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「胸騒ぎのシチリア」

A Bigger Splash2015 イタリア/フランス

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世界的なロックスター、マリアンヌは声帯の手術を受けた後、年下の恋人ポールを伴いシチリアのパンテッレリーア島へバカンスにやって来る。しかし穏やかな時間を楽しむ二人を訪ねて招かれざる客が突然現れる。マリアンヌの元カレで音楽プロデューサーのハリーが娘のペンと一緒に押し掛けて来たのだ。騒々しいハリーは静養中のマリアンヌのことなどお構いなしに勝手にバカンスを楽しんでいる。そうハリーはマリアンヌとの復縁を狙っていた。一方で娘のペンもポールに接近し始める


マリアンヌに「ミラノ、 愛に生きる/2009」「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ/2013」「グランド・ブタペスト・ホテル/2013」「ヘイル、シーザー/2016」ティルダ・スウィントン。

ポールに「フランス組曲/2014」「リリーのすべて/2015」マティアス・スーナールツ。

ハリーに「グランド・ブタペスト・ホテル/2013」「007 スペクター/2015」レイフ・ファインズ。

ペネロペ(ペン)に「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ/2015」「ブラック・スキャンダル/2015」ダコタ・ジョンソン。

警察署長にCorrado Guzzanti

ハリーの友人ミレーユに「ボン・ヴォヤージュ/2003」「フレンチなしあわせのみつけ方/2004」「マリー・アントワネット/2006」「彼は秘密の女ともだち/2014」オーロール・クレマン。

監督、製作は「ミラノ、 愛に生きる/2009」ルカ・グァダニーノ。


「太陽が知っている/1969」のリメイクで出演者の名前は同じながらマリアンヌの恋人ポールを年下の男に変えている。「太陽が知っている」はアラン・ドロン演じるジャン・ポールが主人公だが、本作はティルダ・スウィントン演じるマリアンヌが主人公っぽい。


映画は「白い帽子の女/2015」と同じく、俳優と景色とヒロインのファッションはゴージャスだが中身のない駄作だった。元映画はロマンティックなサスペンスでとても見応えがあったのに

しかしながら今時ロマンティック・サスペンスなど受けないのでこういった過激な描き方にしたに違いない。マリアンヌもロック・シンガーのキャラクターだし。喉を痛め静養中の身ゆえ残念ながら歌うシーンはなし。ただし過去シーンのスタ録で少しだけ歌っている。

マリアンヌに深い愛を捧げるポール。演じるマティアスは相変わらず素敵。


元映画も本作もポールは逮捕されない。元映画のラストは忘れてしまったけど、本作のラストは不法移民のせいにしたりして今風の展開になっている。

ともかく出演者がヌードになり過ぎ!「グランド・ブタペスト・ホテル」や「ヘイル、シーザー」でかつてのイメージを覆したレイフが、恥も外聞もかなぐり捨てるフルヌードで大いにはしゃいでいて可笑しいやら呆れるやらで感心した。彼は俳優だから恥も外聞も承知の上で演じているのだろうだけどかなりの驚きだった。

警察署長が犯人を不法移民のせいにしてマリアンヌを安心させ、サインをねだるラストはイタリア人の感覚?


シネスイッチ銀座にて



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by margot2005 | 2016-11-28 23:55 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」

「Only Lovers Left Alive」 2013 UK/ドイツ/フランス/キプロス/USA
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アダムに「戦火の馬/2011」「ミッドナイト・イン・パリ/2011」のトム・ヒドルストン。
イヴに「フィクサー/2007」「倫敦(ロンドン)から来た男/2007」「ベンジャミン・バトン 数奇な人生/2008」「バーン・アフター・リーディング/2008」「リミッツ・オブ・コントロール/2009」「ミラノ、 愛に生きる/2009」「少年は残酷な弓を射る/2011」のティルダ・スウィントン。
エヴァに「ディファイアンス/2008」「アメリア 永遠の翼/2009」「キッズ・オールライト/2010」「ジェーン・エア/2011」「アルバート氏の人生/2011」「イノセント・ガーデン/2013」のミア・ワシコウスカ。
イアンに「フライトナイト/恐怖の夜/2011」のアントン・イェルチン。
マーロウに「リミッツ・オブ・コントロール」「メランコリア/2011」「裏切りのサーカス/2011」のジョン・ハート。
ドクター・ワトソンに「007/カジノ・ロワイヤル/2006」 「インベージョン/2007」「007/慰めの報酬/2008」「ブッシュ/2008」のジェフリー・ライト。
監督、脚本は「ナイト・オン・ザ・プラネット/1991」「ブロークン・フラワーズ/
2005 」「リミッツ・オブ・コントロール/2009」のジム・ジャームッシュ。
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荒廃の街と化したデトロイトとモロッコのタンジールを舞台に描かれるヴァンパイア・ストーリーはとても妖しくて美しい。
トム・ヒドルストン主演映画は初めてで、ティルダ・スウィントンもお気に入り女優の一人だしヴァンパイア映画は大好きなので楽しみにしていた1作。
トムとティルダは夫婦役で、実際20歳の年齢差がある二人だが中々素敵なカップル。

