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「リスボンに誘われて」

「Night Train to Lisbon」2013 ドイツ/スイス/ポルトガル
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ライムント・グレゴリウスはスイスの高校で古典文献学を教える教師で、妻と離婚以来孤独な日々を送っている。そんなある日、学校へ向かう途中、橋から飛び降りようとしている女性を助ける。そして小雨降る中行くあてもない彼女を学校へ連れて行く。しかし彼女は突然教室から飛び出し、その後ライムントは残された本に挟まれていたリスボン行きの切符を発見し駅へと向かう...

ライムント・グレゴリウスに 「ヴェニスの商人/2004」 「華麗なる恋の舞台で/2004」「カサノバ/2005」「エリザベス1世 ~愛と陰謀の王宮~/2005」「ザ・ワーズ 盗まれた人生/2012」のジェレミー・アイアンズ。
エステファニアに「PARIS(パリ)/2008」「イングロリアス・バスターズ/2009」「オーケストラ/2009」「黄色い星の子供たち/2010」「人生はビギナーズ/2010」「複製された男/2013」のメラニー・ロラン。
アマデウ・デ・プラドに「アメリカン・ハッスル/2013」のジャック・ヒューストン。
マリアナに「善き人のためのソナタ/2006」「クララ・シューマンの愛/2008(クララ・シューマン 愛の協奏曲)」「バーダー・マインホフ 理想の果てに/2008」のマルティナ・ゲデック。
年老いたジョアンに「モネ・ゲーム/2012」のトム・コートネイ。
ジョルジェに「青い棘/2004」「ヒトラーの贋札/2007」「ブッデンブローク家の人々/2008」「イングロリアス・バスターズ/2009」「詩人、愛の告白/2012」のアウグスト・ディール。
アドリアーナに「家の鍵/2004」「エンジェル/2007」「彼が二度愛したS/2008」「ある公爵夫人の生涯/2008」「わたしを離さないで/2010」「メランコリア/2011」「17歳/2013」のシャーロット・ランプリング。
年老いたジョルジェに「愛を読むひと/2008」「バーダー・マインホフ 理想の果てに」「アンノウン/2011」「悪の法則/2013」のブルーノ・ガンツ。
年老いたエステファニアに「カサノバ」「愛を読むひと/2008」「リメンバー・ミー/2010」「ヒプノティスト-催眠-/2012」のレナ・オリン。
バルトロメウ神父に「吸血鬼ドラキュラ/1958」「ダーク・シャドウ/2012」のクリストファー・リー。
若いジョアンにマルコ・ダルメイダ。
若いアドリアーナにベアトリス・バタルダ。
監督は 「レ・ミゼラブル/1998」「マンデラの名もなき看守/2007」のビレ・アウグスト。
原作はパスカル・メルシエの「リスボンへの夜行列車」。

映画を観終わってまず本作の原作小説を読みたいと思った。小説は世界的ベストセラーということを知ってますます読みたくなる。
授業を放り出し列車に乗るなんて常識じゃ考えられない。そしてエンディングも小説にありそうな展開で素敵だった。
授業を放り出すのもスゴいが、いきなりリスボン行きの列車に乗ってしまうなんて…やがて本の作者を探してリスボンの街をさまようことになる。
上にも書いたように本に導かれてやってきたリスボンで素敵な出会あいが待っているところなどライムントのラヴ・ストーリーでもあるのかな?ドラマの軸はポルトガル独裁政権下の物語で、エステファニアとアマデウの短くも激しい恋が描かれている。

舞台はスイスとポルトガル。主演はUK俳優のジェレミー・アイアンズ。ポルトガルでの出演陣はドイツ、UK、フランスととてもInternational。独裁政権下のポルトガルと現在のポルトガルを交差させながらドラマは進んで行く。ポルトガルの独裁政権なんて全く知らないながらドラマには惹き付けられる。
ジェレミー・アイアンズ映画を初めて観たのはメリル・ストリープ主演の「フランス軍中尉の女/1981」。その後「戦慄の絆/1988」「運命の逆転/1990」や「ダメージ/1992」などなどいずれもドラマティックな作品の彼は素晴らしい俳優だと思った。TVシリーズ「ボルジア家 愛と欲望の教皇一族」のロドリーゴ・ボルジア役もハマっている。

「青い棘」で美青年だったアウグスト・ディールは作品ごとにおじさん化してしまってもはや過去の面影はないのが実に残念。シャーロット・ランプリングは相変わらずの貫禄で、クリストファー・リーの健在ぶりに驚き。

