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「ヒトラーに屈しなかった国王」

Kongens nei…akaThe King's Choice2016 ノルウェー

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194049日のノルウェー、オスロ。宮殿の庭で孫と雪遊びに興じるホーコン7世はナチスドイツが侵攻してきたことを皇太子のオラフ5世から知らされる。やがてノルウェー軍が参戦するが軍事力に乏しいノルウェーの主要都市は次々と陥落して行く。

一方で駐ノルウェー・ドイツ公使ブロイアーはヒトラーの命を受けホーコン7世に降伏を求める。ホーコン7世の兄でデンマーク王のクリスチャンは既にナチスドイツに降伏していた。しかしホーコン7世はブロイアーの要求に抵抗する…


ナチスドイツに降伏を迫られたノルウェー国王ホーコン7世が決断を下すまでの3日間を描いた歴史ドラマで、母親や兄弟とアメリカ合衆国に亡命していたハーラル(ハーラル5世現国王)とホーコン7世が再会を果たすシーンでラストを迎える。その時、幼い頃に別れた国王の可愛い孫は少年に成長していた。


公式サイトに”私は決断する...愛する国民のために。”とあるように国王の心意気が感じられる見応えのある歴史ドラマだった。

鑑賞したのは最終上映の週。で、また驚いたのはシアターがかなり混雑していたこと。前回見た「ルージュの手紙」もそうだったが、このシアターはなぜか?作品の上映期間が短い気がする。


かつてこの国はスウェーデン=ノルウェー連合王国だった。

ノルウェーいえばヴァイキング、フィヨルドと、スーパーの魚売り場に並ぶアトランティックサーモン。ノルウェーサバもよく見かける。

ノルウェーで思い出したのはベント・ハーメル監督。彼の作る映画「ホルテンさんのはじめての冒険/2007」「クリスマスのその夜に/2010」は独特の世界で、ハーメル監督以外のノルウェー映画も風変わりものが多い。一部のノルウェーの人の感性って独特(個性的)なのかも知れない。


主演のイェスパー・クリステンセンは「僕とカミンスキーの旅」の天才画家や「007シリーズ」のMr.ホワイトとは全く別人の顔を見せる稀有な俳優。ノルウェー語、ドイツ語、英語と作品によって異なった言語で話す彼は何ヶ国語話せるのだろう?なんて想像してしまう。本作のノルウェー国王役も似合っている。


ホーコン7世(ノルウェー国王)に「僕とカミンスキーの旅/2015」 のイェスパー・クリステンセン。

オラフ5世(ノルウェー皇太子)に「ファイティング・ダディ 怒りの除雪車/2014」のアンドレス・バースモ・クリスティアンセン。

マッタ(ノルウェー皇太子妃)に「ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男/2005」のツヴァ・ノヴォトニー。

ブロイアー(駐ノルウェー・ドイツ公使)に「マーラー 君に捧げるアダージョ/2010」のカール・マルコヴィクス。

アンネリーゼ(ブロイアーの妻)に「ヒトラー暗殺、13分の誤算/2015」のカタリーナ・シュットラー。

ダイアナ(ドイツ公使館秘書)に「ヒトラー ~最期の12日間~/2004」のユリアーネ・ケーラー。

監督は「おやすみなさいを言いたくて/2013」のエリック・ポッペ。


シネスイッチ銀座にて(既に上映終了)



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by margot2005 | 2018-01-27 21:42 | ヨーロッパ | Trackback | Comments(0)

「ハロルドが笑うその日まで」

「Her er Harold」…aka「Here Is Harold」2014 ノルウェー
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ハロルドはノルウェーの街で妻と共に40年以上も家具店を経営してきた誇り高き家具職人。ある日、店の隣に世界的家具チェーン店IKEYAの、それも北欧最大店舗がオープンする。案の定IKEYAの出店によりハロルドの店は閉店に追い込まれてしまう…

