2025年 10月 30日
「ローズ家~崖っぷちの夫婦~」
「The Roses」2025 UK/オーストラリア/USA

キャスリーン・ターナー&マイケル・ダグラス共演「ローズ家の戦争/1989」のリメイク。
英国人夫婦のテオとローズは再出発を計ってアメリカに移住。子供にも恵まれ幸せな日々を送っていたが、料理好きのアイビーは家族のためだけに作る料理に満足できず不満の日々。そこでテオは海辺にレストランを開くことを提案する。カニ料理の店は次第に人気が出てアイビーは忙しさで手一杯。一方で建築家のテオは自己大満足の作品を発表するが、嵐により建物が崩壊してしまう。そしてテオは会社をクビになり超暇に…
互いへの不満と嫉妬が爆発したテオとローズ。やがて凄まじい夫婦喧嘩が勃発する。
オスカー女優のオリヴィア・コールマン&シェイクスピア俳優のベネディクト・カンバーバッチ。言葉のバトルが強烈!”わたしたち語彙がすごい!”なんて台詞もあり。
久しぶりのダーク・コメディは面白かった。なんといっても↑の二人による競演が素晴らしい。
カンバーバッチ、ファンだけど観たい映画がなくてシアター鑑賞は4年ぶり。
「ローズ家の戦争」のキャスリーン・ターナーはコワいイメージだったけど、本作のオリヴィア・コールマンは可愛くて…。
アイビー・ローズに「エンパイア・オブ・ライト/2022」「パディントン 消えた黄金郷の秘密/2024」のオリヴィア・コールマン。
テオ・ローズに「パワー・オブ・ザ・ドッグ/2021」「エリック/2024」のベネディクト・カンバーバッチ。
エイミーに「スキャンダル/2019」「バービー/2023」のケイト・マッキノン。
バリーに「パーム・スプリングス/2020」のアンディ・サムバーグ。
エレノアに「ガール・オン・ザ・トレイン/2016」「アナザー・シンプル・フェイバー/2025」のアリソン・ジャネイ。
監督、製作は「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男/2015」「スキャンダル/2019」のジェイ・ローチ。
TOHOシネマズ
2025年 10月 20日
「グランドツアー」
「Grand Tour」2024 ポルトガル/イタリア/フランス/ドイツ/日本/中国

1918年、ビルマのラングーン。エドワードは大英帝国の公務員。婚約者モリーがロンドンからやって来る予定だが、結婚式当日に逃げ出したエドワードはシンガポール行きの船に飛び乗る…
ビルマという名前の国はなく、今はミャンマーでラングーンはサイゴンと呼ばれている。ビルマ、シンガポール、タイ、ベトナム、日本、中国へと逃亡を図るエドワード。そして彼を追いかけるモリー。
1918年から始まるドラマは、途中で年代がゴチャゴチャになる。
ジャングルの中、ロバに乗るエドワードに反して、タイでは街中をバイクが走り回る。
日本のシーンでは突如カラーになり、光り輝くDONKIのネオンサインがありかと思えば、虚無僧(深編笠を被り尺八を吹きながら諸国行脚する)が登場する。
中国、上海では船着場で携帯電話をかけるシーンがあり、近代的なビルが立ち並ぶ街が映し出される。
シンガポールでは19世紀末に開業した有名なラッフルズホテルも登場。
台詞は基本ポルトガル語。それぞれの国の言葉が使われているが、ベトナムはフランスの植民地時代で会話はフランス語。
日本のシーンは大阪でロケされたそう。
現実と幻想、そしてカラーとモノクロが混在する、時空を超えた”グランドツアー”は奇想天外なドラマ。
前半はエドワードの逃亡、後半はモリーの追っかけ、で構成されている。
結婚に対して心の準備ができていなかったエドワードと、彼の逃亡を面白がっているモリーが面白い。
映画解説に”カンヌ国際映画祭監督賞受賞の異色ドラマ。”とあり。
スーパー異色過ぎて、鬼才と呼ばれる監督の作品は一般人には理解し難い。↓「熱波」の監督なので少々興味があったのと、TOHOシネマズのポイントがあったので日比谷シャンテで鑑賞。
エドワードに「皇帝と公爵/2012」のゴンサーロ・ワヂントン。
モリーにクリスタ・アルファイアチ。
サンダースにクラウジョ・ダ・シウヴァ。
ゴックにラン=ケー・トラン。
監督、脚本は「熱波/2012」のミゲル・ゴメス。

