「失われた肌」

「El pasado 」...aka「The Past」2007 アルゼンチン/ブラジル

“今でも僕は君の一部なのか...”別れた妻に追いつめられて行く男の姿を描く究極のラヴ・ストーリー。

レミニに「ブラインドネス/2008」のガエル・ガルシア・ベルナル。
ソフィアにアナリア・コウセイロ。
カルメンにアナ・セレンターノ。
ベラにモロ・アンギレリ。
監督、製作、脚本は「蜘蛛女のキス/1985」のヘクトール・バベンコ。
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結婚12年目にして離婚したレミニとソフィアのカップル。
レミニは別れて早々にベラという美しいモデルと新生活を始める。
一方でソフィアはレミニが忘れられずストーカーのごとく彼に電話をかけ“会いたい!”と懇願する。
元妻ソフィアの存在を知ったベラはショックで交通事故に遭遇し亡くなる。
その後、同業の翻訳家カルメンに恋をしたレミニ。やがて二人の間に子供が生まれる...

ハリウッド俳優ウイリアム・ハートにオスカーをもたらした「蜘蛛女のキス」。その頃(80年代)ゲイ(ホモ)映画は一般的ではなかったので、ホモセクシュアルな青年が主人公の映画はとてもスキャンダラスな作品だった。
20数年後に作られたこちらの作品も、とてもアブノーマルで、濃厚で、エロティックなラヴ・ストーリー。
ガエル・ガルシア・ベルナルって怪しくて、危ない、エロティシズムがなんと似合う俳優だろう。
10代で結婚した幼なじみ夫婦。12年目に破局し離婚する。男はすぐに新しい恋をし、次から、次へと恋に生きて行く。しかし女はそうは行かない。元夫を引きずってやまないのだ。
元妻に執拗にストーカーされ精神に異常を来たし記憶喪失(一部分)になる元夫。コワい、女ってコワい。
別れた後、再会した二人。二人の過去に固執するソフィアに、レミニは“過去とは一つの固まりで、それを分ける事は出来ない。”と説得する。
原題の“El pasado (The Past)/過去”はズバリ!のタイトル。
“失われた肌”という邦題は良くある陳腐なタイトルながら中々イケてる。10数年も互いに肌を寄せあい生きて来た男と女がある日突然別れてしまう。しかし、そのぬくもりってそんな簡単に忘れ去られるものではないのだと切に感じる。
失われた記憶を辿るためレミニが過去に撮った写真を整理するラストのシーンがスゴく良い。それらは殆どソフィアと彼の写真だが、その中に自分の子供の写真を見つける。レミニはそれを持ってきっと別れた子供に会いに行ったに違いない。
ロケされた“南米のパリ”と称されるブエノスアイレスの街は、この作品にマッチし神秘的で美しい。
渋谷 ヒューマントラストシネマ文化村通りにて...
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by margot2005 | 2009-04-16 23:46 | 中・南米 | Comments(0)
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