カテゴリ:ドイツ( 67 )

「女は二度決断する」

「Aus dem Nichts」…aka「In the Fade」2017 ドイツ/フランス

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ドイツ、ハンブルク。ドイツ人のカティヤはトルコ系移民のヌーリと結婚し、可愛い息子にも恵まれ幸せな生活を送っていた。そんなある日、カティヤが友人のビルギットと出かけている間にヌーリの事務所前で爆発事件が起こり、最愛の夫と息子が犠牲となる。警察はヌーリが移民だったことから外国人同士の抗争を疑うが、カティヤはネオナチのテロに違いないと訴えるのだった…


捜査の結果、在住外国人を狙ったネオナチによるテロであることが判明し、容疑者として若いドイツ人夫婦が逮捕される。やがて夫の友人だったダニーロが弁護を担当し裁判が始まる。

容疑者側の弁護士ハーバーベックは、ヌーリがトルコ系移民であることや、かつて麻薬の売買をし服役していた過去を揶揄し、一時の迷いで麻薬に手を出したカティヤを攻め立てるのだった


裁判の結果に愕然とするカティヤ…何かと気にかけてくれる友人のビルギットに子供が生まれたが、なぜか手放しで祝福することができないし、ヌーリを批判する母親にもうんざりだ。控訴しようと持ちかけ連絡してくるダニーロの電話にも出る気がしない。やがてカティヤはある決断をする。


邦題「女は二度決断する」…二度目はまさにカティヤの究極の決断だった。

ラストの波のシーンは「そして、私たちは愛に帰る」を彷彿とさせる。

カンヌ国際映画祭で主演女優賞をゲットしたダイアン・クルーガーが素晴らしかった。Internationalに活躍するドイツ人クルーガーの初めての母国語での演技だそうだが、確かに彼女の映画ってハリウッドとかフランス製作ばかり。

ファティ・アキンの大ファンなのでとても楽しみにしていた一作。映画はとても見ごたえがあり素晴らしかった。ファティ・アキン最高!!


カティヤに「バツイチは恋のはじまり/2012」「パパが遺した物語/2015」のダイアン・クルーガー。

ダニーロにデニス・モシット。

ハーバーベックに「顔のないヒトラーたち/2014」のヨハネス・クリシュ。

ビルギットにサミア・シャンクラン。

ヌーリに「THE PROMISE/君への誓い/2016」のヌーマン・アチャル。

ユルゲン・メラーに「白いリボン/2009」のウルリッヒ・トゥクール。

監督、脚本、製作は「太陽に恋して/2000」「愛より強く/2004」「そして、私たちは愛に帰る/2007」「ソウル・キッチン(SOUL KITCHEN)/2009」「消えた声が、その名を呼ぶ/2014」のファティ・アキン。


新宿武蔵野館にて



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by margot2005 | 2018-04-25 23:18 | ドイツ | Trackback | Comments(0)

「ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男」

Dries2017 ドイツ/ベルギー

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監督、製作はライナー・ホルツェマー。

音楽はレディオヘッドのコリン・グリーンウッド。


ドキュメンタリーにはあまり惹かれないが、シアターで予告を見て興味を持った。そして別の映画を見に行った時、大きな方のシアターで上映されていた本作に人が集まっていてますます興味を持ち、翌日新宿武蔵野館へ!

美しいファブリックを使ってメンズ&レディーズのファッションを作り出すドリス・ヴァン・ノッテンの美意識/美的感覚は半端ではない。

唯一無二のブランドを牽引する天才デザイナー…”と称されるドリスのファッションは素晴らしい!の一言。


ファッションにアクセサリーは欠かせないものだが、ドリスのファッションにアクセサリーは一切ない。それはファブリックが美しくてアクセサリーの一部になっているように思える。

ドリスが願ってやまなかったパリのオペラ座で行われたショーでラストを迎える。オペラ座でファッション・ショーなんてスゴすぎる。


初めてカメラが入ったベルギー、アントワープにあるドリスの自宅。パートナーと暮らすその館には広大なる庭がある。花をこよなく愛するドリスの庭は美しくてため息ものだし、華麗なる館もうっとりするほどゴージャス!

