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「ロープ 戦場の生命線」

A Perfect Day2015 スペイン

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1995年、停戦直後のバルカン半島。ある日、ある村で井戸の中に死体が浮いているのが発見される。国際援助組織国境なき水と衛生管理団のマンブルゥは死体の引き上げを試みるが重さに耐えかねたロープが切れてしまう。やがて大切な水が汚染されて困っている村人たちの前に、水を高値で売る犯罪組織のトラックが現れる


オープニングにバルカン半島のどこか…”の案内が出る。ロケーションはスペイン。

井戸の中に死体を投げ込んだのは犯罪組織の仕業で、マンブルゥたちがロープを探しに地雷の埋まる危険地帯を右往左往する1日を描いたブラックコメディ。

国際援助組織国境なき水と衛生管理団と称する彼らがマジでオカシイ。ラストで現タイトル「A Perfect Day」が語られる。彼らにとってその日はまさにA Perfect Day」だった。


国際援助組織のメンバーは、実際にプエルトリコ、フランス、ウクライナ、スペイン、ボスニア・ヘルツェゴビナ、そしてアメリカ合衆国出身とスーパーinternationalな出演者たち。

ベニチオ・デル・トロはお気に入り俳優の一人。そしてティム・ロビンスが懐かしい!「いとしい人/2007」シアターで見てるんだけどティム・ロビンスが彼自身で出演しているシーンの記憶が飛んでいる。数々のフランス映画に出演するセルジ・ロペスの出番がもう少しあれば良かったのだけど


エンディングに、ピート・シーガーが作り、60年代に世界中で大ヒットした反戦歌”花はどこへ行った/Where Have All The Flowers Gone?”が流れ、改めてその美しくも悲しい歌詞に圧倒される。

カンヌ国際映画祭の公式上映では、スタンディングオベーションが10分間続いて絶賛されたそう。そして世界中で大ヒットした傑作とのこと。

戦争映画をユーモアたっぷりで描いた本作は確かに傑作。


マンブルゥに「エスコバル 楽園の掟/2014」「ボーダーライン/2015」のベニチオ・デル・トロ。

ビーに「あなたになら言える秘密のこと/2005」「ショーシャンクの空に/1994」のティム・ロビンス。

ソフィーに「ラルゴ・ウィンチ/2008」「ザ・ダンサー/2016」のメラニー・ティエリー。

カティヤに「ある天文学者の恋文/2016」のオルガ・キュリレンコ。

ダミールにフェジャ・ストゥカン。

ゴヨに「タンゴ・リブレ 君を想う/2012」のセルジ・ロペス。

監督、脚本、製作は「カット!/1996」のフェルナンド・レオン・デ・アラノア。


新宿武蔵野館にて


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by margot2005 | 2018-03-07 21:32 | スペイン | Trackback | Comments(2)

「THE PROMISE/君への誓い」

The Promise2016 スペイン/USA

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1914年、オスマン帝国。アルメニア人の青年ミカエルは、医師を目指して首都コンスタンチノープルの医科大学に入学する。彼はそこで下宿先の娘の家庭教師で同じアルメニア人の女性アナと出会い心惹かれる


ミカエルがコンスタンチノープルで出会ったアナはフランスで教育を受けたアルメニア人。ミカエルには故郷にフィアンセ、マラルが、そしてアナにはアメリカ人記者の恋人クリス・マイヤーズがいた。


イタリア映画祭2007で、オスマン帝国によるアルメニア人迫害の映画「ひばり農園/2007」鑑賞し、女性をレイプするシーンなど強烈でかなりの衝撃を受けた。本作にはそういったシーンは登場しないし、惹かれ合うカップルのロマンスも絡めて描かれていて「ひばり農園」とは違った視線で良かったと思う。ラストでトルコはこれら迫害を認めていないという説明があった。ひばり農園」でも同様の説明があったのを思い出す。


コンスタンチノープルの医科大学で会ったオスマン帝国のエムレと、アルメニア人ミカエルの友情。アナを愛したクリスとミカエルのラストでの歩み寄りなど男の友情って美しいなと少々感動。

