2019年 11月 26日
「マイ・ビューティフル・デイズ」
「Miss Stevens」2016 USA
レイチェルは29歳の高校教師。ある日、校長から演劇大会に参加する生徒の引率を任される。リーダー格のマーゴットと陽気なサム、そして人付き合いが苦手で無口なビリーの3人。レイチェルは校長からビリーには行動障害があり薬を飲んでいると告げられる…
どこか憂いのあるレイチェルが気になって仕方がないビリー。レイチェルは愛する母を亡くしたばかりで寂しい思いをしていたのだ。ビリーは自分の感情を直球でレイチェルにぶつけ始める。レイチェルはビリーに翻弄され困惑状態。
滞在先のホテルで知り合った他校の教師ウォルターと酒に酔った勢いでベッドインするレイチェル。しかし彼は妻子持ちだった。
そんなレイチェルが、夕食の席で取った行動を謝りに来たビリーを部屋に入れ、自身の思いを少し打ち明ける。ビリーは優しくレイチェルを慰める…しかしそこで彼女はハッと我に返る。寂しい思いを慰めてくれる彼は自分の生徒なのだ!ましてや生徒のビリーと恋に落ちるなんてあり得ないし...。
レイチェルを素敵に演じるリリー・レーブはサウス・バイ・サウスウエスト映画祭2016で最優秀女優賞を受賞。
ティモテ・シャラメが「君の名前で僕を呼んで/2017」でブレイクする前に出演した作品で、主演はリリー・レーブ。
リリーが「大陸横断超特急/1976」や「結婚しない女/1978」など、70年代に活躍したジル・クレーバーグの娘であることを知ったけど…少し似てる?
ティモテは繊細なキャラを演じるのがスゴく上手い。顔つきが繊細なので余計ハマるのかも知れない。
邦題の「マイ・ビューティフル・デイズ」はドラマに全くマッチしていない。
レイチェル・スティーヴンスに「完全なるチェックメイト/2014」のリリー・レーブ。
ビリーに「キング/2019」のティモテ・シャラメ。
マーゴットに「ガルヴェストン/2018」のリリ・ラインハート。
サムにアンソニー・キンタル。
教師ウォルターに「ファミリー・ツリー/2011」のロブ・ヒューベル。
校長に「あなたは私の婿になる/2009」のオスカー・ヌニェス。
監督、脚本はジュリア・ハート。
新宿シネマカリテにて
2019年 11月 23日
コートールド美術館展 魅惑の印象派
上野の東京都美術館で”コートールド美術館展 魅惑の印象派”を見てきた。
クロード・モネの絵画がたっぷりある
ルノワールの絵画が色々とある
そして印象派の宝庫
とパリで見ていたのでこの展覧会はパスする予定だった。
しかしロンドンのコートールド美術館の印象派作品ということで、きっと今まで見ていない作品が見られると思い鑑賞したところ全くその通りだった。
多数の印象派作品中でもセザンヌが一番多い。ロダンやドガの彫刻もあり。
今回英国のコートールド美術館の絵画たちが日本にやって来たのは美術館が改装中のため。
マネの最晩年の傑作”フォリー=ベルジェールのバー”は以前BSで放送していた”世界の名画”で見てスゴく印象に残った絵。今回本物が見れてラッキーだった。
12/15まで
2019年 11月 22日
「グレタ GRETA」
「Greta」2018 アイルランド/USA
フランシスはNYで親友のエリカとルームシェアし、高級レストランでウェイトレスとして働いている。ある日
、地下鉄の席に置き忘れられたバッグを見つけ駅事務所に届けようとしたが、閉まっていたため直接持ち主に届けることにする。バッグの持ち主は未亡人のグレタ。母を亡くしたばかりで寂しい思いをするフランシスと、一人暮らしのグレタは互いに親近感を覚え年の離れた友情を感じ始める...
”拾っちゃいけない 届けちゃいけない”...バッグは危険がいっぱい!
NYの地下鉄の忘れ物を持ち主に届けるなんてあり得ない。ヒロインの友人も”爆弾が入っていたかも知れない”って言っていた。
都内に住む私自身頻繁に地下鉄に乗るが座席に忘れ物があっても近づかないことにしている。”不審物を発見された方は駅係員まで”の案内もあるし…。
何度もシアターで予告編を見ていたのでドラマの結末が知りたかった。
ヒロインが戸棚を開けたら同じバッグが並んでいたシーンは意味深だったし...おまけにニール・ジョーダンが監督なので見に行った。でもドラマのテーマは全くもっていただけなかった。
しかしながらあの探偵は実に気の毒。
イザベル・ユペールはサイコおばさん(婆さん?)ハマっている。
クロエ・グレース・モレッツはキュートなのだけど少々ダイエットが必要かも??
