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「ハッピーエンド」

Happy End2017 フランス/オーストリア/ドイツ

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フランス北部の港町カレー。ブルジョワのロラン家は豪邸に三世代で暮らしている。

杖がないと歩けないジョルジュはどうすれば死ねるか?ということばかり考える日々。実際お抱えの理容師に銃を用意してくれないか?と持ちかけ断られている。父親ジョルジュから家業を継いだ長女アンヌはエネルギッシュに仕事を切り盛りしているが、専務職につく彼女の息子ピエールはビジネスマンとしてナイーブ過ぎる性格で仕事が上手くいかない。そして長男トマは医師で若い妻アナイスと再婚しているが、前妻が亡くなり13歳の娘エヴを引き取ることになる


オープニングはスマートフォンで撮影した映像で、一時スマートフォンからの映像が映し出される。ラストでそれはSNSに取り憑かれたエヴが撮影していたことが明らかになる。エヴはオープニングで母親、ラストでは祖父を撮影している。

エヴの父親トマがネット上でワイセツな会話をエスカレートしている様が強烈。

疎遠だった祖父と孫娘...ある時、祖父が打ち明けた妻の死にまつわるとんでもない話。秘密ができた二人の間に妙な絆が芽生え、ラストへと繋がっていって興味深い。


本作は「愛、アムール」の後日談っぽいストーリー。

カレーに住むブルジョワ一家のメンバーはそれぞれに問題を抱えている。

死にたいと願いつつも死ねないジョルジュ。離婚歴があり、生まれたばかりの子供の父親であるトマはほぼニンフォマニア。そしてピエールは情けない男。男たちは皆実に情けない。反面女性たちは皆それぞれに問題を抱えてはいるが気丈夫である。

アンヌがいなければこの一家は崩壊してしまうのではないか?と思うくらい彼女の存在感は大きいなぁと思った。


「愛、アムール」のレビューに今迄観たハネケ映画の中では私的に一番好きな作品となった。と書いている。なぜ?好きなと書いてしまったのか?それはひとえに愛情深いドラマだったから。本作も愛情深いドラマである。それはラストにもしっかりと描かれている。

ポスターの家族の写真とタイトルはマッチしている。しかしながら、ハッピーエンド」とつけたタイトルはドラマにふさわしいのだろうか?そしてスマートフォンを操作する悪魔のようなエヴが面白い。


アンヌ・ロランに「愛、アムール/2012」「未来よ こんにちは/2016」「エル ELLE2016」のイザベル・ユペール。

ジョルジュ・ロランに「愛、アムール」のジャン=ルイ・トランティニャン。

トマ・ロランに「クリムゾン・リバー/2000:監督、脚本」「ミュンヘン/2005」「エージェント・マロリー/2011」「裏切りのスナイパー/2012」のマチュー・カソヴィッツ。

エヴに「少女ファニーと運命の旅/2016」のファンティーヌ・アルデュアン。

ピエール・ロランに「ヴィクトリア/2015」のフランツ・ロゴフスキ。

アナイスに「神様メール/2015」のローラ・ファーリンデン。

アンヌのフィアンセ、ローレンスに「ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦/2016」のトビー・ジョーンズ。

監督、脚本は愛、アムール」のミヒャエル・ハネケ。


角川シネマ有楽町にて(既に上映終了/新宿武蔵野館にて上映中)


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by margot2005 | 2018-04-12 22:35 | フランス | Trackback | Comments(0)

「ダンケルク 4Kレストア版」

Week-end à Zuydcoote1964 フランス/イタリア

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19406月、北フランス、ダンケルクにほど近いズイドコートの海岸。そこには40万近い英仏連合軍の兵士がひしめき、彼らは絶望と不安に苦しめられていた。そしてジュリアンマーヤ曹長はテントを張りアレクサンドル、デリイ、ピエルソンら3人の戦友と野営をしていた


ドラマがどのような展開になるのか全く知らなかった。戦争映画にロマンスを絡める辺りはアムールの国フランスらしい。戦争映画ではあるが、マーヤ曹長が戦場で遭遇する人々との出会いと別れを軸に描かれていて、これってヒューマンドラマ?と思わせるほど。

