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「コッホ先生と僕らの革命」

「Der ganz große Traum」…aka「Lessons of a Dream」 2011ドイツ
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ダニエル・ブリュール映画は「セブン・デイズ・イン・ハバナ/2012」以来(本作は以前の製作)だが、ちょっと前にジュリー・デルピーが監督、製作、脚本、主演し、音楽まで担当した未公開作「血の伯爵夫人/2009」をwowowで観た。ヒロインの相手役を演じたダニエルはとてもキュートで、おまけにホラー映画であり中々面白かった。
スペイン人の母親と、ドイツ人の父親を持つダニエルは童顔のせいかとても若く見える(1978年、6月生まれ)。

本作はドイツにサッカーを広め、後に“ドイツ・サッカーの父”と呼ばれるようになったコンラート・ コッホと彼の教え子たちの物語。
イングランドがサッカー発祥の地ということは知っていたが、最初は野蛮なスポーツと見なされドイツ本国でも受け入れられるまで時間がかかったというサッカーの歴史が面白い。と言うことは、イングランド人て野蛮なのか?
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1874年、ドイツ、ブラウンシュヴァイク。オックスフォードへの留学から戻ったコンラート・ コッホは名門カタリネウム校にやって来る。校長のグスタフ・メアフェルトはドイツで初めての英語教師として彼を採用したのだ。しかしながら生徒たちは教壇に立ち英語を教えるコッホに全く興味を示さない。ある時コッホにある考えが浮かび、生徒たちを体育館に呼び寄せる。オックスフォードから持ち帰った愛用のサッカー・ボールを手に“これはボールだ!”と英語で話し始める。そしてサッカー用語を連発しながらボールをキックしゴールへと入れる。コッホのマネをしながらボールを蹴り、ゴールに入れるを繰り返すうち彼らはサッカーというスポーツに興味を抱くようになる...

主演のコンラート・コッホにダニエル・ブリュール。
校長グスタフ・メアフェルトに「白いリボン/2009」「ゲーテの恋~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~/2010」のブルクハルト・クラウスナー。
フェリックス・ハートゥングにテオ・トレブス。
ヨスト・ボーンシュテットに「トスカーナの贋作/2010」のアドリアン・ムーア。
フェリクスの父親で会長のリヒャルト・ハートゥングに「es[エス]/2001」のユストゥス・フォン・ドーナニー。
歴史の教師ボッシュに「善き人のためのソナタ/2006」のトマス・ティーマ。
ヨストの母親クララ・ボーンシュテットにカトリン・フォン・シュタインブルク。
教会の牧師に「厨房で逢いましょう/2006」のヨーゼフ・オステンドルフ。
監督、原案はセバスチャン・グロブラー。

上に若く見えると書いたダニエル・ブリュール…彼ってとても爽やかなのだ。本作では爽やかなダニエルが100%見られる。今までで一番爽やかなダニエルに会えること間違いなし。
サッカーに興味を持った子供たち。しかしドイツ帝国の教育は秩序と服従が全てと言い切る会長とコッホの間に亀裂が生じ、野蛮なスポーツであるサッカーをすることは許さない!と宣言され、“野蛮なスポーツを子供たちに教えた責任を取れ!”とカタリネウム校を追い出されることになる。
しかしこの後は語るまでもない。子供たちがサッカーを続けなくてはドイツにサッカーというスポーツが広まらなかったのだから…。

富裕層である会長の息子フェリックスと母子家庭に育つヨスト…この二人を軸に物語は展開して行く。ちびのヨストが意外にもフォワードの才能があったりして、とても心温まるドラマに仕上がっている。
ダニエル主演の「ベルリン、僕らの革命/2004」を文字った邦題は全く持っていただけない。

TOHOシネマズ・日比谷シャンテにて
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by margot2005 | 2012-10-01 23:58 | ドイツ | Trackback(5) | Comments(0)

「あの日 あの時 愛の記憶」

「Die verlorene Zeit」…aka「Remembrance」 ドイツ 2011
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ハンナ・ジルベルシュタイン(1944)にアリス・ドワイヤー。
ハンナ・レヴィーン(1976)にダグマー・マンツェル。
トマシュ・リマノフスキ(1944)にマテウス・ダミエッキ。
トマシュの母親ステファニア・リマノフスカに「白いリボン/2009」のスザンヌ・ロタール。
ハンナの夫ダニエル・レヴィーンに「バーン・アフター・リーディング/2008」のデヴィッド・ラッシュ。
トマシュ・リマノフスキ(1976)にレヒ・マツキェヴィッチュ。
トマシュの兄にアドリアン・トポル。
義姉マグダレナにヨアンナ・クーリグ。
ハンナの娘レベッカにシャンタル・ヴァンサンテン。
ナチス将校ハンス・ヴォン・アイデムに「アイガー北壁/2008」」 「ワン・ディ・イン・ヨーロッパ/2008」のフロリアン・ルーカス。
監督はアンナ・ジャスティス。
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1976年、ニューヨーク、ブルックリン。ハンナはユダヤ人でドイツからアメリカに渡り結婚、優しい夫と娘と共に幸せな日々を送っていた。ある日、自宅で催すパーティで使うためのテーブルクロスをクリーニング店に取りに行く。そこでハンナはTVから聞こえる懐かしい声に耳を傾ける。TVの画面に映っていたのはかつての恋人トマシュの姿だった。ハンナは終戦後、赤十字社にトマシュ探しを依頼したが、彼の消息はつかめなかった。やはりトマシュは死んだのだと自分に言い聞かせて生きて来たのに…。
クリーニング店から戻り、突然生きているトマシュの姿を見、茫然自失となったハンナは自室に閉じこもり赤十字社に電話をかけるのだった...

