「ロルナの祈り」

「Le Silence de Lorna」...aka「Lorna's Silence 」2008 ベルギー/フランス/イタリア/ドイツ

“この愛だけを、私は信じる。”...名匠ダルデンヌ兄弟が描く、国籍売買をテーマにした愛の物語。

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製作、監督、脚本は「息子のまなざし/2002 ロゼッタ/1999」「ある子供/2005」のジャン・ピエール・ダルデンヌ&リュック・ダルデンヌ。
ロルナにコソヴォ共和国出身の新進女優アルタ・ドブロシ。
クローディに「イゴールの約束/1996」「ある子供」のジェレミー・レニエ。
ファビオに「ある子供」のファブリツィオ・ロンジョーネ。
ソコルにアウバン・ウカイ。

ベルギー国籍を取得するためアルバニアからやって来たロルナ。彼女はタクシー運転手でブローカーのファビオの手引きにより麻薬中毒者のベルギー人クローディと偽装結婚する。偽装結婚と知りながらもロルナを慕うクローディは、彼女を希望の糧とし麻薬を断とうとする。
ロルナを利用し国籍売買で儲けようとしているファビオは、ロルナが国籍を得た後、彼女を未亡人にし、国籍を欲しがるロシア人と結婚させようと企んでいた。
同郷人の恋人ソコルとバーを開く夢を持つロルナ。彼女は一日も早くクローディと別れたいと思うが、ファビオがそれを許さない。ロルナには未亡人になってもらわなくてはならないのだ。しかしロルナを頼る哀れなクローディの姿に、彼女の気持ちはぐらつき始める...
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ダルデンヌ兄弟が描く初めての“ラヴ・ストリー”。
しかしこの兄弟の描く世界は単なるラヴ・ストーリーであるワケがない。もちハッピー・エンディングなんてものでもない。
あのラスト...あの後どうなるのだろう?すっごく気になるエンディング。
終始暗い表情を見せるロルナがバイクで走るクローディを追いかけるシーンで一瞬笑顔を見せる。劇中、ただ一度だけ。このロルナのはじける笑顔は、暗いテーマの、暗い物語の中で希望が見える素敵なシーン。
国籍を得る(売買)ためには人の命をも引き換えにする現実に驚くと共に、ロルナを演じるアルタ・ドブロシ自身も隣国コソヴォ共和国出身ということで、作品に対する思い入れにも強いものがあったかと思える。
弱々しくて、打ちひしがれた人間役が似合うジェレミー・レニエ。彼は元々痩せているがジャンキー役のため激やせした姿が痛々し過ぎる。
どの作品にもエンディングに音楽を使わないダルデンヌ兄弟の世界。映画のエンディングに流れるヴェートーヴェンのピアノ・ソナタが心に染みる一作。
恵比寿ガーデンシネマにて...
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by margot2005 | 2009-02-11 22:38 | フランス | Comments(2)
Commented by MACHI at 2009-02-12 18:33 x
あのあと、どうなるのか、私もとっても気になりました。
Commented by margot2005 at 2009-02-17 23:43
MACHIさん、こんばんは!
ちょっと香港に行っていたもので亀レスお許しくださいまし。
さて、そう、あの後は勝手に想像して...って感じでしょうか監督は??
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