反戦映画と書いてある映画案内を見つけ、ドラマの中でもアレクサンドルが妻が待っているから除隊したい。と言っていたり、マーヤ曹長も早くこの場から逃れたいと必死になっている姿を見て反戦映画らしき雰囲気がうかがえる。

「ダンケルク/2017」英国軍がドーヴァー海峡を渡り始め、フランス兵の乗船を拒否している模様を描いていたが、本作でもそれはあり。そしてドイツ軍の空爆も激しいがドイツ兵は一切登場しない。


2/173/2まで角川シネマ有楽町で華麗なるフランス映画ドロン!ドヌーヴ!モロー!ベルモンド!を開催している。昨年の9月に「ダンケルク/2017」を鑑賞してジャン=ポール・ベルモンドの本作が気になっていた。で、あまりにもタイムリーに1964版が公開されると知ってシアターへ!

でも期待した割にはそれほどでもなかったかな?4Kレストア版の映像は驚くほど綺麗だったけど...。


今年85歳になるジャン=ポール・ベルモンド。ちょっと調べてみたら「パリの確率/1999」以来、彼の映画は日本で公開されていないし、ほぼ10年くらい映画にも出演していない様子。

ロマン・デュリス主演の「パリの確率」とアラン・ドロンと共演した「ハーフ・ア・チャンス/1998」はwowowで見ている。

ジャン=ポール・ベルモンド映画は大昔にリバイバル上映で見たような気もするが記憶にないので、シアターで初めて鑑賞したベルモンド映画としておきたい。


ジュリアンマーヤに「勝手にしやがれ/1959:気狂いピエロ/1965」「パリは燃えているか/1966」のジャン=ポール・ベルモンド。

ジャンヌに「太陽の下の18才/1962」のカトリーヌスパーク。

アレクサンドルに「サムライ/1967」のフランソワ・ペリエ。

デリイに「ヘッドライト/1955」のピエール・モンディ。

ピエルソンに「ダ・ヴィンチ・コード/2006」「ミックマック/2009」ジャンピエール・マリエール。

監督は「地下室のメロディー/1963」「シシリアン/1969」のアンリ・ヴェルヌイユ。

原作はロベール・メルルのズイドコートの週末


角川シネマ有楽町にて(期間、時間限定公開中)



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by margot2005 | 2018-02-25 23:19 | フランス | Trackback | Comments(2)

「女の一生」

Une vie…akaA Woman's Life2016 フランス/ベルギー

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17歳になった男爵家の一人娘のジャンヌは修道院で教育を受け、希望を胸に親の元へと戻る。ある時、ジャンヌは美青年ジュリアンを紹介され恋に落ちてしまう。やがて二人は結婚。愛する人は君だけだ!と約束したジュリアンが乳姉妹のロザリと浮気をしていることが発覚する


結婚後ジュリアンは豹変する。金に執着し暖炉の薪を燃やし過ぎだとジャンヌを非難する。やがてロザリは妊娠するが、相手が誰か決して話そうとはしなかった。


フランスの文豪モーパッサンの古典的名作の映画化なので辛気臭いと想像してはいたがここまでとは。途中でやめようか?とも思ったけど何とか最後まで頑張って鑑賞した。


モーパッサンの小説は過去に読んだことがある。でも相当前なのでストーリーはほとんど記憶にない。おまけに他の名作(ボヴァリー夫人とかアンナ・カレーニナとか)とごっちゃになっているし...。不倫小説って大体ヒロイン(妻)が浮気するから、これもそうだと思い込んでいたら夫の方が浮気する物語だった。


