カテゴリ:フランス( 292 )

「マイ・サンシャイン」

Kings2017 フランス/ベルギー

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1992年、L.A.サウスセントラル。ミリーは家族と暮らせない子供たちを引き取り育てている。貧しいながら全ての子供たちに心からの愛情を注ぎ、子供たちも皆ミリーを慕っている。隣人のオビーは騒がしい子供たちにうんざりしているが、実は彼らが気が気でならない。そんなある日、ロドニー・キング事件に対する不評な評決が下されたことにより市民が暴動を起こす。やがてミリーや子供たち、そしてオビーまでもが騒ぎに巻き込まれてしまう


ロドニー・キング事件は日本のTVでも放送されたので記憶にある

昨年の11月にBSのドキュメンタリー番組でロドニー・キング事件の顛末を放送していてたまたま見た。

アフリカン・アメリカンのロドニー・キングが複数の白人警官に激しい暴行を受けている現場を地域住民が撮影。これが全米のニュースに流れ人種差別を連想させるとして事件に発展する。やがて裁判が行われ、白人の陪審員が出したのは4人全員無罪という評決。そしてその評決を許せないと思った市民が暴動を起こす。


映画は暴動の最中でエンディングを迎えるが、実際には暴動をやめさせるため、弁護士の説得によりロドニー・キングがTVに出演して暴動の沈静化を呼びかけたのだ。みんなもっと仲良くしようじゃないか!というコメントには驚いたが、今だに仲良く出来ているとは思えないのが現実。


貧しいけれど幸せな日々を送るミリーと子供たちに襲いかかる暴動の恐怖。

実写を交えながら描かれるドラマは悲しいけど、必死で生きようとする彼らに感動する。


本作の予告編はシアターにかかっていたがあまり記憶にない。しかし監督が「裸足の季節」のデニズ・ガムゼ・エルギュヴェンで、ハルとダニエルが共演ということでとても興味を持った。ダニエルは大好きなUK俳優だし、ハルも素敵な女優。

近所の口うるさいけど世話好きなおじさんオビーを演じるダニエルと、血の繋がらない子供たちを懸命に育てるミリー役のハルが素敵。

しかしながらハルの若さと美しさに唖然。彼女ダニエルより年上なんだけど


ミリーに「キングスマン ゴールデン・サークル/2017」「チェイサー/2017」のハル・ベリー。

オビーに「007 スペクター/2015」のダニエル・クレイグ。

ジェシーにラマー・ジョンソン。

ウィリアムにカーラン・KR・ウォーカー。

ニコールにレイチェル・ヒルソン。

監督、脚本は「裸足の季節/2015」のデニズ・ガムゼ・エルギュヴェン


新宿武蔵野館にて


by margot2005 | 2019-01-03 23:11 | フランス | Comments(2)

「バルバラ セーヌの黒いバラ」

Barbara2017 フランス

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フランス、パリ。国民的シャンソン歌手バルバラの伝記映画に主演するブリジットは役作りのために、特別に用意された仮住まいに暮らしている。やがてブリジットは取り憑かれたようにバルバラを演じ始める


ジャンヌ・バリバールが伝説的シャンソン歌手バルバラと、彼女の伝記映画で主役を演じる女優の2役を演じてセザール賞主演女優賞に輝いた異色ドラマ…”ということだが、確かに異色。このようなドラマを見たのは初めて。


歌姫バルバラを演じる女優ブリジット観客はどこまでブリジットで、どこからバルバラなのか次第にわからなくなって行く。そして伝記映画の監督イヴもブリジットに個人的な感情を持っており、撮影中我を忘れてしまうのだ。我を忘れてしまうイヴを演じるマチューの恍惚とした表情が真に迫る。


1950年代からシャンソン界に君臨したバルバラは20世紀最高の歌姫らしいが、残念ながら彼女のことを知らない。黒い吸血鬼のよう衣装を纏うバルバラ...個性的な風貌のバルバラを演じるジャンヌ・バリバールはぴったりのキャスティング。

大好きなマチュー・アマルリックは才能豊かな人だと改めて思った。本作は「さすらいの女神(ディーバ)たち/2010」「青の寝室/2014」に続く彼の日本公開監督3作目でとても異色かつ神秘的。


