2007年 11月 18日
「個人教授」
60年代フランス映画全盛期の頃に日本で公開された、年上の女と年下の男の叶わぬラヴ・ストーリー。
BSで放送があったので、今回久方ぶりに観たが、余りにも陳腐でシンプルなストーリーに呆然...21世紀の今なら決して受け入れられない作品かなぁなんて...時代を感じる。
主演の高校生オリビエにルノー・ベルレー。彼と出会うレーサーの恋人フレデリクにナタリー・ドロン。イタリア人レーサー、エンリコ・フォンタナにロベール・オッセン。
監督はミッシェル・ボワロン、音楽はフランシス・レイのコンビ。
パリの街中でランボルギーニが立ち往生している所に出くわした高校生のオリビエ(ベルレー)。車を運転していたのは若くて魅力的な女性フレデリク(ドロン)。彼女は世界的なイタリアン人レーサー、エンリコ・フォンタナ(オッセン)の恋人だった。
フレデリクに惹かれたオリビエは、英語に堪能な彼女に、学校で課題になっている古典英語を教わろうとアプローチするのだった...
しかしコレを観てふと気づいたのは、“パリの名所案内”映画なのである。
オリビエの乗るバイクと、フレデリクの恋人でレーサーのフォンタナが乗る黄色のランボルギーニが、セーヌ沿いのノートルダム寺院側を走るシーンから始まり、パリの街を案内してくれる。
フレデリクの住むアパルトマンはセーヌ川の中洲にあるサン・ルイ島に建つアパルトマンの1室。
彼女がスキーに行くためショッピングするお店は“サンジェルマン・デ・プレ教会”が真後ろにそびえる。現在このあたりはブランド横町で、フレデリクがショッピングした界隈は“ルイ・ヴィトン”か?“ディオール”か?といった所...
二人が抱き合って踊るシーンに流れる“Where did our summers go? ”が、せつなさ過ぎる...
オリビエに会い、自分もそろそろ40才になるので落ち着きたいと語るフォンタナ。しかし彼は、フレデリクは君に夢中だと哀しげに打ち明ける。
その後、オリビエはラスト・シーンとなる、フレデリクが滞在するノートルダム寺院に近いホテルを訪れる...それぞれ男の優しさ、哀れさを描いた、これらのシーンがこの物語の全てを語っているような気がして素敵。
最初観た時、オリビエ役のベルレーより、フォンタナ役のオッセンが素敵だったが、やはりロベール・オッセンかなぁ?まだ生きてるかな彼??
なんともスゴイ邦題だが、コレは原題そのまま。フレデリクから英語の“個人レッスン”を受けることに由来する。
International公開時の”Tender Moment” ...“傷つきやすい(敏感な/感じやすい)時”というタイトルも中々good。
さてBiancaさんアラビア語喋るんですか??スゴ過ぎ!
そういやシリアに行かれてましたよね。
アラビア語のあの文字は素敵ですよね?日本の書のイメージで見てしまいますわ。
そうそう「個人教授」ってなんか艶かしくって、日本の配給会社はこの後もこの“個人”というタイトルを入れてアラン・ドロン映画の邦題にしたようですね。
テーマはチープですが俳優は素敵です。
ナタリー・ドロンて素敵な女優だと思うのですが、あっという間に映画にでなくなったみたいです。