ハロルドに「ヘンゼル&グレーテル/2013」のビョルン・スンクェスト。
イングヴァル・カンプラードに「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女/2009」のビヨーン・グラナート。
エバにファンニ・ケッテル。
監督、脚本はグンナル・ヴィケネ。

世界的家具チェーン店IKEYAのせいでつぶれてしまったハロルドの店。店に並ぶ家具はIKEYAのように手頃な値段のものではなく職人の魂が込められた家具ばかり。おまけに認知症だった妻はあっと言う間に亡くなってしまう。失うものはもう何もないと感じたハロルドは店に火をつけ焼身自殺を図るがスプリンクラーのせいで失敗に終わってしまう。

もう破れかぶれで頭にきた誇り高い家具職人ハロルドはIKEAの創業者イングヴァル・カンプラード誘拐を思いつきスウェーデンへと向かう。途中しばらく会ってなかった息子の家に寄るが全く歓迎されず、再びスウェーデンへとおんぼろ車サーブを走らせる。そしてスウェーデンで一風変わった孤独な少女エバと出会う。
偶然出会ったエバはカンプラード誘拐に手を貸すというが、ハロルドの計画性のなさに呆れるばかり。なんとか拉致できたカンプラードも頑固オヤジで“誰も金は出さない!”の一点張り。

IKEYAの創業者イングヴァル・カンプラードについて調べてみたら、本作で演じる俳優がスゴく似ていて驚いた。現在でも経営の主導権を握っているカンプラードを題材にしてこのような映画を作るなんてと思っていたら、映画のチラシに“存命するIKEYA創業者が実名で描かれる前代未聞の映画。”と書かれていた。やっぱり!

エバとの出会いがエバにもハロルドにも生き方を変えたように思える。カンプラードはちっとも変わっていないように思えたけど...ドラマはちょと笑えて、ちょっとハートウォーミング。

北欧の映画を観ていていつも思うのは言語。本作でもノルウェーとスウェーデンが舞台となるが、二つの国の人々は違和感なく普通に話しているのでもちろん互いに理解しているのだろう。
そしてもう一つ北欧の映画を観ていて思うのは、とてもシリアスなものか、なんか可笑しいドラマかどちらかのような気がする。特にノルウェー映画に多い気がする。本作はなんか可笑しい方の部類でハロルド役の俳優がいいな。
そういえば「ファイティング・ダディ 怒りの除雪車/2014」もノルウェー映画だった。

恵比寿ガーデンシネマにて
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by margot2005 | 2016-04-27 22:26 | ヨーロッパ | Trackback(1) | Comments(0)

「1001グラムハカリしれない愛のこと」

「1001 Gram」2014 ノルウェー/ドイツ
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ノルウェーの国立計量研究所に勤める女性化学者マリエは、あらゆる計測のエキスパート。ある日、心臓発作で倒れた父親の代わりにパリで行われる国際セミナーに参加し、パイと言う名前のフランス人科学者と出会う…

マリエにアーネ・ダール・トルプ。
パイに「幸せになるための恋のレシピ/2007」のロラン・ストケル。
マリエの父親アーンスト・アーンストにスタイン・ヴィンゲ。
マリエの同僚ヴェンケに「ファイティング・ダディ 怒りの除雪車/2014」のヒルデグン・リーセ。
監督、製作、脚本は「キッチン・ストーリー/2003」「ホルテンさんのはじめての冒険/2007」「クリスマスのその夜に/2010」のベント・ハーメル。

ひと味違った映画を作るベント・ハーメル。「キッチン・ストーリー」での“独身男性の台所での行動パターン調査”も可笑しかったが、こちらは物を計る基準となる“キログラム原器”が主人公と言うのが実にユニーク。

「クリスマスのその夜に」はそれほどでもなかったが「ホルテンさんのはじめての冒険」はかなりのハートウォーミング・コメディ。本作は何もかも壊れてしまい、途方にくれるヒロインが国際セミナーで出会った心優しいフランス人化学者と明るい未来を取り戻すラヴ・ストーリーと言った趣。