ブリジット/バルバラに「クリーン/2004」「サガン−悲しみよこんにちは−/2008」「ランジェ公爵夫人/2007」「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札/2014」のジャンヌ・バリバール。

ローランにヴァンサン・ペイラーニ。

バルバラの母エステルに「フレンチなしあわせのみつけ方/2004」「彼は秘密の女ともだち/2014」のオーロール・クレマン。

監督、脚本、出演(イヴ)に「ダゲレオタイプの女/2016」のマチュー・アマルリック。


Bunkamura ル・シネマにて(既に上映終了)



by margot2005 | 2018-12-25 23:42 | フランス | Comments(0)

「マダムのおかしな晩餐会」

Madame2017 フランス

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パリに移り住んで来たボブとアンは裕福なアメリカ人夫婦。ある夜、セレブな友人たちを招いて豪華なパーティを開くことになる。準備が進む中ボブの息子スティーヴが突然やって来て出席者の数が13人になってしまう。不吉な数字を嫌うアンはスペイン人メイドのマリアをミステリアスなレディに仕立て上げて席に座らせることを思いつく…

数合わせのためメイドのマリアがディナーに出席するハメに陥る。食事が始まり、警告されていたにも関わらずワインを飲みすぎて下品なジョークを連発するマリア。しかしそれが来客にウケてしまったのだ。特にディヴィッドに。そして見る見るうちにディヴィッドに気に入られてしまったマリア。本当はスペイン人のメイドなのに


スティーヴがついた嘘からマリアがスペインの貴族であると信じ込んでしまったディヴィッドは彼女に夢中になる。マリアをディナーに出席させ、このような事態になったことにあたふたするアンは夫のボブに相談する。しかしディヴィッドは大事な取引相手だから今真実を話すわけにはいかない。と聞く耳を持たない。果たしてディヴィッドとマリアの行く末は?


マダムとメイドという社会的階級をまざまざと見せつけるのはとてもフランス的?

マダムを誘惑するアントワーヌが”結婚したら男は浮気する”と言い切る様もとてもフランス的かな?

ポスターの真ん中のお皿の上に鎮座するマダムご愛用のクリスチャンルブタンのハイヒールが意味深?


マリアを演じるスペイン人女優ロッシ・デ・パルマが最高!大いに笑わせてもらった。リッチマン、ボブの二度目の若き妻アンとボブの息子スティーヴの密かなバトルも面白い。

スタニスラス・メラールがますますおじさん化している。スティーヴ役のトム・ヒューズ良いな。是非お気に入りUK俳優に入れたい。


アンに「マイ・ベスト・フレンド/2015」のトニ・コレット。

ボブに「グランドフィナーレ/2013」のハーヴェイ・カイテル。

マリアに「ル・ブレ/2002」「ジュリエッタ/2016」のロッシ・デ・パルマ。

ディヴィッドに「ブラック・シー/2014」「フリー・ファイアー/2016」のマイケル・スマイリー。

スティーヴに「フラワーショー!/2014」「女王ヴィクトリア 愛に生きる/2016」のトム・ヒューズ。

アントワーヌに「パリ、恋人たちの影/2015」のスタニスラス・メラール。

監督、原案、脚本はアマンダ・ステール。


TOHOシネマズ日比谷シャンテにて



by margot2005 | 2018-12-23 23:04 | フランス | Comments(0)

「おかえり、ブルゴーニュへ」

Ce qui nous lie…akaBack to Burgundy2017 フランス

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オーストラリアでワイナリーを経営するジャンはフランスに住む妹ジュリエットからの連絡を受け10年ぶりに故郷へ戻って来る。ジャンはブルゴーニュにあるドメーヌの長男。醸造家の父は死の床にあり、家業はジュリエットが継いでいる。ドメーヌで長く働くマルセルと再会したジャンは子供時代へと思いを馳せる...


10年前に家を飛び出し世界中を旅してオーストラリアにたどり着いたジャンは結婚し息子をもうけていたが妻アリシアとは上手くいっていない。ジュリエットは醸造家の働き方に悩みを抱えている。別のドメーヌの婿養子となったジェレミーは義父との折り合いが最悪。3人はそれぞれに悩みを抱えていた。


父親が亡くなったため3人には莫大な相続税が発生する。しかし父が愛したワイナリーを手放して良いものだろうか?と3人は悩み始める。そして紆余曲折の後、兄妹はワイナリー存続問題も、それぞれの私生活も未来へ向かわせることに成功する。

とても爽やかなドラマで、見ていて良い気分になれる。何はさておき四季折々の葡萄畑が素晴らしく美しい!