以前、亡くなったイヴ・サンローランのドキュメンタリーを見たことがある。パートナーと暮らすパリの館がすごくゴージャスでさすがデザイナー!と感嘆したのを思いだす。


新宿武蔵野館にて


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by margot2005 | 2018-02-22 20:20 | ドイツ | Trackback | Comments(0)

「はじめてのおもてなし」

Willkommen bei den Hartmanns…akaWelcome to Germany2016 ドイツ

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ミュンヘンの閑静な住宅地に暮らすリヒャルトとアンゲリカ夫婦。夫は外科医で妻は元教師。生き甲斐を失い暇を持て余すアンゲリカは、ある日突然難民を受け入れると宣言する…


リヒャルトは老いを受け入れることができずシワとり治療に夢中。

アンゲリカは暇を持て余し、日々ワインが手放せなせないアル中。

フィリップは妻と離婚しシングルファーザーとなっても仕事一筋で息子に無視されている。

ゾフィは30代になった今も親の金で大学に通っている。

...と問題を抱えた人ばかり。


しかしナイジェリアからの難民ディアロを受け入れたことで、それぞれに問題を抱えバラバラだったハートマンファミリーが家族の絆を取り戻しハッピーなエンディングを迎える。少々出来過ぎかとも思えるが、まぁ映画だから許してしまった。


ディアロはイスラム過激派により家族全員が殺害され天涯孤独となってドイツに逃れてきた。しかしこの地でテロリストに勘違いされ、一時亡命申請が通らなかったりして…。

ドラマの中、人種差別的発言が交わされるシーンや、ハートマン家の隣人がナチっぽく描かれているのも面白い。

ドイツが抱える難民問題をテーマに描いたヒューマン・コメディは「5パーセントの奇跡~嘘から始まる素敵な人生~」同様ハートウオーミングなストーリー。ドイツ製作で立て続けにハートフルな映画を2本公開とは実に珍しい。


センタ・バーガーはハリウッドやヨーロッパ映画に多数出演した往年の女優でオーストリア出身。てっきりハリウッド女優だと思っていた。監督はセンタ・バーガーの息子。

フィリップを演じるフロリアン・ダーヴィト・フィッツは「君がくれたグッドライフ」では難病役だったけど、本作では一転してコメディに徹していて可笑しい。


アンゲリカ・ハートマンに「ちょっとご主人貸して/1964」「悪魔のようなあなた/1967」のセンタ・バーガー。

Dr.リヒャルト・ハートマンに「ドレスデン、運命の日/2006」「ヒンデンブルグ 第三帝国の陰謀/2011」ハイナー・ラウターバッハ

フィリップ・ハートマンに「君がくれたグッドライフ/2014」の フロリアン・ダーヴィト・フィッツ。

ゾフィ・ハートマンにパリーナ・ロジンスキー。

Dr.タレク・ベルガーに「THE WAVE ウェイヴ/2006」「ピエロがお前を嘲笑う/2014」のエリアス・ムバレク。

ディアロ・マカブリにエリック・カボンゴ。

監督、脚本、製作は「デッド・フレンド・リクエスト/2015」のジーモン・ファーフーフェン。


シネスイッチ銀座にて



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by margot2005 | 2018-02-09 20:52 | ドイツ | Trackback | Comments(0)

「5パーセントの奇跡~嘘から始まる素敵な人生~」

Mein Blind Date mit dem Leben…akaMy Blind Date with Life2017 ドイツ

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サリヤはスリランカ人の父とドイツ人の母の間に生まれた真面目な青年。高校生活を送るある時突然、先天性の病気で視力の95%を失ってしまうが、一流ホテルで働きたい夢を諦めることができない。そんなサリヤを励まし支える母と姉。やがて彼はミュンヘンにある最高級5つ星ホテルに見習いとして働くチャンスをつかむ…


サリヤにまつわる人々が全て良い人。愛情深い母親と、サリヤをサポートする姉のシーラ。そしてサリヤを一番サポートするのはホテルで見習いとして働く同僚のマックス。

ホテルで働く人々は皆良い人で、善人ばかり登場させたのは実在の人物が存在するから?なんて思った。そうそう逃げ出した父親だけはダメだった。


自分の障害にめげず、決してあきらめない信念を持ち、ひたすら努力に励むサリヤってスゴイ人だと感動する。とってもハートフルなドラマで見終わって爽やかな気分になる

ラストにモデルとなったサリヤが俳優のコスティア・ウルマンとハグするシーンあり。


サリヤを演じるコスティア・ウルマンが爽やかな好青年のイメージでぴったりの配役。

ラウラ役のアンナ・マリア・ミューエはどこかで見た、見たと思いつつも思いだせず、見終わって調べたところ「青い棘」の美少女だった。「青い棘」以来10数年経過。本作ではシングルマザーをチャーミングに演じている。


