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ドイツ映画祭2009...「SOUL KITCHEN」

「Soul Kitchen」 2009 ドイツ
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監督、脚本に「太陽に恋して/2000」「愛より強く/2004」「そして、私たちは愛に帰る/2007」のファティ・アキン。
ジノス・カザンツァキスにアダム・ボウスドウコス(アキンと共同脚本)。
イリアス・カザンツァキスに「太陽に恋して」「暗闇の女たち/2007」「ひばり農園/2007」「バーダー・マインホフ 理想の果てに/2008」のモーリッツ・ブライブトロイ。
シェフのジェインに「愛より強く」「太陽に恋して」のビロル・ユーネル。
ジノスの恋人ナディーンにフェリーヌ・ロッガン。
“Soul Kitchen”で働くルチアにアンナ・ベデルケ。
ナディーンの祖母に「4分間のピアニスト/2006」のモニカ・ブライブトロイ。
ノイマンにヴォーダン・ヴィルケ・メーリング。
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ジノスはハンブルグの冴えないレストラン“Soul Kitchen”のオーナー。ある日、弟のイリアスが服役中の刑務所から仮釈放され突然やって来る。一方で、上海に行った恋人ナディーンが恋しいジノスはレストラン経営に身が入らない。それを知った不動産仲買人ノイマンはジノスの店を乗っ取ろうと画策する...
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もう最高!!ファティ・アキン!!
配給が決まってないというこの映画は是が非でも観たかった。今年の始めにファティ・アキンの「そして、私たちは愛に帰る」を観た。それ以前の彼の映画はDVD。今年は2本もシアターでアキン映画が観られるなんてラッキーな事この上ない。
主人公のアダム・ボウスドウコスはアキン映画に多々出演しているそうだが記憶になく、今回は主演なので彼の顔は脳裏に焼き付いた。イタリアンかなと思っていたが、アダムはギリシャ移民。
どこまでも、ひたすら良い人の兄ジノス。弟イリアスには勿論、“Soul Kitchen”の敷地に住む家賃滞納の老人にも親切だし、腰痛なのに飲みつぶれたルチアを背負ってアパートの階段上がるとか...正反対のイリアスと、問題は色々あるけど兄弟二人の揺るがぬ愛情が泣ける。母親に刑務所に入ってる事をも内緒にして、イリアスは油田で働いているなんて、とんでもないウソも母親思いの二人ならでは...?
ナディーンはこんなに善良なジノスに冷たかったけど、ラスト彼女の大金の援助はハッピー・エンディングで良かった。
イリアスを演じたモーリッツ・ブライブトロイ。彼はWorld Wideで活躍しているドイツ人俳優。彼も又ハンブルグ育ちとか。
モーリッツ「バーダー・マインホフ〜」ではスーパー過激な役にハマっていたが、これでは過激+コメディ・タッチのムサい男がマジで似合っている。
怪しいシェフ役ビロル・ユーネルの存在の素晴らしさは言う事無し。
モーリッツのママ、モニカもワンシーンに出演。「ヒルデ ー ある女優の光と影/2009」にも出演している彼女はおそらく本国ドイツでは国民的女優ではないかと想像するが、惜しい事に今年の5月に亡くなった。
街のワル役で懐かしのウド・ギアが出演している。21世紀になってから単独ドイツ映画でウド・ギアを観たのは初めて。70年代〜のホラー映画で有名になったウド・ギアはヨーロッパ&ハリウッド映画にたくさん出演する名脇役。最近では「モディリアーニ 真実の愛/2004」でお目にかかったが、60代でも若くてビックリ。
今年も昨年に続きドイツ映画祭で4本の未公開作品を堪能した。
新宿バルト9にて
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by margot2005 | 2009-10-21 00:36 | ドイツ | Trackback(15) | Comments(6)