19世紀が舞台なのでドラマは限りなくスローに進む。

17歳から中年女性までを演じるジュディット・シュムラ。17歳はちょっとキツいけど男を知らない女性を果敢に演じている。

男爵を演じるジャン=ピエール・ダルッサンが最初誰だかわからなかった。終盤では老人に変身してしていてますます誰?だった。

そして古典もののヨランド・モローもいつもとは違っていて、彼女らしくないけど思いのほか似合っている。

男に翻弄され続けた女ジャンヌの一生は幸せだったのだろうか?ドラマのラストに希望が見えて、見終わってホッとした。


ジャンヌに「ヴェルサイユの子/2008」「カミーユ、恋はふたたび/2012」 のジュディット・シュムラ。

男爵に「間奏曲はパリで/2013」のジャン・ピエール・ダルッサン。

男爵夫人に「シークレット・オブ・モンスター/2015」のヨランド・モロー。

ジュリアンに「ヴィクトル・ユゴー 笑う男/2012アナーキスト 愛と革命の時代/2015」のスワン・アルロー。

ロザリに「虚空の鎮魂歌(レクイエム)/2012」のニナ・ミュリス。

ポール(成人)に「シャトーブリアンからの手紙/2011」のフィネガン・オールドフィールド。

監督、脚本は「ティエリー・トグルドーの憂鬱</2015」のステファヌ・ブリゼ。


岩波ホールにて(22まで)


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by margot2005 | 2018-01-31 22:16 | フランス | Trackback | Comments(2)

「ルージュの手紙」

Sage femme…akaThe Midwife2017 フランス

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クレールは大学生の息子を持つシングルマザー。助産師の彼女は生真面目な性格で日々禁欲的な生活を送っている。そんなクレールの元に30年前に別れた義母ベアトリスから電話が入る…


生真面目な性格の女性と自由奔放に生きる女性。全く対照的な性格の二人が30年ぶりに再会する。ベアトリスはクレールの父親の元妻。血は繋がらないが二人は一時期、母と娘の関係にあった。しかしベアトリスはある日突然夫を捨てて家を出ていた。ベアトリスのせいで父親が亡くなったと信じているクレールは彼女を許すことができない。


ベアトリスがクレールに連絡をしてきたのは脳腫瘍に侵されてたから…。クレールは酒もタバコもやめようとしないベアトリスを非難するが一向に効き目がない。

二人のやりとりにユーモアがあって良いな。脳腫瘍に冒されているベアトリスより、生真面目な助産師のクレールの方が暗い雰囲気を漂わせていて笑える。


フランス映画祭2017のオープニング作品。しかしながらほぼ一ヶ月で上映終了(1/12迄)。このシアターは料金が安いためレディースデイはかなり混む。で、それはちょっと避けて他のウイークデイに見たけど、かなり混雑していた。

私的に最近公開されるフランス映画はなんとなくつまらないものばかりなので本作も全く期待していなかった。しかしドラマは想像以上に良くて観客が多いのに納得。なのになぜ上映打ち切るのか不思議?


以前、wowowでカトリーヌ・ドヌーヴ主演の「ミス・ブルターニュの恋/2013」を見た。恋する女性を演じていたが意外や違和感なし。「シェルブールの雨傘/1963」で有名になった彼女は「パリジェンヌ/1961」以来ほぼ60年フランス映画で活躍している。おまけに今だに美しい。このような女優って他にいる?

ドラマの中でカトリーヌ・フロ演じるクレールに”あなたは昔から老け顔だったから…”なんて言っていたのを思い出した。二人に年の差はあるけど、ドヌーヴは年齢(70代)の割には若く見えるので、あれって彼女の本音かも知れない。


クレールに「偉大なるマルグリット/2015」のカトリーヌ・フロ。

ベアトリスに「太陽のめざめ/2015」のカトリーヌ・ドヌーヴ。

ポールに「午後8時の訪問者/2016」のオリヴィエ・グルメ。

シモンに「あの頃エッフェル塔の下で/2015」のカンタン・ドルメール。

ロランドに「100歳の少年と12通の手紙</2009」/a>のミレーヌ・ドモンジョ。

セシールに「愛について、ある土曜日の面会室/2009」「メニルモンタン 2つの秋と3つの冬/2013」のポーリーヌ・エチエンヌ。

監督、脚本は「セラフィーヌの庭/2008」「ヴィオレット-ある作家の肖像-/2013」のマルタン・プロヴォ。


シネスイッチ銀座にて(1/12迄)



