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ドイツ映画祭2008...「THE WAVE ウェイヴ」

a0051234_227933.jpg「Die Welle」...aka「The Wave 」2008 ドイツ
高校教師ライナー・ヴェンガーにユルゲン・フォーゲル。
ティムにフレデリック・ラウ。
マルコにマックス・リーメルト。
カロに「みえない雲/2006」のジェニファー・ウルリッヒ。
監督、脚本はデニス・ガンゼル。



ドイツのある街。高校教師のライナー・ヴェンガーは“独裁政治”をテーマとしたクラスを担当する。1990年代に生まれた生徒たちは“独裁政治”などもはや存在することではない遠い昔のことと全く興味を示さない。そこでライナーは“この授業の期間中クラスの誰かを指導者にしないか?”と提案する。多数決で決まった“指導者”その人は他でもない担任のライナーだった。次の授業でライナーは“独裁政治”の要素を取り入れ、それを実践して行こうではないかと持ちかける。そしてライナーが決めたルールに生徒は従って行かねばならなかった。最初は反撥していた生徒たちもこの試みに引きこまれて行くのにそう時間はかからなかった...
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最初に“この映画は実話に基づいている”という字幕が出る。ドイツで起こった実話だと誰もが思うが、そうではなくアメリカの高校教師が行った“実践”を元に原作が書かれ映画となった。
友だちもいないオタクのティム、家庭に問題を抱えるマルコ、そして裕福な家庭の少年や、トルコ人少年と、環境の違う少年、少女たちが一団となって“実践”をエスカレートさせて行く。
生徒たちは教師ライナー・ヴェンガーを、第三帝国時代の“ハイル・ヒトラー”ならぬ、“ハイル・ヴェンガー”と呼び、白いシャツにジーパンというクラスのユニフォームを取り入れたり、映画のタイトルとなっている“ザ・ウェイヴ”のウェブ・サイトを立ち上げ、設定したロゴマークを街の至る所に貼付けて回る。やがて、一体化した彼らと他の生徒たちの間で摩擦が起き始め、賛同出来ず、このクラスを去った少女カロは学校新聞で“ザ・ウェイヴ”を批判するがもみ消されてしまう。
アメリカではなく、かつて“独裁国家”が存在したドイツで作られた映画だけに非常に衝撃的でインパクトがあった。
“指導者”となったライナーにもコンプレックスがあったという設定も面白い。
ラストはあっと!驚く展開でビックリする。それは事実とは違った描き方となっている。
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今回のドイツ映画祭、今年製作された4本の映画を観る事が出来た。どれもコレも骨太な作品で観応えがあった。3作は時代物で、山岳映画「ノース・フェイス アイガー北壁」にしても、音楽映画「クララ・シューマンの愛」にしても、地元ドイツならではの作品。
来年のドイツ映画祭も楽しみにしたい!
新宿バルト9にて...
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by margot2005 | 2008-11-07 22:30 | ドイツ | Trackback(6) | Comments(2)

ドイツ映画祭2008...「クララ・シューマンの愛」

「Geliebte Clara」...aka「Clara」2008 ドイツ/フランス/ハンガリー
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クララ・シューマンに「善き人のためのソナタ/2006」のマルティナ・ゲデック。
ロベルト・シューマンに「譜めくりの女/2006」「エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜/2007」のフランス人俳優パスカル・グレゴリー。
ヨハネス・ブラームスにフランス人俳優のマリック・ジディ。
監督、脚本にヘルマ・ザンダース・ブラームス。