サリヤ(サリー)に「誰よりも狙われた男/2013」のコスティア・ウルマン。

マックスに「「THE WAVE ウェイヴ/2008」「シャトーブリアンからの手紙/2011」「ぼくらの家路/2013」のヤコブ・マッチェンツ。

ラウラに「青い棘/2004」「血の伯爵夫人/2009のアンナ・マリア・ミューエ。

クラインシュミットに「顔のないヒトラーたち/2014」「ヒトラー暗殺、13分の誤算/2015」「婚約者の友人/2016」のヨハン・フォン・ビューロー。

サリヤの姉シーラにニラム・ファルーク。

サリヤの母親にジルヴァーナ・クラパッチュ

監督は「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々/2005」のマルク・ローテムント。


角川シネマ有楽町にて


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by margot2005 | 2018-02-04 20:56 | ドイツ | Trackback | Comments(2)

「ありがとう、トニ・エルドマン」

Toni Erdmann2016 ドイツ/オーストリア/スイス/ルーマニア

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ルーマニア、ブカレストのコンサルタント会社に勤めるイネスは仕事一筋のキャリアウーマンでシングル。ある日、悪ふざけが大好きな父がドイツから娘を訪ねてやって来る…


ヴィンフリート/トニ・エルドマンにペーター・ジモニシェック。

イネスにザンドラ・ヒュラー。

ヘンネベルクにミヒャエル・ヴィッテンボルン。

ゲラルロにトーマス・ロイブル。

イネスの秘書アンカにイングリット・ビス。

同僚でボーイフレンドのティムにトリスタン・ピュッター。

同僚のタチアナに「フィレーネのキライなこと/2003」ハーデヴィッフ・ミニス。

同僚のステフに「エンジェル/2007」ルーシー・ラッセル。

監督、脚本、製作はマーレン・アデ。


イネスの父ヴィンフリートがブカレストに現れたのは愛犬が亡くなり喪失感を埋めるためでもあったが、何といっても異国にいる仕事中毒の娘が気がかりだったから…。


ある日、ヴィンフリートはイネスの働く会社の受付で待ち伏せしていた。連絡もなく現れたことに戸惑うイネスをよそに娘のアパートに滞在を決め込む父親。不穏な空気が漂う中数日が過ぎる。しかしようやく帰ってくれたと思いきや、出っ歯の付け歯に変なカツラを被りトニ・エルドマンという名の別人に扮して再びイネスの前に現れる。


イネスが上司のゲラルロと話しているといきなり現れふざけるヴィンフリート。しかしながら神出鬼没の父親にも調子を合わせてその場をあしらうイネスがスゴい!

ちょっとクレージーな父親の娘は自らのバースデイ・パーティをNudeで参加すること!と決める辺り似た者親子だなと感心しつつ可笑しかった。

上映時間は2時間42分と少々長いが、意外にもダラダラした感じはなかった。でもヴィンフリートが娘のためにしでかす変な?イタズラ…彼の行為にかなり違和感を感じる観客もいるかも知れない。見終わってやはりこれは万人に受ける映画ではないなと思った。


ドイツ人て日本人同様真面目な人間が多いイメージがあるが、映画となると少々趣が違い、奇想天外なコメディが多く作られているような気がする。今年公開された映画では「僕とカミンスキーの旅 /2015」もかなりだったし、ファティ・アキンの「ソウル・キッチン(SOUL KITCHEN/2009」とか「帰ってきたヒトラー/2015」などなど。


ブカレストと言えばニコラエ・チャウシェスクが独裁政治で私腹を肥やし妻と共に贅沢な暮らしをしていた宮殿が有名。今では国民の館と呼ばれ、BSの旅番組で何度も見たことがある。映画の中でも、訪ねて来た父に娘が宮殿見に行く?と言う台詞があった。

イネスが顧客のヘンネベルクの妻を案内するショッピングモールはヨーロッパ最大とか…なぜブカレスト?と思ったけど土地があるからに違いない。


イネスは仕事の時は常に黒のパンツスーツに白のブラウス。しかし遊びとなると彼女のファッションは一変する。メリハリをつけたファッションが素敵だ。

ところでいつも感じるのはドイツ映画を見てあまり美しくないドイツ人女優たちの存在。ヒロインのザンドラ・ヒュラーも間違っても美人とは言えない。ドイツ人で美人女優と言えば絶世の美女“トロイのヘレン”を演じたダイアン・クルーガーと、往年の名女優ロミー・シュナイダー(正確にはウイーン出身)とナスターシャ・キンスキーくらい?