そういえば「ブルゴーニュで会いましょう/2015」でもワイナリー存続問題が描かれていた。昨今ワイン農家を継ぐ人がいないことに加え、ブルゴーニュの地価が高騰していてリッチなアメリカ人が買い付けに来るという。


大好きなロマン・デュリス主演映画をたくさん作っているセドリック・クラピッシュは「パリの確率/1999」以来のファン。前作はあまり良くなかったけど、本作はtrès bien


ジャンに「間奏曲はパリで/2013」のピオ・マルマイ。

ジュリエットに「最後のマイウエイ/2012」「パーフェクトマン 完全犯罪/2015」のアナ・ジラルド。

ジェレミーに「ジュリエット・ビノシュ in ラヴァーズ・ダイアリー/2011」「FRANK -フランク-2014」のフランソワ・シヴィル。

マルセルに「シャトーブリアンからの手紙/2011」「大統領の料理人/2012」「パリよ、永遠に/2014」のジャン=マルク・ルロ。

アリシアに「エクソダス:神と王/2014」のマリア・バルベルデ。

オセアンヌにヤメ・クチュール。

監督、脚本は「ニューヨークの巴里夫(パリジャン)/2013」のセドリック・クラピッシュ。


ヒューマントラストシネマ有楽町にて


by margot2005 | 2018-12-22 21:55 | フランス | Comments(0)

「エンジェル、見えない恋人」

Mon ange…akaAngel2016 ベルギー

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ルイーズはマジシャンの恋人に捨てられた後心を病み施設に入る。その後息子を生むが、彼は誰の目にも姿形が見えない特異体質を持つ赤ん坊だった。時がたち、少年に成長したエンジェルは施設を抜け出し外の世界へ飛び出す。そこで彼は盲目の少女マドレーヌと出会う。盲目のマドレーヌは当然エンジェルの秘密に気がつかない。やがて二人は互いに惹かれあって行く。そんな折、マドレーヌが目の手術を受けることになる...

ケヴィン・ベーコンとクリスチャン・スレーターがそれぞれ透明人間を演じた「インビジブル/2000」と「インビジブル22006」という映画があり、何となく見たような記憶がある。

で、透明人間って洋服を着ているイメージがあるのだが、本作の透明人間エンジェルは洋服を着ていない。声でエンジェルの存在がわかるように描かれている。時折シーツに潜り込んだエンジェルが盛り上がる姿で存在がわかったりする。その辺は少々エロティック。

シアターで予告を見た時は少女の淡い恋物語と思ったけど、本作を見てエロティックなシーンもあってちょっとびっくり。ファンタジーの様にも思えるけど、この様な描き方の映画は珍しい。風変わりな趣向のドラマは今ひとつ?

マドレーヌにフルール・ジェフリエ。

ルイーズに「ルルドの泉で/2009「わたしたちの宣戦布告/2011」のエリナ・レーヴェンソン。

マドレーヌ(10代)にマヤ・ドリー。

マドレーヌ(幼少期)にハンナ・ブードロー。

監督、脚本はハリー・クレフェン。


新宿武蔵野館にて(11/16まで上映予定)


by margot2005 | 2018-11-15 23:01 | フランス | Comments(0)

「判決、ふたつの希望」

L'insulte2017 フランス/キプロス/ベルギー/レバノン/USA

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レバノンの首都ベイルート。パレスチナ難民のヤーセルはイスラム教徒で、住宅の補修作業の現場監督をしている。ある日、アパートの住人でキリスト教徒のトニーとの間でトラブルが起きる。やがてヤーセルは上司に伴われ謝罪に行くが、トニーが放った一言に感情を抑えることができず思わず手を上げてしまう


パレスチナ人なんて皆シャロンに抹殺されればよかったんだ!と、言ってはならない一言を発してしまったトニー。侮辱を受けたヤーセルはトニーにパンチを食らわす。

シャロンはイスラエルの元首相で、パレスチナ首脳部との和平交渉には決して応じないという信条の持ち主だった。そう、シャロンの名前でヤーセルは怒りを爆発してしまったのだ。