1944年、ポーランド。トマシュはアウシュヴィッツ強制収容所に政治犯として収容されていた。ハンナはもちろんユダヤ人だからと言う理由で…。二人は収容所で出会い恋に落ちる。レジスタンス活動をする政治犯のトマシュには収容所内の実態を映したネガフィルムを持ち出すという任務があった。ある日、脱走計画を実行に移す行動に出たトマシュは、危険を伴うことを承知の上ハンナを一緒に連れて行く決意をする。やがて脱走に成功した二人は道中の困難を乗り越えトマシュの実家へたどり着く。彼は母親とも再会ししばしの安らぎを満喫する。しかしハンナを自分のフィアンセと紹介すると母親の態度が変わり始める。彼女はユダヤ人に対し大きな偏見を持っていた。
ハンナはある時、高熱を出し倒れる。なす術のないトマシュは母親に助けを求める。そしてリマノフスキ家にはナチスの将校が厳しい目を光らせていた...

涙と感動の物語、おまけに実話だそう。舞台はポー ランドとNY、ブルックリン。アウシュヴィッツ強制収容所で恋に落ちたユダヤ人ハンナと、レジスタン ス活動をするポーランド人トマシュ。戦争によて引き裂かれた恋は星の数ほどあるだろうが、またまた哀しいLOVE STORYを知ってしまった。

レジスタンス活動をするトマシュは兄夫婦の家にハンナを残し地下組織へ身を潜める。ハンナは来る日も来る日もトマシュの帰りを待ちわびるが戻って来ない。そしてある日、ソ連軍がやって来る。レジスタンスに関わっていた兄夫婦は捕らえられ、一時期長男の家に身を寄せていた彼らの母親と二人取り残されてしまう。ユダヤ人であるがゆえに嫌われていたハンナはとうとう家を出る決心をする。

ハンナが出て行った後トマシュが戻って来るが、母親はハンナは死んだと言い切る。
母親ステファニアは長男も次男もレジスタンスに関わり、長男の妻に“何もかもあなたのせいよ!”となじり、次男が心から愛するハンナをフィアンセとは決して認めない。この母親の気持なんとなく理解出来る。このような境遇には決して身を置かれないのでなんとも言えないが、息子を持つ同じ母親として彼女の気持ちは辛いほど理解出来る。それもこれも戦争のせいだけど…。

ラスト、ハンナはトマシュに会いにポーランドへ行く。トマシュが住む町でバスを降りるハンナ。バスから降りて来るハンナを探すトマシュ。そして互いを見つめ合う所でストップ・モーションとなりエンド・クレジットが始まった。
ハンナは戦後トマシュ探しをした。ところがトマシュは母親からハンナが死んだと知らされていたため、それを信じて疑わなかったと思う。赤十字社の努力でトマシュがポーランドに住んでいることが分かったハンナは彼に電話をかける。その時のトマシュの驚きは如何ばかりだっただろう?
かつて愛した人と32年ぶりに会うってどんな心境?エンディングで二人の会話をカットしたのは素敵な展開だった。実話なので二人は実際に再会し、会話したはず。そしてその後二人はどのように感じたのか知りたい気もしたが想像に任せることにした。
シアターで予告を何度も観て、某新聞映画評もサラっと見ていた。見終わって想像以上の感動を覚えた。

銀座テアトルシネマにて
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by margot2005 | 2012-08-19 00:26 | ドイツ | Trackback(5) | Comments(2)

「ゲーテの恋~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」〜」

「Goethe!」 …aka「Young Goethe in Love」2010 ドイツ
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ヨハン・ゲーテに「ブッデンブローク家の人々/2008」「イングロリアス・バスターズ/2009」のアレクサンダー・フェーリング。
シャルロッテ・ブッフにミリアム・シュタイン。
アルベルト・ケストナーに「ミケランジェロの暗号/2010」のモーリッツ・ブライブトロイ。
ゲーテの父にヘンリー・ヒュプヘン。
シャルロッテの父に「ベルリン、僕らの革命/2004」「白いリボン/2009」のブルクハルト・クラウスナー。
ゲーテの友人ウイルヘルム・イェーザレムに「バーダー・マインホフ 理想の果てに/2008」「愛を読むひと/2008」のフォルカー・ブルック。
監督、脚本に「アイガー北壁/2008」のフィリップ・シュテルツェル。
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1772年、ドイツ、ヴェッツラー。フランクフルト生まれのヨハン・ゲーテの夢は作家になること。しかし出版社に送った原稿はボツとなり、父親の命により田舎町ヴェッツラーの裁判所で実習生として働くことを余儀なくされる。そしてゲーテはある日、田舎町で催された舞踏会でシャルロッテという女性と出会う...