「バーダー・マインホフ 理想の果てに」

「Der Baader Meinhof Komplex」...aka「The Baader Meinhof Complex 」2008 ドイツ/フランス/チェコリパブリック
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ウルリケ・マインホフに「善き人のためのソナタ/2006」「クララ・シューマンの愛/2008(クララ・シューマン 愛の協奏曲)」のマルティナ・ゲデック。
アンドレアス・バーダーに「太陽に恋して/2000」「ストーン・カウンシル/2005」「ミュンヘン/2005」「ひばり農園/2007」「暗闇の女たち/2007」のモーリッツ・ブライブトロイ。
グドルン・エンスリンに「ノース・フェイス アイガー北壁/2008」のヨハンナ・ヴォカレク。
ドイツ連邦警察長官ホルスト・ヘロルドに「愛を読むひと/2008」のブルーノ・ガンツ。
監督はウーリー(ウルリッヒ)・エデル。
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1967年、西ベルリン。アメリカ合衆国と密接な関係にあるイランのパーレビ国王夫妻訪問の抗議デモで、デモ隊と警官たちの衝突の挙げ句一人の学生が警官に撃たれ亡くなる。
夫の浮気から二人の娘を連れて家を出たウルリケ・マインホフは左翼系雑誌に投稿するジャーナリスト。デモ以来彼女は反権力、反資本主義運動を掲げる学生たちに関心を募らせていく。
1968年、アンドレアス・バーダーと恋人のグドルン・エンスリンはベトナム戦争に抗議しフランクフルトのデパートに火炎瓶を投げる。
放火事件により逮捕されたバーダーとエンスリンに共鳴したマインホフは二人の脱走を手引きし、成功の後彼らと共に暴力による抵抗運動に身を投じる事を誓う。やがてバーダー、マインホフ、エンスリンをリーダーにドイツ赤軍(RAF)が誕生するのだった...
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“ドレスデン、ヒロシマ、ベトナム!!”と叫ぶ学生たち。
車を盗み銀行を襲撃して金を得、RAFは政府の公共施設を破壊し、政府、政界、法曹関係者を次々に襲い、更に駐留アメリカ軍のドイツ人を殺害して行く。
1977年のルフトハンザ航空181便ハイジャック事件は記憶にあるが、バーダーたちの釈放が目的だったまでは記憶になかった。
マインホフがバーダーに“デパートに放火してベトナム戦争をやめさせようとしたのか?”と問いかけるシーンは邦題にもなっている“理想の果てに”だろう?
マインホフは二人の少女の母親であったことが描かれているが、バーダーにも子供がいたという。バーダーの恋人エンスリンにも男の子がいた。
日本赤軍のメンバーにも夫や、妻、子供がいたが、どちらのメンバーも家族をも犠牲にして戦う価値があったのか知る由もない。
映画の中で1970年代の西ドイツが再現されているのがスゴくて興味深い。
タイトルの“バーダー・マインホフ”はアンドレアス・バーダー&ウルリケ・マインホフ二人の名前の合体。
「セントアンナの奇跡/2008」「愛を読むひと」のアレクサンドラ・マリア・ララや「4分間のピアニスト/2006」のハンナー・ヘルツシュプルングも仲間の一員役として出演している。
温和な雰囲気を持つ(感じる)モーリッツ・ブライブトロイがスーパー級に過激なテロリストを演じていて似合っている。
“Dizzy Miss Lizzy/ディジー・ミス・リージー”で始まり、エンディングにボブ・ディランの“Blowin' in the Wind/風に吹かれて”が流れるのも彼らの時代にマッチしてナイス。
ドイツ映画祭2008で観たマルティナ・ゲデックの「クララ・シューマンの愛(クララ・シューマン 愛の協奏曲)」は現在渋谷Bunkamuraル・シネマで公開中。
渋谷シネマライズにて...
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by margot2005 | 2009-08-02 22:06 | ドイツ | Trackback(4) | Comments(4)

「そして、私たちは愛に帰る」

「Auf der anderen Seite」...aka「On the Other Side /The Edge of Heaven」 2007 ドイツ/トルコ/イタリア

トルコとドイツを舞台に“愛と死”をテーマに、三組の親子が織りなすヒューマン・ドラマ。
カンヌ映画祭最優秀脚本賞/全キリスト教会賞受賞作品。
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ネジャットにバーキ・ダヴラク。
ネジャットの父親アリにトゥンジェル・クルティズ。
アイテンにヌルギュル・イェシルチャイ。
アイテンの母親イェテルにヌルセル・キョセ。
スザンヌに「愛と死の間(あいだ)で/1991」のハンナ・シグラ。
スザンヌの娘ロッテにパトリシア・ジオクロースカ。
監督、脚本に「愛より強く/2004」「太陽に恋して/2000」のファティ・アキン。