デカダンス漂うストーリーにアンダーグラウンドなミュージックが加味され、廃墟と化したデトロイトと、神秘的なタンジールが物語を盛り上げる。

ヴァンパイア映画「ビザンチウム/2012」もそうだったけど、21世紀に住むヴァンパイアはむやみに人間の血を求めないというのが鉄則なのか?
しかしながらこれほど血の出ないヴァンパイア映画も珍しい。

デトロイトに住むアダムはドクター・ワトソンから輸血用の血を買い、タンジールに住むイヴはマーロウに血を用立ててもらっている。
アダムとイヴは何百年も生きているから、著名なる作曲家と交際があった...とか、タンジールに住むマーロウはシェイクスピアだった…という展開もあった。
ヴァンパイア、カップルの名前がアダムとイヴと言うのは何か?意味ありなのか?
しかしラスト、アダムとイヴが恋人たちに襲いかかるシーンはヴァンパイア映画らしくてナイスだった。

ジム・ジャームッシュの作る作品は少々変わっている。ジャームッシュ映画はウイノナ・ライダーとジーナ・ローランズの「ナイト・オン・ザ・プラネット」が初めて。その後「コーヒー&シガレッツ/2003」「ブロークン・フラワーズ」なんかも見てみたが、どれもこれもスゴくユニーク。本作は意外にジャームッシュらしくない雰囲気で、今迄の彼の作品の中では一押し映画となった。

「マイティ・ソー/2011」と「アベンジャーズ/2012」のロキ役のトム・ヒドルストンは最近気になるUK俳優。来月公開予定の「マイティ・ソー/ダーク・ワールド/2013」はシアターに観に行くかもしれない。
時代物が似合うトム・ヒドルストンはデカダンスなヴァンパイアー役もぴったり。レイチェル・ワイズと共演の未公開作品で、愛憎劇の「愛情は深い海の如く/2011」が是非見たい。

TOHOシネマズシャンテにて(12月鑑賞)
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by margot2005 | 2014-01-12 00:31 | UK | Trackback(11) | Comments(0)

「少年は残酷な弓を射る」

「We Need to Talk About Kevin」2011 UK/USA
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エヴァに「フィクサー/2007」「倫敦(ロンドン)から来た男/2007」「ベンジャミン・バトン 数奇な人生/2008」「バーン・アフター・リーディング/2008」「リミッツ・オブ・コントロール/2009」「ミラノ、 愛に生きる/2009」のティルダ・スウィントン。
フランクリンに「おとなのけんか/2011」のジョン・C・ライリー。
ケヴィンにエズラ・ミラー。
監督、脚本は「モーヴァン/2002」のリン・ラムジー。
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自分が生んだ息子が憎い母親っているのだろうか?いやひょっとしたらいるのかも知れない…でもこの母親は彼が憎いワケではない。息子の方が母親を憎んでいる(嫌っている)のだ。父親は好きなのだけど…
ケヴィンは母親にもっと愛してもらいたかったに違いない。観ていてスクリーンから伝わって来る母親と息子の関係はかなりシラけている。LOVEは全く感じられない。幼いながらもきっとケヴィンは自分に対する母親の冷たさを感じていたのだろう。父親は優しいのに...と感じていたはず。

原タイトル“We Need to Talk About Kevin/我々はケヴィンについて話す必要がある”はかなり的を得ている。この夫婦はマジで息子について話さねばならなかったのだから...でも聞く耳を持たないフランクリンのせいであのような結果になってしまった。フランクリンは自業自得か?