19世紀半ば、度重なる演奏活動の末デュッセルドルフに移住して来たロベルトとクララ・シューマン夫妻。ある夜、“ブラヴォー!”の喝采の下、ピアノ コンサートを成功させたシューマン夫妻。そこにはクララの弾くピアノ演奏を熱心に見つめる一人の若者がいた。そしてある日、彼はヨハネス・ブラームスと名乗り自作のスコアーをシューマン夫妻に届ける。彼の天才的な才能を見抜いたロベルトは自身の後継者にしようと彼を家に招き入れる。夫妻の子供たちがブラームスに懐き始め、クララとロベルトは同時にブラームスの才能に惚れこみ3人は奇妙な関係となって行く。しかし3人一緒に暮らせないと感じたブラームスはシューマン家を去っていく。ちょうどその頃ロベルトは精神を病み始めていた...
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原タイトルは“恋人(愛する人)クララ”。
映画はとにかく素晴らしかった!ブラームスやシューマンのピアノ曲がたっぷりと演奏されクラシック・ファンにも十分に楽しめるかと思える。
クラシックには疎い私でも知ってるピアノ曲や、ブラームスの子守唄など流れて音楽映画の世界にどっぷりと浸る事が出来て幸せだった。
クラシック音楽には疎いけれど“クララ・シューマンとヨハネス・ブラームスの恋”については知っている。クララはブラームスより10才以上年上(映画では20才のブラームスがクララと出会い、クララはロベルトに彼の二倍も年上の私と言っている)。互いに強く惹かれ合った二人だが、ロベルトの生前も死後もプラトニックな関係だったという。
8人も子供(亡くなった子供もいる)を産んだクララ。彼女は子育てをしながら病気の夫ロベルトを支え続け、生活のため演奏活動もこなしたというスーパー・ウーマン。
今の時代でも指揮者って男の世界。この時代に精神を病むロベルトの代わりにタクトを振った女性音楽家クララは、楽団員の侮蔑的な眼差しにもめげない強い女性だった。
そのクララを演じたマルティナ・ゲデック、この方どんな役を演じても存在感たっぷりの素晴らしいドイツ人女優。
ロベルト役のパスカル・グレゴリーも精神を病む役柄を演じて上手い。こういった彼は「王妃マルゴ/1994」のアンジュー役を彷彿とさせる。ドイツ語の台詞を喋るグレゴリー...口と声が合ってない感じで、長い台詞の時は顔が映らないようにしていたが、彼の台詞は吹替え?
ブラームス役のフランス俳優マリック・ジディはドイツ語喋っていた。
ブラームス監督はヨハネス・ブラームスの子孫。
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「マーサの幸せレシピ/2001」や「善き人のためのソナタ」で日本でも顔が知れてるマルティナ・ゲデックがクララ・シューマンを演じているからか、それとも音楽ファンが多く集まったのか?定かではないが、2回の上映ともチケット完売だったようだ。この映画は10/31に前売りチケットを無駄にしていたが、やっぱり観たくてシアターに行った。
“ぴあ”で前売りを買って手数料を入れると、当日チケットの1500円より高くなる。それって?不思議??当日チケットを上映2日前からシネコンのカウンターで売っていたらしい。それに気がつかなかったなんて...まぁでも観れたのだから良しとしよう。
新宿バルト9にて...
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by margot2005 | 2008-11-06 01:39 | ドイツ | Trackback(7) | Comments(0)

ドイツ映画祭2008...「ノース・フェイス アイガー北壁」

「Nordwand」2008 ドイツ/スイス/オーストリア
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アルプス、アイガー北壁舞台の山岳映画。

登山家トーニに「プリンセス・アンド・ウォリアー/2000」「美しき家、わたしのイタリア/2003」「戦場のアリア/2006」のベンノ・フュルマン。
同じくアンディに「ワン・ディ・イン・ヨーロッパ/2005」のフロリアン・ルーカス。
写真家ルイーゼにヨハンナ・ヴォカレク。
編集長ヘンリーに「善き人のためのソナタ/2006」のウルリッヒ・トゥクール。
オーストリア人登山家ヴィリーとエディには、オーストリア俳優ジーマン・シュバルツとゲオルク・フリードリヒ。
監督、脚本はフィリップ・シュテルツル。

1936年ドイツ、ベルリン。
スイス、アルプスのアイガー北壁は人類未到達の山であり、ヨーロッパの登山隊によるコンペティションの中、ドイツ国内ではその山を制覇することはオリンピックの栄誉にも匹敵するといわれていた。前年にもドイツ隊は登頂に挑戦し、失敗の後帰らぬ人となっていた。
登山家のトーニとアンディはこれに挑戦すべくスイス、アルプスへと向かう。同じく写真家でトーニの元恋人ルイーゼも新聞社の編集長と共にアルプスへと向かっていた。
7月18日未明、トーニとアンディは登攀を開始する。そして彼らに追いつくように登って来たオーストリアのヴィリーとエディ。しかしトーニとアンディが起こした落石によりヴィリーが頭に傷を負ってしまう。その後ビバークを重ねながら頂上へと進む4人だったが、悪天候とヴィリーの負傷により下山する以外方法のない状態に陥る...
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映画解説に“山岳映画の傑作”と書いてあるが、まさしくその通りで素晴らしい!!
シアター入り口ポスターの前で、登山家と思われる中高年の男女性たちが数人集まって写真を撮っていた。山好きな人が観たらたまらないだろうなと感じる作品。
彼らが遭難するというのは最初から分っているのだが、とにかく手に汗握るシーン続出で、身を乗り出して観ていた気がする。
「戦場のアリア」の頃と比べて随分と痩せているベンノ・フュルマンは、この映画に出演するため減量したのかも知れない。
もちろん4人の俳優がアイガーに登ったわけではないが、CGを駆使した登攀シーンはスゴイ!落石や雪崩のシーンには思わず叫びそうになった。
アイガー北壁は3975メートル。ほぼ標高2000メートル地点にホテルが建っている。ホテルの部屋から北壁が見え、テラスの双眼鏡からは登攀する人々の姿を見る事が出来る。坑道には電車(ケーブル)が走り、登山家でなくとも2000メートル半ばくらい迄登ることが出来るのにもビックリ。ここからそそり立つ北壁を見たらきっと鳥肌たちそう。
ルイーゼが坑道のデッキ(テラス)から身を乗り出し、北壁に残されたトーニに叫ぶシーンには、“マジで?声届くのか?”と思ったけどエコーとなって声は山に届くのだろう。
今から70年前ゆえ、ヘリコプターでの救助はもちろんないし...ザイルの長さが足りなかったため、数メートル上にぶら下がるトーニを助けられなかったのは時代だなぁとしみじみ感じる。
山の天気は変わりやすいというが、その通り。彼らが嵐に見舞われ遭難した次の日は快晴であった。
スクリーンいっぱいに、アイガー頂上が映し出され、そそり立つその姿は神々しいまでに美しい!