常に仏頂面のイネスを笑わせることに一生懸命のヴィンフリートはエラい!


新宿武蔵野館にて



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by margot2005 | 2017-07-08 21:34 | ドイツ | Trackback | Comments(0)

「僕とカミンスキーの旅」

Ich und Kaminski…akaMe and Kaminski2015 ドイツ/ベルギー

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スイスの山奥で隠遁生活を送る天才画家マヌエル・カミンスキーはマティスの弟子でピカソの友人。60年代のポップ・アート時代にN.Y.盲目の画家として脚光を浴びたが、突如表舞台から姿を消したため、伝説的な人物となっていた。

一方で31歳の自称美術評論家のゼバスティアン・ツェルナーは金と名声欲しさにカミンスキーのセンセーショナルな伝記を書こうとインタビューを申し込む...


ゼバスティアン・ツェルナーに「二ツ星の料理人/2015」ダニエル・ブリュール。

マヌエル・カミンスキーに「007/カジノ・ロワイヤル/2006」「007/慰めの報酬/2008」「ヴィクトリア女王 世紀の愛/2009」「メランコリア/2011」「007 スペクター/2015」イェスパー・クリステンセン。

ミリアム・カミンスキーに「100歳の少年と12通の手紙/2009」「サンローラン/2014」アミラ・カサール。

カール・ルートヴィヒに「ホーリー・モーターズ/2012」ドニ・ラヴァン。

テレーゼ・レッシングに「永遠のこどもたち/2007」「みんなで一緒に暮らしたら/2011」ジェラルディン・チャップリン。

監督、脚本、製作は「グッバイ、レーニン!/2003」のヴォルフガング・ベッカー。


ある日、ゼバスティアンはスイスの山奥にあるカミンスキーの屋敷を訪問する。彼は傲慢な男で、強引にカミンスキーに取り入ろうとするが娘のミリアムに阻止される。しかしめげない男ゼバスティアンは家政婦に賄賂を渡してカミンスキーの屋敷を物色し始める。やがてカミンスキーを連れ出すため、老人がかつて愛したテレーゼに会わせてやると理由をつけ車で旅に出る。


実在の人物ではないカミンスキーが、ピカソやダリそしてアンディ・ウォーホールと交流があったように描いていて面白い。スクリーンに映し出されるThe Beatlesやモハメド・アリたち有名人との60年代の合成写真はほんもののように映る。ゼバスティアンとその恋人が描かれたアンディ・ウォーホールの絵画があったり、ゼバスティアンが盗み出したカミンスキーの自画像、そしてラスト近くで、カミンスキーの姿を絵に描いてダブらせたり...と全て絵画はFakeながらとても美しくて素晴らしかった。

傲慢な31歳の青年と、一筋縄ではいかない85歳の老人のロード・ムービーは何とも奇想天外で、大人の寓話と書いている記事に納得する


007シリーズでミスター・ホワイト役のイェスパー・クリステンセンが特殊メイクで85歳の老人を演じている。ジェラルディン・チャップリンってまだ70過ぎなのに80代の老婆のようにシワだらけ。あれも特殊メイク?車泥棒カール役で数シーンにしか登場しないドニ・ラヴァンの存在感はさすが。ダニエル・ブリュール傲慢な男が似合う似合う。

関東(都内)では恵比寿でしか上映していないのに、奇想天外な映画だからかGWが終わったからか、上映2週目なのにシアターはガラガラだった(ウイークディの夕方の回)。


恵比寿ガーデンシネマにて



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by margot2005 | 2017-05-14 19:40 | ドイツ | Trackback(1) | Comments(0)

「ワイルド わたしの中の獣」

「Wild」2016 ドイツ

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IT企業で働くアニアにはボーイフレンドも友達もいない。恋に夢中の妹とインターネット電話で話し、寝たきりの祖父の面倒を見ている。アニアの日々は空虚で味気がない。職場と自宅を往復するそんなある日、森の公園でオオカミと出会う...