大ラスはフランス海軍に助けられ米国に渡ったミカエル。米国で成功したアルメニア人ミカエルが誇らしげだった。

実際に起きたことを元にドラマは作られているが、ミカエル、アナ、クリスは実在の人物ではない。


ミカエルに「アメリカン・ドリーマー 理想の代償/2014」「エクス・マキナ/2015」のオスカー・アイザック。

アナに「ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦/2016」のシャルロット・ル・ボン。

クリス・マイヤーズに「聖杯たちの騎士/2015」のクリスチャン・ベール。

神父に「バッド・エデュケーション/2004」のダニエル・ヒメネス・カチョ。

マルタに「マリア/2006」ショーレ・アグダシュルー。

スティーヴンに「96時間/リベンジ/2012」のラデ・シェルベッジア。

マラルに「エヴァの告白/2013」のアンジェラ・サラフィアン。 

エムレに「オリエント急行殺人事件/2017」のマーワン・ケンザリ。 

メスロブに「グリーン・ゾーン/2010」のイガル・ノール。 

フランス海軍フルネ提督に「しあわせはどこにある/2014」「プロヴァンスの休日/2014」のジャン・レノ。

米国大使ヘンリー・モーゲンソーに「アーティスト/2011」のジェームズ・クロムウェル。

監督、脚本は「ホテル・ルワンダ/2004「帰らない日々/2007」のテリー・ジョージ。


丸の内TOEIにて



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by margot2005 | 2018-02-19 21:42 | スペイン | Trackback(1) | Comments(0)

「しあわせな人生の選択」

Truman2015 スペイン/アルゼンチン

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スペイン、マドリッド。舞台俳優のフリアンは妻と別れ今は愛犬のトルーマンと暮らしている。そして一人息子はオランダで大学生活を送っている。そんなフリアンは末期がん患者で、治らない病気にうんざりしていた。そろそろ身辺整理を初めようと思っていた矢先カナダから親友のトマスが訪ねて来る…


フリアンに「瞳の奥の秘密/2009」「人生スイッチ/2014」リカルド・ダリン。

トマスに「トーク・トゥ・ハー/2002」「バッド・エデュケーション/2004「アラトリステ/2006」のハビエル・カマラ。

パウラに「ブエノスアイレスの夜/2001」のドロレス・フォンシ。

監督、脚本はセスク・ガイ。


フリアンとトマスが共に過ごす4日間の物語。主人公は末期がん患者ながら決して暗くならず、むしろユーモアを交えて描いているので、見ている者も暗くはならない。

“スペインのアカデミー賞にあたるゴヤ賞で作品賞を含む最多5部門を獲得した感動のヒューマン・ドラマ。”と言うことらしいが、感動するには至らなかったかな?でも二人の俳優は素晴らしかった。


フリアンはトマスの突然の訪問に困惑気味。どうやら従姉妹のパウラが知らせたらしい。トマスとパウラは中が良かったから..。

日々フリアンはトルーマンの里親探しに躍起になっている。しかしフリアンが望む里親は中々見つからない。


再び会うことは叶わない末期ガンに冒された親友と会うって半端じゃないほど辛いと思う。フリアンに振り回されるトマスがちょっと気の毒だったけど、トマスは本当に良い人なんだと感心した。

トマスとパウラのいきなりのベッドインには仰天!あのシーンは必要だった?

原タイトル“Truman”はフリアンの愛犬の名前。ラストはやはり想像どうり。


マドリッドからアムステルダムまで飛行機で2時間35分。新幹線のぞみで東京~新神戸くらい。よその国に日帰りランチに行けるヨーロッパ人が羨まし過ぎる。


ヒューマントラストシネマ有楽町にて


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by margot2005 | 2017-07-17 19:05 | スペイン | Trackback | Comments(0)

「オリーブの樹は呼んでいる」

El olivo」…aka「The Olive Tree」スペイン/ドイツ

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スペイン、バレンシア。20歳のアルマは養鶏場を切り盛りするしっかり者で気の強い女性。ある時、農場経営が苦しい父ルイスがアルマの祖父の大事な樹齢2000年のオリーブの樹を外国の企業に売ってしまう。それ以来祖父は心を閉ざし食事も話すことも拒む日々。幼い頃から祖父が大好きだったアルマはオリーブの樹を取り戻そうと立ち上がる…


アルマにアンナ・カスティーリョ。

アーティチョークに「アサシン クリード/2016」ハビエル・グティエレス。

ラファにペップ・アンブロス。

祖父にマヌエル・クカラ。

ルイスにミゲル・アンヘル・アラドレン.