ドイツ、ブレーメンに住むアリは、ある日出会った娼婦イェテルを気に入り、一緒に住まないか?と持ちかける。ハンブルグの大学で講師をしている息子ネジャットは娼婦を家に連れ込んだ父親に嫌悪感を抱くが、稼いだお金をトルコに住む娘アイテンに送金しているイェテルに好感を抱く。やがて酔ったアリがイェテルに手をかけ死なせてしまう。
一方で政治活動に身を投じたアイテンはドイツに不法入国し母親探しを始める。お金がなく途方に暮れるアイテンに援助の手を差し伸べたのはドイツ人学生ロッテだった...
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ファティ・アキン映画は「太陽に恋して」「愛より強く」共に素晴らしいユーモアが楽しめる。しかしこの作品は全く違う。一組の父親と息子、二組の母親と娘の愛情をひたすら真面目に描いている。
三組の親子には密接な繋がりがあるが、それぞれが全くもってすれ違ってばかりで哀しい。
ネジャットがトルコに向かったのは、亡きイェテルの娘アイテンを探し学費の援助をしようとする事から始まる。しかしラストの、ラスト迄ネジャットはアイテンに逢えないまま。母親イェテルは娘に高等教育を受けさせるべく、娼婦にまで身を落として稼いだお金を送金していた。彼女は娘の現実の姿を知らないまま亡くなったので、逢えなかったネジャットもアイテンの実際の姿を知る事はなかった。映画を観ていて、ネジャットとアイテンが中々逢えない事にイライラする。が、しかし、観終わってこのドラマの中で二人は逢えないで良かったと思った。
トルコ、イスタンブールの空港で、ドイツからトルコに戻って来た一つの棺と、トルコからドイツに戻って行く一つの棺のシーン、そして、レストランで食事をするネジャットとスザンヌが“死”に乾杯するシーンはとても印象的。
トルコ移民が多いドイツ。ドイツ人学生ロッテは食べるものを買うお金もないアイテンに出会い彼女を助ける。やがて不法入国で本国に送還されたアイテンを追って自らトルコへと旅立つ。その娘の行動を母親スザンヌは理解出来ず批判するばかり。しかしラストでは全てを許し受け入れる彼女の姿に感動する。ちょっとウルウル来た。
父親を軽蔑していた息子ネジャットもラストでは彼を訪ねるべく車を走らす。それはスザンヌとの出会いにより、亡き母親の代わりに男手一人で育ててくれた父親の愛情を再認識したからに他ならない。
エンディング、ビーチにたたずみ、父親を待つ息子の背中に希望が見えるように思えた。
全キリスト協会賞を受賞しただけあって、“隣人愛”というのだろうか?人種を越え、宗教を越えた“愛”が描かれ素晴らしい!作品となっている。
俳優たちも皆素晴らしい!
例によって何度も、何度も予告を観て来たが、予告以上に素晴らしく、またまたマイベスト入りしそう。
シネスイッチ銀座にて...
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by margot2005 | 2009-01-10 20:47 | ドイツ | Trackback(14) | Comments(8)

ドイツ映画祭2008...「THE WAVE ウェイヴ」

a0051234_227933.jpg「Die Welle」...aka「The Wave 」2008 ドイツ
高校教師ライナー・ヴェンガーにユルゲン・フォーゲル。
ティムにフレデリック・ラウ。
マルコにマックス・リーメルト。
カロに「みえない雲/2006」のジェニファー・ウルリッヒ。
監督、脚本はデニス・ガンゼル。



