タグ:オリヴィエ・グルメ ( 9 ) タグの人気記事

「若き人妻の秘密」

Le roman de ma femmeMy Wife's Romance2011フランス

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ある日、弁護士の夫ポールが多額の借金を残して失踪してしまう。警察に届けを出し家に戻ると借金取り立て人が待ち構えていた。結婚6年目の美しい妻エーヴは途方にくれ倒れてしまう。そんなエーヴの前にかつてポールの恩師だった弁護士ショレーが現れ援助したいと申し出る


エーヴに「たかが世界の終わり/2016」レア・セドゥ

ショレーに「午後8時の訪問者/2016」オリヴィエ・グルメ。

インスペクターに「92歳のパリジェンヌ/2015」ジル・コーエン。

アレクサンドルにティボー・ヴァンソン。

ショレーが弁護するロシア人の妻に「題名のない子守唄/2006」「重なりあう時/2009」クセニア・ラパポルト。

監督、脚本は「あの夏の子供たち:出演/2009」ジャムシェド・ウスマノフ。


ショレーは若くて美しいエーヴに夢中になるが、自分は心臓が悪いから長生きはできないと確信している。やがて自分が亡くなった時エーヴに財産を譲れるよう遺言をしたためる。


ショレーはポールが贅沢好きで借金を抱えていることを知っていた。ある日、インスペクターがエーヴに警告する。ショレーはあなたを手に入れるためポールを始末したのかも知れない。しかしショレーを疑うインスペクターにエーヴは怒りを募らせる。


ドラマの中でポールは一切姿を見せない。これはエーヴの狂言か?などと思ったりもする。夫のポールは出てこないがエーヴの若い頃の恋人アレクサンドルが姿を見せる。サスペンス仕立てのドラマにアレクサンドルも関わってくるのだろうか?と想像したがラストのどんでん返しは斬新。


普通のドラマながらヒロインがレア・セドゥなのでドラマ/エロスという紹介記事もあって、宣伝するために書いたなと思った。実際のドラマにエロスは殆どない。

レアは不機嫌な顔が実に似合う。笑うと可愛いのに…”とショレーに言われ一瞬笑顔を見せるが、又不機嫌な顔に戻ってしまう。レアの不機嫌な顔がドラマの内容にマッチして、大ラスの川のシーン不機嫌極まりない彼女は最高。ミステリアスなフランス映画は中々素敵だった。

ロシア出身女優のクセニア・ラパポルトが懐かしい。

原タイトル“私の妻のロマンス”はどう解釈すれば良いのやら??邦題の方がしっくりくるかも知れない。


wowowにて(7月にDVD発売予定)



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by margot2005 | 2017-06-08 00:02 | フランス | Trackback | Comments(0)

「午後8時の訪問者」

La fille inconnue…akaThe Unknown Girl2016 ベルギー/フランス

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ジャン=ピエール・ダルデンヌ&リュック・ダルデンヌ兄弟が描くヒューマン・サスペンス。


ジェニーに「水の中のつぼみ/2007」「メゾン ある娼館の記憶/2011」「黒いスーツを着た男/2012」のアデル・エネル。

ジュリアンにオリヴィエ・ボノー。

ブリアンにルカ・ミネラ。

ブリアンの父に「サンローラン/2014」ジェレミー・レニエ。

ランバートに「ダゲレオタイプの女/2016」オリヴィエ・グルメ。

監督、脚本、製作は「ロゼッタ/1999:息子のまなざし/2002」「ある子供/2005」「ロルナの祈り/2008」「少年と自転車/2011」「サンドラの週末/2014」ジャン=ピエール・ダルデンヌ&リュック・ダルデンヌ。


ベルギーのとある街。小さな診療所に勤めるジェニーは有能な女性医師で、間もなく大きな病院に迎えられる予定。そんなある夜、診察時間外に呼び鈴が鳴り研修医のジュリアンがドアを開けようとするがジェニーはそれを引き止める。翌日刑事がやって来て、近くで身元不明の少女の遺体が見つかったことを知らされる。そして刑事が調べたところ診療所の監視カメラにその少女の姿が映っていた…


ダルデンヌ兄弟の描く世界はいつも社会の底辺に住む人々が主人公。ジェニーは抱える患者から携帯に電話がかかると車で駆けつける。このようなドクターがいる街の住人て幸せだなぁ!と感心した。

