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「ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命」

The Zookeeper's Wife2017 チェコ/UKUSA

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1939年、ポーランド。ヤンとアントニーナ夫妻はワルシャワでヨーロッパ最大級の動物園を営んでいる。そんな中、ドイツがポーランドに侵攻し第二次世界対戦が勃発。そして次第に動物園の運営も危うくなってくるのだった…


ナチスの占領下となったポーランド。やがて夫妻が運営するワルシャワの動物園にはナチスがやってきて施設を占領してしまう。動物たちがいなくなった獣舎にユダヤ人たちを匿うアントニーナは、ヒトラー直属の動物学者ヘックの突然の訪問に怯える日々を送ることになる。


戦争のため銃殺された動物たち。動物をこよなく愛する夫妻の辛さは想像を絶する。ナチス占領下のポーランドで、動物園の園長夫妻が外交官の杉原千畝ばりに300人ものユダヤ人を助けた史実があったことを知って驚きつつも感動を覚えた。

ゲットーから連れだしたユダヤ人たちに、秘密裏にパスポートを与えナチスから彼らを救ったのだ。密告により二人の女性が銃殺されるが、他の人々は皆生き延びたとエンディングで紹介されていた。

そういえばドイツ人実業家オスカー・シンドラーもユダヤ人を多く救った人物で映画化されている。


アントニーナに”ユダヤ人を何人匿った?”と脅しをかけ動物の檻に閉じ込める。その後、ヘックの行動はアントニーナに好意を持っていたから?と思ったりもしたけど、とことん悪人にはなれなかったということ。でもアントニーナはヘックを軽蔑していたところが痛快だった

ヘックを演じるダニエル・ブリュールはInternationalなドイツ人俳優。彼は童顔ゆえあまり悪人に見えないで得しているかも?


ジェシカ・チャステインは前作「女神の見えざる手」でスーパー級に強い女性を演じていた。彼女を見た初めての映画はブラッド・ピットの「ツリー・オブ・ライフ/2011」で、本作を見てオブライエン夫人を思いだす。

昨年より物議を醸すハリウッド発端のセクハラ疑惑。インタビューに答えるジェシカの映像をニュースで見たが、素顔の彼女は穏やかな語り口で、本作のヒロインとかぶりとても素敵な女性に見てとれた。


アントニーナに「女神の見えざる手/2016」のジェシカ・チャスティン。

ヤンにヨハン・ヘルデンベルグ。

ヘックに「ヒトラーへの285枚の葉書/2016」のダニエル・ブリュール。

飼育員Jerzykに「ダブリン上等!/2003」「ゲーム・オブ・スローンズ シリーズ/20122016」のマイケル・マケルハットン。

監督は「クジラの島の少女/2002」「約束の葡萄畑 あるワイン醸造家の物語/2009」のニキ・カーロ。


TOHOシネマズみゆき座にて


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by margot2005 | 2018-01-12 22:37 | ヨーロッパ | Comments(4)

「プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード」

Interlude in Prague」 2017 チェコ/UK

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1978年、プラハではモーツァルトのオペラフィガロの結婚」が大ヒットしていた。一方で三男を病気で亡くし深い悲しみに沈むモーツァルト。やがて彼は重苦しいウイーンから逃れるように地元名士の誘いを受けプラハへと赴く。友人ヨゼファの邸宅に滞在しながら「フィガロの結婚」のリハーサルと新作オペラの作曲に励む日々。そんな折、フィガロの結婚」のケルビーノ役に抜擢された若手オペラ歌手スザンナと出会う…


ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトを演じたアナイリン・バーナードが「ダンケルク」のギブソンと全く別人で驚き!ウイッグの威力?

クラシック音楽には疎いがモーツァルトの楽曲はわかる。聞きなれた旋律が多々流れ、音楽ファンが多く見に来ていたような気もする。

フィガロの結婚」は以前wowowで放送していたメトロポリタン・オペラで全編見たが、新演出バージョンだそうで退屈せずに見られた記憶がある。


ドラマ的に盛り上がりはない。モーツァルトが好きじゃなければ寝てしまうかも?そして万人受けする映画ではないけれども、ロケされた美しい街プラハと全編に流れるモーツァルトの美しい音楽に魅了された。

フィガロの結婚」の場面がたびたび登場し、新作「ドン・ジョヴァンニ」でラストを迎える。


モーツァルト映画と言えば「アマデウス/1984」なしに語ることはできない。それはアントニオ・サリエリとヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの物語で素晴らしいドラマ。今一度見てみたいと思った。

「ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い/2009」「ナンネル・モーツァルト 哀しみの旅路/2010」などモーツァルトが登場する映画も見ているのを思い出した。

