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「倫敦から来た男」

「A Londoni férfi」...aka「L'Homme de Londres」「The Man from London」2007 ハンガリー/ドイツ/フランス

「倫敦から来た男」_a0051234_212205.jpgマロワンにミロスラヴ・クロボット。
マダム・マロワンに「フィクサー/2007」「バーン・アフター・リーディング/2008」「ベンジャミン・バトン 数奇な人生/2008」「リミッツ・オブ・コントロール/2009」のティルダ・スウィントン。
娘アンリエッタにボーク・エリカ。
ブラウンにデルジ・ヤーノシュ。
刑事にレーナールト・イシュトヴァーン。
監督、脚本はタル・ベーラ。







とある港町、鉄道員のマロワンは、毎晩ガラスの檻のような制御室から港と駅を見下ろしている。ある夜、彼はロンドンからやって来た男ブラウンが犯した殺人現場を目撃する。その後、殺された男のトランクを海中から拾い上げたところ、中には7万ポンドもの大金が入っていた...
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ハンガリーの鬼才タル・ベーラの作品は勿論初めて。
鬼才と呼ばれる人が作る映画はたいてい暗くて重い。今年も鬼才と呼ばれる人々の映画を何本か観たが、これはその最たるものかも知れない。白黒で描かれている事も一つの要因だが、いやいやとても重くて暗かった。しかしながら物語は単純で難しくはない。
妻と諍いが絶えない貧乏暮らしのマロワン。娘アンリエッタは掃除婦で、雇われ先のマダムにこき使われている。ある日突然大金を得たマロワンはアンリエッタに高価な毛皮のストールを買い与える。それを見た妻は怒り狂うが、哀しいかな金の出何処は明かせない。やがてお金で幸せをつかもうと考えた男の前に刑事が現れる。ラストはどうなるのだろう?と興味深かったが...あのラストは実にファンタスティックでニクい。
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原作者ジュルジュ・シムノンの“メグレシリーズ”は過去に読んだ記憶がある。これも本で読めばきっと面白いと思う。
台詞はフランス語と英語。とある港町...舞台は北フランス。
ティルダ・スウィントンが「フィクサー」でオスカーを受賞する前の作品。彼女は「フィクサー」ではスタイリッシュな弁護士役だったが、この作品では田舎のおばさん役であれってスッピンかな?ちなみにティルダのフランス語は吹替え?
英国人刑事役のハンガリー俳優レーナールト・イシュトヴァーンも英語とフランス語で喋っていたが、ハンガリー語で喋って、フランス語と英語に吹替えたのでしょうかね?
アンリエッタ役のボーク・エリカがティルダ・スウィントンに似ていてバッチリのキャスティング。
登場する場面は港、そこにつながる駅、ホテル/キャフェ、そしてマロワンの家とアンリエッタの働く店。
マロワンが“ガラスの檻のような制御室”から港と駅を見下ろすシーン...オープニングでこれでもか!というくらい長く、ゆっくりと、港から駅、停車する列車に乗り込む人々(数人)の姿が映される。その後同じシーンが映し出される。最初はロンドンからやって来た男ブラウン。二度目はやはりロンドンからやって来た刑事。モノクロで、尚かつ夜のシーン。全く同じシーンのように見えるあの場面は映画の中でとても重要で、印象的なシーンである。
ブラウンが殺人を犯すシーンも長いショットで撮られている。それは制御室からマロワンの目を通して描かれるからである。
予告を何度も観ていたので少々興味がわき観に行ってしまった。台詞は少なく、バック・ミュージックは単調で、ストーリーは淡々とし盛り上がりには欠ける。で、案の定途中で何度か睡魔に襲われたが、中々味わいのある静かなミステリー・サスペンスだった。これが鬼才タル・ベーラが描くミステリーの世界なのだろう。
渋谷 シアター・イメージフォーラムにて
Commented at 2009-12-22 14:50
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
by margot2005 | 2009-12-20 22:01 | ヨーロッパ | Comments(1)