マリエが計量研究所に勤めるだけあって、少々無機質ではあるが計算し尽くされた趣の彼女の家の家具が完璧なまでに美しい。でも結婚生活ではパイロットの夫とは離婚寸前。人間誰しも全てにおいて完璧にはなれないといったところ。
マリエを演じるアーネ・ダール・トルプはノルウェーでは有名な女優だそう。今回彼女の映画を初めて見た。少々冷たいイメージを感じる淡々とした雰囲気がドラマのヒロインにぴったり。

それぞれの国に“キログラム原器”なるものが存在し、パリにある“国際キログラム原器”は“1キログラムの母”と形容され金庫の中に厳重に保管されている。国際セミナーで1キログラムの新しい定義をめぐって議論が交わされるシーンはなんとなく滑稽だった。

原タイトルの“1001グラム”...亡くなった父親の遺灰の重さとはやはりひと味違ったベント・ハーメルの世界?
バスルームで交わされる“15.5でしょ?いや18.0かな?”といったあのサイズが意味深。
ヒロインの乗るノルウェーの電気自動車“buddy”が超かわいい。
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Bunkamura ル・シネマにて
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by margot2005 | 2015-11-26 00:14 | ヨーロッパ | Trackback(1) | Comments(0)

「ファイティング・ダディ 怒りの除雪車」

「Kraftidioten」…aka「In Order of Disappearance」2014 ノルウェー/スウェーデン
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雪に覆われたノルウェーの田舎町。ある日、除雪車の運転手であるニルスは息子が亡くなったことを知らされる。死因はコカインの過剰摂取だった。“息子がコカイン中毒とは考えられない!”と警察に調査を依頼するが刑事は聞く耳を持たない。おまけに妻は息子の死に耐えられなくて家を出てしまう。やがてニルスは復讐を誓い銃を手に立ち上がる...

製作総指揮、出演(ニルス)に「宮廷画家ゴヤは見た/2006」「天使と悪魔/2009」「ドラゴン・タトゥーの女/2011」「メランコリア/2011」「レイルウェイ 運命の旅路/2013」「シンデレラ/2015」のステラン・スカルスガルド。
パパに「愛を読むひと/2008」「バーダー・マインホフ 理想の果てに/2008」「アンノウン/2011」「悪の法則/2013」「リスボンに誘われて/2013」のブルーノ・ガンツ。
ギャングのボス、伯爵に「コン・ティキ/2012」のポール・スヴェーレ・ハーゲン。
ウイングマン(ニルスの兄)に「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女/2009」「ミレニアム2 火と戯れる女/2009」「エージェント・ハミルトン ~祖国を愛した男~/2012」のペーター・アンデション。
伯爵の部下ゲイルにアンドレス・バースモ・クリスティアンセン。
伯爵の別れた妻マリットにビアギッテ・ヨート・スレンセン。
監督、製作総指揮にハンス・ペテル・モランド。

オスロで大学に通っているはずの息子が死体となって戻って来る。息子の死因となるコカイン、コネクションを探し当てたニルスは次々とギャングを殺害し、とうとうトップにたどり着くが、彼は地元の大物ギャングだった。困ったニルスは数年ぶりに兄ウイングマンを訪ね助けを求める。ウイングマンは元ギャングで、ニルスが復讐を誓う地元大物ギャングの伯爵を知っており、彼を殺すにはヒットマンを雇うようニルスを諭す。
一方で地元ギャングと対立するセルビア系ギャングのボスであるパパは息子を殺され怒り狂っていた。

ロケされたノルウェーのベイトストーレンという山に囲まれた田舎町が雪だらけ。とにかく周りは雪!雪!雪!主人公が除雪車の運転手というのも最高に頷ける。
人を殺すことしか能がない菜食主義者の“伯爵”に、それぞれの息子を殺されたニルスとセルビア系ギャングのボス..復讐を果たすステラン・スカルスガルド&ブルーノ・ガンツが最高!

