「ずっとあなたを愛してる」

「Il y a longtemps que je t'aime」...aka「I've Loved You So Long」2008 フランス/ドイツ
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ジュリエットに「ルパン/2004」「ブーリン家の姉妹/2008」「お買いもの中毒な私!/2009」のクリスティン・スコット・トーマス。
妹レアに「モディリアーニ 真実の愛/2004」「ストーン・カウンシル/2005」のエルザ・ジルベルスタイン。
レアの夫リュックにセルジュ・アザナヴィシウス。
レアの同僚ミシェルに「みんな誰かの愛しい人/2004」のロラン・グレヴィル。
フォレ警部にフレデリック・ピエロ。
レアの義父ポールにジャン・クロード・アルノー。
レアの養女プチ・リスにリズ・セギュール。
監督、脚本(オリジナル)にフィリップ・クローデル。

自らの息子殺害で15年の刑期を終え出所したジュリエット。彼女を空港に迎えたのは年の離れた妹レア。長い別離の後再会を果たした二人はレアが、夫リュックとベトナムから迎えた養女、そして義父の住む家へと向かう。ジュリエットの事件はレアが幼い頃に起きていた。レアの両親は事件を封印し、姉の存在を忘れるように育てていた。唯一の身内であるレアはジュリエットと過去の空白を埋め合わせるよう願っていたが、ジュリエットは堅く閉ざした心をレアにも開こうとはしなかった...
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ヒロインのクリスティン・スコット・トーマスの出演する映画は過去にたくさん観ている。
印象的なのは「イングリッシュ・ペイシェント/1996」や「ランダム・ハーツ/1999」の人妻役。
K.S.トーマスは人を寄せ付けなさそうな、少々冷たいイメージのある女優なので、過去を封印し殻に閉じこもったジュリエットがとても似合う。
ドラマの舞台はフランス、ロレーヌ地方ナンシー。
レアと夫が催したディナーに集った人々。レアは姉の存在をひた隠しにしていた。ミステリアスに映ったレアの姉ジュリエットに人々は質問攻めにする...“いきなりレアの姉と名乗るジュリエットが現れたが今迄どこにいたの?”と...ジュリエットは答える...“15年間刑務所に入っていたの”と...しかしまるでそれは冗談か何かのように一笑にふされてしまう。
レアの同僚で妻を亡くしたミッシェルはジュリエットに思いを寄せるようになる。彼にだけは事実を打ち明けたジュリエット。しかしアプローチして来る彼に心を開くには時間が必要。一方でキャフェで拾った男とsexに身を委ねる女ジュリエットの気持ちは解らなくもない。
実の息子に手をかけた母親。それには重大な理由があるだろうと想像する。ラスト近くその謎が解き明かされた時、同じ息子を持つ母親として胸に迫るものを感じた。
ジュリエットの夫は物語に登場しない。一人息子を殺してしまった妻が許せなく離婚している。しかしまぁなんと薄情な夫かと呆れかえる。二人で解決し、哀しみを乗り越える...それが夫婦というもの。妹の方が姉を案じる心を持ち、刑務所から出所し犯罪者の姉を引き取っているというのに...。
ジュリエットが徐々に心を開いて行く過程に存在したのが二人の少女。8歳のプチ・リスと未だ小さいアメリアのあどけない仕草や表情がジュリエットの心を開いて行く。
病の末話すことが出来ない義父もジュリエットには嬉しい存在だった。寂しい時、義父の部屋を訪ね、彼と共に過ごす。ただ一緒に居るというだけ...でも、それだけでジュリエットは安心感を得られるのだと感じる。
ジュリエットは出所以来様々な人と出会う(会わなければならない)が、フォレ警部とジュリエットの出会いと別れもドラマの中で重要な役割を果たしている。
監督のフィリップ・クローデルはフランスの人気小説家とのこと。初監督作品ながら中々の秀作。
こちらの映画は昨年のラスト鑑賞作品。心に染みる素晴らしいドラマでとてもお勧めである。
銀座テアトルシネマにて
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by margot2005 | 2010-01-10 22:12 | フランス | Trackback(14) | Comments(4)
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原題:ILYALONGTEMPSQUEJET'AIME/I'VELOVEDYOUSOLONG監督:フィリップ・クローデル出演:クリスティン・スコット・トーマス、エルザ・ジルベルスタイン、セルジュ・アザナヴィシウス 、ロラン・グレヴィル、フレデリック・ピエロ観賞劇場 : 銀座テアトルシネマ公式サ...... more
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Commented by あすか at 2010-01-12 06:36 x
こんにちは。
Margotさんもこれごらんになったんですね。
良かったですよね。
静かなストーリーですが、でもじわじわと湧き上がってくる感じで。
彼女が長いこと秘めてきたものを思うと、なんともいえない気持ちになりました。
たとえ一度も出てこない夫が馬鹿であっても、彼女にはこの妹がいてくれてよかったなと想いました。
Commented by margot2005 at 2010-01-13 20:09
あすかさん、こんばんは!
年末に観ました。サービス・デイーってこともありましたが、年の瀬の忙しい時期に暇人(私のその中の一人でしたが..)多いなぁと思いましたわ。
ほんとにジワジワくる静かなドラマで見応えありましたね。
15年間も心に秘める事が出来たジュリエットってスゴい女性だと思いましたね。おバカな夫はどこへ姿を消したのでしょうね??
Commented by rose_chocolat at 2010-01-13 21:38 x
30日にご観賞ですか? 私もでした。 もしかしたら同じ回だったかも!
エルザ・ジルベルスタインが好きなんですが、しっかりとした演技を見せてくれたように思いました。
ジュリエットの夫は本当に薄情ですね。 途中で彼女をサポートする男性とすごくいい雰囲気で、幸せになって欲しいと思いました。
フィリップ・クローデル監督は小説家ですので、映画の伏線もさすがに細かかったですね。 きちんと作ってあって、いい映画だったと思いました。
Commented by margot2005 at 2010-01-17 21:36
rose_chocolatさん、こちらにもコメントありがとうございます!
そう30日の水曜日でしたね。最終回にご覧でしたら同じでしたね。
エルザ・ジルベルスタイン「モジリアーニ〜」は観ましたが、彼女については良く知らないです。
ミシェルとフォレ警部の存在はとても良かったと思います。
これも小説で読みたい映画だなぁと感じましたが、オリジナル脚本なので本は、ましてや翻訳本は望めませんね。
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