ドイツのある街。高校教師のライナー・ヴェンガーは“独裁政治”をテーマとしたクラスを担当する。1990年代に生まれた生徒たちは“独裁政治”などもはや存在することではない遠い昔のことと全く興味を示さない。そこでライナーは“この授業の期間中クラスの誰かを指導者にしないか?”と提案する。多数決で決まった“指導者”その人は他でもない担任のライナーだった。次の授業でライナーは“独裁政治”の要素を取り入れ、それを実践して行こうではないかと持ちかける。そしてライナーが決めたルールに生徒は従って行かねばならなかった。最初は反撥していた生徒たちもこの試みに引きこまれて行くのにそう時間はかからなかった...
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最初に“この映画は実話に基づいている”という字幕が出る。ドイツで起こった実話だと誰もが思うが、そうではなくアメリカの高校教師が行った“実践”を元に原作が書かれ映画となった。
友だちもいないオタクのティム、家庭に問題を抱えるマルコ、そして裕福な家庭の少年や、トルコ人少年と、環境の違う少年、少女たちが一団となって“実践”をエスカレートさせて行く。
生徒たちは教師ライナー・ヴェンガーを、第三帝国時代の“ハイル・ヒトラー”ならぬ、“ハイル・ヴェンガー”と呼び、白いシャツにジーパンというクラスのユニフォームを取り入れたり、映画のタイトルとなっている“ザ・ウェイヴ”のウェブ・サイトを立ち上げ、設定したロゴマークを街の至る所に貼付けて回る。やがて、一体化した彼らと他の生徒たちの間で摩擦が起き始め、賛同出来ず、このクラスを去った少女カロは学校新聞で“ザ・ウェイヴ”を批判するがもみ消されてしまう。
アメリカではなく、かつて“独裁国家”が存在したドイツで作られた映画だけに非常に衝撃的でインパクトがあった。
“指導者”となったライナーにもコンプレックスがあったという設定も面白い。
ラストはあっと!驚く展開でビックリする。それは事実とは違った描き方となっている。
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今回のドイツ映画祭、今年製作された4本の映画を観る事が出来た。どれもコレも骨太な作品で観応えがあった。3作は時代物で、山岳映画「ノース・フェイス アイガー北壁」にしても、音楽映画「クララ・シューマンの愛」にしても、地元ドイツならではの作品。
来年のドイツ映画祭も楽しみにしたい!
新宿バルト9にて...
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by margot2005 | 2008-11-07 22:30 | ドイツ | Trackback(6) | Comments(2)

ドイツ映画祭2008...「クララ・シューマンの愛」

「Geliebte Clara」...aka「Clara」2008 ドイツ/フランス/ハンガリー
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クララ・シューマンに「善き人のためのソナタ/2006」のマルティナ・ゲデック。
ロベルト・シューマンに「譜めくりの女/2006」「エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜/2007」のフランス人俳優パスカル・グレゴリー。
ヨハネス・ブラームスにフランス人俳優のマリック・ジディ。
監督、脚本にヘルマ・ザンダース・ブラームス。

19世紀半ば、度重なる演奏活動の末デュッセルドルフに移住して来たロベルトとクララ・シューマン夫妻。ある夜、“ブラヴォー!”の喝采の下、ピアノ コンサートを成功させたシューマン夫妻。そこにはクララの弾くピアノ演奏を熱心に見つめる一人の若者がいた。そしてある日、彼はヨハネス・ブラームスと名乗り自作のスコアーをシューマン夫妻に届ける。彼の天才的な才能を見抜いたロベルトは自身の後継者にしようと彼を家に招き入れる。夫妻の子供たちがブラームスに懐き始め、クララとロベルトは同時にブラームスの才能に惚れこみ3人は奇妙な関係となって行く。しかし3人一緒に暮らせないと感じたブラームスはシューマン家を去っていく。ちょうどその頃ロベルトは精神を病み始めていた...
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原タイトルは“恋人(愛する人)クララ”。
映画はとにかく素晴らしかった!ブラームスやシューマンのピアノ曲がたっぷりと演奏されクラシック・ファンにも十分に楽しめるかと思える。
クラシックには疎い私でも知ってるピアノ曲や、ブラームスの子守唄など流れて音楽映画の世界にどっぷりと浸る事が出来て幸せだった。
クラシック音楽には疎いけれど“クララ・シューマンとヨハネス・ブラームスの恋”については知っている。クララはブラームスより10才以上年上(映画では20才のブラームスがクララと出会い、クララはロベルトに彼の二倍も年上の私と言っている)。互いに強く惹かれ合った二人だが、ロベルトの生前も死後もプラトニックな関係だったという。
8人も子供(亡くなった子供もいる)を産んだクララ。彼女は子育てをしながら病気の夫ロベルトを支え続け、生活のため演奏活動もこなしたというスーパー・ウーマン。
今の時代でも指揮者って男の世界。この時代に精神を病むロベルトの代わりにタクトを振った女性音楽家クララは、楽団員の侮蔑的な眼差しにもめげない強い女性だった。
そのクララを演じたマルティナ・ゲデック、この方どんな役を演じても存在感たっぷりの素晴らしいドイツ人女優。
ロベルト役のパスカル・グレゴリーも精神を病む役柄を演じて上手い。こういった彼は「王妃マルゴ/1994」のアンジュー役を彷彿とさせる。ドイツ語の台詞を喋るグレゴリー...口と声が合ってない感じで、長い台詞の時は顔が映らないようにしていたが、彼の台詞は吹替え?
ブラームス役のフランス俳優マリック・ジディはドイツ語喋っていた。
ブラームス監督はヨハネス・ブラームスの子孫。
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「マーサの幸せレシピ/2001」や「善き人のためのソナタ」で日本でも顔が知れてるマルティナ・ゲデックがクララ・シューマンを演じているからか、それとも音楽ファンが多く集まったのか?定かではないが、2回の上映ともチケット完売だったようだ。この映画は10/31に前売りチケットを無駄にしていたが、やっぱり観たくてシアターに行った。
“ぴあ”で前売りを買って手数料を入れると、当日チケットの1500円より高くなる。それって?不思議??当日チケットを上映2日前からシネコンのカウンターで売っていたらしい。それに気がつかなかったなんて...まぁでも観れたのだから良しとしよう。
新宿バルト9にて...
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by margot2005 | 2008-11-06 01:39 | ドイツ | Trackback(7) | Comments(0)