新宿高島屋のテアトル・タイムズ・スクエアと新宿武蔵館を別として新宿で映画を観ることはない。なのでシネコン バルト9は初めてだった。ここのシアター6、横列が長く、縦列が短いという他のシアターにはない席の並べ方。そのせいか?音響が他のシアターに比べてとっても臨場感があり大満足だった。
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by margot2005 | 2008-11-04 23:03 | ドイツ | Trackback(14) | Comments(4)

ドイツ映画祭2008...「クラバート - 謎の黒魔術」

「Krabat」 ドイツ 2008
昨年のドイツ映画祭で観たのは「イェラ/2007」1本のみ。今年は前売りチケットを買って何作か観たいなぁと思いつつ、結局買ったのは「クララ・シューマンの愛」と「クラバート - 謎の黒魔術」の2本。観たい作品の中でぎりぎりで買ったネットでの前売りはこの2本しかなかったのが現状。
「クララ・シューマンの愛」は急用が出来上映時間に間に合わずチケットを無駄にしてしまった。セレモニーで「クララ・シューマンの愛」のチケット(10/31)は完売で、配給がつく可能性がありますと主催者がコメントしていた。それを聞いてますます残念だった。
この後も上映はあるけど、2連休なので当日チケットはあるのかな??
この映画の前にセレモニーがあってゲストが登壇。映画終了後も質疑応答があるとのことだったが、なんか疲れて席を立ってしまった。
映画祭のセレモニーって長過ぎ...おまけにドイツ語(当たり前ながら通訳はあるが...)だし...
監督と、12人の少年の中の一人リュシェンコ役のローベルト・シュタートローバーがジーパン姿で現れた。
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主演のクラバートにダフィット・クロス。
クラバートの親友となるトンダに「青い棘/2004」「サルバドールの朝/2006」のダニエル・ブリュール。
マイスターに「イェラ」のクリスティアン・レドゥル。
少女カントルカに「みえない雲/2006」のパウラ・カレンベルク。
監督、脚本はマルコ・クロイツパイントナー。

17世紀、30年戦争の最中両親を失った14才のクラバート。彼は物乞いをしながら長い放浪の旅に出かける。ある日、夢に導かれるように辿り着いた荒れ果てた村。そこには製粉所があり、同じような境遇の12人の少年(青年)たちが重労働を強いられていた。“マイスター”と呼ばれる親方にこき使われる少年たち。しかしそこは黒魔術の学校であり、全員マイスターに絶対服従の世界だった。魔術を身に付けた数年後、クラバートは自身の自由と、村で出会った美しい少女カントルカとの愛のためマイスターを倒そうと立ち上がる...
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ドイツ本国でも3週間前に公開されたばかりのこの作品。
観終わって“スゴイ映画!”というのが最初に感じた感想。
雪深い(ドイツアルプス?)山々や、広大なる森が撮影に使われ素晴らしい映像だったが、17世紀が舞台のためと、ダークな世界を描いているため映像はそれはそれは暗い。
原作はオトフリート ・プロイスラーによる世界的ベストセラー小説“Krabat”。でも残念ながら知らない小説。
14才〜10代後半を演じたクラバート役のダフィット・クロス実際は18才。とてもチャーミングなドイツ青年でぴったりの役柄。
クラバートの親友となるトンダ役のダニエル・ブリュールも好演している。
映画解説に“CGを用いて映画化したファンタジー大作”とあり、少年たちがカラスに変身したりして、とってもファンタジックだが、それぞれのシーンは余りにもダークな世界の連続で、原作はチェコの伝説を元にした童話ということだが、子供たちが観て楽しめる映画ではなく、大人のためのダーク・ファンタジーかな?
新宿バルト9にて...
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by margot2005 | 2008-11-02 01:51 | ドイツ | Trackback(1) | Comments(2)