ジェニーはとても人間味のあるドクターで、移民の患者にも手厚い治療を施している。そして彼女は優しい人間であるがゆえ、自分のせいで身元不明の少女が殺されてしまったかも知れないという欺瞞に苛まれ、事件に深入りしてしまう。そのせいで自身が危険にさらされることになるとは知らずに…。


身元不明の少女はアフリカからやって来た移民で、昨今のヨーロッパの世情を反映していて興味深い。

熱血漢のジェニーは研修医のジュリアンを思ってこそキツく当たったのだが、一時彼は自身をなくして医者をやめるという。しかしジェニーの説得で自信を取り戻すジェリアンが爽やかでラストには胸を撫で下ろした。


ヒロインのアデル・エネルが好演している。そしてダルデンヌ兄弟常連のオリヴィエ・グルメ&ジェレミー・レニエも脇を固めてナイス・キャスティング。


新宿武蔵野館にて



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by margot2005 | 2017-04-29 22:59 | フランス | Trackback(2) | Comments(4)

「ダゲレオタイプの女」

La femme de la plaque argentique…akaDaguerrotype」「The Woman in the Silver Plate2016 フランス/ベルギー/日本

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ジャンはパリ郊外に建つ古い屋敷にスタジオを構える写真家ステファンのアシスタントとして採用される。ステファンはダゲレオタイプと呼ばれる技巧を使って写真撮影をしていた。その手法は決して動くことが許されず、全身を特殊な器具で拘束して撮影するためモデルにとっては苦痛を伴うものだった。しかしステファンの娘マリーは文句も言わずに今日もモデルを勤めている…


ジャンに「予言者/2009」「ある過去の行方/2013」「サンバ/2014」「消えた声が、その名を呼ぶ/2014」タハール・ラヒム。

マリーに「女っ気なし/2011」のコンスタンス・ルソー。

ステファンに「ロゼッタ/1999/息子のまなざし/2002」「ある子供/2005」「ロルナの祈り/2008」「ゴー・ファースト 潜入捜査官/2008」「ジャック·メスリーヌ フランスで社会の敵(パブリック·エネミー)No.1と呼ばれた男 Part1/ Part2/2008」「少年と自転車/2011」「ヴィオレット-ある作家の肖像-/2013」「サンドラの週末/2014」オリヴィエ・グルメ。

不動産屋トマに「クララ・シューマンの愛/2008」「ミステリーズ 運命のリスボン/2010」「皇帝と公爵/2012」「画家モリゾ、マネの描いた美女 名画に隠された秘密/2012」マリック・ジディ。

ステファンの知人ヴァンサンに「青の寝室/2014」「あの頃エッフェル塔の下で/2015」マチュー・アマルリック。

ステファンの亡き妻ドゥーニーズにヴァレリ・シビラ。

執事ルイに「ナインスゲート/1999」のジャック・コラール。

監督、脚本は黒沢清。


母親が亡くなり父親と執事のルイと共に暮らしていたマリーの元に青年ジャンが現れる。ジャンは次第に父親の芸術の犠牲者であるマリーを気の毒に思うようになる。そしてマリーは心優しいジャンに惹かれ始める。

植物が大好きなマリーはパリの植物園に仕事を求め面接に行く。面接官は空きがないから今は採用できないと言いつつ、マリーの植物への熱い想いを知り、トゥールーズの植物園なら採用があるかも知れないと推薦状を書いてくれる。やがてトゥールーズから面接に来てくれとの手紙が届き父親ステファンに報告する。しかしステファンはそれを無視してしまう。

ある時、マリーに突然キスをされたジャンは、驚きつつも彼女に惹かれてしまう。そしてマリーのトゥールーズへの思いを知ったジャンは、その地で彼女と新しい生活を送りたいと思うようになる。


自殺した妻ドゥーニーズの亡霊に悩まされるステファン。マリーを救ってやりたいと願っているジャン。そんな折、マリーが階段から転落する。


病院へ運ぶ途中車から消えてしまったマリー

やがて現れたマリーの額から怪我の傷が消えている

横たわるマリーの心臓の音が聞こえない

一時マリーが消えた場所に再びやって来たジャン

そしてその川を捜索する警察を目の当たりにする

不信なことばかり起きて、それは夢なのか?幻なのか?