アレクサンダー・フェーリング…「イングロリアス・バスターズ」でのナチス、ドイツのユニフォーム姿は以外に印象に残らなかったが、今回よく見るとマシュー・マコノヒー似(上の写真は似てないですが...)の彼はイケメンなのだ。来日してTVに映っている姿も見たけど、かなりキュートでラヴ・ストーリーが似合う。
そして、ミリアム・シュタインは若き日のデブラ・ウインガーにとても良く似ている。

裕福な家庭に生まれ、ハンサム・ボーイだったゲーテは何度も恋に落ち、失恋もしている。ゲーテは相当なる“恋多き男”だったように思える。ゲーテを演じたアレクサンダー・フェーリングはきわめてgood。
“若きウェルテルの悩み”はもちろん読んだが、それは数十年前のことなので、ストーリーは全く覚えていない。この機会に今一度読んでみたい。
Internationalタイトルの“恋する若きゲーテ”がナイス。

がさつではあるが美しいシャルロッテに出会ったゲーテは一瞬で恋に落ちる。友人の後押しもあり、ゲーテはシャルロッテの家に会いに行く。燃え上がる二人を誰も止めることは出来なかった。しかし、子だくさんで男やもめの父親は、娘には裕福な男との結婚を望んでいた。
いわゆる見合い結婚(arranged marriage)である。そしてその相手はあろうことかゲーテの上司のケストナーだった。やがてやむにやまれぬトライアングル状態に陥る。シャルロッテはゲーテが恋しくて、恋しくて涙に暮れるが、父親や、幼い弟、妹のことを考えるとケストナーとの結婚を選ぶしかなかった。この時代の女性はホントお気の毒。
そして、ゲーテも恋に破れ自暴自棄になるが、自殺は思いとどまり、ペンと紙に全てを委ねる。

映画は少々大胆に描かれている。あの時代いくら惹かれ合っても、あんな簡単にメイク・ラヴには至らなかったであろうと想像する。でもロケされた景色は美しかった。

エンディングで…“結婚し子宝に恵まれたシャルロッテは一度だけゲーテに会った。”という解説が出る。シチュエイションは違うが、これより20年ほど後の物語「ジェイン・オースティン 秘められた恋/2007」のトムとジェインを思い浮かべた。

ゲーテの上司で、ゲーテの恋敵でもあるケストナー役のモーリッツは大好きなドイツ人俳優。彼の映画が2本、同じシアターで同時に上映されているって最初で、最後かも知れない。嬉しい限りだ。コメディが似合う彼も、今回はラヴ・ストーリーでマジな役柄。モーリッツって顔が笑えるのだ!と思った。

私的にこういった時代物映画は大好きだが、シアターの席はやはり空いていた。観る人限られる映画である。

TOHOシネマズシャンテにて
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by margot2005 | 2011-11-06 17:11 | ドイツ | Trackback(6) | Comments(4)

「マーラー 君に捧げるアダージョ」

「Mahler auf der Couch」…aka「Mahler on the Couch」20010 ドイツ/オーストリア
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グスタフ・マーラーにヨハネス・ジルバーシュナイダー。
アルマ・マーラーにバルバラ・ロマーナー。
ジークムント・フロイトに「ヒトラーの贋札/2007」のカール・マルコヴィクス。
アルマの母アンナ・モルにエヴァ・マッテス。
グスタフ・クリムトにマヌエル・ヴィテング。
グスタフの妹エスティーネ・マーラー・ロゼにレナ・シュトルシェ。
アルマの恋人で建築家のヴァルター・グロビウスにフリードリヒ・ミュッケ。
監督、脚本は「バクダッド・カフェ/1987」のパーシー・アドロンと息子のフェリックス・アドロン。
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始めに“史実に基づくが、ストーリーは創作。”という案内が出る。
19世紀初頭のオランダ、オーストリアのチロル地方、そしてウイーンとロケされた景色が美しい。

グスタフ・マーラーがフロイトに会っていたという史実を軸に、グスタフの妹エスティーネやアルマの母アンナが二人について語るシーンをはさみながらストーリーは展開して行く。物語は時系列に描かれていないので、過去と現在が行ったり来たりする。それはマーラーがオランダに休暇中の精神科医フロイトを訪ねるところから始まる。彼はアルマが5歳年下の建築家ヴァルター・グロピウスと恋に落ちた事実を知りショックを受けたこと、そしてアルマとの狂おしいまでの愛と情熱を語り始める。

類いまれなる美貌と音楽的才能を併せ持つアルマは19歳年上のグスタフ・マーラーと出会い結婚する。しかし作曲の才能を持つアルマにグスタフはそれを禁じる。作曲が出来ない不満を抱えながらもアルマはグスタフを支え続ける。だが、愛する長女が病死し夫婦の間に亀裂が生じ始める。やがてアルマはサナトリウムでの療養を余儀なくされ、そこで建築家のヴァルター・グロピウスと出会い、二人は激しい恋に落ちる。

