カテゴリ:フランス( 278 )

「ヴィオレット-ある作家の肖像-」

「Violette」2013 フランス/ベルギー
a0051234_2343625.jpg

実在の作家ヴィオレット・ルデュックと彼女の才能を見いだし支え続けたシモーヌ・ド・ボーヴォワールの実像を描いた伝記ドラマ。

ヴィ オレット・ルデュックに「キングス&クイーン/2004」「クリスマス・ストーリー/2008」「ココ・アヴァン・シャネル/2009」「風にそよぐ草/2009」「もうひとりの息子/2012」のエマニュエル・ドゥヴォス。
シモーヌ・ド・ボーヴォワールに「プチ・ニコラ/2009」「屋根裏部屋のマリアたち/2010」「シャンボンの背中/2009」「プレイヤー/2012」「愛して飲んで歌って/2014」のサンドリーヌ・キベルラン。
ジャック・ゲランに「息子のまなざし/2002」「ゴー・ファースト 潜入捜査官/2008」「ジャック·メスリーヌ フランスで社会の敵(パブリック·エネミー)No.1と呼ばれた男 Part1/ Part2/2008」「サンドラの週末/2014」のオリヴィエ・グルメ。
ベルトに「人生は長く静かな河/1988」のカトリーヌ・イーゲル。
ジャン・ジュネに「恋は足手まとい/2005」「譜めくりの女/2006」「マルセイユの決着/20007」のジャック・ボナフェ。
モーリス・サックスにオリヴィエ・ピー。
エルミーヌに「隠された記憶/2005」「17歳/2013」のナタリー・リシャール。
ルネに「テレーズの罪/2011」のスタンレー・ヴェベール。
監督、脚本は「セラフィーヌの庭/2008」のマルタン・プロヴォ。

シモーヌ・ド・ボーヴォワールは知っているがヴィオレット・ルデュックは全く知らないフランスの作家で、30代の終わりに処女作を発表し60代で亡くなっている。とても不遇な作家であったようだ。私生児として生まれ、母親に疎まれて育ち、恋人にも去られたヴィオレットは堪え難い思いを文章に託していく。

第二次世界大戦後のパリ。闇商売で生計をたてるヴィオレットは貧しい生活を送っていた。シモーヌ・ド・ボーヴォワールの小説に魅せられいたヴィオレットは、ある日、書き上げた小説を携え強引にも彼女のアパルトマンを訪ねる。手渡された小説を読んだボーヴォワールはヴィオレットの才能を高く評価し、“もっと掘り下げて語るの!”と助言する。

ヴィオレットはボーヴォワールやゲラン(香水の)から援助を受け終始執筆活動に励んだ。自らの生と性を赤裸々に描写する彼女の作風は当時の社会からは全く受け入れてもらえない。悩み傷つき果てた末精神に異常をきたして入院していた時期もあった。しかしヴィオレットは書くことによって人生に喜びを見いだしたのだ。

昨年見たのにすっかり忘れていた一作。ヴィ オレット・ルデュックも知らないし、ドラマは固苦しくて眠りに誘われそうだったがなんとか最後まで見た。
エマニュエル・ドゥヴォスは元々美人系ではないが、つけ鼻をしてますます醜い女性に扮している。さすがの女優魂!
ボーヴォワールを演じたサンドリーヌ・キベルランが凛とした魅力たっぷりで、こんな彼女は初めて見たがボーヴォワール役似合っていた。
1940年代のパリと、後にヴィオレットが移り住んだ南フランスの景色が美しい。

岩波ホールにて 2/12まで上映
[PR]
by margot2005 | 2016-02-04 23:55 | フランス | Trackback | Comments(4)

「あの頃エッフェル塔の下で」

「Trois souvenirs de ma jeunesse」…aka「My Golden Days」2015 フランス
a0051234_021550.jpg

a0051234_044333.jpg
a0051234_00251.jpg
a0051234_024474.jpg

人類学者で外交官でもあるポール・デダリュスは長い外国暮らしに幕を閉じ故郷のフランスへ帰国する。しかし空港でパスポートに問題ありと入国を拒否される。やがて取調官が現れポールは過去を語り始める...