ドイツ映画祭2008...「ノース・フェイス アイガー北壁」

「Nordwand」2008 ドイツ/スイス/オーストリア
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アルプス、アイガー北壁舞台の山岳映画。

登山家トーニに「プリンセス・アンド・ウォリアー/2000」「美しき家、わたしのイタリア/2003」「戦場のアリア/2006」のベンノ・フュルマン。
同じくアンディに「ワン・ディ・イン・ヨーロッパ/2005」のフロリアン・ルーカス。
写真家ルイーゼにヨハンナ・ヴォカレク。
編集長ヘンリーに「善き人のためのソナタ/2006」のウルリッヒ・トゥクール。
オーストリア人登山家ヴィリーとエディには、オーストリア俳優ジーマン・シュバルツとゲオルク・フリードリヒ。
監督、脚本はフィリップ・シュテルツル。

1936年ドイツ、ベルリン。
スイス、アルプスのアイガー北壁は人類未到達の山であり、ヨーロッパの登山隊によるコンペティションの中、ドイツ国内ではその山を制覇することはオリンピックの栄誉にも匹敵するといわれていた。前年にもドイツ隊は登頂に挑戦し、失敗の後帰らぬ人となっていた。
登山家のトーニとアンディはこれに挑戦すべくスイス、アルプスへと向かう。同じく写真家でトーニの元恋人ルイーゼも新聞社の編集長と共にアルプスへと向かっていた。
7月18日未明、トーニとアンディは登攀を開始する。そして彼らに追いつくように登って来たオーストリアのヴィリーとエディ。しかしトーニとアンディが起こした落石によりヴィリーが頭に傷を負ってしまう。その後ビバークを重ねながら頂上へと進む4人だったが、悪天候とヴィリーの負傷により下山する以外方法のない状態に陥る...
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映画解説に“山岳映画の傑作”と書いてあるが、まさしくその通りで素晴らしい!!
シアター入り口ポスターの前で、登山家と思われる中高年の男女性たちが数人集まって写真を撮っていた。山好きな人が観たらたまらないだろうなと感じる作品。
彼らが遭難するというのは最初から分っているのだが、とにかく手に汗握るシーン続出で、身を乗り出して観ていた気がする。
「戦場のアリア」の頃と比べて随分と痩せているベンノ・フュルマンは、この映画に出演するため減量したのかも知れない。
もちろん4人の俳優がアイガーに登ったわけではないが、CGを駆使した登攀シーンはスゴイ!落石や雪崩のシーンには思わず叫びそうになった。
アイガー北壁は3975メートル。ほぼ標高2000メートル地点にホテルが建っている。ホテルの部屋から北壁が見え、テラスの双眼鏡からは登攀する人々の姿を見る事が出来る。坑道には電車(ケーブル)が走り、登山家でなくとも2000メートル半ばくらい迄登ることが出来るのにもビックリ。ここからそそり立つ北壁を見たらきっと鳥肌たちそう。
ルイーゼが坑道のデッキ(テラス)から身を乗り出し、北壁に残されたトーニに叫ぶシーンには、“マジで?声届くのか?”と思ったけどエコーとなって声は山に届くのだろう。
今から70年前ゆえ、ヘリコプターでの救助はもちろんないし...ザイルの長さが足りなかったため、数メートル上にぶら下がるトーニを助けられなかったのは時代だなぁとしみじみ感じる。
山の天気は変わりやすいというが、その通り。彼らが嵐に見舞われ遭難した次の日は快晴であった。
スクリーンいっぱいに、アイガー頂上が映し出され、そそり立つその姿は神々しいまでに美しい!