クラシックには疎いのでグスタフ・マーラーの名前は知っていても家に彼のCDはないし、代表作は?なんて聞かれても答えられない。知っているのはルキノ・ヴィスコンティの“ヴェニスに死す”の音楽がマーラーであることと、小説でも、映画でも主人公グスタフ・フォン・アッシェンバハがマーラーらしき人であるということ。ダーク・ボガート演じるアッシェンバハは、今回観たこの作品のマーラーとダブって見える。
いずれにしろマーラーより精神分析学者のフロイトや、官能的な作風で有名な画家クリムトの方が知っている。しかしながら映画のストリーは結構興味深かった。

アルマの美貌は結婚前にも画家のクリムトや、作曲の師であるアレクサンダー・フォン・ツェムリンスキーを魅了し、マーラーの死後、画家のオスカー・ココシュカと恋に落ち、その後かつて不倫の仲だった恋人のグロビウスと結婚するが後に離婚。そして作家のフランツ・ヴェルフェルと三度目の結婚をし、共にフランスに亡命後、アメリカ合衆国に亡命し85歳で亡くなった。
最初の夫グスタフ以外アルマの相手は皆年下の男ばかり。三番目の夫となったフランツ・ヴェルフェルは11歳も年下。グスタフの妹エスティーネがアルマを“あばずれ女!”と呼んだように、男たちを虜にし、恋に生きた女性だった。

バルバラ・ロマーナーは情熱的なアルマ役がぴったり。
グスタフ・マーラーを演じるヨハネス・ジルバーシュナイダーと、「ヒトラーの贋札」でサリー役が印象的だったカール・マルコヴィクスのフロイト役はナイス・キャスティング。

原題の“カウチ(ソファ)の上のマーラー”のカウチは精神科医の患者のための寝椅子のこと。

音楽で結びついている二人...“君がいないと作曲が出来ない!”とアルマにすがりつくグスタフ。恋人ヴァルターはアルマをグスタフから連れ去ろうとするが、彼を捨てられない彼女はグスタフが死を迎えるまで留まることを選んだ。

作曲家というのは狂おしいまでの愛と情熱がないと作品を生み出すことが出来ないのだろうか?…で、思い浮かぶのは過去に観た天才作曲家たちの愛の物語…それはショパンストラヴィンスキーシューマン&ブラームスラフマニノフ と誰も彼も情熱的な恋をしている。

渋谷 ユーロスペースにて(6/24迄上映)
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by margot2005 | 2011-06-04 19:31 | ドイツ | Trackback(2) | Comments(0)

「白いリボン」

「Das weisse Band - Eine deutsche Kindergeschichte」…aka「The White Gibbon」2009 ドイツ/オーストリア/フランス/イタリア
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学校教師にクリスティアン・フリーデル。
男爵家で働くエヴァにレオニー・ベベシュ。
男爵に「善き人のためのソナタ/2006」「アイガー北壁/2008」「セラフィーヌの庭/2008」のウルリッヒ・トウクール。
男爵夫人にウルシーナ・ラルディ。
男爵の息子ジギにフィオン・ムーテルト。
牧師に「ベルリン、僕らの革命/2004」のブルクハルト・クラウスナー。
牧師の息子マルティンにレオナルド・プロクサウフ。
ドクターにライナー・ボック。
助産婦に「ピアニスト/2001」のスザンヌ・ロタール。
小作人に「アイガー北壁」のブランコ・サマロフスキー。
監督、脚本に「ピアニスト」「隠された記憶/2005」のミヒャエル・ハネケ。
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1913年7月、北ドイツの小さな村。ある日、ドクターが自宅前に張られた針金につまずき落馬して大けがを負う。次に牧師の娘と息子は帰りが遅いことを父親にとがめられ“白いリボン”をはめられる。その後男爵の製材所で小作人の妻が事故死し、何者かによって男爵のキャベツ畑が荒らされたり、納屋が火事になったり、次々と事件が発生するがそれらは一向に解決しない。やがて村人の間に不安と、不信が募って行く...

第一次世界大戦勃発直前の1913年、北ドイツの小さな村。その村の教師のナレーションで始まる物語は、経済的な支配者である男爵と、宗教的な支配者である牧師を中心に、男爵一家、牧師一家、男爵の家令一家、ドクター一家、そして小作人一家が織りなす愛憎の人間ドラマ。

ドクターが亡くなった妻そっくりに成長した美しい娘を執拗に見つめ、中年の助産婦相手に自らの欲望を満たす。男のエゴ丸出しシーンには嫌悪感で鳥肌がたつ。一方で男爵夫人はしばらく滞在したイタリアで愛人を作り夫に一方的に別れを告げ去って行く。醜い大人たちの振る舞いの中で、救いは教師とエヴァが出会い、ほのかな恋の後、結婚に至ったことだけかな。
ドクターの落馬事故から始まって小作人の妻が亡くなり、男爵の息子ジギが行方不明となる。そして助産婦の息子カーリが大けがを負う。間に男爵家のキャベツ畑が荒らされたり(これは小作人の長男マックスの仕業)、納屋が火事になり、中で首を吊っている小作人が発見される。しかし一連の犯人は誰なのか明かされないまま、第一次世界大戦が始まったという知らせが届きエンディングを迎える。
次から次へと起こる不可解な事件に震撼する村人たち。冷たく、張りつめた空気漂う村の姿がモノクロ映像からひしひしと伝わって来る。しかしながら物語のテーマは宗教(プロテスタント)と貴族の支配。いつものように非日常この上ない展開に小説を読んでいるような気分だった。