監督は「大地と自由:出演/1995」「ザ・ウォーター・ウォー/2010」のイシアル・ボジャイン。


祖父が大切にしていたオリーブの樹を取り戻すためスペイン、バレンシアからドイツ、デュッセルドルフへと旅立つアルマ。彼女の連れは叔父のアーティチョークと、男友達のラファ。ラファはアルマに恋をしていて、彼女のためなら何でもする勢い。彼はクビ覚悟で会社のトレーラーを内緒で持ち出して来たのだから。一方で叔父はアルマの計画に渋々付き合うことになる。


シアターで何度か予告編は見ているが、この映画も見るのをスゴく迷った。でもケン・ローチ作品で多くの脚本を書いているポール・ラヴァーティが脚本家ということで、スペイン映画もあまり公開されないので見ることに決めた。しかしどうかな?自然破壊に警鐘を鳴らすテーマは素晴らしいが、ヒロインが嘘をついた上強引で、彼女に引き回される二人の男性が気の毒で“ヒューマンな感動作”は今一つだった。

ラストで、映画のシンボルとなるオリーブの樹は実際には伐採されていないとの説明されたのはナイスだったけど...。


スペインはダントツでオリーブ・オイル生産量世界一の国。

オリーブ・オイルが大好きでほぼ毎日サラダにかけたり野菜を炒めたりして食べている。イタリア産を買っていたけど、最近スペイン産が安く手に入るので良く買う。きっとバレンシア産のオリーブから獲ったオイル食べているんだろうなぁとしみじみ思った。


シネスイッチ銀座にて



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by margot2005 | 2017-06-04 20:11 | スペイン | Trackback | Comments(0)

「マジカル・ガール」

「Magical Girl」2014 スペイン/フランス
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12歳の少女アリシアは白血病で余命いくばくもない。彼女は日本のアニメ“魔法少女ユキコ”の大ファン。ある日、父親のルイスは“ユキコ”のコスチュームを着て踊ることが娘アリシアの夢と知る。しかしそのコスチュームは¥で90万と高額な代物。失業中のルイスに金の用意などできるはずもない。やがて思い余った彼は強盗計画を思いつくが、ふとしたことから思いとどまり、美しい人妻バルバラと出会う...

バルバラに「私が、生きる肌/2011」「フリア よみがえり少女/2012」のバルバラ・レニー。
ルイスにルイス・ベルメホ。
ダミアンにホセ・サクリスタン。
アリシアにルシア・ポリャン。
バルバラの精神科医の夫アルフレドにイスラエル・エレハルデ。
バルバラの友人アダにエルザベット・ジェラベルト。
監督、脚本はカルロス・ベルムト。

なんとも言えない味わいの本作は滑稽でいて残酷。そして後味も悪い。
白血病の少女アリシアと、精神不安定のバルバラがどう結びつくのか?と謎だった。やがてルイスとバルバラが出会いとんでもない展開に発展する。

企みはどこまでも余命いくばくもない白血病の愛する娘のため!追いつめられた父親は決死の行動を起こす!しかしそれは酷過ぎる運命のいたずらにより全てが無と化してしまう。
オープニングに登場するバルバラとダミアン。この二人はエンディングでも登場。二つのシーンはこのドラマの全てを語っているのかも知れない。

バルバラの全身にある無数の傷跡や、バルバラと元教師ダミアンとの関係。バルバラをまるでペットの犬のように扱う精神科医の夫の行動は全くもって理解出来ないし、とどめはルイスに恐喝され金を求めて訪れたある“部屋”で何が起こったのか?一回90万って途方もないチャージだ。それらは全て謎に包まれた闇の世界。
ダークな世界のバルバラと、ピンクのコスチュームを着てダンスするアリシア...二人の対比が強烈で可笑くて怖い。

