2025年 10月 08日
「オール・オブ・ユー」
「All of You」2024 USA/UK

ローラとサイモンは大学時代からの親友。”ソウルコネックス”という会社が提供するのは科学的に”ソウルメイト”を得定できるテスト。サイモンはテストに懐疑的だがローラはテストを受ける。結果、ルーカスという男性とマッチングする。彼女は彼と結婚し女の子が生まれる。ルーカスはサイモンとローラの友人関係を容認していて、二人は頻繁に会っていた。親友として…。やがてローラの父が亡くなり葬儀が執り行われる。その夜、感情が爆発したローラはサイモンの家に押しかけ彼を求める。
男女は友人になれない。sexが邪魔するからって…その通りだと思う。
二人は関係を続け、ルーカスは妻の不倫を知らない。
サイモンはローラに”ルーカスと別れてくれ!”と詰め寄るがローラは”離婚はできない!”と言うばかり。夫は”ソウルメイト”だから?
マッチングアプリじゃなく科学的に相手とマッチングする設定(このあたりはSFっぽい)がユニーク。
夫と子供のいる女性を愛し続けた男の悲しい物語。
男を演じるのは↓でFワード連発でキレまくるフットボール・プレイヤー役のブレット・ゴールドスタイン。彼のロマンス映画なんて想像できなかったので観るのを楽しみにしていた。で、意外や静かなゴールドスタインもnice。
サイモン/脚本に「テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく/2020〜2023」のブレット・ゴールドスタイン。
ローラに「ファーザー/2020」「ビバリウム/2019」のイモージェン・プーツ。
ルーカスに「アウトランダー/シーズン1〜5/2014〜2020」のスティーヴン・クリー。
アンドレアにゾウイ・アシュトン。
監督、脚本はウィリアム・ブリッジス。
2025年 10月 06日
「ファンファーレ!ふたつの音」
「En fanfare」…aka「The Marching Band」2024 フランス

ティボ・デゾルモは世界中を飛び回るスター的指揮者。ある日、楽団を指揮する最中に倒れ白血病と診断される。妹にドナーを頼むが彼女は実の妹ではなく、ティボは養子だった。やがてドナーを探すうち生き別れた弟ジミーの存在が明らかになる…
世界的に知られる指揮者と、寂れた炭鉱の町の労働者で、吹奏楽団の一員としてトロンボーンを吹くジミー。二人は生き別れた兄弟だった。そして兄の病気により巡り会う。
このストーリーが感動を呼んだのだと思う。
ラスト、”ボレロ”の演奏が圧巻。ティボが”ボレロ”は工場の機械の音から生まれた話をする。世界中で演奏されるラヴェルの”ボレロ”はフランス人にとって特別なものがあるに違いない。
同年に製作された映画「ボレロ 永遠の旋律/2024」。
コメディ・ドラマのジャンルだけど、あまり笑えるドラマではない。ヒューマンドラマの方が良いかも?
ティボを演じるバンジャマン・ラヴェルネはコメディが似合う俳優ながら、↓のルイ15世の側近役はかなり真面目な役柄でぴったりだったのを思い出す。本作の彼も素晴らしい。ピエール・ロタンも良かった。
本作は9/19から公開。しかし新宿ピカデリーは平日も含めて連日満席。池袋は時間が合わないし、有楽町はシアター2(スクリーンが極小)だし、何とかピカデリーで観たかった。
メディアの宣伝があったのかどうか良く知らないけど、普段フランス映画など鑑賞しない人々が映画館に押し寄せたのかも知れない。
ピカデリーは久しぶりなのでシアターでの予告編は観てなくて、公開直前までこの映画を知らなかった。フランスで大ヒットした感動作はトレビアン。
渋谷&新宿は外国人観光客に占拠されている。10月初めから中国の大型連休らしくて、映画鑑賞した帰りの夜、歌舞伎町から新宿駅東口周辺はスゴい人だった。
ヨーロッパ映画の上映や<カリコレ>でお馴染みの新宿シネマカリテが来年1月で閉館。また一つミニシアターが閉館となった。同系列の新宿武蔵野館は残る。良かった。
ティボ・デゾルモに「ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから/2019」「ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人/2023」のバンジャマン・ラヴェルネ。
ジミー・ルコックに「アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台/2020」「秋が来るとき/2024」のピエール・ロタン。
サブリナにサラ・スコ。
監督、脚本は「アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台/2020」のエマニュエル・クールコル。