退屈な日々から逃れるように列車に乗り、自分を取り戻す旅に出たライムント。路面電車が走るリスボンの街が美しくて...ライムントがリスボンに惹かれたのもスゴく分る。彼は眼科医のマリアナにも出会えたし...。

Bunkamura ル・シネマにて
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by margot2005 | 2014-10-27 00:03 | ドイツ | Trackback(5) | Comments(0)

「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト」

「The Devil's Violinist」2013 ドイツ、イタリア
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製作総指揮、音楽、出演(ニコロ・パガニーニ)にデヴィッド・ギャレット。
ウルバーニに「ベンジャミン・バトン 数奇な人生/2008」「小さな命が呼ぶとき/2010」のジャレッド・ハリス。
シャーロット・ワトソンに「レ・ミゼラブル/2012」「悪の法則/2013」のアンドレア・デック。
エセル・ランガムに「ドラゴン・タトゥーの女/2011」「もうひとりのシェイクスピア/2011」「レッド・ライト/2012」のジョエリー・リチャードソン。
ジョン・ワトソンに「恋のロンドン狂騒曲/2010」のクリスチャン・マッケイ。
エリザベス・ウェルスに「クリムト/2006」のヴェロニカ・フェレ。
バーガーシュ卿に「地獄に堕ちた勇者ども/1969」「ルードウィヒ/神々の黄昏/1972」のヘルムート・バーガー。
監督、脚本、撮影に「不滅の恋/ベートーヴェン/1994」「アンナ・カレーニナ/1997」のバーナード・ローズ。

1830年、イタリア。ニコロ・パガニーニは類いまれなる才能を持つヴァイオリニストだが、認められず不遇の日々を送っている。しかしある日、ウルバーニと名乗る男が彼の才能に目を付ける。“君を世紀のヴァイオリニストにしてみせる!”と宣言したウルバーニは強引に彼のマネージャーとなる。マネージャー、ウルバーニを得、ヨーロッパ中の観客を虜にするパガニーニ。やがて英国ロンドンでそんな噂を聞いた指揮者ジョン・ワトソンは私財を投げ売りパガニーニをロンドンに招くのだった…。

バーナード・ローズの、ベートーヴェン映画「不滅の恋/ベートーヴェン」はもちろん観ている。それは20年も前に観ているので殆ど記憶がない。しかし耳が聞こえなくなり、絶望したベートーヴェン役のゲイリー・オールドマンの狂気を帯びた演技が記憶に残る。
本作のパガニーニもスゴい!パガニーニについては殆ど知識がなく、今回、激しくて情熱的な異端の天才ヴァイオリニスト、パガニーニを知った次第。
クラシックに疎いのでパガニーニを演じるドイツ出身のヴァイオリニスト、デヴィッド・ギャレットのことももちろん知らなかった。
で、映画の中の演奏シーンはスゴい!迫力。何せパガニーニ演じるデヴィッド・ギャレット本人が演奏しているのだから…。

原タイトルは”悪魔のヴァイオリニスト”。悪魔に魂を売って得たというほどスゴい!パガニーニ。演じるデヴィッド・ギャレットの演奏に圧倒される。彼は英米でカリスマ的な人気を誇るヴァイオリニストだそう。そういや映画公開以前の6月に来日し、東京と大阪でクラシックとロックのクロスオーヴァーなライヴを行ったとは知らなかった。知っていれば是非聞きに行きたかったものだ。

ニコロ・パガニーニについては知識がないがピアニスト兼作曲家だったフランツ・リストについては少々知識がある。リストのピアノ演奏は女性を猛烈に魅了し演奏会場で失神する人がいたそう。その様を描いた絵画をTVで見たことがある。パガニーニもそうだったに違いない。彼のヴァイオリンに魅せられた女性たちが滞在先に殺到する様子も実に面白い。
”悪魔のバイオリニスト”ニコロ・パガニーニを非難する女性のデモ隊の存在も時代がなせる技か?男装の新聞記者エセル・ランガムは一人浮いていたけど…。

シャーロットとパガニーニのエピソードは事実なのだろうか?パガニーニは異常なくらい女好きで、あらゆる女性と関係を持ったあげく一人息子をもうけている。息子を心から愛するパガニーニの姿が素敵だ。

とにかく主演のデヴィッド・ギャレットの、途方もない離れ業演奏あっての最高の盛り上がりをみせる素晴らしいドラマを堪能した。
バーガーシュ卿役のヘルムート・バーガーが年月と共に変化し過ぎで(年老いて太ったゆえ若い頃とは全く別人)最初誰だか分らなかっかたがエンド・クレジットで彼の名前を知った。