ポール・デダリュスにカンタン・ドルメール。
エステルにルー・ロワ=ルコリネ。
ポール・デダリュス(大人)に「カミーユ、恋はふたたび/2012」のマチュー・アマルリック。
ポールの父親アベル・デダリュスに「キングス&クイーン/2004」「96時間/2008」「君を想って海をゆく/2009」「神々と男たち/2010」「ラブ・クライム 偽りの愛に溺れて/2010」「96時間/リベンジ/2012」のオリヴィエ・ラブルダン。
ポールの弟イヴァン・デダリュスにラファエル・コーエン。
ポールの妹デルフィーヌ・デダリュスにリリー・タイエブ。
取調官に「パリよ、永遠に/2014」のアンドレ・デュソリエ。
ソ連のポールの恋人イリーナに「やさしい嘘/2003」「愛について、ある土曜日の面会室/2009」「愛、アムール/2012」「1001グラムハカリしれない愛のこと/2014」のディナーラ・ドルカーロワ。
コヴァルキにピエール・アンドロー。
コヴァルキ(大人)に「ビッグ・ピクチャー 顔のない逃亡者/2010」のエリック・リュフ。
監督、脚本は「キングス&クイーン/2004」「クリスマス・ストーリー/2008」「ジミーとジョルジュ 心の欠片を探して/2013」のアルノー・デプレシャン。

パスポートは偽物と言う事実を突きつけられポールは過去に思いを馳せる。
精神に異常をきたし自殺を図った母親。妻の死から立ち直れない父親アベル。やがてソリが合わなくなった父親とポールは絶縁状態となる。しかしポールにはとても仲の良い弟イヴァンと妹デルフィーヌがいた。
思い起こせば高校時代親友とソ連へスリリングな旅をした際パスポートを盗まれたと偽り再発行申請していた。だがそのパスポートはユダヤ人青年を助けるため彼に与えたもので、ポール・デダリュスはユダヤ人に取って代わっていたのだ。高校生活に戻ったポールはデルフィーヌの同級生エステルと出会い恋に落ちる。卒業後ポールは憧れのパリ大学に進学するがエステルは故郷 ルーベに残ることになる。

恋人を取るか仕事を取るか?との究極の選択に迫られたポールは仕事を選ぶ。こういったシチュエイションに置かれた時の人ってスゴくツライだろうな?と感じる。ラスト近くでポールがずっとエステルを愛していたことが語られあっと思った。
パリに戻ったポールがオペラを鑑賞した劇場で偶然にもコヴァルキと再会する。中年になったエステルも登場するのか?とも思ったけど…やはり出てこなかった。スクリーンが青春時代のポールに戻る大ラスはとても良かったな。
邦題の「あの頃エッフェル塔の下で」は全くタイトルにふさわしくない。エッフェル塔の下の二人が映ったのは確か一回だけだったと思うけど…。

本作は「そして僕は恋をする/1996」と同じ役 名でアルノー・デプレシャンとマチュー・アマルリックがコンビを組んだという。「そして僕は恋をする」は未見なので是非見てみたい。
こうして見るとデプレシャン監督はマチューが相当好きらしい。

マチュー大好きなので楽しみにしたいた一作ながら中々見に行けなくてやっと見れた。
ドラマはポールの若い頃を中心に描いているのでマチューの出番は少ない。
若いポールを演じるカンタン・ドルメールと、恋人エステル役のルー・ロワ=ルコリネには初めてお目にかかった。ルーのキュートさは若かりし頃のブリジット・バルドーを彷彿とさせる(顔のみ)。

Bunkamura ル・シネマにて
[PR]
by margot2005 | 2016-01-21 00:15 | フランス | Trackback(2) | Comments(0)

「メニルモンタン 2つの秋と3つの冬」

「2 automnes 3 hivers」…aka「2 Autumns, 3 Winters」2013 フランス
a0051234_23264144.jpg
a0051234_23261088.jpg
a0051234_23255950.jpg
a0051234_2325479.jpg
a0051234_23253278.jpg
a0051234_23251630.jpg

パリに暮らすアラサー男アルマンの2つの秋と3つの冬を描いたコメディ・ドラマ。

アルマンに「やさしい人/2013」のヴァンサン・マケーニュ。
アメリに「アデル、ブルーは熱い色/2013」のモード・ウィレール。
バンジャマンに「わたしたちの宣戦布告/2011」のバスティアン・ブイヨン。
カティアに「消えたシモン・ヴェルネール/2010」のオドレイ・バスティアン。
監督、脚本はセバスチャン・ベベデール。