新宿高島屋のテアトル・タイムズ・スクエアと新宿武蔵館を別として新宿で映画を観ることはない。なのでシネコン バルト9は初めてだった。ここのシアター6、横列が長く、縦列が短いという他のシアターにはない席の並べ方。そのせいか?音響が他のシアターに比べてとっても臨場感があり大満足だった。
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by margot2005 | 2008-11-04 23:03 | ドイツ | Trackback(14) | Comments(4)

ドイツ映画祭2008...「クラバート - 謎の黒魔術」

「Krabat」 ドイツ 2008
昨年のドイツ映画祭で観たのは「イェラ/2007」1本のみ。今年は前売りチケットを買って何作か観たいなぁと思いつつ、結局買ったのは「クララ・シューマンの愛」と「クラバート - 謎の黒魔術」の2本。観たい作品の中でぎりぎりで買ったネットでの前売りはこの2本しかなかったのが現状。
「クララ・シューマンの愛」は急用が出来上映時間に間に合わずチケットを無駄にしてしまった。セレモニーで「クララ・シューマンの愛」のチケット(10/31)は完売で、配給がつく可能性がありますと主催者がコメントしていた。それを聞いてますます残念だった。
この後も上映はあるけど、2連休なので当日チケットはあるのかな??
この映画の前にセレモニーがあってゲストが登壇。映画終了後も質疑応答があるとのことだったが、なんか疲れて席を立ってしまった。
映画祭のセレモニーって長過ぎ...おまけにドイツ語(当たり前ながら通訳はあるが...)だし...
監督と、12人の少年の中の一人リュシェンコ役のローベルト・シュタートローバーがジーパン姿で現れた。
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主演のクラバートにダフィット・クロス。
クラバートの親友となるトンダに「青い棘/2004」「サルバドールの朝/2006」のダニエル・ブリュール。
マイスターに「イェラ」のクリスティアン・レドゥル。
少女カントルカに「みえない雲/2006」のパウラ・カレンベルク。
監督、脚本はマルコ・クロイツパイントナー。

17世紀、30年戦争の最中両親を失った14才のクラバート。彼は物乞いをしながら長い放浪の旅に出かける。ある日、夢に導かれるように辿り着いた荒れ果てた村。そこには製粉所があり、同じような境遇の12人の少年(青年)たちが重労働を強いられていた。“マイスター”と呼ばれる親方にこき使われる少年たち。しかしそこは黒魔術の学校であり、全員マイスターに絶対服従の世界だった。魔術を身に付けた数年後、クラバートは自身の自由と、村で出会った美しい少女カントルカとの愛のためマイスターを倒そうと立ち上がる...
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ドイツ本国でも3週間前に公開されたばかりのこの作品。
観終わって“スゴイ映画!”というのが最初に感じた感想。
雪深い(ドイツアルプス?)山々や、広大なる森が撮影に使われ素晴らしい映像だったが、17世紀が舞台のためと、ダークな世界を描いているため映像はそれはそれは暗い。
原作はオトフリート ・プロイスラーによる世界的ベストセラー小説“Krabat”。でも残念ながら知らない小説。
14才〜10代後半を演じたクラバート役のダフィット・クロス実際は18才。とてもチャーミングなドイツ青年でぴったりの役柄。
クラバートの親友となるトンダ役のダニエル・ブリュールも好演している。
映画解説に“CGを用いて映画化したファンタジー大作”とあり、少年たちがカラスに変身したりして、とってもファンタジックだが、それぞれのシーンは余りにもダークな世界の連続で、原作はチェコの伝説を元にした童話ということだが、子供たちが観て楽しめる映画ではなく、大人のためのダーク・ファンタジーかな?
新宿バルト9にて...
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by margot2005 | 2008-11-02 01:51 | ドイツ | Trackback(1) | Comments(2)

「わが教え子、ヒトラー」

a0051234_2233192.jpg「Mein Führer-Die wirklich wahrste Wahrheit über Adolf Hitler」...aka「Mein Führer:The Truly Truest Truth About Adolf Hitler」 2007 ドイツ