TOHOシネマズ・シャンテにて
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by margot2005 | 2014-07-29 19:21 | ドイツ | Trackback(3) | Comments(2)

「バチカンで逢いましょう」

「Omamamia」2012 ドイツ
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マルガレーテに「バグダッド・カフェ/1987」「ローズ家の戦争/1989」のマリアンネ・ゼーゲブレヒト。
ロレンツォに「美しき家、わたしのイタリア/2003」「007/カジノ・ロワイヤル/2006」「007/慰めの報酬/2008」のジャンカルロ・ジャンニーニ。
マリーにアネット・フリヤー。
マルティナに「ゲーテの恋~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~/2010」のミリアム・シュタイン。
シルヴィオに「ポー川のひかり/2006」のラズ・デガン。
ディノにジョヴァンニ・エスポジート。
マリーの夫ジョーに「トランスポーター3 アンリミテッド/2008」のポール・バーレット。
監督は「飛ぶ教室/2003」のトミー・ヴィガント。
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未亡人のマルガレーテ(オマ)は心配性の娘マリーの提案で老人ホームに入れられそうになっている。彼女の夫が亡くなりマリーが二人の住んでいた家を売り払ってしまったのだ。老人ホームなんて冗談じゃないと、マリーに相談もせず孫娘マルティナのいるローマへと旅立つ。理由はバチカンでバイエルン出身の法王に一目会うため。オマの孫娘マルティナはローマで厳格なカトリックのファミリーの家でナニーをしているはずだった。だが、マルティナの住む家の扉をノックした途端現れたのはタトゥーだらけの男と一緒に住む孫娘だった…

ドイツ、バイエルン出身の法王に会うためローマへと旅立ったオマ。法王に会うためバチカンに赴くが、そこで目が不自由な男と出会う。心優しいオマは彼に優しく接するが、本当は目が見えていたのだ。
一方で街中のドイツ・レストランに入りオーダーする。しかしながらレストランの調理人ディノの料理は全くもって美味しくなく、文句をいいながらキッチンに入り本当のドイツ料理を作り始める。そしてディノの店のオーナーがバチカンで遭遇した、目の不自由な振りをした男ロレンツォだったことが分る。

マリアンネ・ゼーゲブレヒトの「バグダッド・カフェ」は公開の際観に行った。少し前wowowでディレクッターズ・カット版を放映していてまたまた見ることができた。「バグダッド・カフェ」以来25年もたっているのにこのおばさん最高!ちょっと太った女性って年取ってもチャーミングだなぁと切に思う。

本作舞台がローマなのでとてもとても観たかった一作。そしてラズ・デガンの出演に驚き。「ポー川のひかり」ではイエス・キリストのような風貌の哲学教授だったのに、こちらではタトゥー・アーティストのロッカーなのだから…。でもラズ・デガンは相変わらずゴージャス。
ドイツ人のヒロインが織りなす、ローマの街でロケされたドラマはわたし的に大満足だった。カイザーシュマーレン食べたい!

新宿武蔵野館にて(5/30迄上映)
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by margot2005 | 2014-05-21 00:00 | ドイツ | Trackback(6) | Comments(0)

「さよなら、アドルフ」

「Lore」 2012 ドイツ/オーストラリア/UK
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ローレにザスキア・ローゼンダール。
トーマスに「白いリボン/2009」のカイ・マリーナ。
ローレの妹リーゼルにネーレ・トゥレプス。
ローレの母に「白いリボン」のウルシーナ・ラルディ
ローレの父にハンス・ヨヘン・ヴァークナー。
監督、脚本は「15歳のダイアリー/2004」のケイト・ショートランド。
原作はレイチェル・シーファーの“暗闇のなかで”。

ナチス親衛隊の高官を父に持つローレは14歳。1945年の春、ヒトラー総統が亡くなったという母親の言葉にショックを受ける。両親は連合軍に拘束され、ローレは妹と双子の弟、そしてまだ乳飲み子の末の弟を連れ900キロ離れたハンブルグの祖母の家を目指す旅に出る…

旅の途中ローレは自身や弟妹のために食べ物を調達しなければならなかった。何不自由なく育ったローレにとって非常に過酷なことだったろう。ナチ党員の子供と白い目で見られ、食べ物も分けてもらえない有様。そんな折、ユダヤ人青年トーマスと出会う。彼は優しく手を差し伸べるがローレは露骨に不快感を示す。トーマスは両親や周りの大人がさんざん蔑んだユダヤ人なのだからローレが嫌悪するのは当然のこと。しかし妹や双子の弟はトーマスを頼り始め、ローレも次第に心を開き始める。