“仕事をみつける。運動をはじめる。タバコをやめる。”と決意した33歳のアルマン。そんなある日、公園でジョギング中アメリというチャーミングな女性と出会う。一目惚れした彼は“又会いたい!”一心で新しいトレーニング・スーツを買いそろえ再び公園を走り回るが彼女は現れずでがっくり。そしてある夜、ボルドーの美大時代の親友バンジャマンと映画を見て別れた後、突然女性の悲鳴が響き渡り駆けつける。暴漢に襲われそうになっていた女性は何とあのアメリだった。
アルマンは暴漢に襲われるアメリを助けたことから恋が始まり、バンジャマンは突然倒れた脳梗塞のリハビリで出会った理学療法士カティアとの恋が始まる。

メニルモンタンはパリ20区にある街の名前。
映画サイトの評価はかなり高い(フランス映画祭2014上映作品)はシアターがガラガラ(平日夕方の回で確か4人だった)で驚いた。本作を見たのはただただヴァンサン・マケーニュの出演に惹かれたから…。
時折スクリーンにアルマン、バンジャマンとアメリが交代で現れ、観客に語るように自らの境遇を話し始める。あの描き方はかなりユニーク。しかし淡々と進む展開に少々眠くなったのも本当のこと。

「やさしい人」の主人公もそうだったけど、ヴァンサン・マケーニュは冴えなくてうだつの上がらない男が完璧にまで似合う。
コメディ・ドラマに分類されているけど笑えるドラマではない。
「女っ気なし」は未見なので是非見てみたい。

シアター・イメージフォーラムにて
[PR]
by margot2005 | 2015-12-28 00:24 | フランス | Trackback(1) | Comments(0)

「SAINT LAURENT サンローラン」

「Saint Laurent」2014 フランス/ベルギー
a0051234_2355784.jpg

a0051234_0271322.jpg
a0051234_0265954.jpg
a0051234_0265159.jpg
a0051234_0264473.jpg

a0051234_2355249.jpg

天才デザイナー、イヴ・サンローランの激動の10年を描いた伝記ドラマ。

イヴ・サンローランに「パリ、ジュテーム/2006」「約束の葡萄畑 あるワイン醸造家の物語/2009」のギャスパー・ウリエル。
ピエール・ベルジェに「最後のマイウエイ/2012」のジェレミー・レニエ。
ジャック・ド・バシャールに「ドリーマーズ/2003」「愛の残像/2008」「美しい人/2008」「灼熱の肌/2011」「愛のあしあと/2011」「ジェラシー/2013」のルイ・ガレル。
ルル・ドゥ・ラファレーズに「007 スペクター/2015」のレア・セドゥ。
ベティー・カトルにエメリーヌ・ヴァラーデ。
アニー・マリー・ムニョスに「シルヴィア/2003」「100歳の少年と12通の手紙/2009」のアミラ・カサール。
ドゥーザー夫人に「ミュンヘン/2005」 「ぼくを葬る/2004」「明日へのチケット/2005」「華麗なるアリバイ/2007」「家の主たち/2012」「ローマに消えた男/自由に乾杯!/2013」のヴァレリア・ブルーニ・テデスキ。
イヴの母親リュシエンヌに「やさしい女/1969」「マッキントッシュの男/1972」「クリムゾン・リバー/2000」のドミニク・サンダ。
タリタに「輝ける青春/2003」「イタリア的、恋愛マニュアル/2005」「カイマーノ/2006」「いつか行くべき時が来る/2012」のジャスミン・トリンカ。
晩年のイヴ・サンローランに「地獄に堕ちた勇者ども/1969」「ルードウィヒ/神々の黄昏/1972」「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト/2013」のヘルムート・バーガー。
監督、脚本、音楽は「メゾン ある娼館の記憶/2011」のベルトラン・ボネロ。

映画はサンローランがホテルに泊まるシーンから始まる。
ファッション界に君臨するイヴ・サンローランは日々創造の苦しみとスランプ、そして激しい愛の葛藤を抱えていた。悩めるイヴ・サンローランといた趣のドラマである。
映画は「イヴ・サンローラン」と同じく美しくて華麗なるファッションに目が釘付け。そして本作ではサンローランの実像にかなり迫っているという。

レビューにも書いたが「イヴ・サンローラン/2014」公開の際、イヴ役はてっきりギャスパー・ウリエルだと思っていたところピエール・ニネがサンローラン役だった。本作と「イヴ・サンローラン」の製作は同年で間違ったのも不思議ではない。