ノルウェーの田舎町ならではの除雪車を使ったアクションは大迫力!真っ白な雪と真っ赤な血の対比がサスペンスを盛り上げる。
実直な田舎の運転手が、ある日突然殺戮マシーンに変身しギャングと戦う姿は痛快そのもの。
人参ジュースと息子が大好きなギャングの伯爵...実像は気の小さい情けない男というのが笑えるし、セルビア系ギャング、パパの部下が雪深いノルウェーにうんざりして文句たらたらだったり、彼らの会話はほぼコメディ。なにはともあれ登場人物全員が真面目な顔してるんだけど可笑しくてもう完璧。

wowowにて
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by margot2005 | 2015-05-20 00:27 | ヨーロッパ | Trackback | Comments(0)

「おやすみなさいを言いたくて」

「Tusen ganger god ant」…aka「A Thousand Times Good Night」2013 ノルウェー/アイルランド/スウェーデン
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報道写真家のレベッカは家族をアイルランドに残しアフガニスタンの首都カブールにいる。そしてその地で自爆テロに巻き込まれ命を落としそうになるが辛くも助かり病院へ収容される。やがて入院先へ夫のマーカスが迎えにくる。アイルランドへ戻った彼女は母親の死に怯えながら暮す娘たちと向き合うとこになる...

レベッカに「トスカーナの贋作/2010」のジュリエット・ビノシュ。
夫マーカスに「ブラウン夫人のひめごと/2002」「ヘッドハンター/2011」のニコライ・コスター・ワルドー。
長女ステフにローリン・キャニー。
次女リサにアドリアンナ・クラマー・カーティス。
レベッカの友人テレサに「THE TUDORS 〜背徳の王冠〜/2007〜2010」「ビザンチウム/2012」のマリア・ドイル・ケネディ。
監督はエリック・ポッペ。

世界各国で起こる悲惨な事実を映像にしメディアに発表することがレベッカの使命。マーカスはそんな彼女の仕事を理解し家事と子育てを全面的に協力している。しかし家に帰ったレベッカはマーカスから“娘たちはいつも母親の死に怯えながら暮らしている!”と告げられる。ステフからも“そんなに写真が大事なの!”と詰め寄られ動揺を隠せない。やがて彼女は家族にもう戦場には戻らないと宣言する。穏やかで平和な日々が続くある日、レベッカはケニアへの取材を持ちかけられ、アフリカに興味を持つステフと共にその地へと旅立つ。ところが、安全な地域と信じていたケニアで突然暴動が起こる。結果レベッカは自らの使命に邁進し、危険を顧みないで写真を撮り続ける。帰国する前、二人はケニアが危険であった事をマーカスに内緒にするよう約束する。しかしレベッカは自分に心を開こうとしないステフに疑問を抱き始める。案の定娘はケニアでの出来事にわだかまりを抱き続けていたのだ。やがてケニアで起こった事がマーカスの知ることとなり、怒り狂ったマーカスはレベッカを家から追い出してしまう。
ラストはあまりにも醜く悲惨で…見るのが辛かった。

製作国のトップがノルウェーなのは監督の出身地。映画の舞台はアイルランド。写真家のレベッカが撮影に行くスポットとしてアフガニスタン、モロッコ、ケニアで撮影されている。
この映画を観たかったのはひたすらニコライ・コスター・ワルドーの出演に惹かれたから。彼はデンマーク出身のお気に入り俳優。そいうや昨年wowowで見たトム・クルーズの「オブリビオン/2013」にも出演していたのを思い出す。キャメロン・ディアスと共演の「The Other Woman/2014」が是非見たい!
主演のジュリエット・ビノシュは好きでもキライでもない女優ながら色んな映画に出演しているのでビノシュ映画は良く観ている。一番最新に見た作品はwowowで放送されていた「カミーユ・クローデル ある天才彫刻家の悲劇/2013」。カミーユ・クローデルと言えばイザベル・アジャーニの「カミーユ・クローデル/1988」ながら、ビノシュ版は精神を病んだカミーユ・クローデルが病院に収容されている間を描いた作品で中々興味深かった。