戦争が終わり偶然に出会ってしまったナチ党員の少女ローレとユダヤ人のトーマス。ローレが生きるためトーマスに頼らねばならない辛さは想像を絶するものだったに違いない。
シアターで予告を何度か見て少々気になっていた一作。重いドラマだろうな?と想像していたが、14歳の一人の少女の運命があまりにも過酷で想像以上に惨くて重いドラマに圧倒された。
14歳のローレを演じ、絶賛されたザスキア・ローゼンダールは1993年生まれ。

トーマスはアドルフ・ヒトラーが嫌悪したユダヤ人。そしてローレは邦題に付いている“アドルフ”の子。
映画のラストで邦題の意味が語られる。ある日、食事の席に着いたローレの弟妹。スープもサービスされないテーブルでいきなりパンをつかんだ弟は厳格な祖母に叱責される。600キロの道中空腹と闘ってきた彼らにとって目の前に並んだ食べ物にすぐに手が出ても不思議ではない。叱られしょんぼりした弟をかばうかのように、ローレはテーブルにわざと水をこぼし手ですくって飲んでみせたのだ。祖母は今でもヒトラー総統を褒めそやしている。そんな祖母に、貴女は何もわかっていない!と歯向かうローレの行動がとても素晴らしいラストだった。

シネスイッチ銀座にて
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by margot2005 | 2014-01-26 01:46 | ドイツ | Trackback(4) | Comments(0)

「おじいちゃんの里帰り」

「Almanya - Willkommen in Deutschland」2011 ドイツ
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フセインにヴェダット・エリンチン。
ヤング、フセインにファーリ・オーゲン・ヤルディム。
妻ファトマにLilay Huser。
ヤング、ファトマにDemet Gül。
フセインの孫チェンクにラファエル・コスーリス。
監督、脚本はヤセミン・サムデレリ。

イルマズ家のフセインはドイツに渡って50年。妻と共にドイツ国籍を手にし、初めて三世代家族総出で祖国トルコに戻る決心をする...

戦後ドイツは急激な経済発展のためイタリアやスペインそしてギリシャから人材を集めた。東ヨーロッパからの人材は望めないのでトルコに白羽の矢が…やがて60年代それに志願したトルコ人たちは多数海を渡った。自動車会社(メルセデス)等で働くため移民した人々の姿が実写で映る。

ドイツで7ヶ月のロングランだそうだが日本で受けるかどうかは疑問?
ドイツ映画ファンでトルコも好きなので映画を楽しんだ。
久しぶりのドイツ映画。全く違うテーマながらトルコ移民であるファティ・アキンの「そして、私たちは愛に帰る/2007」を思い出した。

ネタばれする…フセインおじいちゃんはマイクロバスで3000キロの旅を終えトルコにたどり着いた後心臓発作で亡くなる。この展開には少々驚いたが、ある意味祖国に眠ることが叶うわけだ。
ドラマはあくまでもコメディ。フセインおじいちゃん同様、孫息子チェンクが重要な役所。演じるラファエル・コスーリスが可愛い。

ヒューマントラストシネマ有楽町にて
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by margot2005 | 2013-12-29 18:50 | ドイツ | Trackback(3) | Comments(0)

「ハンナ・アーレント」

「Hannah Arendt」2012 ドイツ/ルクセンブルグ/フランス
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ハンナ・アーレントに「シシリアン/1987」「エム・バタフライ/1993」のバルバラ・スコヴァ。
ハンナの夫ハインリヒ・ブリュッヒャーに「ザ・バンク 堕ちた巨像/2009」「おじいちゃんの里帰り/2011」のアクセル・ミルベルク。
ハンナの友人でザ・ニューヨーカーのメアリー・マッカーシーに「アルバート氏の人生/2011」のジャネット・マクティア。
ハンナの秘書ロッテ・ケーラーに「ベルリン、僕らの革命/2004」「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々/2005」「英国王 給仕人に乾杯!/2006」のユリア・イェンチ。
ハンス・ヨナスに「わが教え子、ヒトラー/2007」「ヒンデンブルグ 第三帝国の陰謀/2011」のウルリッヒ・ヌーテン。
クルト・ブルーメンフェルトにミヒャエル・デーゲン。
監督、脚本は「ローザ・ルクセンブルグ/1985」「三人姉妹/1988」のマルガレーテ・フォン・トロッタ。

岩波ホールで上映していた際観に行った所、ラスト上映の回が満員で断られた(12月二週目の平日)。12月13日(金)で上映終了だったので焦った。岩波ホールに満員で入れなかったのは初めての経験。どうしよう!ますます観たい!と思っていたら新宿のシネマカリテで上映することがわかり一安心した。
岩波ホールのチケット売り場に若者が多数並んでいたので、後で、このホールを満員にしたのは冬休み中の大学生?なんて思ったりもした(現役大学生が観そうな内容だし...)。

