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「僕の妻はシャルロット・ゲンズブール」_a0051234_2252114.jpg「Ma femme est une actrice」...aka「My Wife Is an Actress」2001 フランス

イヴァン・アタルが、「フレンチなしあわせのみつけ方/2004」の人気女優シャルロット・ゲンズブールを妻に持った、夫の苦悩(実生活であるが...)を描くラヴ・コメディ。
ヒロインのシャーロットは本人役。イヴァン・アタルはスポーツ記者役。彼は監督、脚本も担当している。
シャーロットの英国での新作映画の相手役に英国俳優のテレンス・スタンプ「コレクター/1965」が出演。
シャーロットの夫イヴァンはとてもコメディが似合う...それもドタバタっぽいのが...

パリに住むスポーツ記者イヴァン・アタルと人気女優シャルロット・ゲンズブール夫妻。食事に出かければ、ファンにサインをねだられ、一緒に写真まで撮りたいと言われる。ファン・サービスに徹した(現実のシャルロットはどうなのか?気になるが...)妻シャルロットに我慢できない夫イヴァン。たまには夫婦二人でゆっくりと食事をしたいと望むが叶わない。そして家に帰れば喧嘩が始まる。
例えば、シャルロットに頼まれ、イヴァンがレストランの予約をすると、やんわりと“満席です!”と断られるのだが、シャルロットがレストランに予約の電話をかければ、二つ返事で”ウイ・マダム!”となる。
新作映画で、シャルロットが英国俳優ジョン(スタンプ)と共演することになった。彼はプレイ・ボーイで有名。心配になった夫は妻に“映画には出演しないでくれ!”と懇願する。しかし、それを振り切って英国に向かう妻。妻が気が気でならない夫は、週末にユーロスターでロンドンへと向かい撮影現場に駆けつける。

軽快なテンポで描かれるラヴ・コメディ。二人のバトルはリアルで実に面白い。「コレクター」で有名なテレンス・スタンプ健在!
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# by margot2005 | 2005-11-17 22:35 | Comments(2)

「フレンチなしあわせのみつけ方」_a0051234_20388100.jpg「Ils se marièrent et eurent beaucoup d'enfants」 ...aka「And They Lived Happily Ever After」2004 フランス

セルジュ・ゲンズブールとジェーン・バーキン(今ではエルメスのバーキン・バッグとして有名だが...)の娘シャルロットと、パートナーであるイヴァン・アタルのコンビ作。監督、脚本はアタルである。アタルはハリウッド映画「インタープリター/2005」にちょい役で出演している。シャルロットは「21グラム/2003」でショーン・ペンと共演した。有名カップルの娘として生まれたシャルロットは10代で「なまいきシャルロット/1985」に主演し、子供ながら確かな演技と評された。

映画は端的に言えば、共稼ぎ夫婦の子育て、家事の苦悩(それほだ大変だとは思えないが...)を描いたドタバタ・コメディ。フランス人は結構男が威張っていて、家のことは女がするといった雰囲気が強いらしい。大昔、王(男)が常に実権を握っていた名残か?そういや、この国にはクイーンはいなかった。そういったことって影響されてるのかな?と感じる。かつては女性は家にいて夫を待ち家事に励んだ。が、しかし、今では男も育児や、家事に参加するというふうに変わって来ている。だが、この映画ではやはりというか...。

車のセールスマンである夫のヴァンサン(アタル)は仕事だけで家のことはしない。休みの日は職場の友人とサッカーし、夜は夜で友人たちとトランプゲームに興じる。妻のガブリエル(ゲンズブール)は不動産屋で働くキャリア・ウーマン。ヴァンサンの自分勝手な行動が許せないガブリエルは夫を攻めるが、反省しないばかりか浮気までしている。

二人が派手な喧嘩をするシーンがすごくリアルで楽しい。あれだけ派手にやればストレス発散できるだろうが...あとの片付けが大変(まあ映画だから良いけど...)。やはり二人のコンビで描いた(設定は違っている)「ぼくの妻はシャルロット・ゲンズブール/2001」の続のような作品である。
不動産屋のガブリエルが案内するアパルトマンのお客にジョニー・デップが出演しているのには驚いた。このデップとのラスト・シーンがお洒落!
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# by margot2005 | 2005-11-15 22:24 | Comments(4)

「灯台守の恋」

「灯台守の恋」_a0051234_084125.jpg「L'Équipier」...aka 「The Light」2004 フランス

ヒロインは「仕立て屋の恋/1989」「マドモアゼル/2001」
のサンドリーヌ・ボネール。
ヒロインを愛する男たちにフィリップ・トレトンとグレゴリ・デランジェール「ヴォン・ヴォヤージュ/2003」。監督は「マドモアゼル」のフィリップ・リオレ。彼は「マドモアゼル」の前にこれの企画していたという。リオレよりこの作品のオファーがあった際、即座にOKしたというボネール。彼女はお気に入りの女優である。映画の中、彼女の台詞は少なく、顔(表情)で演技してる。いやボネールの演技は素晴らしい!