全く違うんだけど、どこか?変な?ブラック・ユーモアといった趣向で、アルゼンチン/スペイン合作のオムニバス・ドラマ「人生スイッチ/2014」を思い出してしまった。

ヒューマントラストシネマ有楽町にて
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by margot2005 | 2016-04-16 00:04 | スペイン | Trackback(8) | Comments(0)

「カニバル』

「Caníbal」2013 スペイン/ルーマニア/ロシア/フランス
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カルロスに「ボルベール<帰郷>/2008」のアントニオ・デ・ラ・トレ。
アレクサンドラ/ニーナに「七つの慈しみ/2011」のオリンピア・メリンテ。
監督、製作、脚本はマヌエル・マルティン・クエンカ。

有能な仕立て屋のカルロスは真面目で孤独を愛する紳士。しかし一方では美しい女性を見つけ殺害し、切り刻んで肉片を冷蔵庫に保存し、調理して食すという“カニバリズム”愛好家でもあった。東欧からやって来た隣人ニーナに目を付けたカルロスはいつものように山荘で彼女を殺害する。しかしニーナが行方不明になったことを知った姉アレクサンドラがカルロスに救いを求めてくる...

IMDbのジャンルはスリラーで、allcinemaではホラー/ロマンスとなっている。血も飛び散らないし、全く残忍なシーンが登場しないホラー映画なんて初めて観た気がする。ポスターにも“LOVE STORY”とある。

舞台はスペイン、グラナダ。ラスト近くでキリスト教徒たちが聖母マリアの像を担ぎ練り歩く姿が映る。それを窓から眺めるカルロスは罪を悔い改めようとしていたのだろうか?連続殺人は完全犯罪だし...。

ニーナとアレクサンドラは双子姉妹ながら正確が全く違う。派手で強引なニーナに比べ、アレクサンドラはおとなしく誠実な女性。やがて次第にカルロスはアレクサンドラに惹かれて行く。そして愛してしまったと知ったカルロスは、自身の欲求(殺して切り刻む)を満たす事ができず苦悩するのだ。

ラストはどうなるのだろう?とスゴく興味深かった。やはりあの形で神はカルロスに罰をくだしたのだろう。きっと…。

“スペインのアカデミー賞にあたるゴヤ賞では作品・監督・主演男優賞を含む8部門にノミネートされ た。”とあるが、その通りカルロス役のアントニオ・デ・ラ・トレが素晴らしい。
イタリア映画祭2012で観た「七つの慈しみ」では少女のイメージだったオリンピア・メリンテが美しい女性に変身している。

ほぼ全シーン寒い季節が舞台。たった一人の仕事部屋や、雪の山荘が静寂かつ平穏で、カルロスが連続殺人鬼であることなど忘れてしまう。背景もとても美しく、やはり本作はラヴ・ストーリーなのだろう。

ヒューマントラストシネマ有楽町にて
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by margot2005 | 2014-06-15 00:04 | スペイン | Trackback | Comments(0)

「インポッシブル」

「Lo imposible」…aka「The Impossible」2012 スペイン
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2004年、12月。英国人夫婦のヘンリーとマリアはクリスマス休暇のため3人の息子を連れタイのリゾート地を訪れる。楽しいクリスマス・イヴもクリスマス・ディも終わり、引き続き家族はヴァカンスを楽しんでいた。しかしクリスマス・ディの翌日スマトラ島沖で巨大地震が発生し、津波が一家を襲う。一緒にいたマリアとルーカスは助かるが、マリアは脚に重傷を負っていた...
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マリアに「夫以外の選択肢/2004」「ザ・バンク 堕ちた巨像/2009」「愛する人/2009」「映画と恋とウディ・アレン/2011」「ドリーム・ハウス/2011」のナオミ・ワッツ。
ヘンリーに「砂漠でサーモン・フィッシング/2011」のユアン・マクレガー。
長男ルーカスにトム・ホランド。
次男トマスにサミュエル・ジョスリン。
三男サイモンにオークリー・ペンダーガスト。
老婆に「みんなで一緒に暮らしたら/2011」「永遠のこどもたち」のジェラルディン・チャップリン。
監督は「永遠のこどもたち/2007」のファン・アントニオ・バヨナ。