グレタに「 エヴァ/2018」のイザベル・ユペール。
フランシスに「ダーク・プレイス/2015」「クリミナル・タウン/2017」のクロエ・グレース・モレッツ。
エリカに「ザ・シークレットマン/2017」のマイカ・モンロー。
フランシスの父クリスに「チェンジリング/2008」「ボルジア家 愛と欲望の教皇一族2011~2013」のコルム・フィオール。
ブライアン・コディ(探偵)に「クライング・ゲーム/1992」「プルートで朝食を/2005」のスティーヴン・レイ。
監督、脚本、製作総指揮は「クライング・ゲーム」「ビザンチウム/2012」のニール・ジョーダン。
TOHO シネマズシャンテにて
2019年 11月 21日
「アダムズ・アップル」
「Adams æbler」…aka「Adam's Apples」2005 デンマーク/ドイツ
人里離れた田舎の教会は刑務所から仮釈放された男たちの更生施設でもあり、牧師イヴァンと共に2人の前科者が暮らしている。ある日、ネオナチ男のアダムが更生プログラムの一環として教会に送られてくる…
旧約聖書の『ヨブ記』を下敷きに次々と不幸に見舞われる男たちの姿を描くシニカルでシュールなタッチのクライム・コメディ。
タイトルの”アダムズ・アップル”とは…
教会の庭に植えられたリンゴの木。アダムはイヴァンから新しい住処となった場所での目標を問われ、適当に庭のリンゴの木でアップルケーキを作ると答える。しかしリンゴの木はカラスに食いあらされたり、害虫の襲撃に遭いめちゃめちゃになってしまう。それを見たイヴァンは我々は悪魔に試されていると語るのだった。
アダムがイヴァンを痛めつける様が猛烈。しかし牧師のイヴァンは”右の頬を打たれたら、左の頬をも差し出しなさい”とばかりに、”悪人に手向かってはならない”態度を決め込む。アダムは気に入らなくてますますイヴァンに反発を覚えるのだ。
さてさてアダムはアップルケーキを作ることができたのだろうか?
少々変人っぽい牧師イヴァンは終始短パン姿。マジでマッツが若い!今からほぼ15年前に製作された映画なので当然ながらマッツが若いのは当たり前のことなのだけど…。
「キング・アーサー/2004」でトリスタンを演じてInternationalデビューしたマッツ。そして「007/カジノ・ロワイヤル/2006」のル・シッフル役で強烈な印象を残して一躍有名になった。
ドラマの中、耳から血を流しているイヴァンを見て、ル・シッフルは目から血の涙を流していたのを思い出した。
ウルリク・トムセンはスゴく良い人か猛烈にワルかどちらかの役柄を演じる俳優。風貌としては良い人の雰囲気だけど…本作ではラストでちょっと良い人に変身する。
アダムの仲間ホルガー役のニコライ・リー・コスはマジでワルが似合う。
アナス・トマス・イェンセンは「しあわせな孤独/2002」〜「悪党に粛清を/2016」まで多くのデンマーク映画の脚本を執筆。
イヴァンに「悪党に粛清を/2016」「ドクター・ストレンジ/2016」のマッツ・ミケルセン。
アダムに「23年の沈黙/2010」「チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密/2015」のウルリク・トムセン。
サラに「しあわせな孤独/2002」「愛さえあれば/2012」「犯罪心理分析官インゲル・ヴィーク ~消えた大統領~/2017」のパプリカ・スティーン。
グナーに「戦火の馬/2011」のニコラス・ブロ。
カリドにアリ・カジム。
ホルガーに「チャイルド44 森に消えた子供たち/2014」のニコライ・リー・コス。
ドクターにオーレ・テストラップ。
監督、脚本は「アフター・ウエディング/2006:脚本」「悪党に粛清を/2016:脚本」のアナス・トマス・イェンセン。
新宿シネマカリテにて
2019年 11月 20日
「第三夫人と髪飾り」
「The Third Wife」2018 ベトナム
19世紀の北ベトナム。14歳のメイは絹の里を治める大地主ハンの第三夫人となる。一族の大邸宅には長男を産んだ第一夫人ハと、3人の娘がいる第二夫人スアンが一緒に暮らしている。一族には既に息子が一人いたがさらなる世嗣ぎの誕生が期待されていた…
見るかどうかものすごく迷っていたけど、シアターで見た予告編の映像がとても綺麗だったので見に行ってしまった。
原タイトルは「第三夫人」。でも邦題にはなぜか”髪飾り”が付いている。メイの髪飾りの印象はほとんどないが、「第三夫人」だけじゃ面白くなさそうなので、鑑賞したい気分にさせるため”髪飾り”を加えたように思える。
ヨーロッパやアメリカの人々が見たらとても美しい東洋美を堪能できると思う。そう、確かに映像は素晴らしく美しかったが、ドラマの展開は今ひとつ?
スパイク・リーが監督の脚本(監督自身の曽祖母の体験がもととなっている)を激賞して制作資金を援助。そしてトラン・アン・ユン(青いパパイヤの香り/夏至/「エタニティ 永遠の花たちへ/2016」の監督)が美術監修を手掛けた。
トラン・アン・ユンのレビューのない2作品はもちろん見ていて、どちらも素晴らしい映像美でドラマ的にも見ごたえがある。
一夫多妻の世界と官能的な描写が物議を醸した一方で世界の映画祭で熱狂的な支持を得たという。
舞台となった美しい桃源郷は世界複合遺産に登録されている。
第一夫人ハに「青いパパイヤの香り/1993」「夏至 /2000」「エタニティ 永遠の花たちへ/2016」のトラン・ヌー・イェン・ケー。
第二夫人スアンにマイ・トゥー・フオン。
第三夫人メイにグエン・フオン・チャー・ミー。
ラオに「夏至 」のグエン・ニュー・クイン。
ハンに「夏至 」のレ・ヴー・ロン。
監督、脚本、製作はアッシュ・メイフェア。
Bunkamura ル・シネマにて
開発が進む渋谷に新しくオープンした渋谷スクランブルスクエア。普段渋谷の街で写真を撮るなんてあり得ないけど、スクランブル交差点を渡りきったところで振り返り思わず激写。
映画を見た後、通りに出たら永谷園の看板が目につき再びスマホで撮った(夜景は東急本店前から撮ったのでボケてる)。あの永谷園の看板がもし銀座の服部時計店とかグッチetc.のビル側にあったらものすごく違和感があって許せないけど、なぜか?渋谷だと許せてしまう。やはり渋谷って庶民的な街なのかも?