フランス映画には珍しく、始めから結末の読める映画なので、ネタばれ関係なしでストーリーを書きたいと思う。フランスの最西端のまだ西にあるブルターニュー地方のウエッサン島が舞台。まさにここで撮影されたという。カミーユ(アン・コンサイエ)は亡くなった両親の家を売却するため、故郷であるウエッサン島へ戻って来た。迎えてくれたのは叔母ジャンヌ(マルティーヌ・サルセイ)。父親が作ったたくさんの椅子を始めとして、思い出のいっぱい詰まった家でカミーユは叔母と最後の食事をした。食事の後、叔母の様子が何かおかしい...先に休むと言って叔母がいなくなった後、彼女はテーブルに置いてあった、アントワーヌ・カサンティ著“わが世界の果て”という本を開く。表紙にある灯台のイラストは、父親が灯台守をしていたラ・ジュマンに良く似ていた。そして過去へと物語は戻る。
マベ(ボネール)は父親が灯台守で、夫のイヴァン(トレトン)もやはり灯台守である。二人は愛し合っていたが、子供には恵まれなかった。ある日、この島へよそ者がやって来た。昔イギリスから渡って来たケルト人の祖先が多く住むこの地の人々は、よそ者を嫌っていた。やって来た青年は笑顔が素晴らしい元時計職人のアントワーヌ(デランジェール)。彼はアルジェリアからの帰還兵で、片方の手は自由が効かなかった。灯台守のチーフであるイヴァンの家に住むことになったアントワーヌはマベを意識するようになる。この辺の二人の振る舞いが、実に哀しい。それこそ今すぐにでも抱きあいたいって雰囲気の顔をみせるのだ二人は...しかしそんなこと出来ようにない...ほんと二人の演技が旨い!よそ者を嫌うイヴァンの仲間たちは必死でアントワーヌを島から追い出そうとするが、マベの夫イヴァンは彼を受け入れようと努力する。

“微笑みの貴公子”と呼ばれているデランジェールの“微笑み”は癒される。イヴァン役のトレトンも人の良い、粗野で無教養な男が似合い過ぎ。父親とアントワーヌ、二人が一緒に仕事をしていたラ・ジュマン灯台をカミーユが訪れるところでエンディングを迎える。灯台のシーンは出来うる限り本物のラ・ジュマンで撮影されたという。現在この灯台は自動化され一般公開されている。しかし灯台守の仕事って過酷だなぁと切に感じた。上にも書いた「マドモアゼル」にも灯台の話が出て来て、やはり“ひと時の恋”を描いている。この映画を観たら「マドモアゼル」もきっと観たくなるであろう!この作品にはハリウッド映画「マディソン郡の橋/1995」がちょいと入ってるなと感じる方も多いであろう、が、しかし断然こちらがgood。
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# by margot2005 | 2005-11-14 00:53 | Comments(23)

「ロバと王女」

「ロバと王女」_a0051234_1965979.jpg「Peau d'âne」... aka 「Donkey Skin」2003 フランス

王女カトリーヌ・ドヌーヴ、王子ジャック・ペラン のコンビが演じたファンタジー・ミュージカル・ドラマ。いきなり歌は歌うが、ダンスは無しなので正確にはミュージカルと呼ぶのにはふさわしくないかも。
原作はシャルル・ペローの“ロバの皮”。
監督は「シェルブールの雨傘/1964」「ロシュフォールの恋人たち/1966」のジャック・ドゥミ。音楽はミッシェル・ルグラン。
1970年に公開(日本では1971)以来ビデオにもDVDにもなっていないというが、今回、今流行のデジタル・ニュー・マスター版で上映中!
21世紀の今日、第一線で活躍している往年のフランス人俳優て(女優)カトリーヌ・ドヌーヴだけではないだろうか?ブラック・コメディ・ミュージカル「8人の女たち/2002」でも主役を演じていた。
ジャック・ペランは「コーラス/2004」に製作も兼ね出演している。
他に、“青の国”の王にジャン・マレー「魅せられて/1996」、“赤の国”の王妃にミシュリーヌ・プレール「肉体の悪魔/1947」、森の妖精にデルフィーヌ・セイリグ「夜霧の恋人たち/1968」といった配役。

“青の国”の王様は金、銀、宝石を産むロバのおかげでたいそうに裕福であった。しかし最愛の妃を病気で亡くし、うちひしがれていた。妃は臨終の際、“わたしよりも美しい人が現れない限り再婚はしないと誓って!”と言う言葉を残して亡くなった。案の定、妃より美しい女性が現れるはずもなく、王は今だ独身のままだ。側近たちは諸国より王にふさわしい女性の肖像画を調達して来たが、誰も王のめがねにかなう人はいない。そして最後に差し出された肖像画の女性、彼女こそ王妃より美しい女性であったが、それは王の娘、王女であった。実の父である王と結婚することも出来ず、王女は妖精の手を借りて“赤の国”へと逃れる。そこに登場するのがEver After...の王子である。