ジャンとマリーが二人だけで結婚を誓った村の教会で真相が明らかになる


いつもの様に前知識なしで見たので、まさか?このような展開とは驚いたが、ドラマはダークながらも美しくファンタジーの雰囲気も感じられてナイスだ。

怪しくも切なくて哀しいラヴストーリーは素晴らしかった。

主人公を演じるタハール・ラヒムはお気に入りのフランス人俳優で、荒削りな反面優しい心を持つ青年を好演している。

タハール・ラヒム初来日したらしい。知らなかった…。

大好きなマチューも出演しているが数シーンにしか登場しないのが残念。

オリヴィエ・グルメは貫禄たっぷり。

そして邦画を全く見ないので残念なのことに監督の黒沢清については名前しか知らない。フランスを舞台にこのような哀しくも美しい映画を作る人物とはスゴい!


新宿シネマカリテにて



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by margot2005 | 2016-11-09 21:16 | フランス | Trackback(2) | Comments(0)

「ヴィオレット-ある作家の肖像-」

「Violette」2013 フランス/ベルギー
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実在の作家ヴィオレット・ルデュックと彼女の才能を見いだし支え続けたシモーヌ・ド・ボーヴォワールの実像を描いた伝記ドラマ。

ヴィ オレット・ルデュックに「キングス&クイーン/2004」「クリスマス・ストーリー/2008」「ココ・アヴァン・シャネル/2009」「風にそよぐ草/2009」「もうひとりの息子/2012」のエマニュエル・ドゥヴォス。
シモーヌ・ド・ボーヴォワールに「プチ・ニコラ/2009」「屋根裏部屋のマリアたち/2010」「シャンボンの背中/2009」「プレイヤー/2012」「愛して飲んで歌って/2014」のサンドリーヌ・キベルラン。
ジャック・ゲランに「息子のまなざし/2002」「ゴー・ファースト 潜入捜査官/2008」「ジャック·メスリーヌ フランスで社会の敵(パブリック·エネミー)No.1と呼ばれた男 Part1/ Part2/2008」「サンドラの週末/2014」のオリヴィエ・グルメ。
ベルトに「人生は長く静かな河/1988」のカトリーヌ・イーゲル。
ジャン・ジュネに「恋は足手まとい/2005」「譜めくりの女/2006」「マルセイユの決着/20007」のジャック・ボナフェ。
モーリス・サックスにオリヴィエ・ピー。
エルミーヌに「隠された記憶/2005」「17歳/2013」のナタリー・リシャール。
ルネに「テレーズの罪/2011」のスタンレー・ヴェベール。
監督、脚本は「セラフィーヌの庭/2008」のマルタン・プロヴォ。

シモーヌ・ド・ボーヴォワールは知っているがヴィオレット・ルデュックは全く知らないフランスの作家で、30代の終わりに処女作を発表し60代で亡くなっている。とても不遇な作家であったようだ。私生児として生まれ、母親に疎まれて育ち、恋人にも去られたヴィオレットは堪え難い思いを文章に託していく。

第二次世界大戦後のパリ。闇商売で生計をたてるヴィオレットは貧しい生活を送っていた。シモーヌ・ド・ボーヴォワールの小説に魅せられいたヴィオレットは、ある日、書き上げた小説を携え強引にも彼女のアパルトマンを訪ねる。手渡された小説を読んだボーヴォワールはヴィオレットの才能を高く評価し、“もっと掘り下げて語るの!”と助言する。

ヴィオレットはボーヴォワールやゲラン(香水の)から援助を受け終始執筆活動に励んだ。自らの生と性を赤裸々に描写する彼女の作風は当時の社会からは全く受け入れてもらえない。悩み傷つき果てた末精神に異常をきたして入院していた時期もあった。しかしヴィオレットは書くことによって人生に喜びを見いだしたのだ。

昨年見たのにすっかり忘れていた一作。ヴィ オレット・ルデュックも知らないし、ドラマは固苦しくて眠りに誘われそうだったがなんとか最後まで見た。
エマニュエル・ドゥヴォスは元々美人系ではないが、つけ鼻をしてますます醜い女性に扮している。さすがの女優魂!
ボーヴォワールを演じたサンドリーヌ・キベルランが凛とした魅力たっぷりで、こんな彼女は初めて見たがボーヴォワール役似合っていた。
1940年代のパリと、後にヴィオレットが移り住んだ南フランスの景色が美しい。