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by margot2005 | 2018-01-13 20:46 | フランス | Trackback | Comments(2)

「女神の見えざる手」

Miss Sloane2016 フランス/USA

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アメリカ合衆国、ワシントン。エリザベス・スローンは大手ロビー会社コール=クラヴィッツ&Wで働く超やり手の剛腕ロビイストで、目的のためなら手段も厭わない強者。ある日、銃擁護派団体から君の力で女性を銃賛成派に変えろと頼まれるが、それを一笑に付してしまう。やがてエリザベスの態度に怒りを爆発させた上司は彼女に即刻首を言い渡す。一方で小さな新興ロビー会社のCEO、シュミットがエリザベスに目を付け接近して来る


エリザベス・スローンに「スノーホワイト/氷の王国/2016」ジェシカ・チャスティン。

ロドルフォ・シュミットに「キングスマン/2014」マーク・ストロング。

エズメ・マヌチャリアンに「砂上の法廷/2016」「美女と野獣/2017」ググ・ンバータ=ロー。

ジェーン・モロイに「ローマでアモーレ/2012」アリソン・ピル。

パット・コナーズに「メッセージ/2016」マイケル・スタールバーグ。

フォードに「キャロル/2015」「ワタシが私を見つけるまで/2016」のジェイク・レイシー。

ジョージ・デュポンに「華麗なるギャツビー/1974」のサム・ウォーターストン。

スパーリング上院議員に「ドリームガールズ/2006」「人生は小説よりも奇なり/2014」のジョン・リスゴー。

監督は「恋におちたシェイクスピア/1998」「マリーゴールド・ホテルで会いましょう/2011」「マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章/2015」ジョン・マッデン。


ドラマはエリザベス・スローンが上院議員の聴聞会に召還される所から始まる。大手ロビー会社にいた時手がけた仕事に不正があったと見なされ、その真意が問われていた。そして物語は3ヶ月前に戻る。


エリザベスには家族も友人もいない。食事はいつも同じ中華屋で食べ(食べる時間短縮のため錠剤ですませても良い...なんて言っていたけど、ビールがぶ飲みしていた感じ)、性的欲求はホテルに出向きエスコートサービスですませる。

眠ることもカットして仕事一筋に生きるなんて、なんと言う味気ない生活なのだろう!と唖然となる。まぁドラマはフィクションだから、このような生活をしていたらきっと頭が変になるに違いない。


何処かにジェシカ・チャスティン怪演…なんて記事もあったけど、この俳優すっごい迫力ある!

常にドレスアップして、真っ赤なルージュにピンヒールが決まっているエリザベスのファッションが眩しいほど素敵だ。

エスコートサービスのフォードが善い人でほっとした。


公開されて4週目に見たが上映館はかなり混んでいて、本作巷で評判になってるのかと思った。132分と長いながらも、立て続けに盛り上がりを見せるドラマはとても見応えがあった。それにしてもあの膨大な台詞を喋るジェシカ・チャスティンは尊敬に値する。

原タイトルは「ミス・スローン」なのに邦題は実に凝っている。


TOHOシネマズ・シャンテにて


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by margot2005 | 2017-11-14 21:24 | フランス | Trackback(2) | Comments(4)

「婚約者の友人」

Frantz」2016 フランス/ドイツ

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第一次世界大戦(1914年~1918年)が終結したドイツのとある街。ある日、戦争で婚約者フランツを亡くしたアンナは墓の前で花を手向け泣いている男性を目の当たりにする。その後アドリアンと名のる男性がフランツの家族を訪ねて来る。アンナは墓地にいた人だと認め驚きを隠せない。最初フランツの父親ハンスはフランス人のアドリアンを拒否するが、彼の妻のマグダはフランツと友人だったと話すアドリアンに好意を抱き始める...