鬼才と呼ばれるミヒャエル・ハネケ。「ピアニスト」は観たけど「ファニーゲームU.S.A」はシアターに行かなかった。後にWOWOWで放映された時に観たけど、あまりに惨くて、あほらしくて途中でやめた。鬼才の描く世界にはついて行けなかった。

マルティン役のレオナルド・プロクサウフは将来有望なる若手ドイツ人俳優。彼は「ブッデンブローク家の人々/2008」で次男クリスティアンの若き日を演じていた。
銀座テアトルシネマにて
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by margot2005 | 2011-01-27 00:42 | ドイツ | Trackback(18) | Comments(2)

「メッセージ そして、愛が残る」

「Afterwards」…aka「Et après」2008  ドイツ/フランス/カナダ
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ネイサンに「モリエール 恋こそ喜劇/2007」のロマン・デュリス。
ケイに「チェンジリング/2008」「バーン・アフター・リーディング/2008」のジョン・マルコヴィッチ。
クレアに「ハート・ロッカー/2008」のエヴァンジェリン・リリー。
監督はフランス人のジル・ブルドス。
原作はギョーム・ミュッソの“メッセージ そして、愛が残る”。
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ある日、ニューヨークの敏腕弁護士ネイサンの元にケイと名乗る医師がやって来る。自分は人の死期が分かるというケイの言葉に疑い怒りを募らすネイサン。ネイサンは突然死で失った幼い息子の事故以来心を閉ざし妻と娘とも離れて暮らしていた。しかし執拗に付きまとうケイの言葉を信じるようになったネイサンは妻子を訪ねる決心をする...
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とにかくとてつもなく美しいファンタジー・ヒューマン・ドラマ。
ロマン映画は3月に観た“モリエール”の印象が残っていたので、彼のファンタジックでロマンティックな映画ってどうなの?と思っていた。しかし初めて体験のロマンのロマンティック映画は中々素敵だった。
まずオープニングで素晴らしく美しい映像に魅了される。水面を滑走するBeautifulな白鳥の姿とバックに流れる音楽が見事に調和してうっとりとしてしまう。
ネイサンとクレアの胸に抱かれた小さな息子と、二人の愛娘が森の中で戯れるシーンは圧倒的に美しい!ラスト近く、雪のように見える白い砂地でクレアが撮影するあのシーンも素晴らしくBeautiful!!
この映画の素晴らしさは映像美に尽きるかと思う。

某新聞映画評は例によって絶賛してあったが、これから死に行く人を覆う“白いライトが見える”という人の感覚がどうも理解出来なく、おまけに宗教的なものも感じられ、映像は鳥肌がたつほど美しいが、感動に胸ふるわすってことほどでもなかった。でも素敵な映画であったのは事実。

ストーリーが進むにつれオープニングで事故に遭う少年がネイサンだと分かる。彼は8歳の時に自動車事故に遭うが生き延びる。やがて物語は25年後に...妻子と別れたネイサンは一人ニューヨークに住む。幼い息子を突然死で亡くした事実を受け入れることが出来ず、彼以上に傷ついた妻を思いやらず自身の哀しみに閉じこもってしまったのだ。しかしある日突然彼の元に現れたケイに導かれるようにクレアの元へ向かう。それは自身がケイによって死を宣告されたから。人は死を予告されたら、死ぬ前に自身が取った間違った行動をなんとか修正しようと思うのだろう。しかし死はネイサンのものではなく愛する人のものだったというオチはベストセラー小説のテーマにふさわしい。
“アムール”の国フランスで大ベストセラーになったらしい“ラヴ・ストーリー”小説。いつものことながら小説読んだらスゴく感情移入出来そうな気もした。

前から感じていたジョン・マルコヴィッチのものすごくソフトな語り口…これではそれが活かされて、ケイの台詞は、風貌は全く合わないがまるで天使のように聞こえる。
カナダ出身のエヴァンジェリン・リリーはとても魅力的な女優だ。
ロマン映画で全編英語って初めて観たが、彼の話す英語が素敵に響く。
この美しい映画を撮影したのは台湾出身のリー・ピンピン。彼の撮影した「夏至/200」や「花様年華/2000」の美しい映像が蘇る。

“その後”という原タイトルに上手く結びつけた邦題はまぁまぁかな。でもマジで日本の映画関係者って“愛”って文字を入れるのがお好き。
TOHOシネマズ日比谷シャンテにて
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by margot2005 | 2010-10-03 00:39 | ドイツ | Trackback(6) | Comments(0)