2025年 10月 18日
「ブルータリスト」
「The Brutalist」2024 USA/UK/カナダ

ホロコーストを生き延びてアメリカに渡ったユダヤ人建築家の30年にわたる数奇な運命を描いたドラマ。
ハンガリー系ユダヤ人の建築家ラースロー・トートは、第二次世界大戦中のホロコーストを生き延びたが、妻のエルジェーベトと姪のジョーフィアとは離れ離れになってしまう。
単独でアメリカに渡ったラースローは従兄弟で家具店を営むアティラと再会する。やがて実業家で大富豪のハリソン・リー・ヴァン・ビューレンの息子ハリー・リーの依頼により、屋敷の図書室の改装を依頼される。
アティラと共に素晴らしい出来と思ったが、持ち主のハリソン・リーは気に入らなかった。それによりアティラとは疎遠になる。
一方で後にラースローの才能を認めたハリソン・リーから、あらゆる設備を備えた礼拝堂の設計と建築を依頼される。そしてハリソン・リーは、ラースローの家族のアメリカへの早期移住を約束する。しかしラースローの前にはさまざまな困難が立ちはだかっていた。
「ブルータリスト」とは1950年代に見られる建築様式「ブルータリズム」の建築家を意味する。
壮大なドラマの上映時間はインターミッション付きの215分。
今年の2月に渋谷で公開の際、観に行こうか?と考えたりもした。でも結局やめた。家でTVで正解。シアターでの鑑賞なら寝るか、観るのやめるかどちらかだった。きっと…。配信で観た時も、途中で何度も挫折し3,4日かけて観たと思う。
「戦場のピアニスト/2002」以来、オスカー主演男優賞2度目ゲットのエイドリアン・ブロディはやはり演技派俳優?
とても特徴のある顔で、ドラマの中、娼婦から”ブサイクな顔ね。”なんてセリフもあった。
「クリーン ある殺し屋の献身/2021」は面白くなくて途中挫折した。
エイドリアンの母はハンガリー、ブタペスト出身。エイドリアンにとってはぴったりのキャラ。
ラースロー・トートに「ブロンド/2022」「ゴーステッド/2023」のエイドリアン・ブロディ。
エルジェーベト・トートに「愛しい人からの最後の手紙/2021」のフェリシティ・ジョーンズ。
ハリソン・リー・ヴァン・ビューレンに「最後のフェルメール ナチスを欺いた画家/2019」「第10客室の女/2025」のガイ・ピアース。
ハリー・リーに「ハリエット/2019」「愛しい人からの最後の手紙/2021」のジョー・アルウィン。
ジョーフィアに「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア/2017」のラフィー・キャシディ。
マギー・リーに「画家ボナール ピエールとマルト/2023」のステイシー・マーティン。
アティラに「ザ・ルーム・ネクスト・ドア/2024」のアレッサンドロ・ニヴォラ。
監督、脚本、製作は「シークレット・オブ・モンスター/2015」「ポップスター/2018」のブラディ・コーベット。
Amazon Prime
2025年 10月 16日
「第10客室の女」
「The Woman in Cabin 10」2025 USA/UK

