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「カティンの森」

「Katyn」 2007 ポーランド
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アンナにマヤ·オスタシェフスカ。
アンナの夫アンジェイにアルトゥル·ジミイェフスキ。
アンジェイの母にマヤ·コモロフスカ。
アンジェイの父ヤン教授にヴワディスワフ·コヴァルスキ。
アンジェイの友人イェジにアンジェイ·ヒラ。
将軍夫人ルジャにダヌタ·ステンカ。
将軍にヤン·エングレルト。
ピョトルにパヴェウ・マワシンスキ。
ピョトルの妹アグニェシュカにマグダレナ・チェレツカ。
アンナを匿うソ連の少佐役で「12人の怒れる男/」で陪審員no.3(モスクワのタクシー・ドライバー)を演じたセルゲイ·ガルマッシュが出演している。
監督、脚本に「地下水道 /1956」「灰とダイヤモンド/1957」のアンジェイ·ワイダ。
原作はアンジェイ・ムラルチクの「カティンの森」。
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1939年9月、ナチス・ドイツとソ連の密約により分割占領されたポーランド。将校であるアンナの夫アンジェイはソ連側の捕虜となり収容所へと送られる。その中にはアンジェイの友人イェジの姿もあった。1940年、ソ連側に取り残されたアンナは娘と共に国境を越え、クラクフのアンジェイの両親の家に辿り着く。しかしそこにアンジェイの父親はいなかった。大学教授のヤンはドイツ軍に捕らえられ収容所に送られていた。やがてヤンが収容所で亡くなった知らせが届く。アンナはひたすら娘と義母の3人でアンジェイの帰りを待つが、ある日、義母の屋敷に現れたのはアンジェイの友人イェジだった...

映画の主人公はアンナ。アンナの目を通して物語は進んで行く。イェジが戻った事でアンジェイの死が明らかになる。その後、物語の中でも第二次世界大戦が終結する。アンジェイ同様虐殺された将軍とピョトル中尉、それぞれの妻と妹の姿が描かれ、ラスト“カティンの森”での大虐殺シーンでエンディングを迎える。
ラストの大虐殺シーンはあまりに惨くスクリーンを正視出来なかった。シーン後スクリーンはしばらく暗くなり(全く映像なし)no musicでエンド・クレジットが始まる。そしてほぼ満席(平日最終回)の岩波ホール...久々に終了後席から立てなかった。
ソ連は1万数千名ものポーランド将校を捕虜にし虐殺。この事を告発する人々は捕らえられ、語ることはタブーとされていた事実も醜く過ぎる。
凛とした態度でドイツ軍に屈服しなかった将軍夫人ルジャや、兄ピョトルの墓碑をめぐりソ連軍に逮捕されるアグニェシュカら、女性たちの勇気ある行動に心打たれる。
捕虜として捕らえられた夫アンジェイをやっと見つけた妻アンナ。“行かないで!”と夫に懇願する妻。アンジェイは軍人としての任務を全うするため後ろ髪をひかれながら旅だって行く。ポーランドの将校たちを乗せた列車が走って行く。父の乗った列車を追いかける娘...戦争映画を観るたび感じる事...戦争で戦う男たちも辛いが、残された女たちも辛く哀しい。
巨匠アンジェイ·ワイダの映画は殆ど観ていない。今週よりBSでアンジェイ·ワイダ映画を放映しているので時間があれば見てみたい。
今年も何本か岩波ホールで映画を観たが、一番心打つ素晴らしい!作品だった。
Commented by Bianca at 2009-12-12 08:46 x
margotさん、遂に「カティン」をご覧でしたか。やはり目を覆うシーンがありますか。老齢をものともしないワイダのエネルギーはすごいですね。初期の作品はもっと好きになるのでは。私も今週BSを見よう。
Commented by margot2005 at 2009-12-13 00:28
Biancaさん、こんばんは!
これはホントにスゴい戦争映画でしたね。
虐殺されるためカティンに連れて来られた将校たち。連れ込まれた部屋の壁にはスターリンの肖像画があり、それを見てひるむポーランド将軍の姿も惨かったです。
巨匠の映画は暗いものばかりですが、見てみたいですね。
Commented by なな at 2010-05-12 19:27 x
お久しぶりです。
ワイダ監督の作品は小学生ぐらいの時に
「灰とダイヤモンド」のTV放送を観た覚えがありますが
なにぶん幼くて何も記憶に残っていません。

この作品,そうそう,「12人の怒れる男」の陪審員のお一人が出ていましたね。
すぐに「あ,あの人だ!」と気がつきました。
カティン事件の真相を世界中の人に知ってもらうためにも
この作品は多くの人に観ていただきたいですね。
Commented by margot2005 at 2010-05-16 01:12
ななさん、こんばんは!
こちらこそご無沙汰でございます。
さてワイダの映画を、それも小学生の時にご覧になったとはスゴいです。
「灰とダイヤモンド」は私自身も過去に観ましたね。やはり記憶ありませんが...他の作品も途中挫折でまともに観たワイダ映画はこれだけの気がします。
カティン事件の真相は長く語られなかったようですが、これを機会に多くの人が知ることになれば良いことかと思います。
by margot2005 | 2009-12-11 00:41 | ヨーロッパ | Comments(4)