岩波ホールにて 2/12まで上映
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by margot2005 | 2016-02-04 23:55 | フランス | Trackback | Comments(4)

「サンドラの週末」

「Deux jours, une nuit」…aka「Two Days, One Night」2014 ベルギー/フランス/イタリア
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ベルギーのとある町。小さなソーラーパネル工場に勤めるサンドラは体調を崩し休職していたが職場復帰を望んでいる。しかしボスからいきなり解雇を言い渡される。業績不振の会社は16人の社員に1000€のボーナスを支払うためには彼女を解雇する必要があった...

サンドラに「エヴァの告白/2013」のマリオン・コティヤール。
夫マニュに「ある子供/2005」「ロルナの祈り/2008」「少年と自転車/2011」のファブリツィオ・ロンジョーネ。
同僚ジュリエットに「アデル、ブルーは熱い色/2013」のカトリーヌ・サレ。
同僚ジャン・マルクに「イゴールの約束/1996」「ロゼッタ/1999/息子のまなざし/2002/」「ゴー・ファースト 潜入捜査官/2008」「ジャック·メスリーヌ フランスで社会の敵(パブリック·エネミー)No.1と呼ばれた男 Part1/ Part2/2008」のオリヴィエ・グルメ。
同僚アンヌに「シスタースマイル ドミニクの歌/2009」のクリステル・コルニル。
監督、製作、脚本は「イゴールの約束」「ロゼッタ/息子のまなざし」「ある子供」「ロルナの祈り」「少年と自転車」のジャン・ピエール&リュック・ダルデンヌ。

サンドラは金曜日の夜と土、日の2日間にわたって同僚を訪ね歩き自分の復職のためボーナスをあきらめてくれないか?と説得して回る。
この説得は実に辛い。ボーナスを当てにする同僚が殆どなのだから。しかしサンドラは夫マニュに励まされ一軒一軒同僚の家を訪ね歩く。そして結果は…。
これってフランス人の感覚なのだろうか?解雇を言い渡された従業員が、他の従業員に助けを求めるなんて…。日本人の感覚ではこういった行動は決してしないと思う。自分も含めて…。
それにサンドラはウツで休職していたはず?ウツの人間ができる行動とは思えない。まぁ途中で挫折して薬を過剰摂取したりもするが、サンドラがここまでできたのは夫マニュの力添えが大きかったと思う。そしてラストは爽やかでダルデンヌ映画らしくないのだ。過去の彼らの作品は二度と見たくないと思わせるものが殆どだったから。

投票の結果を見て、サンドラはとても優しい心の持ち主だと感じた。
サンドラはノーメークで毎日同じジーンズに、代わり映えのしないTシャツやタンクトップと、ショルダー・バックを肩にかけ、髪はトップにゴムで結んでいる。マリオン・コティヤールはとても華やかで美しい女優ながら、住宅ローンの支払いを案じる生活感漂うサンドラ役がしっくりくるのだ。

ダルデンヌ兄弟映画は「イゴールの約束」~「少年と自転車」まで観ているが、本作はオスカー女優マリオン・コティヤールの出演が話題になり、2015年のオスカー主演女優賞にもノミネートされた。
オリヴィエ・グルメはダルデンヌ作品の常連で、ファブリツィオ・ロンジョーネもいくつかの作品に出演している。
この監督の作品は孤独がベースで、それに貧困も加わる。しかしセシル・ドゥ・フランスが主演の前作「少年と自転車」辺りからダルデンヌ独特の暗さから抜け出したように感じる。それ以前の作品はどれもこれも観ていて辛くなって困った。まぁ何れの作品も最後にはほのかな希望が見えるのだが…。

「サンドラの週末」という邦題だと何か楽しげなことを想像しがちで全くふさわしくない。サンドラはちっとも楽しいウイークエンドじゃないのだから。原タイトルの“Two Days, One Night”…サンドラに残された金曜日の夜と土、日の2日間...切羽詰まった感じがドラマにふさわしくて良い感じ。

ヒューマントラストシネマ有楽町にて
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by margot2005 | 2015-06-05 00:36 | フランス | Trackback(10) | Comments(2)