ピエール・ニネ版はピエール・ベルジェの出番も多いが、本作はイヴ中心に10年間に焦点を当てて描いている。晩年のイヴを演じるのはあのヘルムート・バーガー。でもぜんぜん似てなくてミスキャスト??
本作のピエール・ベルジェ役はジェレミー・レニエで、ピエール・ニネ版のギヨーム・ガリエンヌの方がぴったりした気がする。でもイヴ役はピエール・ニネもギャスパー・ウリエルどちらも甲乙つけがたい。二人ともイヴに成りきっていて素晴らしい。

ギャスパー・ウリエル映画は久方ぶり。彼の映画は日本で公開されない様子。
イヴの愛人を演じるルイ・ガレルの老けぶりに驚き。以前は美青年だったこの方年々ヒドくなって行く。かつてパートナーだったうーんと年上のヴァレリア・ブルーニ・テデスキとは別れたみたいだけど…。
ルル役のレアがキュート。ドミニク・サンダが懐かしい。
フランス映画のわりには150分と長いが決して長くは感じず“イヴ・サンローラン”の過激な生き様に浸った。

TOHOシネマズ・シャンテにて
[PR]
by margot2005 | 2015-12-26 00:45 | フランス | Trackback(2) | Comments(0)

「ムーン・ウォーカーズ」

「Moonwalkers」2015 フランス
a0051234_22585937.jpg

a0051234_23263312.jpg

1969年、アメリカ合衆国。CIAエージェントのキッドマンはベトナム戦争帰りでPTSDに悩まされる日々を送っている。そんなキッドマンにCIA本部から極秘任務のミッションが言い渡される。それはアポロ11号の月面着陸は是が非でも成功させねばならないNASAの使命。しかしもし成功しなかった場合の保険として「2001年宇宙の旅/1968」を監督したスタンリー・キューブリックに偽映像の作成を依頼し、秘密保持のため製作に関わった人物を全て抹殺せよ!というとんでもない指令だった。
一方でロンドンに住むジョニーは売れないバンドのマネージャーで借金地獄に陥っている。バンドのリードボーカル、ポールにクビを言い渡されたジョニーは従兄弟でエージェントのデレク・ケイに借金を申し込みに行き、そこでキッドマンと出くわす…

キッドマンに「ドライヴ/2011」のロン・パールマン。
ジョニーに「ハリー・ポッター、シリーズ/2001~2011」「バレット・オブ・ラヴ/2013」のルパート・グリント。
レオンに「シャドウハンター/2013」のロバート・シーハン。
ジョニーの従兄弟でエージェントのデレク・ケイに「バンク・ジョブ/2008」のスティーヴン・キャンベル・ムーア。
ミュージシャン、ポールに「ロシアン・ドールズ/2005」「フランス、幸せのメソッド/2011」のケヴィン・ビショップ。
前衛映画監督レナータスにトム・オーデナールト。
レナータスの秘書にジーン・アブラハム。
監督、原案はアントワーヌ・バルドー=ジャケ。

借金まみれのバンド・マネージャーにベトナム帰りで、PTSDを患うCIAエージェント。そして偽物スタンリー・キューブリックに前衛映画監督。
レナータスによる“月でのムーンウオーク”の撮影シーンから、CIAとギャングの銃撃戦に至るまで最高の盛り上がりを見せ、ドラッグまみれの虚構の世界はとことんふざけている。

“アポロ11号の月面着陸は嘘だった!?”という説があるらしい。人類が初めて月の上を歩いたのだからひょっとしてヤラせかも?なんて…。
だからこういった映画を作ろうと考える輩(原案者アントワーヌ・バルドー=ジャケ)がいたわけだ。

人類初の有人火星探査宇宙船カプリコン1号が火星に行ったという事実の捏造を行う飛行士たちの姿を描いた映画「カプリコン・1/1977」を思い出した。

オープニングのアニメーションや、60年代のファッションや音楽が興味深い。前衛映画監督レナータスの取り巻きたちの、酒、マリファナ&nudeの世界がスゴい。
こんなにふざけた映画を見たのは初めてかも知れないが、意外に楽しんでしまったかも知れない。

シネマカリテにて(12/11迄上映)
[PR]
by margot2005 | 2015-12-08 23:17 | フランス | Trackback | Comments(0)

