「Le Temps qui reste」2005 フランス監督、脚本はフランソワ・オゾン「スイミング・プール/2005、ふたりの5つの分れ路/2004」。 主演のロマンには「愛人・ラマン/1992」「ル・ディヴォース・パリに恋して/2005」のメルヴィル・プポー。 ロマンの祖母ローラにジャンヌ・モロー。 ロマンと出会うウエイトレス、ジャニィは「ふたりの5つの分れ路/2004」のヴァレリア・ブルーニ・テデスキが演じている。 ![]() パリに住む売れっ子写真家ロマン(プポー)は31才。ある日仕事中に倒れた彼は、医者から重い病気だと告げられる。同性愛者である彼は“エイズでは?”と尋ねるが、医者は“ガンが体中に転移している”という。“余命は?”と聞くロマン。“後3ヶ月”と答える医者。ロマンは、化学治療法に苦しむのなら死を選ぼうと決断する。 同居中の恋人サシャ(クリスチャン・センゲワルト)にも、両親にも自らの死を告白できないロマンは、郊外に住む祖母ローラ(モロー)を訪ねる。ローラに自らの死を打ち明けたロマン。“なぜ私に話したの?”と聞くローラ。“互いにそろそろ死ぬからさ”と答えるロマン。“では今ここで一緒に死にましょう”と言うローラ。 ローラの家からの帰り道ウエイトレスのジャニィ(テデスキ)と出会う。ジャニィは不妊症で、ロマンにお願いがあると言う。“私とセックスして、子供を作って欲しい!”ロマンは“子供は嫌いだ!”と言って立ち去る。パリに戻ったロマンはサシャと別れ、休職して死と向かい合う決意をする。 ![]() フランス人(ヨーロッパ人)には同性愛者が多いようだ。パリに行った時、街中で男性同士が手を握り合い、キスまでしている光景を見た事が何度かある。公衆の中でこの有様だから、見えない所にはいっぱいいるのだろうなぁ?と想像した。 この映画はかなり赤裸々に同性愛者のsexシーンが描かれている。ロマンの恋人サシャを演じるクリスチャン・センゲワルトはまるでギリシャ神話の美少年のような風貌である。 ![]() 余命幾ばくもないと知ったロマン...遠方に住む祖母以外誰にも自らの死を明かさない。なんと強い精神なのだろうと感嘆した。常人ならとてもじゃないか狼狽してしまって、誰か(家族、恋人、友人)に話さずにはいられないであろう。しかしロマンは家族や、恋人が悲しむ姿を見たくないのであろう...。 死を迎える時、このような強い人間になれたらなと願わずにいられない。 哀しい物語なのだが、観ていて涙は出ない。しかしロマンが流す涙になぜか感動してしまった。 末期ガン患者は壮絶な痛みと闘わなければならないようだが、ロマンの場合、コカインとウオッカの力を借りて痛みと闘うのである。それって相当に良い方法だなと思うが...映画の中の世界である。 主演ロマン役のメルヴィル・プヴォーが素晴らしく適役である。祖母ローラを演じたジャンヌ・モローは相変わらず貫禄で、最初のシーンに登場するだけだが存在感十分である。 ウエイトレス役のテデスキは、既に相当なるobasan化してしまってこの先心配である。 ラストの海のシーンはオゾン流かな?と思った。エンド・クレジットのバックが海の音のみというのもオゾン流かも知れない。原題は“残された時間” オゾン映画は「まぼろし/2001」以来、日本で公開された作品は全て観て来た。前作「ふたりの5つの分れ路/2004」が今イチだったので、これは素晴らしいオゾン作品復活であった。 メルヴィル・プヴォーに惚れてしまった感じ。
by margot2005
| 2006-04-26 00:54
| フランス
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Comments(19)
こんにちは~。
メルヴィル・プヴォー、激痩せしてましたね。相当なダイエットを強いられたんでしょうかね… 最近ようやく、フランスってゲイは当たり前なんだ~と気がついた次第でして。汗 いい男はみんなゲイなんでしょうか~?!爆 ちょっと衝撃。(^^ゞ そうそう、それにウエイトレスの人…結構obasan…笑 作品自体はすごく気に入りました。泣きのツボにはまった感じです。 (^^ゞ
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charlotteさん、ラスト・シーン、海辺のメルヴィルのスイム・スーツ姿は哀しかったですね。痩せてしまって...。でもメルヴィルって元々かなりスリムのようですね。
フランス人(ヨーロッパ)のゲイは、わたしも現地で確認しました。ルーヴルの正門付近で見かけたゲイのお二人...見惚れるほど二人とも美しかったですが...女には興味がないのでしょう!? この映画のロマンもファッション・カメラマンですが、ファッション系の人々は特にゲイが多いそうです。日々あのように美しい女性を見ていると、きっと飽きるのでしょうね。 テデスキobasan化してましたよね。ヨーロッパ人はobasan化が早いように思えます。 わたしもこの作品は凄くお気に入りの一本となりました。
TBありがとうございました。
>家族や、恋人が悲しむ姿を見たくないのであろう...。 というよりも、おそらくメソンは同情(もしくはそれに類するもの)を拒んだんだと思います。 死と無縁(その時点で)な人間にとやかく言われる事は受け入れ難かったんでしょう。だからこそ、近しい立場(死期が近いと言う意味で)にある祖母にのみ打ち明けられたんだと思います。 TBありがとうございました!