シャンテで予告編上映の際、主演のナオミ・ワッツとユアン・マクレガーが“日本の皆さん...”と語るシーンを何度も見て少々気になっていた一作。津波に呑み込まれるシーンがリアルで、観るかどうか迷っていたが、ユアンのファンなのと、シャンテで上映ということで観に行った。
確かに津波のシーンはかなりの迫力。CGだと分ってはいるが、津波によって被害にあったマリアとルーカスの姿は真に迫るものがある。オスカーにノミネートされたナオミ・ワッツは迫真の演技。本作がデビュー作というルーカス役のトム・ホランドも頑張っている。

実話だから皆助かることは分っているが、二転三転する展開に母親マリアは死んでしまうのか?父親ヘンリーは下の息子たちと死んでしまったのか?など余計なことが脳裏をかすめ、ラスト近くで家族全員が無事再会した時はほっとした。

2004年、スマトラ島沖地震に遭遇した家族の実話なのでラストに実際の家族の写真が映し出される。
離ればなれになりながらも必死で家族を捜し、自らが持つ全ての体力と、全ての精神力をかけ懸命に生き残るため奔走する姿に感動する。

老婆が次男トマスと星を見ながらおしゃべりする台詞の中に原タイトル“インポッシブル”という言葉が登場するのが意味深だ。そのワンシーンにだけ出演しているジェラルディン・チャップリンはぎりぎり60代ながら。この方マジで老婆の雰囲気。

ナオミ・ワッツが素晴らしかったと書いたが、夫ヘンリーを演じたユアンも素晴らしかったな。ユアンはファミリーマン役も似合うのだ。そして、長男ルーカスを演じたトム・ホランドはデビュー作とは思えないほどの名演技で、母親を案じ、父親と弟たちを探す健気な姿が涙を誘う。

マリアの完璧な治療のためチューリッヒ保険が手配したプライベート・ジェットでシンガポールへと向かうエンディングに、次回からの私自身の海外旅行保険はチューリッヒにしようと誓った。

TOHOシネマズ・シャンテにて
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by margot2005 | 2013-07-08 23:50 | スペイン | Trackback(13) | Comments(0)

「レッド・ライト」

「Red Lights」 2012 スペイン/USA
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ある日、伝説の超能力者サイモン・シルバーが復活を遂げる。科学者のマーガレット・マシスンは助手のトムに“サイモン・シルバーに近づくのは危険過ぎる…”と警告するがトムは聞く耳を持たない。やがてトムはマーガレットの忠告を無視してサイモン・シルバーに近づいて行くのだった…
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トム・バックリーに「プルートで朝食を/2005」「麦の穂をゆらす風/2006」「ダークナイト/2008」「ダークナイト ライジング/2012」のキリアン・マーフィー。
マーガレット・マシスンに「バンテージ・ポイント/2008」「アバター/2009」「シャドー・チェイサー/2012」のシガニー・ウイーバー。
サイモン・シルバーに「グッド・シェパード/2006」「昼下がり、ローマの恋/2011」のロバート・デ・ニーロ。
ポール・シャクルトンに「ラヴェンダーの咲く庭で/2004」「エリザベス1世 ~愛と陰謀の王宮~/2005」「フロスト×ニクソン/2008」「ブッシュ/2008」「裏切りのサーカス/2011」のトビー・ジョーンズ。
サリー・オーウェンにエリザベス・オルセン。
モニカ・ハンセンに「ドラゴン・タトゥーの女/2011」「もうひとりのシェイクスピア/2011」のジョエリー・リチャードソン。
監督、製作、脚本は「リミット/2010」のロドリゴ・コルテス。

これはレビュー書くのをやめようかと思っていて...でも今年は観た映画のすべてをレビューに書きたいと念頭に誓ったし...でもいややはり全ては無理。既に誓いは破られている。それでとりあえずこちらは書いておこうかなと...。
公開前、みゆき座に本作のポスターがいっぱい貼ってあった。予告も何度か観てドラマティックな展開なのだろうか?と期待していた。そして超常現象ものは好きじゃないが本作を観に行ったのはひとえにキリアンのファンだから…。
ラスト…“えっつ!!トムが!!”とちょっと驚きつつあの展開にはついて行けなかった。