アドリアンに「キリマンジャロの雪/2011」「イヴ・サンローラン/2015」パーフェクトマン 完全犯罪/2015」ピエール・ニネ。

アンナに「ルートヴィヒ/2012」パウラ・ベーア。

ハンスに「クリムト/2006」のエルンスト・シュトッツナー。

マグダにマリー・グルーバー。

クロイツに「顔のないヒトラーたち/2014」「ヒトラー暗殺、13分の誤算/2015」ヨハン・フォン・ビューロー。

フランツにアントン・フォン・ルケ。

アドリアンの母に「三重スパイ/2003」シリエル・クレール。

ファニーに「夏時間の庭/2008」「あの夏の子供たち/2009」「ショコラ~君がいて、僕がいる~/2015」アリス・ドゥ・ランクザン。

監督、脚本は「彼は秘密の女ともだち/2014」フランソワ・オゾン。


原タイトルは「フランツ」。

映画はモノクロ。でも時々カラーになる。それはフランツが登場する時と、アドリアンがフランツを思う時の様に映る。どのような展開になるのか?全く予測のつかないドラマだった。

アドリアンはいつまでも偽り続けることが出来ずに思い悩み、アンナにだけ真相を打ち明ける。そう彼はフランツの家族に嘘を語っていたのだ。


ロケされたドイツの街(旧市街)の石畳が美しい。ドラマにはパリのルーヴル美術館も登場する。そこに飾られたマネの自殺という絵画。この絵画は初めて見た。ちょっと調べてみたらスイスのチューリッヒにある印象派の美術館ビュールレ・コレクションにあるそう。ドラマの背景となる時代にはルーヴル美術館に飾られていたことを知った。そしてこの時代オルセー(1986年開館)はまだ存在していなくて、今現在オルセーに飾られているマネの草上の昼食はルーヴルに展示されていた様子。その絵画がドラマの中に自殺と一緒に映るがひょっとしてフェイク?

ラスト、マネの自殺が大きな役割を果たしている。


オゾン映画は色々と見ているが、サスペンス仕立てもないし、ウイットに富んだ会話が交わされるわけでもなしで、純粋の悲恋映画のノリ...全くオゾンらしくないなぁと感じた。


アドリアンを演じるピエール・ニネは「イヴ・サンローラン」でとても本人に似せて演技していて感心した。彼は顔が暗いのか?悲しい表情がとても似合う俳優。本作の彼も常に暗い表情を見せている。

wowowで見た「パーフェクトマン 完全犯罪2011」の彼も悲しい表情満載だった。それはちょっと気になる映画だったのでレビューを書きたいと思っている。


シネスイッチ銀座



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by margot2005 | 2017-11-07 21:54 | フランス | Trackback | Comments(0)

「愛を綴る女」

Mal de piers…akaFrom the Land of the Moon

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1950年代の南フランス、プロヴァンス。両親、妹と暮すガブリエルは美しい娘で情熱的な愛を求めている。ある時、地元の教師に恋心を抱き告白するが悲恋に終わってしまう。精神が不安定なガブリエルの行動は異常で、心配した母親は彼女をリヨンの病院へ入れようと考える。しかしガブリエルはこれを拒否。そこで母親は病院へ入るか?結婚するか?の選択肢をガブリエルに宣告する...


ガブリエルに「アサシン クリード/2016」マリオン・コティヤール。

アンドレ・ソヴァージュに「サンローラン/2014」ルイ・ガレル。

ジョゼに「ローマ法王になる日まで/2015」「しあわせな人生の選択/2015」アレックス・ブレンデミュール。

ガブリエルの母親アデルにブリジット・ルアン。

ガブリエルの妹ジャニーヌに「シャトーブリアンからの手紙/2011」ヴィクトワール・デュボワ。

監督、脚本は「ヴァンドーム広場/1998」「Mの物語/2003:出演」「海の上のバルコニー/2010」のニコール・ガルシア。

原作はミレーナ・アグスの「祖母の手帖」。


母親が選び出したガブリエルの結婚相手はスペインから来た季節労働者のジョゼ。ガブリエルにとって不本意な相手だったが受け入れるしかない。ジョゼと結婚したガブリエルはあなたを決して愛さない。と宣言するが、ジョゼも俺も愛していない。と答える。しかし時がたち、意外なことに二人のsexは官能的なものになって行く。やがてガブリエルは妊娠するが結石が原因で流産し、結石治療のためアルプスの療養所に滞在することになる。そこで彼女はインドシナ戦争で負傷した帰還兵アンドレ・ソヴァージュと運命的に出逢うのだった。