一方でトニーにもレバノンで起こった内戦で、命からがら故郷からベイルートへ逃げてきた過去があった。

ドラマの中で衝突するのはアラブとパレスチナの対立ではなく、ユダヤ教キリス教徒の対立。かつてベイルートは中東のパリと呼ばれフランスの影響力が大きく、中東の国にありながら国民の中にはキリスト教徒が多い。

そしてパレスチナ難民であるヤーセルの妻マナールがノルウェーに移民したい!と言っていたのが印象的だった。


トニーとヤーセル、それぞれの弁護士が親子って設定が面白かったし、親子ゲンカはやめて!と裁判長に注意されていたシーンには笑ってしまった

レバノン、ベイルート舞台の映画は「キャラメル」以来。トニー役のアデル・カラムはコメディアンとしてたくさんのTVドラマや映画に出演している様子。「キャラメル」での彼は、コメディっぽい役だったように記憶している。


トニーとヤーセルは互いに憎しみを覚えたわけではない。ただ謝罪すればよかったのだこの辺り男たちの頑固さをひしひしと感じる。

大統領官邸前でエンジンがかからなくなったヤーセルの車に駆け寄り無言で修理するエンジニアのトニー。そして何事もなかったかのように走り去る2台の車。あのシーンとても素敵だった。そして大ラス裁判所前、少し離れた所から互いを見つめ軽く頷きあう二人。感動の素晴らしい!ラストだった。

憎しみに燃えるのではなく、時にユーモアも交えて(裁判のシーン)描かれたヒューマンドラマは素晴らしかった。とても見ごたえがありMY BEST決まり!の一作。


トニー・ハンナに「キャラメル/2007」のアデル・カラム。

ヤーセル・サラーメにカメル・エル・バシャ。

シリーン・ハンナにリタ・ハイエク。

マナール・サラーメにクリスティーヌ・シューイリ。

ワジュディー・ワハビーにカミーユ・サラメ。

ナディーン・ワハビーにジャマン・アブー・アブード。

監督、脚本はジアド・ドゥエイリ。


TOHOシネマズシャンテにて



by margot2005 | 2018-09-20 20:50 | フランス | Comments(2)

「オーケストラ・クラス」

La mélodie2017 フランス

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中年バイオリニストのシモンはオーケストラをクビになり、生活のため気乗りしないながらも移民の子どもたちが通うパリ19区にある学校でバイオリンを教えることになる。しかし音楽に触れたことのない子どもたちを対象とした音楽教育プログラムの講師は大変な仕事だった。とにかく彼らは音楽に全く興味を示さないで喧嘩ばかりしているのだ。そんな折、一人の少年アーノルドがバイオリンに興味を示し、貸し与えたところ熱心に練習を始め、意外な才能を発揮し始める


パリ19区は街の北東に位置していて中心地からは少々離れている。そう、アーノルドが住む団地から見えるエッフェルは遥か彼方にあった。

以前シャルル・ド・ゴール空港からパリ中心地のホテルに向かう時に乗ったタクシーから見える景色の中に団地がいっぱいあったのを思い出す。

移民たちが通う学校がフランスならではと思ったし、監督と主演のカド・メラッドがアルジェリア生まれの移民であることも映画作りに深い思い入れがあるだろうなと感じる。


ドラマは少々出来過ぎかな?と思ったけど、フランスで実際に行われている情操教育プログラムをモチーフに作られたという。さすが芸術の国フランス!と納得する。そして才能豊かな少年アーノルドとの出会いにより挫折した中年バイオリニストが人生に輝きを取り戻す辺りは少々出来過ぎかも?


シモン・ダウドに「バレッツ/2010」「ある朝突然、スーパースター/2012」「プチ・ニコラ 最強の夏休み/2014」のカド・メラッド。

教師ファリド・ブラヒミに「カミーユ、恋はふたたび/2012」の サミール・ゲスミ。

アーノルドにアルフレッド・ルネリー。

サミールにザカリア・タイエビ・ラザン。

ヤエルにシレル・ナタフ。

アブにユースフ・ゲイエ。

アーノルドの母に「最高の花婿/2014」のタチアナ・ロホ。

サミールの父に「アンプロフェット/予言者/2009」「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ/2013」のスリマヌ・ダジ。

監督、脚本は「キングス&クイーン:出演/2004」のラシド・アミ。


新宿武蔵野館にて


by margot2005 | 2018-09-05 21:45 | フランス | Comments(2)