「カミーユ、恋はふたたび」

「Camille redouble」2012 フランス
a0051234_23162162.jpg
a0051234_23161391.jpg
a0051234_2315543.jpg

パリに住む女優のカミーユは、25年連れ添った夫エリックが若い娘に夢中になり離婚を迫ってきたことにムカつきの日々。あるパーティの夜飲み過ぎた上転倒し病院へ運ばれる。意識が戻り気がつくと、彼女の人生はいきなりタイムスリップして高校生に戻っていた…

監督、脚本、出演(カミーユ)に「ぼくの妻はシャルロット・ゲンズブール/2001」「キングス&クイーン/2004」「マリー・アントワネットに別れをつげて/2012」のノエミ・ルボフスキー。
エリックに「トランスポーター イグニション/2015」のサミール・ゲスミ。
カミーユのクラスメート、ジョセファに「ヴェルサイユの子/2008」のジュディット・シュムラ。
同じくアリスにインディア・エール。
同じくルイーズに「世界でいちばん不運で幸せな私/2003」のジュリア・フォール。
カミーユの母親に「パリ、ジュテーム/2006」「セラフィーヌの庭/2008」「ミックマック/2009」「ゲンズブールと女たち/2010」「危険なプロット/2012」のヨランド・モロー。
カミーユの父親に「ボン・ヴォヤージュ/2003」「ダニエラという女/2005」「モンテーニュ通りのカフェ/2006」「風にそよぐ草/2009」「愛して飲んで歌って/2014」のミシェル・ヴュイエルモーズ。
物理教師アルフォンスに「隠された記憶/2005」「サガン-悲しみよこんにちは-/2008」「愛の残像/2013」のドゥニ・ポダリデス。
エリックのクラスメート、ヴァンサンにヴァンサン・ラコスト。
ムッシュ・デュポン(時計屋)に「大人は判ってくれない/1959」「ドリーマーズ/2003」「ル・アーヴルの靴みがき/2011」のジャン=ピエール・レオ。
フランス文学教師に「青の寝室/2014」のマチュー・アマルリック。

中年のおばさんが飲み過ぎて病院へ運ばれる。やがて目を覚ますが、彼女の前に現れたのは亡くなったはずの両親。何がなんだかわからないまま両親の家に落ち着いたカミーユは学校へと送り出される。学校ではかつての親友たちが待っていた。そして自分を捨てた夫エリックも…。
カミーユは40代のおばさんながら周囲からは16歳の高校生に見えるらしい。猛烈な違和感を覚えながらも、大好きだった両親や友人たちと二度目の青春を謳歌しようと考える。しかし彼女の前にエリックが現れ猛烈にアタックして来る。

不仲の夫婦が青春にタイムスリップし、再び過去を経験して真実の愛を取り戻すハートフルなファンタジー・ドラマ。
撮影時、カミーユとエリックを演じる俳優は共に40代。カミーユの友人たちは20代と30代。カミーユはもちろん浮いているが、他の俳優たちは高校生役が意外に違和感なくてドラマに溶け込んでいる。

キャスリーン・ターナー&ニコラス・ケイジの「ペギー・スーの結婚/1986」と言う映画を見たことがある。浮気まみれの夫と別居中の妻が高校時代にタイムスリップして若き日の夫と出会い真実の愛を確認する…といった展開は本作とほぼ同じ。「ペギー・スーの結婚」はかなり素敵な映画だった。本作はまぁまぁかな?
ノエミ・ルボフスキーには「マリー・アントワネットに別れをつげて」でのカンパン夫人役が記憶に残っていたので、16歳の高校生役が笑える。
マチューはワンシーンにしか出演していなくて残念。

シネカリテにて(既に上映終了)
[PR]
by margot2005 | 2015-12-04 23:25 | フランス | Trackback | Comments(0)

「エール!」

「La famille Bélier」…aka「The Bélier Family」2014 フランス/ベルギー
a0051234_23322424.jpg
a0051234_233218100.jpg
a0051234_2332794.jpg
a0051234_23315871.jpg
a0051234_23314754.jpg

フランスの田舎町で酪農を営むベリエ家。家族の中で話せるのは娘のポーラただ一人で、両親と弟は耳が不自由。高校に通うポーラは両親の仕事上の耳ともなり忙しい日々を過ごしている。そんなある日、音楽教師から歌の才能を見いだされたポーラは、パリで催される音楽学校のオーディションを受けないかと薦められる…