2025年 10月 02日
「フレンチ・ラヴァー」
「French Lover」2025

アベル・カマラは子役出身で、今ではsexyさを売りにする人気俳優。ある日のパリのカフェ。アベルは密かに自身を撮影しているウエイトレスに詰め寄る。そして謝罪しないウエイトレスのマリオンはオーナーからクビを言い渡される。しかし写真撮影は誤解だった…
人気俳優として活躍するアベルは人生の岐路に立たされていた。マリオンは離婚調停中のウエイトレス。
そんな二人が出会い惹かれ合うが、全く違う世界に住む二人が上手くいくはずもない。
華やかな舞台とは全く無縁の地味なマリオンの愛により、ライフスタイルを変える決心をするアベル。
ラストはみえみえ…しかしたまに軽いタッチのドラマが観たくなる。これはそれにぴったりのストーリー。
良い人役のイメージのオマールが自分の事しか考えていないわがまま男を演じていてちょっと面白い。
マリオンの家族は有名人アベルに夢中だけど、彼氏が人気俳優であることを全く気にしないマリオン。冴えない女性役のサラ・ジロドーがナイスキャスティング。
オマール・シーのコメディは何作も観たけどロマンス・コメディは初。
エンディングに英語バージョンの♪愛の讃歌/If you love me♪が流れる。なんだかニクい。
パリでロケされた景色がトレビアン。シャンティイにあるコンデ美術館でのロケはフランス映画ならでは。
アベル・カマラに「Lupin/ルパン/シリーズ/2021〜2023」のオマール・シー。
マリオンに「9人の翻訳家 囚われたベストセラー/2019」のサラ・ジロドー。
サミに「クイーンズ・オブ・フィールド/2019」のアルバン・イヴァノフ。
カミーユに「ふたりのマエストロ/2022」のパスカル・アルビロ。
監督、脚本はリサ=ニーナ・リーヴ。
2025年 09月 30日
「フレイザー家の秘密」TVミニシリーズ 1シーズン/6エピソード
「The Undoing」2020 USA

ニューヨークに住むセラピストのグレイスは医師の夫ジョナサン、そして一人息子のヘンリーとリッチな生活を送っている。ある日、ヘンリーと同じ学校に通う生徒の母エレナが殺害され、ジョナサンが容疑者として逮捕される…
自身は成功したセラピスト、夫は優秀な小児がん専門医、そして有名私立に通う息子のヘンリー。だが、一晩でグレースの人生がひっくり返ってしまう。
ジョナサンはひたすら無実を主張する。エレナの夫フェルナンドにはアリバイがあった。では誰がエレナを殺したのか?
刑事ジョー・メンドーザのグレイスに対する執拗なまでのアプローチ。ひょっとして?なんて…。
国選弁護人に代わり、負けたことがない敏腕弁護人のヘイリー・フィッツジェラルドが、グレースのリッチな父フランクリン・ラインハートにより雇われる。
アメリカの陪審員制度はクリント・イーストウッド監督の映画「陪審員2番/2024」で陪審員の判断に委ねられる結果が強烈!と思った。
こちらの敏腕弁護人はSNSで陪審員の個人情報まで調べ上げる。依頼人から”それは合法なのか?”との質問あり。
弁護人は真実を捻じ曲げてでも裁判に勝とうとするような気がしてならなかった。結果としてどんでん返しはあったが…。
演じるノーマ・ドゥメズウェニが強烈な存在感。彼女は↓のリーアム映画の刑事役でもそうだった。
ヒュー・グラントとニコール・キッドマンが夫婦役で、ヒューは米国のTVドラマ初出演だそう。いつも書いてるけどキッドマンは苦手。でもクライム・スリラー好きだし、ヒューの出演に惹かれて鑑賞。彼はサイコっぽい(ドラマはサイコスリラーではない)キャラが似合う。
結末(犯人)はほぼ特定できるが、夫婦の真の姿と裁判の行方がミステリアスなタッチで描かれていて面白かった。
リリー・レーブとキッドマンがママ友役って年齢違いすぎない?
ドナルド・サザーランドは昨年の6月に亡くなっている。
ニコール・キッドマン19年連れ添った夫キース・アーバンと破局したらしい。
グレイス・フレイザーに「理想の二人/2024」「ベイビーガール/2024」のニコール・キッドマン。
ジョナサン・フレイザーに「ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今/2025」のヒュー・グラント。
ヘンリー・フレイザーに「クワイエット・プレイス 破られた沈黙/2020」のノア・ジュープ。
シルヴィア・スタイネッツに「マイ・ビューティフル・デイズ/2016」のリリー・レーブ。
フランクリン・ラインハートに「アド・アストラ/2019」のドナルド・サザーランド。
ヘイリー・フィッツジェラルドに「ブラック・アース・ライジング/2018」「バッド・デイ・ドライブ/2023」のノーマ・ドゥメズウェニ。
ジョー・メンドーザに「エミリア・ペレス/2024」のエドガー・ラミレス。
エレナ・アルヴェスに「レオナルド ~知られざる天才の肖像/2021」のマティルダ・デ・アンジェリス。
フェルナンド・アルヴェスに「ふたりの女王 メアリーとエリザベス/2018」のイスマエル・クルス・コルドバ。
監督、製作総指揮は「理想の二人/2024」のスサンネ・ビア。
U-NEXT
2025年 09月 27日
「 パルテノペ ナポリの宝石」
「Parthenope」2024 イタリア/フランス

