2015年 11月 10日 ( 1 )

「ボーダレス ぼくの船の国境線」

「Bedone März」…aka「Borderless」2014 イラン
a0051234_21173251.jpg
a0051234_2117171.jpg
a0051234_21164993.jpg

監督、脚本はアミルホセイン・アスガリ。

イランとイラクの国境沿いの立ち入り禁止区域に浮かぶ廃船。有刺鉄線の向こうには銃を携える米兵が巡回している。廃船に一人で暮らす少年は魚や貝を獲り、干物やアクセサリーに加工して売り日々の糧を稼いでいる。ある日、国境の反対側から突然一人の少年が現れる。言葉の通じない二人は互いに反撥し合うが、ある時を境に奇妙な同居生活が始まり、次第に連帯感が芽生え始める。やがてそこに一人の米兵が割り込んで来る。イラクの少年は米兵に銃を向け敵意をむき出しにするが、イランの少年はそれをいさめようとするのだ。

ドラマが始まる…一人の少年が廃船の中で生活している。彼の他誰もいないので当然台詞はなし。聞こえてくるのは少年がたてる音のみ。このサイレント状態はいつまで続くのか?と、少々眠気を催しそうだったが、廃船に侵入者がやって来たところからスクリーンから目が離せなくなる。

主要なる登場人物はイランの少年とイラクの少年(本当は少女)、そして米兵の3人。それぞれに違う国籍を持つ3人の言葉は通じない。
少年と少女に家族はいない。戦争で奪われてしまったのだ。一方で米兵には愛する妻と幼い子供たちの家族がいる。米兵は、言葉が通じないにも関わらずイランの少年に家族の写真を見せ、好きでここにいて戦争をしているのではないと訴える。
辛くて、辛くて感極まり泣き出す米兵に対し、とても冷静なイランの少年に心揺さぶられる。
とてもリアルで身につまされる反戦映画だった。
ラスト、イランの少年が廃船に戻った時、辺りは荒らされ誰もいなかった。あのラストはどう解釈すれば良いのだろう?しばし呆然となった。

新宿武蔵野館にて(11/13迄上映)
[PR]
by margot2005 | 2015-11-10 21:37 | アジア | Trackback | Comments(0)