聞く耳を持たないフランクリンは訴えるエヴァに”精神科に診てもらったら?”なんていうのだ。世界を飛び回る作家だったエヴァはフランクリンと出会い結婚。やがて予期せぬ妊娠。彼女は自身のキャリアを捨て子供を産む。こんなはずじゃなかったとエヴァは何度も悲鳴を上げるが夫がそれを無視するのだ。

ドラマは時系列に描かれてなくてコロコロと時代が変わる。エヴァが生活のために小さな旅行社で事務の仕事に就く。採用した職場の上司が書かれた職歴に感嘆する。一方で本屋に並んだエヴァの新刊書を見つめるケヴィンのシーンもあった。世界をまたにかけて仕事をしていた女性が子供のせいでそれが出来なくなってしまったわけ。フランクリンという夫は妻の仕事に全く理解を示さなかったというのか、妻が本を書けるような環境を作ってやらなかったのか?不思議だ。なんと冷たい男だろうと呆れた。良い父親だったかも知れないが、妻にとっては最悪の夫である。キャリアを捨てて子供を産み育てるエヴァの心には計り知れない葛藤があったことだろう。それなのに彼女が愚痴をこぼしてもフランクリンは全く聞く耳を持たなかった。庭ではケヴィンと一緒に弓矢を放ってとても楽しげに遊んでいたくせに…

少々ネタバレするが…
結果フランクリンは息子ケヴィンに殺されてしまう。妻をないがしろにした夫が愛する息子に殺されたって気もする。ケヴィンは絶対母親を愛していたはず。彼は母親にただ素直に、愛してもらいたかったに違いない。そして母親も息子も愛することに対して不器用だったのかも知れない。

クール(冷たい)なイメージのティルダ・スウィントンと、妖しいまなざしのエズラ・ミラーが母&息子にぴたりとハマっている。ティルダ・スウィントンはお気に入り女優の一人。普通じゃない役を演じるとキラリと光る彼女…やはり光っていた。
エズラ・ミラーが薄ら笑いを浮かべながらあの上目使いのまなざしで弓を射るシーンは強烈。
父親を演じるジョン・C・ライリーはワレ関せずで、「おとなのけんか」の夫役と少々カブってしまった。本作でのとてもずるい男も適役。

TOHOシネマズ・シャンテにて
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by margot2005 | 2012-07-17 00:05 | UK | Trackback(10) | Comments(4)

「ミラノ、 愛に生きる」

「Io sono l'amore」…aka「I Am Love」2009 イタリア
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エンマに「フィクサー/2007」「倫敦(ロンドン)から来た男/2007」「ベンジャミン・バトン 数奇な人生/2008」「バーン・アフター・リーディング/2008」「リミッツ・オブ・コントロール/2009」のティルダ・スウィントン。
エンマの息子エドアルド(エド)にフラヴィオ・パレンティ。
エドアルドの友人でシェフのアントニオにエドアルド・ガブリエリーニ。
エンマの夫タンクレディにピッポ・デルボーノ。
タンクレディの母親ローリに「ベニスに死す/1971」のマリサ・ベレンソン。
エリザベス(ベッタ)にジョヴァンナのパパ(ボローニャの夕暮れ)「私を撮って/2008」「やがて来る者へ/2009」のアルバ・ロルヴァケル。
ハウスキーパー、イダにマリア・パイアート。
監督、脚本、製作にルカ・グァダニーノ。
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ロシア出身のエンマはイタリア人の大富豪と結婚しミラノの豪邸に住んでいる。日々贅沢な暮らしを送っているが、彼女の心は満たされていなかった。孤独の中で生きているエンマはある日最愛の息子エドアルドから、彼の友人でシェフのアントニオを紹介される。その後、ハウス・パーティの料理をアントニオに依頼し、屋敷で頻繁にアントニオと会うようになる。やがて彼女の中に深く眠っていた情熱が蘇り始める...

「フィクサー」でオスカーをゲットしたティルダ・スウィントンはお気に入り女優の一人。昨年11月に50歳になったティルダ…ナイス・バディとはいえないが、田園風景の中のエンマとアントニオのラヴ・シーンがとても奇麗に映し出されている(ティルダも製作に加わっているゆえ?)。

映画のオフィシャルサイトに“官能”という文字がある。エンマがアントニオのレストランでローリとエドアルドのフィアンセ3人で食事をするシーン…アントニオが作った海老料理に舌鼓を打ち、まるでエクスタシーを感じるような表情を見せる。最初、彼女はアントニオの料理に恋をしたのかも知れない。ある時、エンマは屋敷の厨房でアントニオに再会する。居合わせたエドアルドに促されるままアントニオの作った料理を口に入れる。“アントニオの作ったものは上手いだろう!”という息子。エンマはここでも、えも言われぬ表情を浮かべるのだ。ティルダ・スウィントンの表情にしばし引き込まれる。