「終着駅 トルストイ最後の旅」

「The Last Station」2009 ドイツ/ロシア/UK
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ソフィヤ・トルストイに「エリザベス1世 ~愛と陰謀の王宮~/2005」「クィーン/2006」「消されたヘッドライン/2009」のヘレン・ミレン。
レフ・トルストイに「Dr.パルナサスの鏡/2009」のクリストファー・プラマー。
ワレンチンに「つぐない/2007」「ジェイン・オースティン 秘められた恋/2007」「ウォンテッド/2008」のジェームズ・マカヴォイ。
チェルトコフに「幻影師アイゼンハイム/2006」「私がクマにキレた理由(わけ)/2007」「デュプリシティ ~スパイは、スパイに嘘をつく~/2009」のポール・ジアマッティ。
サーシャ・トルストイに「マグダレンの祈り/2002」のアンヌ・マリー・ダフ。
マーシャに「ダニー・ザ・ドッグ/2005」のケリー・コンドン。
監督、脚本に「素晴らしき日/1996」「真夏の夜の夢/1999」「卒業の朝/2002」のマイケル・ホフマン。
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ロシアの文豪レフ・トルストイの妻ソフィヤは50年もの長い日々献身的に夫を支えて来た。しかしトルストイの弟子チェルトコフが新しい遺書に署名するよう説得中と知った彼女は心穏やかでない。ソフィヤとチェルトコフは誰もが知る犬猿の中。一方でトルストイを崇拝する青年ワレンチンが助手としてやって来る…

世界三大悪妻の一人..ちなみに一番はソクラテスの妻で、二番目はモーツアルトの妻。ソフィヤの代わりにナポレオン一世の妻ジョセフィーヌとも言われているそう。
ソクラテスの妻については全く知識がないが、他の女性たちは知っているので全くもって納得できる。
トルストイの書いた“戦争と平和”&“アンナ・カレーニナ”はもちろん読んでいる。相当前に読んだものでストーリーはおぼろげだが、映画の中で激怒したソフィヤが“アンナ・カレーニナのように列車に轢かれて死んでやる!”という台詞にアンナの鉄道自殺を思い出した。
この映画はレフ・トルストイの晩年を描いている。彼は伯爵家の生まれで、若い頃に相続した広大な土地ヤースナヤ・ポリャーナでソフィヤと50年にも及ぶ結婚生活を送ったという。その白樺林が素晴らしく美しいヤースナヤ・ポリャーナでロケーションされている。

ソフィヤを演じたヘレン・ミレンは“強い女”が実に似合う。エリザベス一世と二世役や「消されたヘッドライン」での鬼編集長。かつての彼女の役柄はそうではなかったと記憶するが、昨今のヘレンが演じる女性は“強い女”ばかり。今回のソフィヤはその最たるもので迫力あり。
トルストイ役のクリストファー・プラマーは60年代〜現在に至るまで50年間第一線で活躍するスゴい俳優。こんな人他にいないので驚く。レフ・トルストイも似合っていたな。
どこまでも純粋で良い青年…だからこそトルストイ夫妻に信頼されたワレンチンを演じるジェームズ・マカヴォイも適役。
ラスト、トルストイの死が報告された駅舎(アスターポヴァ)の周りに集まった人々...彼の死を悼むロシアの人々の姿にレフ・トルストイの偉大さを改めて知った。
TOHOシネマズ日比谷シャンテにて
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by margot2005 | 2010-09-22 00:43 | ドイツ | Trackback(11) | Comments(0)

ドイツ映画祭2009...「冬の贈りもの」

「Im Winter ein Jahr」...aka「A Year Ago in Winter」 2008 ドイツ/USA
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リリー·リヒターにカロリーネ·ヘアフルト。
マックス·ホランダーにヨーゼフ·ビアビヒラー。
エリアーネ·リヒターにコリンナ·ハーフォウヒ。
トーマス·リヒターに「ヒルデ ー ある女優の光と影/2009」のハンス·ツイッシュラー。
アレクサンダー·リヒターにシリル·シェーストレーム。
アルドにミシェル·マティチェヴィッチ。
トビアス·ホランダーに「ウェイヴ あるクラスの暴走/2008」のヤーコプ·マツェンツ。
監督、脚本は「名もなきアフリカの地で/2001」のカロリーネ·リンク。
「みえない雲/2006」「クラバート - 謎の黒魔術/2008」のパウラ·カレンベルクがトビアスのガールフレンド、ステラ役でワン·シーンに出演している。
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ある日、画家マックス·ホランダーのアトリエに一人の女性が訪ねて来る。その人は娘リリーと息子アレクサンダーの肖像画を描いて欲しいと依頼する。リリーは大学で音楽とダンスを学んでいるが、アレクサンダーは猟銃自殺で亡くなったと言う。
そして絵のモデルになるためリリーがマックスのアトリエにやって来る。絵の製作に乗り気でないリリーは、亡くなった人間をインテリアとして飾りたくないとマックスに訴える。おまけにアレクサンダーは事故ではなく自殺したと告白するのだった...
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オープニング、雪の舞う中、i Pod(多分)で音楽を聴きながらダンスをするかのように身体を動かすハンサムな少年。その彼を執拗なまでにビデオ撮影するエレガントな女性。女性は彼の母親で、二人は終始楽しく笑いながら雪の中で戯れる...
エンディング、クリスマス·シーズンのミュンヘンの街。リリーは雪がハラハラと落ちて来る空を見上げ、天国にいるアレクサンダーに向かい語りかける...
雪が舞うシーンで始まり、そして終わる、心に響くヒューマン·ドラマ。