「ゴー・ファースト 潜入捜査官」

「Go Fast」2008 フランス  
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マレクに「あるいは裏切りという名の犬/2004」「約束の旅路/2005」のロシュディ・ゼム。
マレクの上司で同僚のジャン・ドーに「息子のまなざし/2002・ロゼッタ/1999」「ある子供/2005」「ロルナの祈り/2008」のオリヴィエ・グルメ。
メコにジャン・ミシェル・フェト。
リュシアンにジル・ミラン。
グラディスにカタリーナ・ドゥニ。
ジャン・ドーの妻に「ぜんぶ、フィデルのせい/2006」のマリー・ペイラン。
監督はオリヴィエ・ヴァン・ホーフスタッド。
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ある日、麻薬密売捜査の中で、刑事マレクの同僚で親友でもあるジャン・ドーが殺されてしまう。やがて過酷な訓練の末、麻薬取締局から潜入捜査官に選ばれたマレクは無事スペイン、マラガの麻薬組織に潜入し、メコやジャン・ドーを殺したリュシアンを紹介され麻薬運び“ゴー・ファースト”の一員となる...

映画を観て家に帰りヨーロッパ地図を確認した。ヨーロッパの中でどちらも広い国のフランスとスペイン。そのパリからマラガはかなりの距離。パリはフランスの北東にあり、マラガはスペインの南西に位置する。それを車で走るなんて...
ストーリーはそれほどでもないが、磨き上げられたポルシェやBMW、アウディが猛スピードで走行する様は車好きにはたまらないし、バックに使われた音楽が映画を盛り上げとてもマッチしている。
アメリカからの潜入捜査官グラディスとの合い言葉が“ダーティ・ハリー”と言うのもちょっとニクい。
「約束の旅路」で主人公の里親を演じたロシュディ・ゼムがとってもかっこよくてクール!
事実を元に作られた映画のようだが、潜入捜査官に選ばれる刑事の過酷な訓練にはスゴいものがある。殺された同僚ジャン・ドーの復讐に立ち上がるマレクの怒りには凄まじいものがあったに違いない。
俳優人が地味目なフランス刑事もの。東京で公開してるのは、夜中も映画を上映している新宿バルト9でレイトショー1回のみ。観る人限られるだろうな?の一作。
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by margot2005 | 2009-09-06 22:47 | フランス | Trackback(2) | Comments(0)

「ロルナの祈り」

「Le Silence de Lorna」...aka「Lorna's Silence 」2008 ベルギー/フランス/イタリア/ドイツ

“この愛だけを、私は信じる。”...名匠ダルデンヌ兄弟が描く、国籍売買をテーマにした愛の物語。

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製作、監督、脚本は「息子のまなざし/2002 ロゼッタ/1999」「ある子供/2005」のジャン・ピエール・ダルデンヌ&リュック・ダルデンヌ。
ロルナにコソヴォ共和国出身の新進女優アルタ・ドブロシ。
クローディに「イゴールの約束/1996」「ある子供」のジェレミー・レニエ。
ファビオに「ある子供」のファブリツィオ・ロンジョーネ。
ソコルにアウバン・ウカイ。

ベルギー国籍を取得するためアルバニアからやって来たロルナ。彼女はタクシー運転手でブローカーのファビオの手引きにより麻薬中毒者のベルギー人クローディと偽装結婚する。偽装結婚と知りながらもロルナを慕うクローディは、彼女を希望の糧とし麻薬を断とうとする。
ロルナを利用し国籍売買で儲けようとしているファビオは、ロルナが国籍を得た後、彼女を未亡人にし、国籍を欲しがるロシア人と結婚させようと企んでいた。
同郷人の恋人ソコルとバーを開く夢を持つロルナ。彼女は一日も早くクローディと別れたいと思うが、ファビオがそれを許さない。ロルナには未亡人になってもらわなくてはならないのだ。しかしロルナを頼る哀れなクローディの姿に、彼女の気持ちはぐらつき始める...
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ダルデンヌ兄弟が描く初めての“ラヴ・ストリー”。
しかしこの兄弟の描く世界は単なるラヴ・ストーリーであるワケがない。もちハッピー・エンディングなんてものでもない。
あのラスト...あの後どうなるのだろう?すっごく気になるエンディング。
終始暗い表情を見せるロルナがバイクで走るクローディを追いかけるシーンで一瞬笑顔を見せる。劇中、ただ一度だけ。このロルナのはじける笑顔は、暗いテーマの、暗い物語の中で希望が見える素敵なシーン。
国籍を得る(売買)ためには人の命をも引き換えにする現実に驚くと共に、ロルナを演じるアルタ・ドブロシ自身も隣国コソヴォ共和国出身ということで、作品に対する思い入れにも強いものがあったかと思える。
弱々しくて、打ちひしがれた人間役が似合うジェレミー・レニエ。彼は元々痩せているがジャンキー役のため激やせした姿が痛々し過ぎる。
どの作品にもエンディングに音楽を使わないダルデンヌ兄弟の世界。映画のエンディングに流れるヴェートーヴェンのピアノ・ソナタが心に染みる一作。
恵比寿ガーデンシネマにて...
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by margot2005 | 2009-02-11 22:38 | フランス | Trackback(11) | Comments(2)