”1950年、イタリアのナポリで生まれたパルテノペは、兄のライモンドと幼なじみのサンドリーノと楽しい子ども時代を過ごし、美しく聡明な女性へと成長していく。やがて青春時代を迎え、その美しさがさらに輝きを増していく…”
一人の美しき女性の愛と美の物語で、撮影されたナポリの風景が息を呑むほど美しい。
18歳になったパルテノペは大学に入り人類学に興味を覚える。教授のデヴォト・マロッタは優秀な成績の彼女を絶賛しサポートするようになる。しかし家庭では兄ライモンドの自死により母親に責められ苦悩する。
非現実的な世界が多く描かれており、やはりドラマはファンタジーのジャンル。監督は巨匠と言われるパオロ・ソレンティーノ。
「グランドフィナーレ/2015」のレビューに”映画は“耽美”の世界といっても良いほどの美しさだった。”と書いている。本作もそのタッチ。ただ少々スローな展開で眠気もきたけど...。
パルテノペを演じるチェレステ・ダッラ・ポルタはイタリアの期待の新人。謎に満ちたパルテノペが似合っている。
ラストに登場する70代のパルテノペ役のステファニア・サンドレッリは1946年生まれ。いつまでも美しくてぴったりのキャラだった。
パルテノペは才色兼備な女性。大学で人類学を学ぶ彼女は憧れ尊敬するアメリカの作家ジョン・チーヴァーと出会い、”あなたの本は全て読みました”と語る。
作家を演じるゲイリー・オールドマンが太った。本作ではとても清潔で綺麗なジェントルマン。↓のシリーズ5の太った汚いオールドマンを観るのが楽しみになってきた。
パルテノペにチェレステ・ダッラ・ポルタ。
パルテノペ・アンツィアナに「家族にサルーテ! イスキア島は大騒動/2018」のステファニア・サンドレッリ。
デヴォト・マロッタに「チネチッタで会いましょう/2023」のシルヴィオ・オルランド。
グレタ・クールに「アンドレア・ボチェッリ 奇跡のテノール/2017」のルイーザ・ラニエリ。
ジョン・チーヴァーに「窓際のスパイ シリーズ/2022~2024」のゲイリー・オールドマン。
ライモンドにダニエレ・リエンツォ。
サンドリーノにダリオ・アイタ。
監督、脚本、製作は「LORO 欲望のイタリア/2018」のパオロ・ソレンティーノ。