ロバート・デニーロは相変わらず貫禄たっぷり。そしてキリアンは案の定デニーロに押しつぶされそうな気配だった。
サイモン・シルバーのイカサマを暴くシーンもあまり説得力なかった気がする。しかしながら科学者があらゆる超常現象を科学的に解き明かす。それを大学の授業の一環にしているのは実に興味深かった。
トムとマーガレットの息子と母親のような優しい関係も素敵だった。
シガニー・ウイーバーも貫禄だったけどあっけなく死んでしまって残念。久方ぶりにキリアン・マーフィー主演映画に期待したけどホント残念。
サイモン・シルバーの秘書モニカ・ハンセンの存在が良い。演じるジョエリー・リチャードソンもナイス。
ロドリゴ・コルテスが作ったライアン・レイノルズ主演の「リミット/2010」はDVDで見たけど途中で挫折した。スペイン人ロドリゴ・コルテスの世界はどうもダメみたい。

TOHOシネマズみゆき座にて(既に上映終了:TOHOシネマズ・シャンテにてレイトショー上映中/3/21まで)
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by margot2005 | 2013-03-12 22:05 | スペイン | Trackback(9) | Comments(0)

「ブラック・ブレッド」

「Pa negre」…aka「Pain noir」「Black Bread」 2010 スペイン/フランス
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少年アンドレウにフランセスク・クルメ。
父親ファリオルにルジェ・カザマジョ。
母親フロレンシアにノラ・ナバス。
従姉妹ヌリアにマリナ・コマス。
町長に「歌え!ジャニス・ジョプリンのように/2003」「Ricky リッキー/2009」「しあわせの雨傘/2010」のセルジ・ロペス。
監督、脚本はアウグスティ・ビリャロンガ。
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監督はスペインのデヴィッド・フィンチャーと称されるように映画はダークでホラーっぽい。
舞台は1940年代のスペイン・カタルーニャ地方。オープニング…フード付きマントをまとった男が崖から馬車を突き落とす。中にはアンドレウの友達クレットとその父親ディオニスがいた。やがて二人は亡くなるが、クレットは絶命する前に事故を見て駆けつけたアンドレウに謎の言葉を残す...“ピトルリウア…”と。“ピトルリウア”とは森の洞窟に潜むと言われる羽を持った怪物の名前だった。そしてこの後とても、とてもダークな世界に誘われる。

異常に大人びたアンドレウの従姉妹ヌリアは戦争で左手首を失っていた。焼けただれた手を宝箱の中に忍ばせ、森でアンドレウに見せるのだ。一方である時、アンドレウは裸で森を駆け抜ける美青年と出会う。修道院で療養生活を送る彼はアンドレウに“背中から翼がはえて、僕は舞い上がれるんだ。”と話す。その後、母親フロレンシアが秘密にしている戸棚をこじ開けた所、森で出会った青年に良く似た天使の羽を持った若い男の写真が隠してあった。

撮影されたカタルーニャ地方の深い森が神秘的でダーク・ファンタジーの雰囲気。
物語の舞台である内戦後のカタルーニャ地方に生きる人々はとても貧しい。タイトルの“黒パン”とは貧しい人々の食べ物。リッチな人間は“白パン”を食べるわけ…。母親と一緒に町の資産家であるマヌベンス夫人を訪ねたアンドレウは、美味しそうなお菓子を山ほどふるまわれ舌なめずりしていた。富裕者と貧困者の隔たりはあまりにも深い。そして子供のいないマヌベンス夫人はアンドレウを引き取って育てたいと願っていた。

フロレンシアは事件の容疑者として逮捕された夫ファリオルを救おうと町長に直訴に行く。しかし彼の誘惑に屈してしまう。町長はかつてフロレンシアを愛していたが彼女はファリオルを選んだのだった。
大人たちの嘘や裏切りに翻弄される主人公アンドレウが哀れだ。ラスト、母親からことの真実を聞いた息子アンドレウの怒りと悲しみは如何ばかりだっただろう?