アンドレとの出逢いと別れガブリエルの妄想か?と思われるシーンがあり少々戸惑ったが、後に説明が入って、上手く描いたなと感心した。俺も愛していない。と答えたはずのジョゼの愛情を感じる素敵なシーン。

全体的に超暗いドラマながらエンディングは晴れやかで何より。


マリオン・コティヤールの日本公開映画は今年何と4本(2016年製作)!もちろん全てシアターで見ている。40歳を過ぎたマリオンが少女のようなドレスを着て未婚の若い女性を演じているが違和感はない。とても若くて美しくて驚く。そして監督ニコール・ガルシアはマリオンのスケジュールが空くまで5年待ち続けたという。


ロケ地はフランス、ヴァロンソルとリヨン。スイス、グラウビュンデンのダボス、スペインのアンダルシアなどなど素晴らしい景色が楽しめる。

ガブリエルの実家が経営するラヴェンダー畑の舞台となるヴァロンソルは素晴らしく美しい!

グラウビュンデンのダボスはガブリエルの静養先の療養所として使われている。

10年以上前に南フランスのラヴェンダー畑を見に行こうと計画したけど、満開のシーズンに出かけるのが難しくて叶わなかったのを思い出した。


カトリーヌ・ドヌーヴの「ヴァンドーム広場」はシアターで鑑賞。エマニュエル・ベアールの「Mの物語」と、ジャン・デュジャルダンの「海の上のバルコニー」はwowowで鑑賞した。「海の上のバルコニー」は素敵な映画だった。


新宿武蔵野館にて



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by margot2005 | 2017-10-29 22:05 | フランス | Trackback | Comments(0)

「エタニティ 永遠の花たちへ」

「Éternité」…aka「Eternity」2016 フランス/ベルギー

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19世紀末のフランス。広大な敷地に建つ瀟洒な家で両親の深い愛に包まれて育ったヴァランティーヌは17歳になる。誠実な男性ジュールから結婚を申しこまれるが決心がつかない。しかしジュールの純粋さに惹かれた彼女は結婚を決める。やがて6人の子供に恵まれたヴァランティーヌは幸せな人生を送っていたが、生まれて間もない子供が亡くなった後、20年連れ添った夫ジュールが急逝する。幸せ一杯だった彼女はうちひしがれるが、子供たちの中に宿るジュールの存在に癒されて行く...


ヴァランティーヌに「ニューヨークの巴里夫(パリジャン)/2013」オドレイ・トトゥ。

マチルドに「白い帽子の女/2015」メラニー・ロラン。

ガブリエルに「甘き人生/2016」ベレニス・ベジョ。

マチルドの夫アンリに「午後8時の訪問者/2016」ジェレミー・レニエ。

ガブリエルの夫シャルルにピエール・ドゥラドンシャン。

ガブリエルの母親に「ふたりのベロニカ/1991」「トリコロール/赤の愛/1994」のイレーヌ・ジャコブ。

マチルドの母親にヴァレリー・ストロー。

ヴァランティーヌの夫ジュールに「フレンチ・ラン/2016」アリエ・ワルトアルテ。

監督、脚本は「青いパパイヤの香り/1993」「夏至/2000」「ノルウェイの森/2010」のトラン・アン・ユン。

ナレーションは「青いパパイヤの香り」のトラン・ヌー・イェン・ケー。


映画が始まり現れた瀟洒な館。そこに咲き乱れる美しい草花は正に耽美の世界!時がたち屋敷の庭で戯れる一家。生活の匂いがいっさい感じられないブルジョワ一族の日常はスーパー級にゴージャス!そして19世紀末の女性たちのドレスやインテリアも素晴らしく美しい!