ジャーナリストのローラは取材で豪華クルーズ船に乗船する。ある夜、隣の船室から乗客が海に投げ出されるのを目撃する。やがて乗客全員の無事が確認され、それは夢だったのでは?と疑われる。しかしローラは夢ではなく事実だと訴える。船上の誰も信じてくれない事態に陥った彼女は自らの命の危険も顧みず行動を起こす…
周りは海で犯人は逃げようがない。では誰が?なぜ?
この誰が?なぜ?のプロットが興味深い。
原作は世界中で人気の女流作家ルース・ウェアの最新作。残念なことに最近本を読まなくなったのでルース・ウェアを知らない。本はベストセラーになったそうで、翻訳本は上下巻2冊で読み応えありそう。
IMDbの評価は5.9と少々厳しいけど、ミステリー・スリラーは中々面白かった。
チャーミングなググ・ンバータ=ロー/ゴージャスなハンナ・ワディンガム/お気に入り俳優のデヴィッド・モリッシーなど出演者がnice。出番が少ないのが残念。本作はほぼキーラの一人舞台。
何度も書いている…キーラは顔が特徴的なのか?どの作品のキャラでもキーラにしか見えない。
ハンナは配信で鑑賞した「ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング/2025」にクールな役で出演していた。
ローラ・ブラックロックに「ブラック・ダヴ/2024」のキーラ・ナイトレイ。
リチャード・ブルマーに「ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ/2016」「ブルータリスト/2025」のガイ・ピアース。
ベン・モーガンにデヴィッド・アヤラ。
キャリーにギッテ・ウィット。
Dr.ロバート・メータにアート・マリク。
ローワンに「サーフェス~ねじれた記憶~シーズン1/2022」「サーフェス~ねじれた記憶~シーズン2/2025」のググ・ンバータ=ロー。
ハイジ・ヘザーリーに「テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく/2020〜2023」「フォールガイ/2024」のハンナ・ワディンガム。
トーマス・ヘザーリーに「プライム・ターゲット 狙われた数列/2025」のデヴィッド・モリッシー。
監督、脚本は「時の面影/2021」のサイモン・ストーン。
2025年 10月 11日
「情婦」
「Witness for the Prosecution」1957 USA

”金持ちの未亡人を殺した容疑をかけられたレナードは、老齢ながらロンドンきっての敏腕弁護士ロバーツに弁護を依頼。だが“検察側の証人”として法廷に立ったレナードの妻クリスティーネから、思いもかけない証言が発せられた……”
TVシリーズにハマっているのでクラシック映画はほとんど観ていない。本作はたまたまAmazon Primeのおすすめ欄に紹介されていて、タイロン・パワー&マレーネ・ディートリッヒの共演に興味を持った。
ドイツからアメリカに渡り一世を風靡した女優マレーネ・ディートリッヒ映画は初めて。
同じくハリウッドの有名俳優タイロン・パワー映画も初。本作はタイロン・パワーの遺作だそう。
なんと言っても驚いたのはマレーネ・ディートリッヒの若さ。1901年生まれなので撮影時は50代。計算あってる?と思うくらいの若さでびっくり。モノクロなので細かいところはわからないが、お肌ツルツルって感じ!スタイルも抜群だし。本当に50代だった?
大逆転ドラマのディートリッヒは素晴らしく、ベテランの敏腕弁護人を演じるチャールズ・ロートンは大熱演。初見のタイロン・パワーはちょっとダメだったかも?
IMDbの評価は高く、”批評家によると、本作はその複雑なプロット、ビリー・ワイルダーによる見事な演出とある。”と記されている。
ポスターに”衝撃的/ゾクゾクするようなエンターテインメント”とあり、全くその通りのドラマだった。
原作はアガサ・クリスティの短編小説「検察側の証人」で、昔読んだような記憶がある。
レナード・ヴォールにタイロン・パワー。
クリスティーネにマレーネ・ディートリッヒ。
ウィルフリッド卿にチャールズ・ロートン。
プリムソルにエルザ・ランチェスター。
監督はビリー・ワイルダー。