ジジ・ベリエに「美しき運命の傷痕/2005」「PARIS(パリ)/2007」「しあわせの雨傘/2010」「パリ警視庁:未成年保護特別部隊/2011」「愛の犯罪者/2013」のカリン・ヴィアール。
ロドルフ・ベリエに「プチ・ニコラ/2009」「ハートブレイカー/2010」「タンゴ・リブレ 君を想う/2012」のフランソワ・ダミアン。
ポーラ・ベリエにルアンヌ・エメラ。
カンタン・ベリエにリュカ・ゲルベルグ。
音楽教師トマソンに「あの夏の子供たち/2009」「ゲンズブールと女たち/2010」のエリック・エルモスニーノ。
ポーラの友人マチルドにロクサーヌ・デュラン。
ポーラの同級生ガブリエルにイリアン・ベルガラ。
監督、脚本は「プレイヤー/2012」のエリック・ラルティゴ。

シアターで何度も、何度も予告編を見ていたが、映画は予告編通りのとてもハートフルな、コメディ要素たっぷりなファミリー・ドラマだった。
耳の不自由な両親と弟のために手話を交えながらポーラが歌うシーン…観客にも音を聞かせないよう一時サイレント状態になる。それはとてもニクい演出で感動を呼ぶ。酪農一家が主人公とは農業国フランスらしくて素敵。

世の中にこんな良い子いるの?と思うくらい良い子ちゃんのポーラ。両親が気がかりな娘と、娘の将来を思う両親。少々出来過ぎながら、深い家族愛があふれるドラマに感動する。
本作はフランスで大ヒットしたと言う。個人主義のフランス人でも愛情深い家族のドラマには弱いんだと知った次第。

ポーラ・ベリエ役のルアンヌ・エメラはシンガーだそう。どうりで歌上手いはず。本作が映画デビューとのこと。ちょっと太めで愛くるしいところが田舎娘ポーラ役にぴったり。
ルアンヌ・エメラももちろんナイスなキャスティングだけど、ロドルフ&ジジ夫婦役の、フランソワ・ダミアン&カリン・ヴィアールが最高!耳の不自由なキャラを実に楽しく演じている。
カリン・ヴィアールは「愛の犯罪者」での屈折したマダム役より、こういった騒々しいキャラが実似合う女優。
「タンゴ・リブレ 君を想う」で究極に優しい男を演じたフランソワ・ダミアンが、本作では妻を愛してやまない夫を好演していてまたまた素敵。

シネリーブル池袋にて
[PR]
by margot2005 | 2015-11-19 23:44 | フランス | Trackback(3) | Comments(0)

「トランスポーター イグニション」

「The Transporter Refueled」 2015 フランス/中国/ベルギー
a0051234_205090.jpg

a0051234_20432010.jpg
a0051234_2043107.jpg
a0051234_2043372.jpg

ある日、運び屋フランクが謎の美女アンナの依頼を受ける。運ぶブツは約束とは違う3人の美女。やがてフランク、シニアも加わり巨大犯罪組織に立ち向かう...

フランク・マーティンにエド・スクライン。
フランク・シニアに「ROME [ローマ]/2005~2007」「三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船/2011」のレイ・スティーヴンソン。
アンナにロアン・シャバノル。
ジーナにガブリエラ・ライト。
マリアにタティアナ・パイコヴィッチ。
キャオにウェンシア・ユー。
巨大犯罪組織のカラゾフに「シャネル&ストラヴィンスキー/2009」「愛のあしあと/2011」「黒いスーツを着た男/2012」のラシャ・ブコヴィッチ。
監督は「フルスロットル/2014」のカミーユ・ドゥラマーレ。
製作、脚本、キャラクター創造に「The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛/2011」のリュック・ベッソン。

ジェイソン・ステーサムの“トランスポーター、シリーズ”の大ファン。シリーズ最後の「トランスポーター3 アンリミテッド/2008」は2009年上映で、もうそのような時がたったのかと…ジェイソンが年とったのも納得。
フランソワ・ベルレアン演じるフランス警察のインスペクター、タルコニとジェイソン、フランクのコンビがとても良かった。
今回はフランクと彼のパパがコンビ。フランク、エドは最高にクールなのだけど、パパ役のレイ・スティーヴンソンの存在が大きくて少々霞んでしまっているのが悲しい。「ローマ」~かれこれ10年。レイ・スティーヴンソンがあんな大きな息子のパパ役とは年齢的に合わないものの、意外に親子役は違和感なし。

車のトランクから新しいシャツを取り出し着替えるシーンは毎度おなじみのフランクのsexyな姿でうっとりする。
巨大犯罪組織から巨額な€をせしめたアンナが、ジーナ、マリア、キャオ3人の家族に送金するさまは痛快だった。あのあり得ない世界は?リュック・ベッソンの世界?