ドラマはアルゼンチンに潜伏していた元ナチスの親衛隊アド ルフ・アイヒマンがイスラエルの諜報機関モサドによって捕らえられるところから始まる。
イスラエルで裁判が始まると聞いたハンナは周囲の反対を押し切り現地へ赴く。そして雑誌ザ・ニューヨーカーに裁判の傍聴記事を書くことを約束する。

ナチスの重要戦犯アド ルフ・アイヒマンの裁判のシーンは実写。そしてスクリーンにアイヒマンの裁判を見守るハンナ・アーレントが映る。
やがてアイヒマンは裁判で、“ユダヤ人大量殺害の執行はただ命令に従ったに過ぎない!”と言い放つ。

試行錯誤し雑誌ザ・ニューヨーカーに発表したハンナの論文は世界を驚かせる内容だった。それは…“アイヒマンは怪物でも変質者でもなく陳腐な小役人。ごく普通に生きている凡庸な一般人によってユダヤ人虐殺は引き起こされた。”と評したのだ。

ハンナ自身ユダヤ人でフランスに亡命の後、最終的にアメリカに亡命している。
論文を発表した後、盟友である哲学者ハンス・ヨナスや思想家クルト・ブルーメンフェルトからも絶交され孤立する。
次から次へと来るバッシングの手紙を整理するハンナの秘書ロッテ。60年代だからメールもなかったわけだが、もしあの時代Internetが存在していれば、より多くの人からのバッシングにやられていたかと推察する。
大学から“辞職してくれ!”と言われたアンナが“わたしはいつも教室を学生でいっぱいにする事ができるのよ!”と返すシーンは痛快だった。
そしてラスト…大学の教室で自らの信念を熱く語り始める。あのシーンは素晴らしかった。

ハンナとハインリヒが中年になっても互いに愛情を表現し合う姿が素敵だ。ハンナはきっと夫の愛に支えられてバッシングを乗り切ったことだろう。
哲学的なドラマながらハンナと夫のラヴ・ストーリーのようにも思えた。

しかしながらハンナはヘビー・スモーカーだ。家ではもちろん大学の講義でさえ吸いまくっている。きっとタバコを吸いながら思考をこらしているのだろうこの人は…カウチに横たわっている時でさえタバコ吸っていたもの。

ハンナ・アーレントを演じるバルバラ・スコヴァはもちろん、「アルバート氏の人生」で颯爽たる男装が似合ったジャネット・マクティアのメアリー・マッカーシー役も存在感ありで素晴らしかった。

新宿シネマカリテにて(昨年12月鑑賞)
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by margot2005 | 2013-12-16 21:13 | ドイツ | Trackback(8) | Comments(2)

「パッション」

「Passion」2012 ドイツ/フランス
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ドイツ、ベルリン。大手広告会社の重役に登り詰めたクリスティーンは野心満々な上狡猾な女。そしてアシスタントのイザベルはクリスティーンに憧れを抱いている。しかしある時イザベルの企画を自分の手柄にし、その後屈辱とも思える行為を浴びせ始める。クリスティーンに好かれていると信じていたイザベルはショックを受けるのだった...
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クリスティーンに「幸せのポートレート/2005」「あぁ、結婚生活/2007」「消されたヘッドライン/2009」「きみがぼくを見つけた日/2009」「シャーロック・ホームズ/2009」「ミッドナイト・イン・パリ/2011「トゥ・ザ・ワンダー/2012」のレイチェル・マクアダムス。
イザベルに「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女/2009」「ミレニアム2 火と戯れる女/2009」「ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士/2009」「プロメテウス/2012」のノオミ・ラパス。
ダニに「冬の贈りもの/2008」「愛を読むひと/2008「ヴィンセントは海へ行きたい/2010」のカロリーネ・ヘルフルト。
ダークに「シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム/2011」のポール・アンダーソン。
監督、脚本は「キャリー/1976」「ボディ・ダブル/1984」「ブラック・ダリア/2006」のブライアン・デ・パルマ。

“女の敵は、女”…IMDbのtaglineは“卑怯じゃない、たんなるビジネス”となおコワい。復讐サスペンス劇なのに展開がわかっているのは少々つまらないが、ブライアン・デ・パルマの世界は好きなのでエンディングまでドラマを楽しんだ。あの強烈なエンディングは悪夢か??はたまた幻か??