ドラマはヴァランティーヌと、彼女の息子の妻マチルド、そしてマチルドの従姉妹のガブリエルの三人の女性を軸に展開され、生と死が描かれる。


ヴァランティーヌの夫が亡くなった後、第一次世界大戦で双子の長男と次男が亡くなる。その後愛してやまなかった娘エリザベットが病死し、もう一人の娘マルゴはシスターになりヴァランティーヌから去って行く。深い悲しみが続くヴァランティーヌだったが、ある日、成長した息子アンリから幼なじみのマチルドと結婚するという嬉しい知らせが入る。


映画が始まっても台詞は一切ない。エリザベットとマルゴが美しい少女に成長するまで台詞はなし。静かなピアノ曲と共にトラン・ヌー・イェン・ケーのナレーションが流れる。静かなピアノ曲と書いたが、エンドクレジットにドビッシー、バッハ、リストetc.のピアノ曲が羅列されていた。


見終わってフランス映画だなぁとしみじみ感じた。そして全く違ったジャンルのエリック・ロメールが描くローマ時代の純愛物語「我が至上の愛 〜アストレとセラドン〜/2007」を思い出したのは同じく耽美の世界だから?

大ラスは現代のパリ。ヴァランティーヌの子孫たちが集まったのは、エッフェルとアンバリッドが望めるアレクサンドル3世橋。あの橋はやはり絵になる。

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(上3枚は2013年パリ旅行<プティ・パレ/パリ市立美術館>の際に撮った写真)


トラン・アン・ユンの「夏至」はシアターで鑑賞。「青いパパイヤの香り」はwowowで見た可能性があるが良く覚えていない。「ノルウェイの森」は未見。映画を見終わって「夏至」の監督だなぁと実感!ヴェトナムを舞台にした「夏至」は本作同様映像が素晴らしく美しかったから


こんな優雅な雰囲気のオドレイ・トトゥを見たのは初めてで、おまけにとても美しい。メラニー・ロランもベレニス・ベジョも耽美の世界が似合う。ジェレミー・レニエのこのような役柄も初めて。

「アメリ/2001」のオドレイ・トトゥはしっかりと大人の女性になって素敵だ(現在39歳)。少し前にwowowで放送されていた「テレーズの罪/2011」を見た(フランス映画祭2013で上映)。こちらもレビューを書いてみたいと思う。

そしてイレーヌ・ジャコブが懐かしい。彼女の久々の主演作「エレニの帰郷/2008」は残念なことに見ていない。機会があれば是非見てみたい。


シネスイッチ銀座にて



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by margot2005 | 2017-10-28 20:45 | フランス | Trackback | Comments(0)

「少女ファニーと運命の旅」

Le voyage de Fanny…akaFanny's Journey2016 フランス/ベルギー

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1943年、フランスはナチスドイツの支配下にあった。市民からなる支援組織が秘かに運営する児童施設はユダヤ人の子どもたちを匿っていた。ある日、13歳の少女ファニーは二人の妹と共に施設にやって来る。そしてファニーの母親は迎えに来ると言い残し去って行く...


ファニーにレオニー・スーショー。

マダム・フォーマンに「メビウス/2013」セシル・ドゥ・フランス。

農夫ジャンにステファン・ドゥ・グルート。

エリカにファンティーヌ・アルデュアン。

ジョルジェットにジュリアンヌ・ルプロー。

ヴィクトールにライアン・ブロディ。

ディアヌにアナイス・マイリンガー。

ラシェルにルー・ランブレヒト。

モーリスにイゴール・ファン・デッセル。

マリーにマロン・レヴァナ。

ジャックにルシアン・クーリー。

料理番エリーにヴィクトール・ムーテレ。

監督、脚本はローラ・ドワイヨン


ファニーがいた施設は密告者によって閉鎖を余儀なくされ、子供たちは新しい施設に移り住むことになる。しかしここにもナチスが迫って来ており、責任者のマダム・フォーマンは子供たちをスイスに逃がそうと考える。

列車の乗り継ぎで大人たちと行き違いになってしまったファニーたち。そしてマダム・フォーマンは約束の待ち合わせ場所に現れない。結局ファニーがリーダーとなってスイスを目指す過酷な旅が始まる。