ジェイソン版もスタイリッシュだったけど、こちらもとってもスタイリッシュな展開で楽しめる。“トランスポーター、シリーズ”は映像作品の年齢制限などもうけていないながら、きっちりと大人の鑑賞に答えてくれるところが嬉しいが、それもリュック・ベッソンの世界。

ジェイソン・ステーサムが飛び板飛び込みの元オリンピック代表に対し、エド・スクラインはイギリス海峡を泳いだスイマー。二人ともナイスなバディはスイミングのおかげかも知れない。
エド・スクラインは今回初めてお目にかかった英国人俳優。彼が出演する「タイガー・ハウス/2015」をヒューマントラストシネマ渋谷で上映していた(期間限定レイトショー公開)…残念見に行けば良かった。

新宿バルト9にて
[PR]
by margot2005 | 2015-11-17 20:47 | フランス | Trackback(4) | Comments(0)

「アクトレス ~女たちの舞台~」

「Clouds of Sils Maria」2014 フランス/ドイツ/スイス
a0051234_09475.jpg
a0051234_09242.jpg
a0051234_091359.jpg
a0051234_09434.jpg
a0051234_085190.jpg
a0051234_084384.jpg

ヴァレンティンはチューリッヒに向かう特急列車の中で常に携帯電話で話している。彼女は大女優マリア・エンダースの個人秘書でマリアのスケジュール調整におおわらわなのだ。マリアは自分を発掘してくれた劇作家、ヴィルヘルム・メルヒオールの代わりに、彼の功績を称える賞を受け取るためチューリッヒに向かっている。ヴァレンティンは私生活においてもマリアを助けなくてはならない存在。そんな折、ヴィルヘルム・メルヒオールが71歳で亡くなったとの知らせが入る...

マリア・エンダースに「おやすみなさいを言いたくて/2013」のジュリエット・ビノシュ。
ヴァレンティンに「イン・トゥ・ザ・ワイルド/2007」「ニュームーン/トワイライト・サーガ/2009」「スノーホワイト/2012」「オン・ザ・ロード/2012」「アリスのままで/2014」のクリステン・スチュワート。
ジョアン・エリスに「キック・アス/2010」「キャリー/2013」のクロエ・グレース・モレッツ。
演出家クラウスに「HELL/2011」のラース・アイディンガー。
俳優ヘンリク・ヴァルトにハンス・ツィジシュラー。
ジョアンのボーイフレンド、クリストファーに「ブルックリンの恋人たち/2014」のジョニー・フリン。
監督、脚本は「クリーン/2004」「パリ、ジュテーム/2006」「夏時間の庭/2008」のオリヴィエ・アサヤス。

大女優マリア・エンダースを演じるジュリエット・ビノシュの貫禄に圧倒される。メイクをしてシャネルのドレスを纏いウイッグをつけた時と、ノーメイクにTシャツにパンツ姿のマリア。女優の大変身ぶりをジュリエットが見せてくれる。
マリア役のジュリエット・ビノシュはもちろんながら、彼女の個人秘書ヴァレンティン役のクリステン・スチュワートがとても良かった。貫禄のジュリエット・ビノシュに抵抗するかのようにナイスだ。

ドラマの中で“マローヤのヘビ”の舞台台本を読み合うシーンは、ヘレナ対シグリッドなのだけど、一瞬、マリア対ヴァレンティンに見え奇妙な錯覚を覚えることしばしばだった。あの二人のシーンは素晴らしい展開だった。
スキャンダルまみれでパパラッチに追いかけ回されるハリウッド女優ジョアン・エリス。演じるクロエ・グレース・モレッツは本人そのまんまのイメージで中々素敵なキャスティング。
クリステン・スチュワートのセザール賞助演女優賞受賞も納得の演技。“トワイライト”シリーズの彼女が飛んでしまっている。

若い頃憧れた俳優ヘンリク・ヴァルトと、今や大女優となったマリア…かつては誘惑されることに喜びを覚えたマリアが、ヘンリクに辟易している。二人の出会いと会話が面白い。
映画の中でクロエ・グレース・モレッツとジョニー・フリンのサプライズなカップルが楽しめる。ジョニー・フリンの出番が少なくて残念だったけど...。
そして何といってもラスト大自然の中“マローヤのヘビ”と呼ばれる気象現象(雲の流れ)が素晴らしく美しい!