クリスティン・スコット・トーマスとリュディヴィーヌ・サニエが共演し、監督を務めたアラン・コルノーの遺作となったフランス版「ラブ・クライム 偽りの愛に溺れて/2010」はwowowで見ている。リメイク映画ってどうなのだろう。やはり元映画には敵わない?本作もやはりそうだった。
フランス版では主人公の二人に年齢差があるのと、本作のアシスタント、ダニ役が男性。クリスティン・スコット・トーマスは貫禄だし、レイチェル・マクアダムスでは少々物足りないかも知れない。結末もフランス版は含みを持たせているがブライアン・デ・パルマ版の復讐劇は凄まじい!
エンディングは全く別世界ながら、秘書から重役に一気に昇進するサクセス・ストーリーのメラニー・グリフィスとシガーニー・ウィーヴァーの女の戦いドラマ「ワーキング・ガール/1988」を思いだした。

卑怯もののクリスティーンを演じるレイチェル・マクアダムスは愛らしいイメージでこんな役柄は初めて。で、やはり凄みが足りないのだ。クリスティン・スコット・トーマスと比較するのが無理な相談なのだろうが、フランス版を見てなきゃそれなりに良かったかも?
イザベル役のノオミ・ラパスは強い女のイメージが出来上がってしまっているので、ナイーヴな女は似合わない。前半は違和感ありだが、復讐に燃える辺りから俄然適役となっていくさまが面白い。同じ役柄ながらリュディヴィーヌ・サニエとは全く違うイメージのノオミ・ラパスは、存在感ありで、レイチェル・マクアダムスと逆の配役の方が良かった?なんて思ったりもした。
カロリーネ・ヘルフルトはドイツ映画祭2009で観た「冬の贈りもの」で可憐な少女リリーを演じていた女優で、本作ではイザベルに迫るレズビアン役が鮮烈。

ブライアン・デ・パルマはお気に入り監督の一人なので色々と観ている。「キャリー」から始まって「殺しのドレス/1980」「スカーフェイス/1983」「ボディ・ダブル」「アンタッチャブル/1987」「虚栄のかがり火/1990」「カリートへの道/1993」「「スネーク・アイズ/1998」「ミッション・トゥ・マース/2000」「ファム・ファタール/2002」そして「ブラック・ダリア」。
中でもお気に入りは「ボディ・ダブル」と「虚栄のかがり火」。どちらもメラニー・グリフィスが出演している。「虚栄のかがり火」は若き日のトム・ハンクス&ブルース・ウイリスが懐かしい。そして「ファム・ファタール」も忘れてはならない。これにはアントニオ・バンデラスが出ている。ケヴィン・コスナーの「「アンタッチャブル」やアル・パチーノの「カリートへの道」、ニコラス・ケイジの「スネーク・アイズ」、そしてSFスペクタクルの「ミッション・トゥ・マース」もそれぞれに素晴らしい作品ながら、この監督にはやはり愛欲のドラマが似合う。「ボディ・ダブル」が一番のお気に入り作品。

日比谷 みゆき座にて
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by margot2005 | 2013-10-27 22:11 | ドイツ | Trackback(9) | Comments(2)

「ヒンデンブルグ 第三帝国の陰謀」

「Hindenburg」2011ドイツ
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マーテンはツェッペリン社の設計技師。ある日、自ら操縦する軽飛行機の事故により湖で溺れかけた彼は見知らぬ女性に助けられる。彼女はアメリカの石油会社社長エドワード・ヴァンザントの令嬢で、ド イツ貴族の息子フリッツと婚約していた。2人を軸にマーテンの友人でヒンデンブルグ号の乗員アルフレート、ジェニファーの母親ヘレン、ヒンデンブルグ号船長、ジェニファーのフィアンセであるフリッツ、ツェッペリン社会長エッケナー、プルス船長、エンタテーナーのブローカ、そしてユダヤ人ケルナー夫妻などなどの人物がドラマに加わり物語は進んで行く...

マーテン・クルーガーにマキシミリアン・ジモニシェック。
ジェニファー・ヴァンザントにローレン・リー・スミス。
アルフレートに「善き人のためのソナタ/2006」「イェラ/2007」「戦火の馬/2011」のヒンネルク・シェーネマン。
ヘレン・ヴァンザントに「Emma エマ/1996」「そして、デブノーの森へ/2004」「情愛と友情/2008」のグレタ・スカッキ。
フーゴ・エッケナーに「ドレスデン、運命の日/2006のハイナー・ラウターバッハ。
フリッツ・リッテンベルクにアンドレーアス・ピーチュマン。
ブローカにハンネス・イェーニッケ。
プルス船長にユルゲン・ショルナゲル。
ケルナーにピエール・ベッソン。
ケルナー夫人に「太陽に恋して/2000」「THE WAVE ウェイヴ/2008」のクリスティアーネ・パウル。
エドワード・ヴァンザントに「ブッシュ/2008」のステイシー・キーチ。