娘に会いに行くつもりのサンレモで、ばったりアントニオと出くわしたエンマ。そしてやはり彼女はアントニオの誘惑に勝てなかった。日頃満たされない生活を送っている中年女が、若くて魅力的な男に誘惑されたら、彼の胸に飛び込むのは時間の問題だろう。結局、恋に落ちたエンマは全てを捨てることになる。最愛の息子まで…。
哀しいエンディングながら“真実の愛”に目覚めたエンマが取る行動に共感を覚える。
個性的な役柄が多いティルダが大富豪の有閑マダム?少々違和感ありかと思えたが、じっと耐えるもの静かなティルダもたまには良い。

この物語はミラノが舞台。イタリアは先月ローマとフィレンツェを訪れたばかり。5年前のイタリア周遊旅行ではミラノへも行った。ミラノの大聖堂はイタリア映画に良く登場するが、これでも大聖堂をバックにエンマの姿がスクリーンに現れる。
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ミラノの雪景色と、エンマが暮す、とてつもなく大きくて豪華な屋敷が素晴らしく美しい。その上エンマが身にまとうミラノ・ファッションがオシャレで美しいのも見所の一つ(オスカーにノミネートされた)。エンド・クレジットに“DAMIANI”の文字もあった。

アントニオが住むリグーリア州のサンレモの町並みや、上に書いた田園風景も素晴らしく美しく、ヨーロッパ舞台の映画はこれだからやめられない。

エリザベス役のアルバ・ロルヴァケルは可憐な雰囲気が漂う女優だが(顔がそうかも?)、wowowで見た「30日の不倫/2010」ではピエルフランチェスコ・ファヴィーノ相手に大胆なラヴ・シーンを演じている。どちらもしっくり来る希有な女優の一人。

エドアルド役のフラヴィオ・パレンティはパリ生まれで、フランスとイタリアで育ったイケメン。
Flavio Parenti

ミラノの大聖堂の写真は5年前デジカメで撮ったもの。

渋谷 Bunkamura ル・シネマにて(2/10で終了)
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by margot2005 | 2012-02-11 21:19 | イタリア | Trackback(2) | Comments(0)

「倫敦から来た男」

「A Londoni férfi」...aka「L'Homme de Londres」「The Man from London」2007 ハンガリー/ドイツ/フランス

a0051234_212205.jpgマロワンにミロスラヴ・クロボット。
マダム・マロワンに「フィクサー/2007」「バーン・アフター・リーディング/2008」「ベンジャミン・バトン 数奇な人生/2008」「リミッツ・オブ・コントロール/2009」のティルダ・スウィントン。
娘アンリエッタにボーク・エリカ。
ブラウンにデルジ・ヤーノシュ。
刑事にレーナールト・イシュトヴァーン。
監督、脚本はタル・ベーラ。