アニアに「アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男/2016」リリト・シュタンゲンベルク。

上司ボリスに「アイガー北壁/2008」「ミケランジェロの暗号/2010」「ファウスト/2011」「ドッペルゲンガー 凍てつく分身/2014」のゲオルク・フリードリヒ。

妹ジェニーに「さよなら、アドルフ/2012」ザスキア・ローゼンダール。

同僚キムにジルク・ボーデンベンダー。

監督、脚本は「トンネル/2001/出演」のニコレッテ・クレビッツ。



オオカミを彼氏と呼び、マンションを飛び出して荒野にでたアニアは泥水を飲み彼氏に獲ってもらった野ネズミを食べる。あのアニアの姿があまりにもワイルドでかなり引いた。

野生に目覚める女…まぁわかるけど強烈過ぎて見終わってどっと疲れが出たことは間違いない。

本作レイトショーのみで、見る人限られる映画かと思える。私自身見るのを相当迷ったが、今年に入ってから見たい映画があまりないので見に行った次第。そして公開が少ないドイツ映画と言うのが一番の理由。シアターで予告編は見ていなくて、壁に貼ってあるポスターを見たくらい。


しかしながら驚いたのはアニアの執念。一目惚れしたオオカミをゲットするためネットで調べた知識を駆使して捕らえることに成功し、自身の住むマンションに連れ帰り部屋で飼い始める。飼うといっても一目惚れした彼はオオカミであって犬ではないから思ったより大変。部屋を破壊し、至る所に汚物をまき散らすオオカミ。そして“変な音や匂いがする!”と近隣者に騒がれても怯むことなくオオカミと暮すアニア。やがて彼と心を通わすことに成功したアニアは仕事にも行かずどんどん野生に目覚めて行く。


アニアとオオカミとのシーンがとてもリアルだと思って見ていたが、CGとかは使わず生のオオカミを使って撮影したらしい。エンドクレジットでオオカミにも名前がついていたけど誰かが飼育している?


本作は「アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男」以前に鑑賞。少ない出演ながら強烈な印象が残った「アイヒマンを追え!~」のヴィクトリア役のリリト・シュタンゲンベルク。ヴィクトリアは黒髪だったが、本作のアニアはダーティ・ブロンド。

ドイツ国内で最も期待される若手女優の一人であるリリト・シュタンゲンベルクはマジで強烈な個性を放つ女優だ。


シネマカリテにて



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by margot2005 | 2017-01-22 19:57 | ドイツ | Trackback | Comments(0)

「アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男」

Der Staat gegen Fritz Bauer…akaThe People vs. Fritz Bauer2016 ドイツ

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1950年代後半の西ドイツ、フランクフルト。検事長フリッツ・バウアーは妻と別居し仕事一筋の生活を送っている。戦後の経済復興が進み、戦争の記憶が風化しようとして行く中、理想主義者のユダヤ人バウアーはナチス戦犯の告発に執念を燃やし続けている。ある日、南米から1通の手紙がバウアーの元へ届く。それには逃亡中のナチス親衛隊中佐アイヒマン潜伏に関する情報が記されていた...


フリッツ・バウアーに「白いリボン/2009」「ゲーテの恋~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~/2010」「23年の沈黙/2010」「コッホ先生と僕らの革命/2011」「パリよ、永遠に/2014」「ヒトラー暗殺、13分の誤算/2015」ブルクハルト・クラウスナー。

カール・アンガーマンに「東ベルリンから来た女/2012」「あの日のように抱きしめて/2014」ロナルト・ツェアフェルト。

ヴィクトリアにリリト・シュタンゲンベルク。

監督、脚本はラース・クラウメ。


アドルフ・アイヒマンを描いた映画と言えば「ハンナ・アーレント/2012」「アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち/2015」2本。それぞれにアルゼンチン、ブエノスアイレスでモサドによって拘束された後、イスラエルで裁判にかけられるアイヒマンを描いている。

本作は1950年代の西ドイツ・フランクフルトを舞台に、ナチス戦犯の告発に執念を燃やす検事長フリッツ・バウアーが、ナチス残党による妨害や圧力にさらされながら孤立無援でアドルフ・アイヒマンを追いつめて行く姿を描く。