本作に出演する俳優はセルジ・ロペス以外日本では知られていないと思う。少ない出番ながら相変わらず存在感あり。先週観たフランス映画「プレイー獲物/2010」では数シーンの出演だったが彼は異彩を放つ素晴らしい俳優だ。
ルジェ・カザマジョは何となく見た顔だと思っていたら「バンズ・ラビリンス/2006」に出演している。

映画を観るのはほぼ90%最終回。観る前に食事をすませることもあるが、時間がない時は食べ物を持ってシアターに入る。この夜も時間がなくてコンビニで買った食べ物を持参した。上映ぎりぎりに入って映画が始まるなり食べようとしたのだが、周りの人々があまりにも静かに映画を観ている…それもかなり熱心に…で、なんとなく食べるチャンスがなくなり空腹状態でシアターを後にした。このようなことは滅多にない。それほど本作は観ているものをスクリーンにクギ付けしたに違いない。物語はかなり重かったけど…。

銀座テアトルシネマにて
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by margot2005 | 2012-07-10 22:36 | スペイン | Trackback(7) | Comments(0)

「私が、生きる肌」

「La piel que habito」…aka「The Skin I Live In」 2011 スペイン
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ロベル・レガルに「ファム・ファタール/2002」「ボーダータウン/報道されない殺人者/2006」のアントニオ・バンデラス。
ベラ・クルスに「アラトリステ/2006」「美しすぎる母/2007」「ジャック·メスリーヌ フランスで社会の敵(パブリック·エネミー)No.1と呼ばれた男 Part1/ Part2/2008」のエレナ・アナヤ。
マリリアに「パリ空港の人々/1993」「オール・アバウト・マイ・マザー/1998」のマリサ・パレデス。
ビセンテにジャン・コルネット。
監督、脚本は「オール・アバウト・マイ・マザー」「トーク・トゥ・ハー/2002」「ボルベール/帰郷/2006」「抱擁のかけら/2009」のペドロ・アルモドバル。
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本作はシャンテでの上映時間が中途半端で中々観に行けずあきらめかけていたが、アルモドバル&バンデラスということで興味があり20:00〜の最終回に観に行った。いやはやホラーというのか、あり得ない展開ながら興味深いミステリー・ドラマだった。
一言でいえば天才外科医の復讐劇か?結局最後は罰せられてしまったが..。

ドラマは時系列で描かれていない。ベラがいきなり現れるので、彼女は何処からきたのだろう?と興味津々となる。やがて過去に戻り、そうくるのか!と鮮やかな展開に驚いた。
しかしながら天才外科医ロベル・レガルはとんでもない男だ。監禁したある人物を実験台にして皮膚移植を行い、亡き妻そっくりの美女を作り上げるのだ。
ドラマが進んで行く上で、ロベルの過去が明かされて行く。それは、使用人のマリリアは彼の実母であったり、車の事故で全身大火傷を負った妻ガルの死因は最終的に自殺であったこと。そして精神を病んだ一人娘が同じく自殺を図り命を落としている。
もう破れかぶれのこの男には未来なんてものはない。そこで彼は狂気の世界へ突き進んでしまったのだろう。

ロベルは最先端のバイオテクノロジーを駆使した人口皮膚開発の権威である世界的な形成外科医という設定。スペイン、トレドにある豪邸の中にベラを監禁し、夜な夜な最先端のバイオテクノロジーに取り組む彼の姿はかなりホラーっぽくて笑える。

天才外科医役のアントニオ・バンデラス。数多のハリウッド映画に出演するスペイン出身俳優のスペイン映画は初めて観た気がする。バンデラスは顔が濃い(印象に残る)ので、はっきり言ってどのような役柄を演じてもバンデラスなのだ。で、過去の彼の役柄が走馬灯のように現れて困った。バンデラス好きなんだけど芸がないってこと?でも「エビータ/1996」じゃマドンナと歌い、ダンスも上手い。逆に芸あり過ぎかも?

ベラを演じたエレナ・アナヤは常にパンストのような肌色のボディ・ストッキングを身につけ身体が被れなかった?か心配。
マリリアの存在はアルモドバル作品に登場する肝っ玉マザーのイメージで完璧。
問われるほど悪い行いをしていないのに、リベンジから囚われの身となり実験台にされた美声年ビセンテが気の毒でならなかった。

TOHOシネマズ・日比谷シャンテにて
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by margot2005 | 2012-06-19 21:32 | スペイン | Trackback(21) | Comments(2)