ダルデンヌ兄弟...「ロゼッタ」「息子のまなざし」

ベルギー人監督リュック&ジャン・ピエール・ダルデンヌ兄弟の2作品。シアターで「ある子供/2005」を観る前に、DVDで「ロゼッタ/1999」を観、そして「ある子供」を観た後wowowで放映されていた「息子のまなざし/2002」を観たのだが...この兄弟監督作品に共通するものは...貧困、家庭崩壊...いずれの作品も主人公は低所得者であり、それぞれの家庭に離婚歴がある。アメリカ人同様ヨーロッパ諸国の夫婦も離婚する人々が多い。

a0051234_22341923.jpg「ROSETTA」1999 フランス/ベルギー
1999年度カンヌ国際映画祭パルムドール賞/リュック&ジャン・ピエール・ダルデンヌ
主演女優賞/エミリー・ドゥケンヌ
主演は「灯台守の恋/2004」でブリジットを演じたエミリー・ドゥケンヌ 。
「灯台守の恋」の5年前の作品なので、1981年生まれのエミリーは、この作品の時は10代であった。映画の中のエミリーはとてつもなく幼く見える。「ある子供」でチンピラを演じていたファブリッツィオ・ロンギーヌがロゼッタと出会う若い男リケを演じている。「息子のまなざし」のオリヴィエ・グルメはリケが働くワッフル屋のボス役。

アルコール依存症の母親(アンヌ・イェルノー)とキャンプ場に設置されたトレーラー・ハウスに暮らすロゼッタ(ドゥケンヌ )は、ある日いきなり職場で解雇を言い渡される。不本意だがどうにもならない。職探しに翻弄するロゼッタだが仕事は簡単に見つからない。ロゼッタの日常を描いているだけの、とにかくとてつもなく単調なドラマだ。
アルコール依存症の母を疎ましく思いながらも、けなげに守ろうとする姿がめちゃくちゃ哀れである。そして知り合ったリケ(ロンギーヌ)にほのかな思いを寄せるのだが...。
ダルデンヌ作品は余りにも哀れで、悲しくて、観ていて少々辛くなる。
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ロゼッタが大事に、大事にしている一足のブーツが映画の中で非常に印象に残る。トレーラー・ハウスでの食事のシーン...ゆで卵をさも美味しそうに食べているロゼッタ...「ある子供」のキッチンのシーンでも、粉末かなんかのインスタントの顆粒を鍋に入れて、後はトマトを切って入れるだけの質素な食事...寂しいメニューだなと思った。
フランス映画お得意のあっと言う間のラスト・シーン...どう理解しようかと考えるのだが...後でジーンとくる。それは「ある子供」「息子のまなざし」にも共通しているダルデンヌの技であろうか...。上写真は素顔のエミリー。


a0051234_22353148.jpg「LE FILS」...aka「THE SON 」2002 ベルギー/フランス
2002年度カンヌ国際映画祭主演男優賞/オリヴィエ・グルメ
脚本もダルデンヌ兄弟。主演はオリヴィエ・グルメ 。グルメはヴァンサン・ペレスが監督した「天使の肌/2002」やロマン・デュリスの「パリの確率/1999」に出演しているのだが...悲しい...記憶に...なしである。この作品の詳しいストーリーはとても書けない...ネタバレしたくないし...余りにも重いしで...。