自信喪失に陥ったアドルフ・ヒトラーを再生しようと奔走する側近たちの姿を描いたブラック・コメディ。

アドルフ・グリュンバウム教授に「善き人のためのソナタ/2006」のウルリッヒ・ミューエ。
2007年7月に亡くなったウルリッヒ・ミューエの遺作である。
アドルフ・ヒトラーにヘルゲ・シュナイダー。
ヨーゼフ・ゲッベルスにシルヴェスター・グロート。
監督、脚本にダニー・レヴィ。
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1944年12月。宣伝大臣を務めるヨーゼフ・ゲッベルスの手配で強制収容所から連れて来られたユダヤ人のアドルフ・グリュンバウム教授。元俳優の彼は自信喪失に陥ったアドルフ・ヒトラーに演技指導を始める。1945年1月1日、新年の演説のために...
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子供時代、理由もなく父親に打たれ続けたアドルフ。過去のトラウマから、真夜中悪夢に目覚めた彼は独り寝が寂しく、グリュンバウム夫妻のベッドに潜り込み添い寝する。グリュンバウム夫人はこの時とばかりアドルフの上にのしかかり窒息死させようとするが、“お父さん!”やめて!”と寝言をいう始末。
執務室に飼われている“ハイル・ヒトラー”ポーズがお得意のお馬鹿なシェパード。
お風呂に戦艦を浮かべての入浴シーン。
ベルリンが陥落し、瓦礫となった街を必死に隠そうとするゲッベルスを始めとしたヒトラーの取り巻きたち...
笑いネタがそこかしこにはある。大笑いするほどでもないが...シアター中高年が多く、近くにいたojisamaは一人で大笑いしていたけど...
観る前は、もっと、もっとブラック・ユーモア炸裂か!?と期待していた。しかし想像したほどではなく、コレを観た限りではヒトラーはゲッベルスの操り人形のように映り、ヒトラーが悪者でないように見えてしまって非情に困った。
「ヒトラー 〜最期の12日間〜/2004」と比較して観ると面白いかも知れない。
「ヒトラー 〜最期の12日間〜」でヒトラーを演じたブルーノ・ガンツもそっくりだったが、この作品でのヘルゲ・シュナイダーも実に良く似ている。
「善き人のためのソナタ」の時も素晴らしかったが、ウルリッヒ・ミューエは本当に素晴らしい俳優。惜しい人が亡くなったものだ。まだ50代なのに...
ヨーゼフ・ゲッベルスを演じたシルヴェスター・グロートは粋な俳優。
原タイトルの“アドルフ・ヒトラーに関しての本当の、本当の真実”というのはシャレなのか?ユーモアなのか??
渋谷Bunkamuraル・シネマにて...
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by margot2005 | 2008-09-12 23:39 | ドイツ | Trackback(12) | Comments(8)

「マンデラの名もなき看守」

a0051234_2340135.jpg「Goodbye Bafana」2007 ドイツ/フランス/ベルギー/南アフリカ/イタリア/UK/ルクセンブルグ

黒人初の南アフリカ大統領となったネルソン・マンデラの名もなき看守ジェームズ・グレゴリーと、家族の姿を描いた社会派ヒューマン・ドラマ。
文部省推薦映画で、ストーリーの主人公は看守ジェームズ・グレゴリー。

看守ジェームズ・グレゴリーに 「ヴェニスの商人 /2004」のジョゼフ・ファインズ。
妻グロリアに「ハンティング・パーティ/2007」のダイアン・クルーガー。
ネルソン・マンデラに「アメリカを売った男/2007」のデニス・ヘイスバート。
監督はデンマーク出身のビレ・アウグスト。
原作は主人公ジェームズ・グレゴリーの書いた“Goodbye Bafana”
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1968年、南アフリカ共和国。
ケープタウンの北西に浮かぶロベン島(現在、世界遺産)に家族を伴ってやって来たジェームズ・グレゴリー。彼はそこで白人たちからテロリストの首謀と呼ばれるネルソン・マンデラの看守となる。
グレゴリーはマンデラと故郷が同じで、コーサ語を操る事が出来るため、マンデラや他の囚人たちの手紙をチェックする仕事に就く。
やがて、人種差別主義のグレゴリーもマンデラと接するうち、彼の気高い思想に傾倒していくのだった...
 