本作に戻って…ニコライ・コスター・ワルドーが“family man”な役を演じたのは初めて見た。彼自身2人の娘の父親ということもあり役柄にぴったり。ニコラスますますお気に入り俳優となった。

角川シネマ有楽町にて
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by margot2005 | 2015-01-08 20:02 | ヨーロッパ | Trackback(2) | Comments(0)

「ヘッドハンター」

「Hodejegerne」…aka「Headhunters」 2011 ノルウェー/ドイツ
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ロジャーにアクセル・ヘニー。
クラスに「ブラウン夫人のひめごと/2002」のニコライ・コスター・ワルドー。
ロジャーの妻ダイアナにシヌーヴ・マコディ・ルンド。
監督はモルテン・ティルドゥム。
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ノルウェー国内で最も成功したヘッドハンターであるロジャーにはもう一つの顔がある。最愛の妻ダイアナに最高の贅沢をさせるため高級絵画を盗んでいるのだ。ターゲットは彼がヘッドハントした契約相手が所有するものばかり…

“「ミレニアム」シリーズの製作陣が贈る傑作サスペンス・スリラー…”とあるようにスゴく面白い展開だった。コメディ要素も満載で観客を飽きさせないし、もうホントあっという間の100分だった。
それなのに期間限定レイトショーのみの公開で、とっくに上映は終了している(8/11〜8/24)。とても、とても観たくて、仕事が終わった後、銀座で夜9:00まで時間をつぶした。
予告を観て興味を惹かれたのは主人公と張り合う元エリート軍人クラス役でニコライ・コスター・ワルドーが出演していること。彼はデンマーク出身で「ブラックホーク・ダウン/2001」「エニグマ/2001」や「ウインブルドン/2004」に出演している素敵な俳優。「ブラウン夫人のひめごと」のレビューにもゴージャスな俳優と書いている。

背が低いことが最高のコンプレックスであるロジャーは最高の美女を妻にした男…妻のためなら何だってやる!盗みさえも…。

ロジャーはオフィスの壁に高級絵画を飾り、“あの絵画はいくらだと思う?”と面接に来た男に問いかける。絵画に興味を持つ相手なら“家にも絵画はある…”と言うわけ…そして”家に犬はいるか?などとさりげなく聞くのだ。上手い、ロジャーのアプローチは実に巧妙だ。で、難なく絵画を手に入れ、持参した贋作を額におさめる。

ある日、画廊の経営者でもあるダイアナから、過去にドイツで略奪された著名な絵画が、ある人の家にあるという情報を得る。その人とはやはりロジャーがヘッドハントしたクラスだった。ロジャーは予定通りクラスの家に盗みに入り絵画を強奪する。しかしこの相手はマズかった…まんまとせしめた戦利品を手にダイアナに電話をかける。呼び出し音が鳴る…そしてダイアナの電話はロジャーの身に限りなく近いところでバイブ状態で鳴り響いている。あろうことか、それはクラスのベッドルームの床の上だった。家に帰り”電話をかけたが出なかったね?”と妻に問いつめるロジャー。しかし”そういや携帯をなくしたわ。”とそっけなく答えるダイアナ。妻がクラスと不倫していることは もはや間違えようがなかった。

ダイアナを自分のものにしようと元エリート軍人のクラスはハイテクを駆使し、あの手、この手でロジャーを追いつめて行く。しかしながらロジャーはとても賢い。ぎりぎりの所まで追いつめられても、なんとかそこから逃れようと必死になる。それもコレもダイアナの愛を勝ち取るため。
ロジャーとクラスのチェイスがユーモアたっぷりで最高に面白かった。そして、ハッピー・エンディングに大満足。

ロケ地はノルウェー、オスロ郊外のNittedal。ノルウェーの森ってとても神秘的。
ニコライ・コスター・ワルドーは「ブラウン夫人のひめごと」以来かれこれ10年の歳月が流れているため、シブさが加わりますますゴージャス。

銀座テアトルシネマにて
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by margot2005 | 2012-09-12 21:05 | スペイン | Trackback(1) | Comments(0)