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職業訓練所の教師オリヴィエ(グルメ)には暗い過去がある。
ある日フランシス(モルガン・マリンヌ)という少年が訓練を希望しにやって来る。オリヴィエの受け持つ木工クラスは、すでに人員オーヴァーで受け入れる事が出来ない。いったん断るオリヴィエなのだが...撤回してフランシスを自らの木工クラスに招き入れる。
ある夜仕事から戻ったオリヴィエの家に訪ねて来た別れた妻マガリ(イザベラ・スパール)。彼女は“子供が生まれるの!”と言う。“あなたには誰か良い人いないの?”とマガリに聞かれ“ノン!”と答えるオリヴィエ。
この後は観てのお楽しみとしたい。とんでもないストーリー展開に...あっと驚いてしまった。この作品のラストも...たまらない...。
この作品は途中で(最初の方...)何度も挫折し、観るのを諦めかけた映画である。というのも始まりが余りにも辛気くさくって(単調)...邦題の「息子のまなざし」というタイトルはどうなるのか?と考えたりして...しかし「ある子供」を観た後にもう一度トライしたのだが、一気に観る事が出来た。原題は“息子”。
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by margot2005 | 2006-02-05 21:27 | フランス | Trackback(8) | Comments(2)

「ある子供」

a0051234_23332838.jpg「L' Enfant」...aka 「The Child」2005 ベルギー/フランス
2005年度カンヌ映画祭パルムドール賞受賞作品(リュック・ダルデンヌ、ジャン・ピエール・ダルデンヌ)
監督はリュック・ダルデンヌ、ジャン・ピエール・ダルデンヌ「息子のまなざし/ロゼッタ」で、脚本はレオン・ミショー、アルフォンソ・パドロと監督の共同脚本。
主演はジェレミー・レニエとデボラ・フランソワ。

映画を観る前に、この映画の監督である二人の作品「ロゼッタ/1999」を観た。やはり同じ監督が作ったのだなと、かな〜り感じるものがある。「息子のまなざし/2002」はDVDで観たのだが、途中で挫折しているので、今一度観なければならない事になってしまった。
ヨーロッパは日本に比べ貧富の差が激しい諸国だと思う。前にフランスに行った時、パリ、リヨン駅でジプシーの女性に小銭をねだられ驚いた経験がある...背後には子供の父親らしき男もいた...
日本、東京では考えられない事なので...
この映画でも子供を乳母車に乗せた主人公が、街頭で小銭をねだるシーンが登場する。
大人になれないまま父親と母親になってしまった若者を描いた、せつないドラマである。
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18才のソニア(フランソワ)は子供を産んで恋人のブリュノ(レニエ)の元へ戻った。ブリュノは子供を見て喜ぶどころか戸惑いの表情を見せる。定職のないブリュノはその日暮らしで、物を盗んだり、物乞いしたりして生きていた。ソニアは子供のためでもあり、ブリュノに定職に就いてもらおうと職業斡旋所の長蛇の列に並ぶが、待つ事が出来ないブリュノは子供を乳母車に乗せて公園へと向かう。ここでブリュノはとんでもない事をしでかすのである。以前盗品の売買で知り合った女性が“子供を欲しがってる人がいるのよ!”という言葉を思い出し、とっさに生まれたばかりの自分の子供ジミーを売ってしまうのである。
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とにかく重い、重い、重い作品である。子供の親になること、それは、生んだ母親は若くても実感があると思えるが、父親である男は以外に実感なんて無いのではないだろうか?映画の中でもブリュノが“僕の子供ではない!”という発言をしている。しかし、子供を産んだソニアは我が子ジミー必死で守ろうとする。このソニアの姿が哀れである。ブリュノも本当のワルにはなれない、とりあえず生活のためワルをしている...というのが又哀れである。ラスト・シーンは素晴らしい!
主演のレニエは1981年生まれの割に老けてるのか(ヨーロッパ人だから仕方ない)?ちょっと猿顔で...セイン・カミュに似てるのだけど...。
「ロゼッタ」でリケを演じたファブリツィオ・ロンジョーネがチンピラ役で出演している。映画のエンド・クレジットが音なし(普通back musicありなんだけど...)というのも、この監督の狙いなのか??レニエの「イゴールの約束」DVDで観たはずなんだが...記憶になし...今一度観ないと...。
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by margot2005 | 2006-01-27 01:45 | フランス | Trackback(42) | Comments(16)