ミュンヘン郊外の瀟洒な家に住むリヒター家。父親トーマスは大学教授で、母親エリアーネは室内装飾家。亡くなった息子アレクサンダーはスキーの英才教育を受けるため山の上の寄宿舎で学んでいた。娘リリーは大学で音楽とダンスに打ち込む日々。
リリーは両親の多大なる期待がプレッシャーであり、弟の死も乗り越えられず、ダンスに集中出来ない。とうとう主役から降ろされたリリーはバーで知り合った画家アルドに夢中になる。しかし常に束縛するリリーに耐えられなくなったアルドは別れを宣言する。
両親からのプレッシャーに反撥を抱くリリーは自虐的な行動を起こそうとしていたように見える。
マックスに対しても始めは反抗的な態度を取っていたリリーだが、時間を共有する事によって心を開き、終盤では信頼を寄せるようになる。リリーの哀しい心を理解し優しく包んだのはマックスかも知れない。完成した絵のリリーはマックスによってとても優しく、美しく描かれていた。
リリーの両親は社会的な体裁を気にする仮面夫婦。妻は夫の浮気を知っているが無関心を装っている。有能で完璧主義者の両親。あのような両親の子供って息抜く暇もなく辛いだろうなとお察しする。

マックスにも息子との間に確執があった。大学のプールで飛び板飛び込みの練習をする息子を遠くから密かに見守る父親。
マックスは亡くなった人の写真とビデオ映像から絵を描く画家。彼のアトリエに飾ってある人物画を見て、リリーは“死んだ人の絵に囲まれて奇妙な気がしない?”と問いかける。この人物は生きているとマックスが示した絵。プールの中で微笑む青年はとても印象的。完成したそれはラスト近く、マックスが大学の寮を訪ねるシーンで息子トビアス自身の絵だと分る。寮の前でトビアスのガールフレンド、ステラと会ったマックスはステラに“絵を大事にして”と告げ去って行く。マックスとトビアスの未来が開けそうなあのシーンはナイスだった。

「SOUL KITCHEN」「ヒルデ ー ある女優の光と影」「ブッデンブローク家の人々」と観て来た今年のドイツ映画祭。それぞれに全く違ったテイストの映画4本。ラストに観たこれは映画祭の大ラス作品にふさわしい見応えのあるヒューマン・ドラマだった。
新宿バルト9にて
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by margot2005 | 2009-10-27 00:07 | ドイツ | Trackback(1) | Comments(0)

ドイツ映画祭2009...「ブッデンブローク家の人々」

「Buddenbrooks」...「Buddenbrooks: The Decline of a Family 」2008 ドイツ
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ブッデンブローク家当主ヨハン(ジャン)に「ザ·バンク 堕ちた巨像/2009」「天使と悪魔/2009」のアルミン・ミュラー・シュタール。
妻エリザベス(ベッツィ)にイーリス・ベルベン。
長男トーマスにマルク・ヴァシュケ。
次男クリスティアンに「青い棘/2004」「ヒトラーの贋札/2007」のアウグスト・ディール。
長女アントーニエ(トーニ)にジェシカ・シュヴァルツ。
トーマスの妻ゲルダにレア・ボスコ。
トーマスの息子ハンノにラバン・ビーリング。
監督はハインリヒ・ブレレーア。
原作は文豪トーマス・マンの“ブッデンブローク家の人々”。
「厨房で逢いましょう/2006」のヨーゼフ・オステンドルフが議院役で出演している。
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19世紀、北ドイツ、リューベック。この交易都市では利益を求める多くの商家がより多くの利益を求めるべく互いにしのぎを削っていた。穀物取引で富と名声を得たブッデンブローク家の二代目ヨハンは一家の繁栄のため娘トーニをハンブルグの商人に嫁がす。しかし商人は破産しトーニは実家へ戻って来る。不確かな社会情勢の下、大きな損失を被ったヨハンは長男トーマスに商社主を譲るが失意の内彼は急死する。
外遊していた次男のクリスティアンが帰国し兄を支えるよう期待されるが、彼には商売に対する意欲がなくトーマスと対立するばかり。トーマスは一家を今一度繁栄させ、守ろうと奔走するが一族が待ち受ける運命から逃れる事は出来なかった...
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ヨハン、トーマス、そしてハンノとブッデンブローク家は繁栄し引き継がれて行くはずだった。ところが、Internationalタイトルにあるように、トーマス、そしてその息子ハンノの死によってブッデンブローク家は終末を迎える。
トーニは二度結婚するが、二度とも彼女の持参金が狙いの夫たちだった。政略結婚のような形でハンブルグの商人に嫁いだトーニは結局夫の破産によって離婚する。親の決めた相手との結婚に逆らえないトーニは渋々承諾するが、鳥肌が立つくらい生理的にイヤな男との生活は計り知れないほどの辛さがあったことだろう。今じゃ考えられないが、あの時代の女性ってホントお気の毒。
長男トーマスはとても美しいゲルダと知り合い妻にするが、彼女は商売に興味がなく音楽を愛する女性だった。息子ハンノにピアノを弾かせ、自ら奏でるヴァイオリン演奏で家族を魅了したが、息子を商人にすべく指名を与えられたトーマスは二人を理解することが出来ない。
次男クリスティアンは外遊し商売の勉強をしたが酒、女や観劇に溺れ堕落して行く。
トーマスが亡くなり一番悲しんだのは妹のトーニ。トーニも又ブッデンブローク家繁栄のため犠牲になった一人で、彼女にとって兄の死はブッデンブローク家の死そのものだったに違いない。

