2008年 08月 27日
「12人の怒れる男」
「12」 2007 ロシア養父殺人で終身刑を言い渡されたチェチェンの少年を有罪にするか、無罪にするかを審議する陪審員12人の姿を描いた法廷ドラマで、「12人の怒れる男/1957」のリメイク作品。
監督、脚本は「シベリアの理髪師/1999」のニキータ・ミハルコフ。
ミハルコフは俳優出身で陪審員2(陪審員長)役で出演している。
陪審員役の俳優人は当然ながら知らない役者ばかりで、陪審員5役のアレクセイ・ペトレンコのみ「シベリアの理髪師」と「ラフマニノフ ある愛の調べ/2007」でお目にかかっている。
他の陪審員を演じる俳優たちはこちら。
チェチェン少年ウマル役のアプティ・マガマイェフは本作品で映画デビューとのこと。
21世紀、ロシア、モスクワ。
養父であるロシア人将校殺人の罪で終身刑を言い渡されたチェチェン少年ウマル。
モスクワの裁判所に隣接する学校の体育館に12人の陪審員が集まる。
陪審員1は研究者であり会社CEO。
陪審員2は芸術家。
陪審員3はモスクワのタクシー・ドライバー。
陪審員4はユダヤ人。
陪審員5には賭博に溺れ犯罪者となった叔父がいる。
陪審員6はTV会社の取締役。
陪審員7はカフカス出身の外科医。
陪審員8は旅芸人。
陪審員9は墓地の管理者。
陪審員10は論理的で理屈っぽい。
陪審員11は建築家。
そして陪審員12は大学の学部長。

いつものように最終回。本編開始は19:20。耳慣れないロシア語とチェチェン語の台詞が繰り返され、最初眠くて、眠くて...隣の隣のojisamaはやはり居眠りしていた。しかし陪審員たちがそれぞれの身に起きた過去を語り始めたあたりから目が離せなくなり、彼らが事件を再現する場面に至っては興味しんしんで物語にどんどん惹き込まれて行く。
2時間40分の心理ドラマは実に長い。しかし映画の中に戦争の場面をフラッシュ・バックさせ、長々と語られる台詞も中盤以降は展開が気になり、上映時間の長さは消されてしまう。
会社CEOが現在の妻と出会うエピソード、タクシー・ドライバーの妻と息子のエピソード、賭博に溺れた叔父のエピソード等、それぞれが語る話は少々オーバーだが真に迫る。まぁ映画なので致し方ない。
彼らのエピソードを聞く度、陪審員たちの気持ちが有罪か?無罪かと?コロコロと変わっていくのもなんだか頷ける。
しかしロシアの人々っておしゃべりなのか?皆すっごい勢いで口から泡を飛ばしつつしゃべりまくる。ロシア語の語調が少々強い(キツい)ってこともあるかも知れないが...
日本も来年の5月から裁判員制度が始まる。観終わって、こういったドラマが生まれるのか?なんて思ったりした。
シドニー・ルメット&ヘンリー・フォンダ版(右)では、陪審員長役のフォンダが力説する場面が多かった気がするが、この作品でのミハルコフ演じる陪審員長は寡黙で皆の意見に耳を傾ける立場を貫いている。しかし、脚本も書いた監督が考えたあのラスト...さすが自分で書いた脚本だなと感服する。
ロシアの巨匠と呼ばれるミハルコフ作品は「シベリアの理髪師」しか観ていない。マルチェロ・マストロヤンニ主演の「黒い瞳/1987」はBSで放映されていたのを録画した覚えがある。探して見てみたい。
ジュリア・オーモンド主演の「シベリアの理髪師」は、広大なるシベリアの平原を舞台に描かれる素晴らしい映画で監督のミハルコフも出演している。
日比谷 シャンテ・シネにて...

この結末はとっても素敵です!少々あり得ないかもですが...
シドニー・ルメットの「12 Angry Men」もまた見て見たくなりました。
ロシア映画ってそちらで上映されるのでしょうか?
日本でも公開作品は少ないですね。
もしご覧になられる環境(DVDとか)がありましたら是非ご覧くださいまし。
オリジナルに敬意を表しつつもリメイクとしての主張も感じられて、監督の信念を実感できる作品でした。こういうリメイクは大歓迎ですね♪
かなりおもしろかったです。
陪審員12人のバランスもよかったですね。
それぞれの男が語るエピソードに引き込まれました。
この物語のエンディングの後のストーリーに思いを巡らせてしまう・・・
そんな作品でした。
こちらこそコメントありがとうございます。
先だってTB送れなかったのですが今日は届いたようです。なぜかな??
オリジナルが今一度見たいのですが...BSで以前に放映していたのを録画してなくて...又の放映を待ちますわ。
大監督が作っただけあって、オリジナルもこの作品もそれぞれに素晴らしかったですね。
見応えありましたね。
語る陪審員たちのあの台詞を書いた監督はスゴイなぁと思いました。
この映画ってかなり厚い台本かしら??
ラストの二人の姿は感動そのものでしたね。
おそらく、今頃仲良く暮らしていることでしょう!
私も「ロシア人ってこんなにおしゃべりなのか?!」と驚きました。
邦題、『12人のおしゃべりなロシア人』でもよかったかも(笑)。
それは冗談ですが、重厚で見応えある映画だったと思います。
オリジナルとどうしても較べてしまうのは仕方ないですね。
ではでは、また来ます~。
おしゃべりなロシア人の中で陪審員長は静かでしたね。皆の意見の聞き役に回る陪審員長の姿は監督のアイデアだったのでしょうね。
この監督は俳優でもある方なので中々魅力的なojisamaでしたわ。
リメイクってどうしても元映画と比べてしまいますが、コレはコレで素晴らしい一つの作品だと感じます。
またお出でくださいまし。お待ちしておりますわ。
私も冒頭部分はちょっと退屈に感じてしまいましたが
それでも陪審員たちがそれぞれのトラウマを語り始めたあたりからは
食い入るように観てしまいました。
監督が出演していたのは知ってたので「どの陪審員かな?」と思っていましたが
まさか司会の寡黙な陪審員とは・・・・!
しかしさすが監督,ラストできっちり見せ場が満載でしたね!
いつもコメントありがとう!
やはり冒頭退屈されましたのね?
でもその後は畳み掛けるように展開が素晴らしかったですよね。
そうそうあの監督は俳優でもあるんですよね。出演俳優の中で彼が一番ハンサムだったと思います。
ラスト、監督好みでしょうかしら?でも素敵でしたね。
陪審員それぞれの感情や経験から導かれ、無罪が導きだされるんですが、それを持ってしても、ちゃんとした解決にはいきあたらないみたいな最後が奥が深かったですね。素晴らしいリメイクと思いました。ロシアの方、なにするにもオーバーな人たちでしたね。これが、ロシアというものかなーとも興味深かったです。
TB&コメントありがとうございます。
ロシア映画と言えば「懺悔」もそうでしたが、ロシアの人てやはり喋りますね。自己主張が激しいのかも??
ちゃんとした解決にはならないと言うのは今のお国事情でしょうか?
チェチェン紛争の映画を観ましたが、今だ紛争は終わってないようですし、この無罪になった少年も無罪になったから自由なわけではないのが哀しいですね。
素晴らしい!リメイク作品でした。