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正に邦題が語るように“名もなき看守”が、マンデラの担当になり出世して行く。
マンデラ贔屓...いわゆる黒人贔屓と見なされたグレゴリーは周囲から反撥を買い、妻にも諭されマンデラの看守を辞めたいと願うが取り合ってもらえない苦悩の日々。
差別家だったグレゴリーがマンデラの本当の姿を目の当たりにして、自身の考え方も変わって行く過程を丁寧に描いていて惹き込まれる。
妻グロリアは夫ジェームズの出世しか頭にないが、次第に彼の気持ちを理解して行くようになり、マンデラの顔すら知らない彼女が、ラストで彼に声をかけるシーンは胸を打つ(1990年に解放されたマンデラが妻と歩く姿はTVで放映され記憶に残っている)。
とにかく“アパルトヘイト”ってとんでもない政策だったんだと改めて思う。
ジョゼフ・ファインズは兄のレイフと共に大好きなUK俳優で、彼が主人公を演じるということで是が非でも観にいかなきゃと思っていた。
ジョゼフ中々goodである。
妻グロリアを演じたダイアン・クルーガーもナイス・キャスト。
難をいえば、27年の歳月を描くストーリーなのにジェゼフも、ダイアンもちっとも老けなくて困った。
マンデラ役のデニス・ヘイスバートもお気に入りのアフリカン・アメリカン俳優だが、ネルソン・マンデラと少々雰囲気が違って違和感あるかな?しかし他に誰が?
モーガン・フリーマンなんかマンデラ役にぴったりかと思えるのだが...
シネ・リーブル池袋にて...
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by margot2005 | 2008-05-22 23:49 | ドイツ | Trackback(16) | Comments(4)

「プリンセス・アンド・ウォリアー」

a0051234_21231954.jpg「Der Krieger und die Kaiserin」...aka「The Warrior and the Empress」 2000 ドイツ
交通事故により出会った二人が、後に起こる銀行強盗事件で又も遭遇するサスペンス風ラヴ・ストーリー。
ヒロイン シシーにマット・デイモンの“ジェイソン・ボーン”シリーズ2作で、マットの恋人を演じたドイツ女優「ラン・ローラ・ラン/1998」のフランカ・ポテンテ。
ヒロインと出会う男ボドに「美しき家、わたしのイタリア/2003」「戦場のアリア/2006」のベンノ・フユルマン。
監督、脚本、音楽は「ラン・ローラ・ラン」「パリ、ジュテーム/2006」「パフューム ある人殺しの物語/2006」のトム・ティクヴァ。
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ある日、精神病院の看護師シシー(ポテンテ)は自動車事故にあい車の下敷きとなる。彼女に救命措置を施し病院へ運んだのはボド(フユルマン )という男だった。
“奇跡的な回復だ!”と医者にも言われたシシーは退院後住まいのある精神病院へと帰って行く。
しかし自分を助けた男を夢にまで見るシシーは、その男を探し求めついに彼を見つけ出す。
彼の家へ押し掛け”又逢いたかったの!”と言うシシーに“何の用があって来た?帰れ!”と言う男。仕方なしに帰るシシーだったが、大雨の夜、再び男の家へと向かう。
出迎えてくれたのは男の兄ウオルター(ヨアヒム・クロール)。
やがてウオルターは弟ボドの過去をシシーに語り始めるのだった...
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この映画タイトルは知っていたが未見で、今回やっと観る事が出来た。
ファンタジーではないのだが、何となく見ていてファンタジックな気分になる素敵なドイツ映画。
フランカ・ポテンテ&ベンノ・フユルマンの21世紀作品を先に見ているので、どちらも若い(ほんの数年前だけれど...)。
オープニングとエンディングに登場する海を望む素晴らしい景色はUKのコーンウォール地方で撮影されたスポットかと思える。
トム・ティクヴァはケイト・ブランシェット&ジョヴァンニ・リビシの「ヘヴン/2002」の監督でもある。「ヘヴン」もそれの世界に引き込まれた記憶があるが、これはそれ以上の世界に引き込まれる作品で私的にはスッゴく好みである。
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精神病院で生まれたヒロインのシシーは、その病院の看護師となり病院で暮らしている。
事故にあった時救命措置をしてくれた男ボド。彼は後にシシーの命の恩人となる。
病院を退院したシシーは住まいである精神病院に戻るが、ここは自分の住まいではないと気づく。“戦士と女帝(プリンセス)という原題...この映画でのプリンセス シシーにとってボドは現状から救い出してくれる戦士だったのかも知れない。
エンディングがマジでBeautiful!
日本未公開作品だがDVDになっている。
WOWOWにて...
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by margot2005 | 2008-04-09 23:00 | ドイツ | Trackback | Comments(0)