撮影監督ゲルノート・ロルも語っているように、映画の中での19世紀の景色がPC処理で上手く作られていて美しい。
当主ヨハン役のアルミン・ミュラー・シュタールは「イースタン・プロミス/2007」や「ザ·バンク 堕ちた巨像」「天使と悪魔」などWorld Wide公開の作品でもいぶし銀の味わいある名優。前半でお亡くなりになってしまうが彼の存在感は大きい。
「青い棘」で繊細で傷つきやすい若者を演じたアウグスト・ディールも堕落していく様が上手くて迫真の演技が光る。

長い映画の上(152分)、上映前にゲルノート・ロルの挨拶もあり見終えて疲れた。最近混んだシアターで長い間椅子に座っているのがスゴく辛くて...特に両サイドに人がいると益々疲れる(閉所恐怖症気味)。
トーマス・マンの小説は読んでいないが、映画は重厚で秀逸なドラマとなっている。ノーベル賞受賞作家の著名なこの小説は2度映画化され、TVドラマにもなっていると言う。今回映画祭で観る事が出来たのはラッキーだった。読書の秋にトーマス・マンの小説読んでみたい。
新宿バルト9にて
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by margot2005 | 2009-10-26 00:07 | ドイツ | Trackback | Comments(0)

ドイツ映画祭2009...「ヒルデ ー ある女優の光と影」

「Hilde」 2009 ドイツ
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ヒルデガルド·クネフに「ラブ·アクチュアリー/2003」のハイケ·マカチュ。
英国の俳優で二度目の夫デヴィッド·キャメロンにダン·スティーヴンス。
ユダヤ人の米軍士官で最初の夫クルト·ヒルシュにトリスタン·ピュッター。
ヒルデのエージェント、エルゼ·ボンガースに「4分間のピアニスト/2006」「SOUL KITCHEN/2009」のモニカ·ブライブトロイ。
有名プロデューサー、エーリッヒ·ポマーに「ミュンヘン/2005」のハンス·ツィッシュラー。
ナチ映画界の大物アニアン·ツォルナーにエーヴァルト·フォン·デマンドフスキ。
ヒルデの母フリーダ·クネフに「白バラの祈り ゾフィー·ショル、最期の日々/2005」のヨハンナ·ガストドルフ。
監督はガイ・ヴェッセル。
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1966年、ヒルデガルド·クネフは西ベルリンに戻って来る。それはベルリン·フィルハーモニーのホールでコンサートを開くためだった。ホールの控え室で出番を待つヒルデの脳裏に過去の様々な出来事が蘇る...
1943年、ヒルデは女優としての一歩を踏み出す。そして第二次世界大戦後再び女優としての活動を望むが、その道は前途多難だった。やがて亡命していたプロデューサー、エーリッヒ·ポマーがドイツの映画産業を支えるためアメリカ占領軍から派遣されて来る。ポマーの計らいで女優として花開き始めるが、キャリアは順調とは言えなかった。その後、ドイツ映画界に見切りをつけたヒルデは結婚したばかりの夫クルトと共にアメリカへ渡る。ハリウッドに居を構え、出演のオファーを待つが、ここでもまともな役はもらえずドイツへと舞い戻る。そして再びハリウッドに渡ったヒルデはそこで国際的映画スターの地位を獲得するのだった...
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日本では全く知られていないドイツ人女優ヒルデガルド·クネフ。彼女はシンガーソング・ライターであり、本も書いたマルチタレント。第二次世界大戦をも生き延びたヒルデの波瀾万丈の女優人生はとてもドラマチックで見応えのある展開となっている。
元恋人アニアン·ツォルナーがナチ党員だった過去。ユダヤ人の米軍士官クルト·ヒルシュとの結婚。ドイツで初めてnudeになった女優であり、共演した英国人俳優デヴィッド·キャメロンから妻を奪った事でもマスコミの餌食となり、とてもスキャンダラスな女優だった。
そのヒルデを演じるハイケ·マカチュは「ラブ·アクチュアリー」でアラン·リックマン演じる上司ハリーを誘惑するミア役が印象的だった。黒髪の「ラブ·アクチュアリー」とは全く別人の彼女はブロンド·ヘアー。気性の激しいヒルデにぴったりで、なぜか?ビヨンセにそっくり!
ハイケ·マカチュ自身もシンガーであり、作家として本も書いている才女。映画の中で勿論歌うシーンあり。ドイツ語の歌って滅多に聞く機会がないけど、思ったより素敵に聞こえる。
新宿バルト9にて
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by margot2005 | 2009-10-25 00:37 | ドイツ | Trackback | Comments(0)