シネマカリテにて
[PR]
by margot2005 | 2015-11-11 00:17 | フランス | Trackback(5) | Comments(2)

「バード・ピープル」

「Bird People」2014 フランス
a0051234_2229616.jpg
a0051234_22285672.jpg
a0051234_22284787.jpg
a0051234_22283980.jpg
a0051234_22283178.jpg
a0051234_2228224.jpg
a0051234_22281495.jpg
a0051234_2228461.jpg

“鳥になった。私が見えた。― 境界線なんて、やすやすと超えられる!”

ゲイリーに「いまを生きる/1989」「S.W.A.T./2003」「アフターライフ/2009」のジョシュ・チャールズ。
オドレーに「美しい人/2008」「キリマンジャロの雪/2011」「テレーズの罪/2011」「間奏曲はパリで/2013」「彼は秘密の女ともだち/2014」のアナイス・ドゥムースティエ。
ホテルのフロント係シモンに「チャップリンからの贈りもの/2014」のロシュディ・ゼム。
オドレーの友人レイラに「恋のベビーカー大作戦/2012」のカメリア・ジョルダナ。
画家アキラにタクリート・ウォンダラー。
フランスのクライアント、ヴァンジェに「パリ、ジュテーム/2006」「クリスマス・ストーリー/2008」「ユキとニナ/2009」「大統領の料理人/2012」「愛して飲んで歌って/2014」のイポリット・ジラルド。
顧問弁護士ドン・マッカランに「S.W.A.T.(監督)」のクラーク・ジョンソン。
ゲイリーの妻エリザベスに「フォーン・ブース/2002」「メリンダとメリンダ/2004」「エンド・オブ・ホワイトハウス/2013」のラダ・ミッチェル。
監督は「レディ・チャタレー/2006」のパスカル・フェラン。
ナレーションはマチュー・アマルリック。

オドレーは住まいのあるアパルトマンからバスとSNCF(フランス国鉄)のRERに乗り、片道1時間もかけてシャルル・ド・ゴール空港にある勤務先ヒルトン・ホテルに通っている。本来は大学生だが現在休学中で、父親や職場には内緒にしている。
オドレーの仕事はホテルの客室掃除。変わり映えしない日々にうんざりしながらも頼まれれば残業してやり過ごしている。

一方でアメリカからパリにやって来たゲイリーはシリコンバレーにあるIT企業のアイランド社で働く有能ビジネスマン。今日はパリ、明日はドバイとスケジュールはぎっしり。このような日々が毎日死ぬまで続くなんて耐えられないと感じている。
やがて彼は突如行動を起こす。電話で会社に辞職を伝え、妻にはスカイプで別れを告げたのだ。

ドラマの始めのRERで乗客が話す(愚痴とか色々...)シーン。そしてホテルの玄関でゲイリーと立ち話をするシモン。シモンも私生活に問題があったりして、人間誰しも生きていれば何らかの悩みや問題を抱えているものだ。

実はドラマの展開に盛り上がりがなく、途中で眠気に襲われそうになったが(少々鼻声ぎみのマチュー・アマルリックの優しいフランス語が耳に心地よくて...)、オドレーが自由に飛び回れるスズメに変身してからスクリーンから目が離せなくなり、見終わってなんだか心が洗われたような気がした。
全く接点のない二人が出会う大ラス。ゲイリーとオドレーが“Enchante!”“Nice to meet you!"と交わすシーンがTrès Bien!

デヴィッド・ボウイの歌う♩Space Oddity♩を始めとしてMusicも素敵だ。
飛行機好きなので一度空港の側のホテルに泊まってみたいと思いつつ叶わない。映画の舞台となるのはヒルトン・ホテル。ヒルトンの近くに、やはり一流ホテルのNovotelもあった。泊まりたい!

ユーロスペースにて
[PR]
by margot2005 | 2015-10-08 23:25 | フランス | Trackback | Comments(0)