「孤島の王」

「Kongen av Bastøy」…aka「Les révoltés de l'île du diable」「King of Devil's Island」2010 ノルウエー/フランス/スウェーデン/ポーランド
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院長に「宮廷画家ゴヤは見た/2006」「天使と悪魔/2009」「ドラゴン・タトゥーの女/2011」「メランコリア/2011」のステラン・スカルスガルド。
ブローテン寮長にクリストッフェル・ヨーネル。
エーリング/C-19にベンヤミン・ヘールスター。
オーラヴ/C-1にトロン・ニルセン。
監督はマリウス・ホルスト。
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ロケはエストニアとノルウエー。シアターで何度か予告を観て、ハリウッド映画でもおなじみのスウェーデン俳優ステラン・スカルスガルドの凄みに、公開されたら観に行こうと思った。これは極めて壮絶なドラマであった。事実に基づいているというから尚更スゴい!

1915年、ノルウェー。ある日、エーリングという名の非行少年が孤島“バストイ”に送られて来る。この収容施設では少年たち全員に番号が付けられる。C-19と呼ばれるようになったエーリングは、そこで大人たちによるイジメにも似た理不尽な行動が取られていることに愕然とする。早速脱走を試みるが見事に失敗し院長の命で体罰を受けるハメになる。そんな中、エーリングは優等生のオーラヴに反感を抱く。しかし過去にはオーラヴもとことん反抗してきたが、今やその気も失せ優等生として卒業を待っていただけなのだ。
そんな折、一緒に施設にやって来たC-5が寮長から日々虐待を受けているという事実を知り、エーリングは院長に直訴に行く。院長は寮長を罰しようとするが、逆に不正を暴露すると脅され不問にしてしまう。そして悲劇は起こる。C-5が入水自殺を図ったのだ。しかし院長はC-5の死はただの事故として片付けてしまう...。

ノルウェーの孤島“バストイ”にある少年矯正施設の院長は島の王だ。矯正という名の下に少年たちをムチ打ち虐待している。そして寮長は性倒錯者であった。

とうとう少年たちは怒りを爆発させる。寮長を痛めつけ、院長を追い払い、院長室を占拠する。エーリングは電話を取り宣言する“ノルウエー国王に電話をつなげ。俺はバストイの王だ!”と…。

スカルスガルドはもちろんのこと、ブローテン寮長役と二人のboyを演じたほぼ無名の3人の俳優が素晴らしかった。

ラスト、孤島バストイと本土が氷で繋がったことを知ったエーリング。彼は怪我をしたオーラヴを抱え進んで行く。しかし彼らの身体の重みで無情にも氷が砕け落ちる…あの氷上のシーンはかなりの迫力だった。
雪が降りしきる酷寒の中、水に入ったり、外で作業する少年たちを演じる無名の俳優たちに感嘆する。

ヒューマントラストシネマ有楽町にて
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by margot2005 | 2012-05-15 23:52 | スペイン | Trackback(8) | Comments(0)

「クリスマスのその夜に」

「Hjem til jul」…aka「Home for Christmas」2010 ノルウェー/スウェーデン/ドイツ
監督、製作、脚本は「ホルテンさんのはじめての冒険/2007」のベント・ハーメル。
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昨年観た映画のレビューがたまっていて、書くのはやめようかとも思ったが“ヨーロッパ映画”だけは外したくないので今更ながら....

クリスマスは終わり、年も開けた。映画を観たのはクリスマス・イヴ・イヴ・イヴのもっと前。
イヴを迎えたノルウェーの小さな町…とあるがロケされたのはドイツ??しかしながらとにかく雪景色が素晴らしく美しい!