とある港町、鉄道員のマロワンは、毎晩ガラスの檻のような制御室から港と駅を見下ろしている。ある夜、彼はロンドンからやって来た男ブラウンが犯した殺人現場を目撃する。その後、殺された男のトランクを海中から拾い上げたところ、中には7万ポンドもの大金が入っていた...
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ハンガリーの鬼才タル・ベーラの作品は勿論初めて。
鬼才と呼ばれる人が作る映画はたいてい暗くて重い。今年も鬼才と呼ばれる人々の映画を何本か観たが、これはその最たるものかも知れない。白黒で描かれている事も一つの要因だが、いやいやとても重くて暗かった。しかしながら物語は単純で難しくはない。
妻と諍いが絶えない貧乏暮らしのマロワン。娘アンリエッタは掃除婦で、雇われ先のマダムにこき使われている。ある日突然大金を得たマロワンはアンリエッタに高価な毛皮のストールを買い与える。それを見た妻は怒り狂うが、哀しいかな金の出何処は明かせない。やがてお金で幸せをつかもうと考えた男の前に刑事が現れる。ラストはどうなるのだろう?と興味深かったが...あのラストは実にファンタスティックでニクい。
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原作者ジュルジュ・シムノンの“メグレシリーズ”は過去に読んだ記憶がある。これも本で読めばきっと面白いと思う。
台詞はフランス語と英語。とある港町...舞台は北フランス。
ティルダ・スウィントンが「フィクサー」でオスカーを受賞する前の作品。彼女は「フィクサー」ではスタイリッシュな弁護士役だったが、この作品では田舎のおばさん役であれってスッピンかな?ちなみにティルダのフランス語は吹替え?
英国人刑事役のハンガリー俳優レーナールト・イシュトヴァーンも英語とフランス語で喋っていたが、ハンガリー語で喋って、フランス語と英語に吹替えたのでしょうかね?
アンリエッタ役のボーク・エリカがティルダ・スウィントンに似ていてバッチリのキャスティング。
登場する場面は港、そこにつながる駅、ホテル/キャフェ、そしてマロワンの家とアンリエッタの働く店。
マロワンが“ガラスの檻のような制御室”から港と駅を見下ろすシーン...オープニングでこれでもか!というくらい長く、ゆっくりと、港から駅、停車する列車に乗り込む人々(数人)の姿が映される。その後同じシーンが映し出される。最初はロンドンからやって来た男ブラウン。二度目はやはりロンドンからやって来た刑事。モノクロで、尚かつ夜のシーン。全く同じシーンのように見えるあの場面は映画の中でとても重要で、印象的なシーンである。
ブラウンが殺人を犯すシーンも長いショットで撮られている。それは制御室からマロワンの目を通して描かれるからである。
予告を何度も観ていたので少々興味がわき観に行ってしまった。台詞は少なく、バック・ミュージックは単調で、ストーリーは淡々とし盛り上がりには欠ける。で、案の定途中で何度か睡魔に襲われたが、中々味わいのある静かなミステリー・サスペンスだった。これが鬼才タル・ベーラが描くミステリーの世界なのだろう。
渋谷 シアター・イメージフォーラムにて
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by margot2005 | 2009-12-20 22:01 | スペイン | Trackback(3) | Comments(1)

「リミッツ・オブ・コントロール」

「The Limits of Control」 2009 USA/スペイン/日本
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主人公の殺し屋コードネーム/孤独な男に「潜水服は蝶の夢を見る/2007」のイザック・ド・バンコレ。
以下仲間に...
「フィクサー/2007」「ベンジャミン・バトン 数奇な人生/2008」「バーン・アフター・リーディング/2008」のティルダ・スウィントン。
「ルワンダの涙 /2005」「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国/2008」のジョン・ハート。
「彼が二度愛したS/2008」のパス・デ・ラ・ウエルタ。
「列車に乗った男 /2002」のジャン・フランソワ・ステヴナン。
「不完全なふたり/2005」のアレックス・デスカス。
「マイアミ・バイス/2006」のルイス・トサル。
「失われた肌/2007」のガエル・ガルシア・ベルナル。
「シリアの花嫁/2004」「扉をたたく人/2007」のヒアム・アッバス。
「SAYURI/2005」の工藤夕貴。
そして「ブロークン・フラワーズ/2005」「ダージリン急行/2007」「ゲットスマート/2008」のビル・マーレイ。
監督、脚本に「ナイト・オン・ザ・プラネット/1991」「ブロークン・フラワーズ /2005」のジム・ジャームッシュ。
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コードネーム/クレオール人とコードネーム/フランス人の指令を受けスペインにやって来たコードネーム/孤独な男。次から次へと現れる仲間たちの指令により、任務遂行のためスペイン中を駆け巡る。孤独な男はターゲットを見つける事ができるのか...

思い切りネタバレしているが...ビル・マーレイ演じるコードネーム/アメリカ人を殺すためスペインを列車で移動するコードネーム/孤独な男。スペインのそれぞれの街で待つ仲間たち。仲間の指令により次に何処へ行くかが決まる。それに従って行動するコードネーム/孤独な男。指令はなぜかマッチ箱に入っている。中に入った小さなメモに場所(アドレス?)が書かれている。証拠隠滅のためか?読んだらすぐメモを呑み込む孤独な男。いつも注文するエスプレッソで...あのエスプレッソの注文方は中々粋。試してみたい。
工藤夕貴が演じたコードネーム/モレキュール(分子)。モレキュール(分子)について色々と語るが一番訳が分らなかった。
とにかく出演陣は素晴らしくInternational!
俳優たち数分の出番ながら、コードネーム/ブロンド役のティルダ・スウィントンと、コードネーム/メキシコ人のガエル・ガルシア・ベルナル。二人の圧倒的な存在感はさすが。
ジム・ジャームッシュの「コーヒー&シガレッツ/2003」は観てないが、懐かしきウィノナ・ライダーの「ナイト・オン・ザ・プラネット」も次から、次へとお客を乗せるタクシー・ドライバーの物語だし、「ブロークン・フラワーズ 」も昔の恋人を訪ねて回るストーリーだった。かなりワンパターンだが、それってジャームッシュの世界なのかも知れない。
予告を何度も観ていたのと、ポスターに惹かれて観に行った。池袋(TOBUメトロポリタン)で上映していたのが最大の要因かも?
とにかくこの手の映画は良くわからない。あまりにも淡々としていて、もの静かで、一本調子で、眠りに誘われそうで困った。とりあえず寝るまでには至らなかったが、同じ列にいたojisamaは相当寝ていた雰囲気。
ラスト、空港のゴミ箱に捨てたマッチ...あのラストには何か含みがあるのだろうか?
かなり地味な映画ながら都内でも数カ所で公開しているのは日本もお金を出したからに違いない。
シネ・リーヴル池袋にて
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by margot2005 | 2009-10-11 21:31 | MINI THEATER | Trackback(6) | Comments(0)