ジェームズ・ピュアフォイはマジでふてぶてしいキャラが似合う俳優。


ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトに「ダンケルク/2017」のアナイリン・バーナード。

サロカ男爵に「ハイ・ライズ/2016」のジェームズ・ピュアフォイ。

ヨゼファに「レ・ミゼラブル/2012」のサマンサ・バークス。

スザンナにモーフィッド・クラー。

監督、脚本はジョン・スティーヴンソン


新宿武蔵野館にて



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by margot2005 | 2017-12-22 22:46 | ヨーロッパ | Comments(0)

「ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦」

Anthropoid2016 チェコ/UK/フランス

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1941年、ナチス占領下のチェコスロバキア。ある時、イギリス政府とチェコスロバキアの亡命政府が協力して極秘作戦を練り、パラシュートを使って二人の軍人ヨゼフ・ガブチークとヤン・クビシュを現地へ送り込む。二人に与えられた使命はナチスNo.3と言われるラインハルト・ハイドリヒの暗殺だった…


ヨゼフ・ガブチークに「プルートで朝食を/2005」「麦の穂をゆらす風/2006」「フリー・ファイアー/2016」キリアン・マーフィ。

ヤン・クビシュに「マリー・アントワネット/2006」「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ/2015」「フィフティ・シェイズ・ダーカー/2017」ジェイミー・ドーナン。

マリー・コヴァルニコヴァーに「フレンチ・ラン/2013」「マダム・マロリーと魔法のスパイス/2014」シャルロット・ルボン。

レンカ・ファフコヴァーにアニャ・ガイスレロヴァ。

アドルフ・オパルカに「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙/2011」ハリー・ロイド。

ヤン・ゼレンカ=ハイスキー「奇蹟がくれた数式/2015」「五日物語 3つの王国と3人の女/2015」トビー・ジョーンズ。

ミセス・モラヴェツにアレナ・ミフロヴァー。

アタ・モラヴェツに「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分/2013」ビル・ミルナー。

監督、脚本。製作、撮影は「ブロークン/2008」ショーン・エリス。


報復を恐れて暗殺に反対する者もいる中ヨゼフとヤンは作戦実行に向かって偵察し情報収集に奔走する。ヨゼフとヤンを匿うレジスタンスのミセス・モラヴェツと、二人をサポートするマリーとレンカの存在を忘れてはならない。

やがて密告者が現れ多数の罪もない市民が殺されてしまう。ハイドリヒの暗殺に関わった人物を躍起になって探しまわるナチス・ドイツの威力が凄まじい。


インハルト・ハイドリヒの暗殺計画を描いた「暁の7人/1975」というアメリカ映画がある。それは見たような気もするし、原作を読んだような気もする。でもインハルト・ハイドリヒのことは全く記憶に残っていない。そして本作を見て“暁の7人”の意味を理解した。

本作を見たのはキリアンとジェイミーが出演していたから…。

映画は16ミリフィルムで撮影された模様。セピアカラーで描かれた1940年代のチェコスロバキアがドラマに重厚さを与えている。そしてキリアンとジェイミーが熱く演じている。

ラストの銃撃戦はスゴい!の一言!ナチスの報復は余りにも恐ろしい。

又一つナチス・ドイツの起こした酷い史実を知った。


昨年の秋にリニューアルした新宿武蔵野館の最近のラインアップは私的に大満足の作品ばかり、以前よりヨーロッパ映画の上映が多いような気がする。最近ここで見る映画はどれもこれも混んでいて、本作は連日満員(お盆休みってこともある?)で驚くばかり。現在都内では新宿のみの上映(8/19から渋谷のシアター・イメージフォーラムで上映あり)。

アメリカやヨーロッパではヒットした作品ながら、著名俳優が出演しない地味な作品は結局ミニシアターでしか上映されないのが寂しい。


新宿武蔵野館にて



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by margot2005 | 2017-08-17 23:51 | ヨーロッパ | Comments(2)

「英国王 給仕人に乾杯!」

a0051234_23342079.jpg「Obsluhoval jsem anglického krále」...aka「I Served the King of England」2006 チェコ/スロヴァキア

チェコ・プラハを舞台に、涙と笑いのコメディ・ドラマ。

青年期のヤン・ジーチェにイヴァン・バルネフ。
老年期のヤン・ジーチェにオルドジフ・カイゼル。
リーザに「ベルリン、僕らの革命/2004」「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々/2005」のユリア・イェンチ。
ヴァルデンに「スイート・スイート・ヴィレッジ/1985」のマリアン·ラブダ。
スクシーヴァネク給仕長にマルチン・フバ。
監督、脚本は「スイート・スイート・ヴィレッジ」のイジー・メンツェル。
原作はボフミル・フラバルの“英国王 給仕人に乾杯!”。