エルサ&クヌート
ヨルダン&ヨハンヌ
カリン&クリスティン
トネ&パウル
トマス&ビントゥ
コソボ出身の男女

オープニングの殺伐とした風景から上に書いたカップルのショート・ストーリーが描かれラストへとつながる。
「ホルテンさんのはじめての冒険」のレビューにベント・ハーメルの「キッチン・ストーリー/2003」は見ていないと書いたが、その後見る機会に恵まれた。それはとても奇想天外なストーリーで、「ホルテンさんのはじめての冒険」」以上のものがあり、この監督の感性にそそられた気がする。
この映画もベント・ハーメルの感性で描かれた、クリスマスを舞台にした心温まるストリー。でも本作より「ホルテンさんのはじめての冒険」の方が好きかな?

ヒューマントラストシネマ有楽町にて(既に上映終了)
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by margot2005 | 2012-01-28 22:17 | ヨーロッパ | Trackback(1) | Comments(0)

「ホルテンさんのはじめての冒険」

「O' Horten」...aka「La Nouvelle vie de Monsieur Horten」 2007 ノルウェー/ドイツ/フランス

ノルウェー発のハートウォーミング・コメディ・ドラマ。

オッド・ホルテンにボード・オーヴェ。
自称元外交官トリグヴェ・シッセネールにエスペン・ションバルグ。
友人フローにビョルン・フローバルグ。
タバコ屋のトゥーゲルセン夫人にギタ・ナービュ。
製作、監督、脚本に「キッチン・ストーリー/2003」のベント・ハーメル。
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ノルウェー鉄道の運転士オッド・ホルテンは勤続40年。67歳、定年退職の日、ひょんな事から勤務時間に遅れ、タクシーで駅に着いた正にその時、彼が運転するはずの列車は発車したばかり...意気消沈して家に戻った彼は電話にも、ドアのノックにも知らんぷり。真面目な彼の人生が一夜にして狂ってしまったのだ。それ以来ホルテンの身に予期せぬ出来事が起こり始める...
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殺伐とした、ギャング映画と刑事ものが続き、この映画で少しは心温まったかも...
「キッチン・ストーリー/2003」のノルウェー人監督ベント・ハーメルが描くVery ハートフルな世界。実は「キッチン・ストーリー」は観ていない。wowowで放映された際にDVDに落としてあるのだが、それも見てない。探して見てみなきゃ。
雪が舞うノルウェーの首都オスロの街、夜景がとても綺麗。市内に電車が走っている。俄然行ってみたくなるオスロの街。
街をちょっと外れるとスキーのジャンプ・コースがあり、ジャンプ台のてっぺんから街を見渡せるってノルウェーならではの景色ではなかろうか?
細長い国ノルウェー。その鉄道は長々と続き、雪の舞うシーンが多くとても絵になる。もっと、もっと鉄道の旅シーンをスクリーンで観たかった。
物語はほのぼのとしていてチェコ映画「スイート・スイート・ヴィレッジ/1985」を思い出す。
老人が主人公(主要な登場人物はほぼ老人)でテンポも遅く、盛り上がりにかけるこの作品。眠りの世界へ入った方が多々いたかと思える。久しぶりに夫と観たヨーロッパ映画。彼は殆ど寝ていたらしい...まぁ眠るにはバッチリの映画かも知れない?
台詞が少なく、時々アップとなるホルテンさんの表情が物語る。それがとてもナイス!
自称元外交官とのエピソードを始めとして、友人に会いに行った空港でのエピソード、送別会二次会会場に行けず、子供に捕まって眠ってしまったエピソードなど、どれもコレもホルテンさんならではの出会い、出来事で素敵。
心優しいホルテンさんは“チューリップを持ってきたよ、好きだろ。”なんて...施設にいる母親を訪ねたりする。一人暮らしの彼ってずっと独身だったろうなと察する(妻を亡くしたとかではなく...)。なのでラストはとても、とても良かった。
主演のボード・オーヴェは67歳役だが、実際は1936年生まれで撮影時70歳。映画の中でも身体若そうで(ヌードでプールで泳ぐシーンあり)、はつらつとしていてこのおじさまスゴイ。
渋谷Bunkamuraにて...
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by margot2005 | 2009-03-08 00:58 | スペイン | Trackback(12) | Comments(0)