「フィクサー」

a0051234_2337041.jpg「Michael Clayton」2007 USA
原題となっている主人公マイケル・クレイトンに「シリアナ/2005」「オーシャンズ13/2007」のジョージ・クルーニー。
マイケルの同僚である弁護士アーサーに「イン・ザ・ベッドルーム/2001」「理想の女/2004」のトム・ウイルキンソン。
相手方の弁護士カレンに「ビーチ/1999」「ブロークン・フラワーズ/2005」のティルダ・スウィントン。
マイケルの上司マーティに監督であり、プロデューサーであり俳優としても活躍しているシドニー・ポラック。彼の監督作品はハリソン・フォードの「ランダム/ハーツ/1999」がgood。
監督は”ジェイソン・ボーン シリーズ”の脚本家トニー・ギルロイ。

弁護士事務所に所属する“フィクサー(もみ消し屋)”が直面する苦悩を描く社会派サスペンス・ドラマ。

NYの大手法律事務所ケナー・バック&レディーンに所属するマイケル(クルーニー)は妻と離別した後も息子ヘンリー(オースティン・ウィリアムズ)とは会わずにいられない日々。おまけにワケありで8万ドルもの借金を抱かえている惨めな私生活...
15年働いた弁護士事務所で、未だパートナーにも登用されず、“もみ消し屋”ではなく元の弁護士に戻りたいと願うが、それも叶わない。
ある日、巨大農薬会社U・ノース社の弁護を担当していた同僚のアーサー(ウイルキンソン)が、原告と協議の最中精神に異常をきたし突然ストリップを始めクライアントを困惑させてしまう。アーサーの事態もみ消しに向かうマイケル。やがて彼はアーサーがU・ノース社を敗北させるであろう決定的な証拠を掴んでいた事を知る。
一方で、U・ノース社に雇われた敏腕女弁護士カレン(スウィントン)も又この緊急事態に対して行動を起こし始めるのだった...
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今年度のオスカーをゲットした作品たち...「ノー・カントリー/2007」は観たいなぁと思っていたが、著名な週刊誌の映画評欄に“同じコーエン作品としては「ファーゴ/1996」には適わない”の記事を読んでしまい観に行くのを躊躇してしまった。やはり「ファーゴ」なのね?「ファーゴ」は私的トップ10に入るヴァイオレンス・サスペンスであるもの...
「つぐない/2007」も観たいなぁと思いつつ、まずこの作品を観て来た。
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余りにも期待したせいなのか?予告が上手く作られていたのか?ジョージ・クルーニーとオスカーに輝いたティルダ・スウィントンの対決(絡み)が思ったより少なく消化不良気味で残念。
サスペンス・ストーリーなのだが、少々盛り上がりに欠ける。
俳優人はクルーニーもgoodだったが、UK出身のティルダ・スウィントンはオーラのある女優でファンになった。「バニラ・スカイ/2001」「アダプテーション/2002」「ブロークン・フラワーズ」「コンスタンティン/2005」と観て来たが、この中で印象に残る彼女の作品って??一見地味な雰囲気の女優なので、どの作品の彼女も印象が薄い。でもこの作品で女優ティルダ・スウィントンは脳裏に刻まれた気がする。
脇役ながらいつもきらりと光る(oyajiなのだが)トム・ウイルキンソンもナイスである。
しかし、しかし出番が少ないにも関わらずティルダ・スウィントンの存在は確かで素晴らしい女優である。この後の彼女の出演作品が楽しみとなって来た。
ワーナー・マイカルにて...
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by margot2005 | 2008-04-18 23:55 | USA | Trackback(16) | Comments(4)