ジェニファーのフィアンセであるフリッツを殺害した疑いでゲシュタポに追われるマーテンは飛行船に爆弾が仕掛けてあることを知る。やがてジェニファーが乗船したことを知ったマーテンは彼女を助けるべく自らも乗船する。そして身を隠しながらマーテンは着陸ぎりぎりまで爆弾を探し続ける…と文字にするとスリリングなのだが、登場人物が多すぎるのか?展開が粗雑なのか?散漫なのか?物語に引込まれることはなかった。

ドイツ、フランクフルトから大西洋を越えアメリカに向かった“ヒンデンブルグ号”は着陸寸前に爆発炎上し36人が犠牲となる。
“タイタニック号の沈没(1912)やアメリカのスペースシャトル・チャレンジャー号の爆発(1986)と共に20世紀に起きた世界的な大事故のひとつとして語り継がれている…”とウェブサイトに記されているが、1937年に起こったヒンデンブルグ号の惨事は日本人にとって以外に記憶が薄いのではないかと感じる。

昔、ロバート・ワイズ監督が作った「ヒンデンブルグ/1975」という映画をTVで見たことがある。中々見応えのある映画だった覚えが…で本作に興味を。「ヒンデンブルグ」はかつて流行ったパニック映画(ディザスター・ムービー)の一つ。記憶はアン・バンクロフト演じる貴族夫人他の乗船のシーンとラストの爆発シーンくらいしかない。で、本作とは登場人物も展開もかなり違った気がする。そして結論…殆ど記憶がないながら「ヒンデンブルグ」の方が断然面白かった。
本作はなんだか説得力のない描き方がつまらなかった感じ。「ヒンデンブルグ」が今一度見たくなる。
かつてハリソン・フォードの「推定無罪/1990」で初めてお目にかかった」グレタ・スカッキが懐かしい。
主人公マーテン役のマキシミリアン・ジモニシェックはTV俳優だそう。映画を観終わってデカい彼の顔だけが印象に残る。本作もTV映画。

丸の内TOEIにて
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by margot2005 | 2013-03-10 23:02 | ドイツ | Trackback(5) | Comments(0)

「命をつなぐバイオリン」

「Wunderkinder」2011 ドイツ
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ユダヤ人の少年アブラーシャと少女ラリッサ、そしてドイツ人の少女ハンナの物語。三人の子供たちと、彼らの音楽の指導者であるユダヤ人女性イリーナがたどる悲惨な運命が哀しいヒューマン・ドラマ。

アブラーシャにエリン・コレフ。
ラリッサにイーモゲン・ブレル。
ハンナにマティルダ・アダミック。
イリーナにグルドン・ランドグレーベ。
ハンナの父親マックス・ライヒに「バック・ビート/1993」「ドレスデン、運命の日/2006」のガイ・ヴィージンガー。
母親ヘルガ・ライヒにカテリーナ・フレミング。
シュヴァルトウ親衛隊大佐にコンスタンティン・ヴェッカー。
監督、脚本はマルクス・O・ローゼンミューラー。

ヴァイオリニスト、ハンナがある人物の突然の訪問に驚きを覚えるオープニングは21世紀。やがて時は1940年代に戻る...

1941年春、ソ連の支配下にあったウクライナのポルタヴァ。少年アブラーシャはヴァイオリンで、少女ラリッサはピアノ演奏で人々を魅了していた。二人は神童と呼ばれどこへ行っても拍手喝采を浴びていた。やがて二人は指導者であるイリーナと共にモスクワとレニングラードへの演奏旅行に出かける。その後アメリカのカーネ ギー・ホールでの演奏も予定されていた。
一方で、当時父親の仕事の関係からポルタヴァに住むドイツ人少女ハンナにもヴァイオリンの才能があった。ハンナはアブラーシャ、ラリッサと共にイリーナの指導を受けたいと願い出る。ユダヤ人とドイツ人という垣根を越え三人は深い友情で結ばれていくのだった。しかしながらドイツ軍がポルタヴァに 侵攻を始めナチスのユダヤ人への迫害が始まる…

原タイトルは“神童”。エリン・コレフは自分で演奏しているというからスゴい。現実に神童=天才少年だ。
本作もいわゆるホロコースト映画。かつてのホロコーストものは悲惨過ぎて観るのが辛かったが、最近は悲惨極まるものは敬遠されているのか、この映画には残虐なシーンは一切出てこない。シュヴァルトウ親衛隊大佐の憎々しげな存在がインパクトあるだけ。
全編に流れるクラシック・ミュージックが心地よいヒューマン・ドラマといったところか。でも、それほど感銘を受けるドラマではなかった。このようなドラマってきっとドイツではいっぱい作られているのだろうな?