「スターリンの葬送狂騒曲」

The Death of Stalin2017 フランス/UK/ベルギー/カナダ

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1953年、モスクワ。ある日、ソビエト連邦共産党書記長スターリンが倒れる。右往左往する側近たちはスターリンが政敵を粛清し過ぎてまともな医者がいないことを知る。街でかき集めてきた医者が到着。しかし独裁者スターリンは蘇らず後継者を指名することなく死んでしまう。やがてスターリンの腹心マレンコフが代理の指導者となり、フルシチョフが葬儀委員長となる。そしてベリアもしゃしゃり出てきて、トップ3人を含めた側近たちの後釜狙い争奪戦が勃発する


ピアニストのマリヤはドサクサに紛れて”その死を祈り、神の赦しを願う、暴君よ”と書いた手紙をスターリンに届けることに成功する。そしてその手紙を読んだ後スターリンは発作を起こし倒れたのだ。

フルシチョフの姪がマリヤからピアノを習っていたことを知った側近たちはフルシチョフとマリアの関係を詮索して彼を陥れようと躍起になる。

国葬の場で、空気が読めないらしいマレンコフが自分のことばかり気にかけていたり、自身をアピールするため胸を勲章だらけにして現れるベリアが超オカシイ。でも一番はワシーリーの弔辞かな?


スターリンの後にソ連邦の第4代最高指導者となったのはニキータ・フルシチョフ。ジョン・F・ケネディと同時代の指導者である彼は知っているが、後は知らない政治家ばかり。


フルシチョフを演じたスティーヴ・ブシェミが最高!なのだけどルパート・フレンドも最高!とにかくスターリンの息子ワシーリー役が完璧に似合っている。

ルパートはハンサムでロマンティックな役柄より一癖あるこのようなキャラが実に似合う。そして最近見かけないと思っていたらアメリカのTVシリーズに出演している模様。映画では「At Eternity's Gate2018」でゴッホの弟テオ役。見たいけど日本公開はあるかな?

ルパートもナイスだがスターリンの娘役のアンドレア・ライズブローもバッチリのキャスティング。

出番は少ないがパディ・コンシダインも良い味出している。


ドラマは事実に基づいて描かれたそう。見ていて笑えるのだがスーパー級にブラックでカラッとした笑いじゃなくて、顔が引きつるような笑い満載。

ドタバタ政治ブラック・コメディはロシアで政府が急遽上映を禁止したらしいが、ヨーロッパやアメリカではスマッシュヒットを記録したそう。あれだけ茶化せばロシア人も怒る?


フルシチョフ(中央委員会第一書記)に「靴職人と魔法のミシン/2014」「ロスト・イン・マンハッタン 人生をもう一度/2014」のスティーヴ・ブシェミ。

ベリヤ(NKVD警備隊 最高責任者)に「理想の結婚/1999」「ターザン:REBORN/2016」のサイモン・ラッセル・ビール。

マレンコフ(スターリンの補佐役)に「宇宙人ポール/2010「ザ・コンサルタント/2016」のジェフリー・タンバー。

ジューコフ(ソビエト軍最高司令官)に「グリーン・ゾーン/2010」のジェイソン・アイザックス。

モロトフ(外務大臣)に「ワンダとダイヤと優しい奴ら/1988」のマイケル・パリン。

ブルガーニン(国防大臣)にポール・チャヒディ。

カガノーヴィチ(労働大臣)に「鑑定士と顔のない依頼人/2013」のダーモット・クロウリー。

ミコヤン(貿易大臣)にポール・ホワイトハウス。

スターリン(連邦共産党書記長)にエイドリアン・マクラフリン。

アンドレーエフ(ラジオ局の責任者)に「マイ・ベスト・フレンド/2015」のパディ・コンシダイン。

マリヤ(ピアニスト)に「ロープ 戦場の生命線/2015」「ある天文学者の恋文/2016」のオルガ・キュリレンコ。

ワシーリー(スターリンの息子)に「クレアモント・ホテル/2005」「わたしの可愛い人-シェリ/2009」のルパート・フレンド。

スヴェトラーナ(スターリンの娘)に「ノクターナル・アニマルズ/2016」のアンドレア・ライズブロー。

監督、脚本は「チューブ・テイルズ/1999のアーマンド・イアヌッチ。


新宿武蔵野館にて



by margot2005 | 2018-08-19 21:12 | フランス | Comments(2)