1963年、チェコのプラハ。共産主義体制の刑務所から出所したヤン・ジーチェはドイツ国境にあるズデーテン山中に向かう。そして、彼は若い頃を懐かしく思い出す...
ヤンは億万長者になりホテルのオーナーになる事を夢みていた。彼の最初の給仕は駅でのソーセージ売り。やがて田舎町のホテル・レストランの給仕見習いとなり、ユダヤ系の行商人ヴァルデンと出会う。その後どんどん出世していったヤンはプラハの越一流レストラン“ホテル・パリ”の主任給仕となる。一方で、ヒトラーが台頭しナチスの占領下となったプラハ。そんな折ヤンはズデーデンのドイツ人女性リーザと出会い恋に落ちる...
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老年期のヤンが語る手法でストーリーは展開。登場人物の台詞は少なく、時に無声映画のようにバックの音楽がシーンを盛り上げ、まるでチャップリンの無声映画のようにも感じる。おまけに主人公のヤンがチビで、鼻下にもヒゲがありチャップリンを彷彿とさせ、監督の演出は素晴らしい!の一言。
田舎のホテル・レストランで出会った娼婦から始まり、ヤンを取り巻く女性たち(決して彼がもてるわけではない)がファンタジーのように描かれているのも美しい。女性たちの時代物ファッションもお洒落。
「スイート・スイート・ビレッジ」もほのぼのとした素晴らしいドラマだったが、この作品も素晴らしいコメディに仕上がっている。
なんてったって主人公ヤンを演じたイヴァン・バルネフが最高!
“私は英国王に給仕した”というのが原タイトル。給仕をしたのはヤンではなく“ホテル・パリ”のスクシーヴァネク給仕長なんだけど...
スクシーヴァネク給仕長はナチスに抵抗し続けやがてゲシュタポに逮捕される。ヤンが恋をしたリーザはドイツ人でヤンと結婚後軍服を着る。そして運命的に出会う行商人ヴァルデンはユダヤ人で、収容所に送られる列車の人となる。こういったナチス・ドイツを背景に、素晴らしいコメディ・タッチの人間ドラマとなっている。

今、一年中で一番忙しく、年末ぎりぎり迄仕事に明け暮れなくてはならない。なもので、後2本「懺悔」と「ラースと、その彼女」を観ているのだが、多分レビューは来年になりそう。
日比谷シャンテ・シネにて...
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by margot2005 | 2008-12-30 23:50 | ヨーロッパ | Comments(6)

「スイート・スイート・ヴィレッジ」

a0051234_2032898.jpg「Vesnicko má stredisková」...aka「My Sweet Little Village」 1985 チェコスロヴァキア

オチクにヤーノシュ·バーン。
パヴェクにマリアン·ラブダ。
ドクトル、スクルジュニーにルドルフ·フルシンスキー。
監督はイルジー·メンツェル。

プラハの南に位置する美しく小さな村クシュベッツ。
村のドクトル、スクルジュニーは詩を口ずさみながら美しい村に見とれて朝から木に車をぶつけている。そこへ通りかかったのは集団農場の運転手デブのパヴェクと、彼の助手でのっぽのオチク。両親を亡くした知恵おくれのオチクの父親代わりであるパヴェクは、ドジばかりし、取り柄と言えばトラックを磨く事しか脳のないオチクに手を焼いていた。そしてある日、又してもドジってしまったオチク。パヴェクは彼の面倒はもう見れないと村長に直訴しに行く...





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12/20(土)にチェコの巨匠イルジー·メンツェル監督の「英国王 給仕人に乾杯!/2006」が日比谷シャンテで公開される。その前に(12/6〜12/12迄)期間限定で公開しているこの作品。たまたまシャンテで予告を観た。予告を観なきゃとても観に行かなかった小さな、小さな、地味な、地味な作品。1988年に日本でも一般公開している。
パヴェク役のマリアン·ラブダと、ドクトル役のルドルフ・フルシンスキーが「英国王 給仕人に乾杯!」に出演するのも楽しみ!
モントリオール国際映画祭審査員特別賞(1986年度)受賞作品であるのも当然の事。
チェコスロヴァキアは1993年1月1日にチェコ共和国とスロヴァキア共和国に分離された。これは分離前チェコスロヴァキア共和国時代の物語。
こんなにほのぼのとした映画って過去に観た?かな?と思えるくらいほのぼのとした田舎の人々をテーマにした佳作。
演じた俳優たちは地元の人々か?と思えるくらいに、チェコスロヴァキアの名もない、小さな村にとけ込んでいる様が素晴らしいなぁ!と感嘆する。
日比谷シャンテ・シネにて...
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by margot2005 | 2008-12-09 20:39 | スペイン | Comments(2)