知らないドイツ人俳優の中で、唯一ガイ・ヴィージンガーがスティーヴン・ドーフ主演の「バック・ビート」でビートルズと交流があったドイツ人画家のクラウス・フォアマンを演じていたのを思い出す。

ヒューマントラストシネマ有楽町にて
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by margot2005 | 2013-03-03 22:06 | ドイツ | Trackback(2) | Comments(0)

「東ベルリンから来た女」

「Barbara」2012/ドイツ
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バルバラに「イェラ/2007」のニーナ・ホス。
アンドレにロナルト・ツェアフェルト。
秘密警察のシュッツに「白いリボン/2009」「ミケランジェロの暗号/2010」「アンノウン/2011」「戦火の馬/2011」のライナー・ボック。
少女ステラにヤスナ・フリッツィー・バゥアー。
バルバラの恋人ヨルクに「ブッデンブローク家の人々/2009」のマルク・ヴァシュケ。
監督、脚本はクリスティアン・ペツォールト。
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少々能天気なバルバラの恋人ヨルクと誠実な医師アンドレが対照的。ラスト、アンドレを選ぶバルバラに同じ思いを抱いた。
ヨルクとバルバラが森の中や、外国人専用ホテルで逢瀬を重ねる。ほぼ自分のことしか考えてなさそうに見えるヨルクはバルバラに早く西へ来て欲しいというばかり。
一方で心優しいアンドレは秘密警察のシュッツの妻が病魔に冒され往診したりもする。医師としての誇りを持つバルバラとアンドレが惹かれ合うのは当然のことと思えた。
往診のお礼にもらった野菜で“ラタトゥイユを作るから食べにこない?”とバルバラを誘うアンドレ。キッチンに立つアンドレと、そわそわ落ち着かないバルバラがなぜかスゴく新鮮で、素敵なシーンだった。

1980年夏、東ドイツ。都会の大病院で活躍する優秀な医師バルバラが西側への移住申請を却下され片田舎の小さな病院に左遷される。誰もが敵に映るバルバラは誰とも話さず一人心を閉ざしている。そんなバルバラに声をかける同僚医師のアンドレ。家まで車で送るというアンドレのオファーにただ一度承諾したバルバラだったが、以後又自身のカラに閉じこもってしまい、来ないバスをあきらめ自転車通勤を始める。そしてバルバラと共に自転車通勤を始めるアンドレ。“海の側を通ると近道だよ…”というアンドレに“海はキライ。”と答えたバルバラは一人立ち去ってしまう。その海とはバルト海のこと。ヨルクの手引きによってバルバラの西側への脱出はバルト海を渡ることだった。きっとバルバラは海を見たら飛び込んでしまいたいくらいの気持ちを抱いていたのだろう。だからまだ今は海を見たくなかったに違いない。

秘密警察の存在におびえるバルバラ。本作を観た人は誰もが「善き人のためのソナタ/2006」を思い出すはず。
とても、とても地味な映画でストーリーは淡々と進んで行く。盛り上がりも何もない。睡魔に襲われるか…なんて思いながら見ていたが、医師として献身的に身を捧げるバルバラとアンドレの姿に目が離せなかった。
一方で、強制収容所から脱走してきた少女ステラはバルバラに全幅の信頼を寄せ、バラバラもそれに答える。自分の代わりにステラを西側へ送るバルバラの心境は?静かに、ひたすら静かに人の心に訴える良い作品だった。
“外国人専用ホテル”の存在がとても興味深かったが、今はもうないだろうな?

ヒロイン、バルバラを演じたニーナ・ホスは凛とした雰囲気が有能な医師役にぴったり。そしてアンドレに惹かれてはいるが、そのアンドレをも疑う気持ちを捨てられない孤独なバルバラ役がパーフェクト。
ニーナ・ホスを観たのは「イェラ」以来5年ぶり。ちょっと老けた感じで、役柄も全く違っているので、後で調べて彼女だとわかった。
アンドレ役のロナルト・ツェアフェルトは初めて観たドイツ人俳優。誠実で温厚な役が似合っている。

渋谷Bunkamura ル・シネマにて
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by margot2005 | 2013-02-06 00:37 | ドイツ | Trackback(10) | Comments(4)