「2重螺旋の恋人」

L'amant double…akaThe Double Lover2017 フランス/ベルギー

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パリに住む25歳のクロエは原因不明の腹痛に悩まされる日々。婦人科医から身体には問題はないと、精神分析医を紹介される。精神分析医ポールのカウンセリングを受けるようになったクロエは不思議なことに腹痛が和らぐようになる。そんなある日、ポールから感情が災いしてこれ以上診療を続けることができないと告げられる。やがて二人は恋に落ち一緒に暮らし始める


ある時、ポールが街中で女性と一緒にいるところを見かけたクロエは彼を問い詰める。しかしそれは僕ではないと完全否定される。男はポールだという疑念がぬぐえないクロエは彼を訪ねる。するとその男はポールの双子の兄弟ルイで同じく精神分析医だった。やがてポールに内緒でルイのカウンセリングを受けるクロエは、誠実なポールとは真逆の傲慢なルイに嫌悪感を感じながらも、欲望を覚えるのだった。

双子ポールとルイの肉体に溺れるクロエは、ルイに彼といるとあなたを思い、あなたといると彼を思うと訴える。ポールはクロエとルイの関係を知らないが、ルイはクロエの恋人がポールであることを知っている。


クロエの飼い猫、ルイのゴージャスな三毛猫、猫のブローチなどなど猫だらけ。おせっかいな隣人のローズの娘が病気で入院中だったり、猫の剥製が不気味。猫苦手なので参った。そしてクロエが働く美術館の展示物が奇怪なものばかりで不気味な雰囲気が漂いまくる


クロエの母を演じるジャクリーン・ビセットがなかなか登場しないと思って見ていたら、ほぼ終盤近くで登場。クロエを疎んじる彼女も不気味な存在で謎めいている。


ヘアースタイルで人の印象はすごく変わる。「17歳」でマリーヌ・ヴァクトはロングのライトブラウンだった髪が今回はダークブラウンのショート。それはスタイリッシュでエロティックなドラマのヒロインにぴったりで、前作とは別人だ。オープニングに実際に行った彼女ヘアカットのシーンあり。


フランソワ・オゾンの前作はクラシックな悲恋ものだったが、今回はスタイリッシュで刺激的なエロティック心理サスペンス。

ドラマで描かれる双生児につきまとうミステリアスな要因は少々興味深い。

終盤は実際の出来事とクロエの妄想が凄まじく入り混じって見終わって疲れた。そしてこれはエロティックサスペンスと言うより、ホラー?


クロエに「17歳/2013」のマリーヌ・ヴァクト。

ポール/ルイに「午後8時の訪問者/2016」「エタニティ 永遠の花たちへ/2016」のジェレミー・レニエ。

クロエの母に「マイ・ベスト・フレンド/2015」のジャクリーン・ビセット。

ローズに「ジャック·メスリーヌ フランスで社会の敵(パブリック·エネミー)No.1と呼ばれた男 Part1/ Part2/2008」のミリアム・ボワイエ。

婦人科医に「美しき運命の傷痕/2005」「夏時間の庭/2008」のドミニク・レイモン。

サンドラにファニー・サージュ。

監督、脚本は「婚約者の友人/2016」のフランソワ・オゾン。


ヒューマントラストシネマ有楽町にて



by margot2005 | 2018-08-12 21:39 | フランス | Comments(0)

「グッバイ・ゴダール!」

Le Redoutable…aka Godard Mon Amour」2017 フランス

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1968年、パリ。19歳の哲学科の学生アンヌ・ヴィアゼムスキーは世界的映画監督ジャン=リュック・ゴダールの「中国女」のヒロインに抜擢され、製作過程で恋に落ちる。やがて二人は結婚。甘い新婚生活に日々幸せを感じるアンヌだったが、映画製作そっちのけで革命の機運が高まるパリの街に繰り出すゴダールに戸惑いを感じ始める


本作はジャン=リュック・ゴダールの二人目の妻となったアンヌ・ヴィアゼムスキーの自伝的小説それからの彼女を映画化した伝記ドラマ。ジャン=リュック・ゴダールに成りきったルイ・ガレルがナイスキャスティング。