検事長バウアーの部下カール・アンガーマンは架空のキャラクターで同性愛者。そしてバウアー自身も同じ嗜好の持ち主で、ドラマでは二人の深い友情も語られる。


アドルフ・アイヒマンの罪をドイツ国内で裁きたいと願うバウアーは国家反逆罪に問われかねない危険も顧みず、単身モサド(イスラエル諜報特務庁)に乗り込み極秘情報を提供する。しかし今だ国内に寄生するナチスの残党からの妨害や圧力にさらされ孤立無援の苦しみを強いられる。


1950年代後半を舞台に描かれる「顔のないヒトラーたち/2014」も、ドイツ国民の間でナチスによるユダヤ人虐殺の事実は面倒な歴史として忘れ去られようとしていたことを案じた一人の検事が奔走し、1963年にアウシュヴィッツ裁判が行われることになったいきさつを描いた映画。このドラマを見た時にやはり「ハンナ・アーレント」を思い起こした。

50年代の西ドイツに熱心な検事がいたからこそアイヒマン裁判やアウシュヴィッツ裁判が行われたのだと感心した次第。


ドイツの名優ブルクハルト・クラウスナーが理想主義者のユダヤ人検事長フリッツ・バウアーを好演している。カール役のロナルト・ツェアフェルトも然り、そういえばちょっと太った?

怪しい女/男を演じるリリト・シュタンゲンベルクが強烈な個性を放っている。リリト・シュタンゲンベルク主演で今公開中の「ワイルド わたしの中の獣/2016」も見てきたのでレビューを書こうと思っている。


ヒューマントラストシネマ有楽町にて



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by margot2005 | 2017-01-21 00:02 | ドイツ | Trackback(2) | Comments(2)

「誰のせいでもない」

「Every Thing Will Be Fine」2015 ドイツ/カナダ/フランス/スウェーデン/ノルウェー

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トマスはカナダ、モントリオール郊外に住む作家。ある冬の夕暮れ、雪道を走っている時丘から突然ソリが滑り降りてくる。慌ててブレーキを踏み車から飛び出す。そこにはうずくまった幼い男の子がいたが幸い怪我はない様子。やがてトマスは男の子を家まで送り届けるが、彼の母親ケイトは、息子クリストファーに“ニコラスは?”と訪ねた後、半狂乱で家を飛び出して行く…


トマスに「オズ はじまりの戦い/2013」「パーフェクト・プラン/2014」のジェームズ・フランコ。

ケイトに「ラブ・トライアングル 秘密/2014」シャルロット・ゲンズブール。

アンに「ミュンヘン/2005」「潜水服は蝶の夢を見る/2007」「隠された日記 母たち、娘たち/2009」「ある神父の希望と絶望の7日間/2014」のマリ=ジョゼ・クローズ。

サラに「アバウト・タイム ~愛おしい時間について~/2013」「スポットライト 世紀のスクープ/2015」レイチェル・マクアダムス。

クリストファーに「インモータルズ -神々の戦い-/2011」のロバート・ネイラー。

トマスの父親に「2012/2009」「小さな命が呼ぶとき/2010」 「パーフェクト・メモリー/2015」のパトリック・ボーショー。

エディターに「フェイク・クライム/2010」「ヘンゼル&グレーテル/2013」のピーター・ストーメア。

監督は「パリ、テキサス/1984」「ベルリン・天使の詩/1987」「アメリカ,家族のいる風景/2005」「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち/2011」のヴィム・ヴェンダース。


一人の男と3人の女の12年間の物語。

トマスは自己中心で恋人サラとの間に子供はいない。サラは子供を切に望んでいるがトマスは欲しいとは思っていない。彼は小説家として大成することが一番なのだ。サラは常にトマスを気遣うがトマスはそうではなく、別れたいとも思っている。そんな折事故が起こる。

事故はトマスのせいではないものの心に大きな傷ができ、ぎくしゃくしていたサラとの仲は壊れてしまう。やがてトマスは書くことによって自らの責任と向き合おうと考え始める。


出来上がった小説を携えエディターを訪ねるトマス。帰りのエレベーターの中でフランス語の翻訳をしている編集者アンと出会う。

そして事故が忘れられないトマスは、雪も溶けたある日、事故現場に現れクリストファーの母親と再会する。“何しに来たの?”と聞くケイトに”今一度現場を見ておきたかった。”と答えるトマス。そして“何か助けになることがあればいつでも連絡してくれ!”と電話番号を渡して去って行く。


