・バスターズ」でのナチス、ドイツのユニフォーム姿は以外に印象に残らなかったが、今回よく見るとマシュー・マコノヒー似(上の写真は似てないですが...)の彼はイケメンなのだ。来日してTVに映っている姿も見たけど、かなりキュートでラヴ・ストーリーが似合う。
そして、ミリアム・シュタインは若き日のデブラ・ウインガーにとても良く似ている。

裕福な家庭に生まれ、ハンサム・ボーイだったゲーテは何度も恋に落ち、失恋もしている。ゲーテは相当なる“恋多き男”だったように思える。ゲーテを演じたアレクサンダー・フェーリングはきわめてgood。
“若きウェルテルの悩み”はもちろん読んだが、それは数十年前のことなので、ストーリーは全く覚えていない。この機会に今一度読んでみたい。
Internationalタイトルの“恋する若きゲーテ”がナイス。

がさつではあるが美しいシャルロッテに出会ったゲーテは一瞬で恋に落ちる。友人の後押しもあり、ゲーテはシャルロッテの家に会いに行く。燃え上がる二人を誰も止めることは出来なかった。しかし、子だくさんで男やもめの父親は、娘には裕福な男との結婚を望んでいた。
いわゆる見合い結婚(arranged marriage)である。そしてその相手はあろうことかゲーテの上司のケストナーだった。やがてやむにやまれぬトライアングル状態に陥る。シャルロッテはゲーテが恋しくて、恋しくて涙に暮れるが、父親や、幼い弟、妹のことを考えるとケストナーとの結婚を選ぶしかなかった。この時代の女性はホントお気の毒。
そして、ゲーテも恋に破れ自暴自棄になるが、自殺は思いとどまり、ペンと紙に全てを委ねる。

映画は少々大胆に描かれている。あの時代いくら惹かれ合っても、あんな簡単にメイク・ラヴには至らなかったであろうと想像する。でもロケされた景色は美しかった。

エンディングで…“結婚し子宝に恵まれたシャルロッテは一度だけゲーテに会った。”という解説が出る。シチュエイションは違うが、これより20年ほど後の物語「ジェイン・オースティン 秘められた恋/2007」のトムとジェインを思い浮かべた。

ゲーテの上司で、ゲーテの恋敵でもあるケストナー役のモーリッツは大好きなドイツ人俳優。彼の映画が2本、同じシアターで同時に上映されているって最初で、最後かも知れない。嬉しい限りだ。コメディが似合う彼も、今回はラヴ・ストーリーでマジな役柄。モーリッツって顔が笑えるのだ!と思った。

私的にこういった時代物映画は大好きだが、シアターの席はやはり空いていた。観る人限られる映画である。

TOHOシネマズシャンテにて
[PR]
by margot2005 | 2011-11-06 17:11 | ドイツ | Trackback(6) | Comments(4)

「白いリボン」

「Das weisse Band - Eine deutsche Kindergeschichte」…aka「The White Gibbon」2009 ドイツ/オーストリア/フランス/イタリア
a0051234_0131271.jpg

学校教師にクリスティアン・フリーデル。
男爵家で働くエヴァにレオニー・ベベシュ。
男爵に「善き人のためのソナタ/2006」「アイガー北壁/2008」「セラフィーヌの庭/2008」のウルリッヒ・トウクール。
男爵夫人にウルシーナ・ラルディ。
男爵の息子ジギにフィオン・ムーテルト。
牧師に「ベルリン、僕らの革命/2004」のブルクハルト・クラウスナー。
牧師の息子マルティンにレオナルド・プロクサウフ。
ドクターにライナー・ボック。
助産婦に「ピアニスト/2001」のスザンヌ・ロタール。
小作人に「アイガー北壁」のブランコ・サマロフスキー。
監督、脚本に「ピアニスト」「隠された記憶/2005」のミヒャエル・ハネケ。
a0051234_0135413.jpg
a0051234_0134611.jpg
a0051234_0133582.jpg
a0051234_0132248.jpg

1913年7月、北ドイツの小さな村。ある日、ドクターが自宅前に張られた針金につまずき落馬して大けがを負う。次に牧師の娘と息子は帰りが遅いことを父親にとがめられ“白いリボン”をはめられる。その後男爵の製材所で小作人の妻が事故死し、何者かによって男爵のキャベツ畑が荒らされたり、納屋が火事になったり、次々と事件が発生するがそれらは一向に解決しない。やがて村人の間に不安と、不信が募って行く...

第一次世界大戦勃発直前の1913年、北ドイツの小さな村。その村の教師のナレーションで始まる物語は、経済的な支配者である男爵と、宗教的な支配者である牧師を中心に、男爵一家、牧師一家、男爵の家令一家、ドクター一家、そして小作人一家が織りなす愛憎の人間ドラマ。

ドクターが亡くなった妻そっくりに成長した美しい娘を執拗に見つめ、中年の助産婦相手に自らの欲望を満たす。男のエゴ丸出しシーンには嫌悪感で鳥肌がたつ。一方で男爵夫人はしばらく滞在したイタリアで愛人を作り夫に一方的に別れを告げ去って行く。醜い大人たちの振る舞いの中で、救いは教師とエヴァが出会い、ほのかな恋の後、結婚に至ったことだけかな。
ドクターの落馬事故から始まって小作人の妻が亡くなり、男爵の息子ジギが行方不明となる。そして助産婦の息子カーリが大けがを負う。間に男爵家のキャベツ畑が荒らされたり(これは小作人の長男マックスの仕業)、納屋が火事になり、中で首を吊っている小作人が発見される。しかし一連の犯人は誰なのか明かされないまま、第一次世界大戦が始まったという知らせが届きエンディングを迎える。
次から次へと起こる不可解な事件に震撼する村人たち。冷たく、張りつめた空気漂う村の姿がモノクロ映像からひしひしと伝わって来る。しかしながら物語のテーマは宗教(プロテスタント)と貴族の支配。いつものように非日常この上ない展開に小説を読んでいるような気分だった。

鬼才と呼ばれるミヒャエル・ハネケ。「ピアニスト」は観たけど「ファニーゲームU.S.A」はシアターに行かなかった。後にWOWOWで放映された時に観たけど、あまりに惨くて、あほらしくて途中でやめた。鬼才の描く世界にはついて行けなかった。

マルティン役のレオナルド・プロクサウフは将来有望なる若手ドイツ人俳優。彼は「ブッデンブローク家の人々/2008」で次男クリスティアンの若き日を演じていた。
銀座テアトルシネマにて
[PR]
by margot2005 | 2011-01-27 00:42 | ドイツ | Trackback(18) | Comments(2)