この童話は後半“シンデレラ”にとても良く似ている。父からもらったロバの皮をかぶり、身分を隠した王女は家畜の世話をする仕事を与えられ、そして、そこで王女は“ロバの皮”と呼ばれるようになる。“シンデレラ”は靴で決まるが、この物語は指輪でプリンセスが決まるのである。

“青の国””赤の国”それぞれの人の衣装がすべて同じ色でそろえてあったり、それぞれの国の従僕の顔や馬にまで青や赤で色付けしてあるのには笑った。実におとぎ話の世界である。かつてグリムやアンデルセン童話にはまったが、その後このフランス人シャルル・ペローの童話を何作か読んだ覚えがある。映画のドヌーヴは20代後半であろうか...素晴らしく奇麗である。王女役のドヌーヴが着る豪華なドレスが美しい。パリの南西に位置するロワール地方、そこに建つ有名なシェノンソー城とシャンボール城が撮影に使われている。このお城は3年前観光で訪れたことがあり、非常に懐かしかった。監督のドゥミはロワール地方の出身ということである。一番下の写真は現在のドヌーヴのショット。
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# by margot2005 | 2005-11-13 18:26 | Comments(10)

「ドリーマーズ」

「ドリーマーズ」_a0051234_22162189.jpg「The Dreamers」...aka「Les Innocents」2003 イタリア/フランス/UK
 
「ドリーマーズ」_a0051234_23593434.jpg昨年か?今年に入ってからか?はっきり覚えがないが、都内のどこか?の映画館で数回予告を観た。セーヌ川、エッフェル塔、ルーヴルと観光案内っぽいシーンがあり、観たいなぁ!と思っていたが、結局映画館へは行かなかった。
今回wowowで放送があったので観た。監督はあの「ラスト・タンゴ・イン・パリ/1972」のベルナルド・ベルトリッチ。
主演の3人は、アメリカ人俳優のマイケル・ピット「小説家を見つけたら/2000」。
「ルパン/2004」のフランス女優エヴァ・グリーン、そしてフランス人俳優ルイ・ガレル。
リドリー・スコットの「キングダム・オブ・ヘヴン/2005」でハリウッド・メジャー・デビューしたエヴァ・グリーンの映画デビュー作である。
原作はギルバート・アデアの小説“The Holy Innocents”。

1968年5月革命の最中、アメリカ人留学生マシュー(ピット)は、パリのシネマテークで、映画フリークであるイザベル(グリーン)、テオ(ガレル)の双子の姉、弟と出会い意気投合した。マシューは二人に誘われるまま、両親が留守の間、彼らのアパルトマンで暮らし始める。3人は”映画ゲーム”に興じながら、マリファナを吸い、奔放なセックスへと発展する。映画の中の映画としてジャン・ポール・ベルモンドの「勝手にしやがれ/1960」、フレッド・アステアの「トップ・ハット」etc.のワンシーンがモノクロで登場する。

欧米でベルトルッチは“愛の巨匠”と呼ばれているらしく、この作品もラヴ・ストーリーではあるのだが、巨匠が描く“愛”は「ラスト・タンゴ・イン・パリ」にしろこの作品にしろ、尋常ではない。イザベル役のエヴァ初め、nudeシーン満載であるが、あのぼかしだけはやめて欲しい!余計iyarashisaが増すのだが...。
冒頭でフランソワ・トリフォーの「大人は判ってくれない/1959」で主演のアントワーヌを演じた、ジャン・ピエール・レオーが本人役で出演している。
映画の舞台は1968年のパリだが、 21世紀に撮影されてもパリ、セーヌの景色が同じというのは古き都パリならであろうか...。
しかしさすがエッフェルだけは部分的にしか撮影されていない。ジミー・ヘンドリックスのギターで始まり、エディット・ピアフのシャンソンでエンディングを迎える音楽も素晴らしい!ルイ・ガレルは映画監督フリップ・ガレル「夜風の匂い/1999」の息子ということだが、彼の映画は初めてだ。ガレル滅茶キュート!
エヴァの母はフランス女優マルレーヌ・ジョベール。チャールズ・ブロンソンとの共演作「雨の訪問者/1969」が一番有名らしい。観たような気がするが、記憶にない。
フランス語タイトルの“無邪気”という題は「ドリーマーズ」より合ってると思うのだが...。この作品は2005年2月にDVD&ビデオで発売されている。
「ドリーマーズ」_a0051234_2255408.jpg

# by margot2005 | 2005-11-12 01:34 | Comments(0)