トマスを家に呼び暖炉の火で本を燃やすケイト。ケイトはトマスに“フォークナーは好き?”と聞く。“好きでも嫌いでもない。”と答えるトマス。ケイトは本に夢中になり子供たちが外で遊んでいるのに注意を払わなかった自分を責めている。彼女が暖炉で燃やした本はきっと夢中になって読んでいたフォークナーの本に違いない。


そういえばケイトもアンもシングル・マザー。トマスはおそらくどちらかの女性と結ばれるだろうな?と思っていたが、それはアンだった。

ひょっとしてケイト?なんて思ったけどケイトじゃ出来過ぎだし…。


成長したクリストファーとトマスが対決するシーンが少々不気味。クリストファーがリュックから本を取り出す前のトマスの表情は固まっていた。私自身もひょっとして銃が出てくる...なんて妄想にとらわれた。

留守中邸宅に忍びこみ破廉恥な行いをしたクリストファーを許すトマス。そしてそれに繋がる大ラス...

トマスの笑顔がタイトルの“全てうまくいくさ/何も問題はない”を表現していてとても素敵なエンディングだった。


とにかくこのようなセンシティヴな役柄のジェームズ・フランコは初めて見た。

シャルロット・ゲンズブール、マリ=ジョゼ・クローズ、レイチェル・マクアダムスと3人の女優がそれぞれに光っている。ジェームズ・フランコはもちろん素晴らしい。

2Dで鑑賞。3Dにする必要があったとは思えないけど…。


ヒューマントラストシネマ渋谷にて



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by margot2005 | 2016-11-15 23:56 | ドイツ | Trackback | Comments(0)

「帰ってきたヒトラー」

「Er ist wieder da」…aka「Look Who's Back」2015 ドイツ
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1945年に自殺したはずのアドルフ・ヒトラーが2014年のベルリンの街に現れる。キオスクの店主からヒトラーそっくりの人物がいるという話を聞いたファビアン・ザヴァツキは首を言い渡されたばかりのTV番組のフリーランスのディレクター。ザヴァツキは元上司であるTVディレクター、クリストフ・ゼンゼンブリンクを訪ね、アドルフ・ヒトラーのそっくりさんを物まね芸人として売り出そうと持ちかける...

アドルフ・ヒトラーにオリヴァー・マスッチ。
ファビアン・ザヴァツキにファビアン・ブッシュ。
クリストフ・ゼンゼンブリンクにクリストフ・マリア・ヘルプスト。
カッチャ・ベリーニにカッチャ・リーマン。
クロマイヤー嬢にフランツィスカ・ヴルフ。
監督、脚本はダーヴィト・ヴネント。

風刺の効いたブラック・コメディはティムール・ヴェルメシュが2012年に発表した風刺小説で、ドイツではベストセラーになったそう。

TVに物まね芸人として登場したアドルフ・ヒトラーのそっくりさんは瞬く間に視聴者を虜にしてしまう。
ドイツの現首相メルケルをデブのおばさん呼ばわりしたり、若者は役立たずばかりだ!と言い放ち、自らのプロパガンダを力説するヒトラーのそっくりさん。しかし彼を一目見ようとブランデンブルク門には人だかりができる。そう彼の人気はうなぎ登りに上昇していく!

TV局に勤めるクロマイヤー嬢の祖母がユダヤ人で、彼女以外の家族は全てナチスによって虐殺されていた。そんな彼女はヒトラーを一目見て、“彼は物まね芸人なんかじゃない!”と激怒するシーンがあり興味深い。

ファビアン・ザヴァツキは1945年に自殺したヒトラーが、正にその場所から現れたことを知り、2014年のベルリンの街に本当にタイムスリップしたと確信する。しかし誰も彼の話を信じず精神を病む病院に隔離されてしまう、あのオチは強烈だった。
相反してヒトラーを利用して大もうけに成功した元TV製作会社副社長カッチャ・ベリーニが、ヒトラーと共にオープンカーに乗ってベルリンの壁の側を悠然と走るラスト・シーンは圧倒的。

こんな映画作って良いのか?と思ったりもしたが、ヒトラーをちゃかした「わが教え子、ヒトラー/2007」というブラック・コメディもあるくらいだから、ドイツ人の懐の深さには脱帽する。
アドルフ・ヒトラーを演じた俳優オリヴァー・マスッチの素顔はヒトラーに似てないらしいが、身振りや話し方はかなりイケてる。

TOHOシネマズ・シャンテにて
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by margot2005 | 2016-07-14 01:02 | ドイツ | Trackback(3) | Comments(2)