ドラマに登場する著名人たち

ELLEの創始者の娘ミシェル・ロジエはゴダールとアンヌの友人で映画プロデューサー。

ジャン=ピエール・バンベルジェはミシェルのパートナーでリベラシオン紙の共同創始者。

ミシェル・クルノーはヌーヴェル・オブセルヴァトゥール紙の書評家で映画評論家。後にル・モンド紙の演劇評論家となる。

ジャン=ピエール・ゴランはル・モンド紙による文学中心の週刊誌ル・モンド・デ・リーブルの創始メンバーの1人で映画プロデューサー。

ベルナルド・ベルトルッチは「ラストタンゴ・イン・パリ/1972「ドリーマーズ/2003」「孤独な天使たち/2012」などで有名なイタリアの映画監督。

でも、知っているのはベルナルド・ベルトルッチのみ。


時としてジャン=リュック・ゴダールはフランソワ・トリュフォーとごっちゃになる。たまにルイ・マルも3人とも同世代でヌーヴェルヴァーグを代表する映画監督。

wowowでドキュメンタリー映画「ふたりのヌーヴェルヴァーグ ゴダールとトリュフォー/2010」を見たことがある。二人はヌーヴェルヴァーグを語る時に欠かせない人物であることは確か。

トリュフォーとルイ・マルはそれぞれ50代、60代で亡くなっているが、88歳になったゴダールは今も健在。


ゴダール映画はジャン=ポール・ベルモンドの「勝手にしやがれ/1960:気狂いピエロ/1965」と、彼の最初の妻アンナ・カリーナの「女は女である/1961」「女と男のいる舗道/1962」、そしてブリジット・バルドーの「軽蔑/1963」と全てBSもしくはwowowで鑑賞。

70.80.90年代、そして21世紀になっても映画を作り続けたゴダールながら、上に書いた映画しか見ていないことが判明。ドラマに登場する「中国女/1967」ももちろん見ていない。で、女優アンヌ・ヴィアゼムスキーも今回初めて知った。

トリュフォー映画は70、80年代に製作されたものも何作か見ている。今思えばゴダール映画を見なかったのはきっと60年代の作風とは異なり、惹かれなかったのかと思う。ゴダールよりトリュフォー映画の方が好き。

2015年に「さらば、愛の言葉よ/2014」が一般公開され、見に行くか迷ったが結局行かなかったのを思い出した。


「美しい人/2009」のレビューに 2007年、フランスのファッション誌“ELLE”で最もセクシーな男15人の一人に選ばれたルイ・ガレル…”と書いている。あれからかれこれ10年。セクシーな男は何処へ??

ルイ・ガレルってまだ30代半ばなのにojisan化してしてしまったのは髪の毛のせい?今回てっぺんがハゲていて驚いた。

あのイヴ・サンローランが自身のドキュメンタリー映画の中のインタビューで一番恐れることは何ですか?と聞かれてハゲることと答えていたのを思い出した。イヴは生涯ハゲには縁がなくて良かった。

ギャスパー・ウリエルの「サンローラン/2014」レビューでイヴの愛人を演じるルイ・ガレルの老けぶりに驚き。以前は美青年だったこの方年々ヒドくなって行く…”とも書いている。美青年ルイ・ガレルは終わってしまった。


ジャン=リュック・ゴダールに「愛を綴る女/2016」「モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由/2015」のルイ・ガレル。

アンヌ・ヴィアゼムスキーに「ハイ・ライズ/2016」のステイシー・マーティン。

ミシェル・ロジエに「エタニティ 永遠の花たちへ/2016」のベレニス・ベジョ。

ジャン=ピエール・バンベルジェに「サンローラン/2014」「めぐりあう日/2015」のミシャ・レスコー。

ミシェル・クルノーに「画家モリゾ、マネの描いた美女 名画に隠された秘密/2012」のグレゴリー・ガドゥボワ。

ジャン=ピエール・ゴランにフェリックス・キシル。

ベルナルド・ベルトルッチに「副王家の血筋/副王家の一族/2007」「甘き人生/2016」のグイド・カプリーノ。

監督、脚本、製作、編集は「あの日の声を探して/2014」のミシェル・アザナヴィシウス。

原作はアンヌ・ヴィアゼムスキーのそれからの彼女


シネスイッチ銀座にて



by margot2005 | 2018-07-30 23:09 | フランス | Comments(0)