原タイトルはいたってシンプル。このタイトルだとまるでファニーが楽しい旅にでるようなニュアンスで、意外ながらナイスだなと思った。

実話が元なのでファニーたちが生き延びるのはわかっている。しかしラストを迎えるまで結構ハラハラした。

オーディションで選ばれ、演技初というファニー役のレオニー・スーショーが素晴らしい。他の子供たちも然り。

久しぶりのセシル・ドゥ・フランスがBodyと共に貫禄たっぷり。


同じフランス人なのにユダヤ人を助ける者もいればナチスに密告する者もいる。しかしそれは全て戦争のせい。ファニーたちを追いつめる警察官の姿は「黄色い星の子供たち/2010」でも描かれていた。

ファニーとヴィクトールが森の中で見つけた死体。ドイツ人かフランス人か?と確かめるシーンは子供ながらスゴい!と思った。お金を払ってスイスへの道案内人を雇う様も大人顔負け?


エンディングにイスラエルに暮すファニー・ベン=アミが登場。

ポーランドのワルシャワのゲットーから逃げ生き延びたユダヤ人少年の物語を描いた「ふたつの名前を持つ少年/2013」思い起こした。


TOHOシネマズ・シャンテにて



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by margot2005 | 2017-08-16 22:39 | フランス | Trackback(1) | Comments(2)

「夜明けの祈り」

Les innocentes」…aka「Agnus Dei」2016 フランス/ポーランド

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1945年、12月のポーランド。フランス人のマチルドは赤十字の活動で医師として従事する日々。ある時、見知らぬシスターから助けを求められ、遠く離れた修道院へ駆けつける。そこでマチルドは戦争末期にソ連兵によって暴行され身ごもった修道女の姿を目の当たりにする...


マチルドに「世界にひとつの金メダル/2013」ルー・ドゥ・ラージュ。

シスター・マリアに「ハミングバード/2013「イレブン・ミニッツ/2015」のアガタ・ブゼク。

修道院長に「イーダ/2013」のアガタ・クレシャ。

イレーナに「あの日 あの時 愛の記憶/2011」「ジュリエット・ビノシュ in ラヴァーズ・ダイアリー/2011」のヨアンナ・クーリグ。

サミュエルに「やさしい人/2013」「メニルモンタン 2つの秋と3つの冬/2013」ヴァンサン・マケーニュ。

監督、脚本は「恍惚/2003」「ココ・アヴァン・シャネル/2009」「美しい絵の崩壊/2013」「ボヴァリー夫人とパン屋/2014」アンヌ・フォンテーヌ。


臨月を迎えた修道女は7人。修道院の閉鎖を恐れる修道院長は、外部に修道女たちの妊娠が漏れないようひた隠しにしておりマチルドの助けを拒む。しかしシスター・マリアに懇願されマチルドは修道女たちを守る決意をする。


医師マチルドは実在の人物で映画は実話を元に描いている。

イエス・キリストに身を捧げた修道女たちが妊娠なんてあり得ないことながら、戦争のせいで最悪の事態が起こったのだ。ソ連兵にレイプされ妊娠してしまった修道女たちには何の罪もなく完璧に被害者ながら、訴えることもせずひたすら事実を隠すばかり。この辺りの事情は全く理解できないが舞台が修道院と言うことで納得せざるを得ない。


原タイトルは“アニュス・デイ/神の子羊”。それはイエス・キリストを象徴する表現の言葉の一つだそう。

ラスト、生まれた子供を抱いてカメラの前に集合する修道女たちの姿がとても違和感ありながら素晴らしかった。


イメージが違っていて最初わからなかったが、「世界にひとつの金メダル」でラファエル役だったルー・ドゥ・ラージュがヒロインのマチルドを演じている。彼女は今注目される若手女優の一人。

アガタ・ブゼクはジェイソン・ステイサムの「ハミングバード」でもシスターを演じていて修道女のコスチュームがとても似合う。そしてウマ・サーマンに似ている!

一風変わったキャラが似合うヴァンサン・マケーニュが医師サミュエル役でちょっと驚き。


新宿武蔵野館にて



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by margot2005 | 2017-08-11 22:30 | フランス | Trackback(1) | Comments(2)