april_foopさん、こちらこそありがとうございました!!
同情を拒んだ...なるほどそうですね確かに。 同情されるのって辛いですものね。“死”と無縁ではない祖母に打ち明けたのも頷けますね。 ジャンヌ・モローの存在が素晴らしかったです。
ドモドモー♪
先日は、TB、コメントをありがとうございました。 なるほど、フランスではゲイの方々が普通に仲良く歩いているのですか、、日本ではそういう光景はまだあまり目にしないですよね。 フランス人同士だと何だかキレイに見えちゃうのですが(・・・映画だからなのかな?) ジャンヌ・モロー、最初の方の出演なのに凄い存在感、強いオーラを放っていましたねー でで、ワタクシもテデスキのobasan化は思いました!! 特に下着姿になった時、とても所帯じみていたので(・・・わざとこういう演出をしたのかも知れないけれど。汗) 死に付いて改めて考えさせられる、良い映画でした。
puffさん、こちらこそありがとうございました!
ロマンもファッション系カメラマンですが、ファッション系の人って美しい女性ばかり見ていると、きっと飽きるんでしょうね!ファッション業界は ゲイが滅茶多いという事です。 モローさんフランス映画祭で見た事あるのです。80才くらいだと思いますが、今だ女の魅力をお持ちで素敵です! “わたしとsexして子供を作って!”という台詞もフランス人の世界ですわよね。日本人じゃ到底考えられない発想だと思います。 ほんと素晴らしい映画でしたね!今年のmy bestに入る映画であります。
TBありがとうございました。
いい映画でしたね~。じわんとあとひく映画ですね。 劇場で2回観てしまいましたが、すでにDVD発売を楽しみにしてます。 特典映像たっぷり入ってほしいなあと(笑) プポーが大人になっててとっても素敵でした。
bettyさん、ようこそお出でいただきました。こちらこそありがとうございます。シアターで2回ご覧になったようですね。
そうじわんと引きました。わたしもDVD発売されたら、又観たいなと思っています。特典映像に期待しましょう! この作品のプボーはホント素敵です!!
ひゃ~私もプポーに惚れちゃいました♪彼の出演作って見ているものもあるのに全然覚えがないんですよね。これから又楽しみな俳優ですよね。
彼の恋人役の彼も、いかにもって感じに美しい美少年で、そのシーンも見ていて苦になりませんでしたわ。さすがオゾン監督だな~っと、このキャスティングにも唸らされましたです。あとテデスキさんと夫とのシーンも何だか納得の方法で・・・フランスですよね~やっぱり。 んで、コカインとウォッカ・・・全くです。(^^;現実には無理だけど、こういった最期の時間の過ごし方が楽にできたら言うことはないのですが・・。^^
ラクサナさん、「ル・ディヴォース」のプヴォーがナオミ・ワッツのフランス人夫役でしたが、情けない妻子持ちの男の役で、ラストは気の毒でありました。この役では素晴らしかったですね。
いかにもゲイって感じで演じてましたよ...俳優たちはホントにゲイか?どうか?定かじゃありませんが... オゾンの前作はちょっといただけなかったです。ボビー・ソロの歌うテーマに惹かれて観に行ったようなものでした。 でもオゾン映画は味があって大好きです!次の作品も楽しみですぅ! 最近の(大人になった)プヴォーとギョーム・カネに惚れております。イタリア人も良いけど、やっぱりフランス人大好き!!
私も遅まきながら見てきました。やはり予告編を見て、プボーの美しさに惹かれ、またカメラマンだと言うことに興味を持って・・・。
いやぁ~、実に心に染み渡り、今年のベスト10には間違いなく入ります。 そうなんですか。フランスではゲイの人たちが多いのですか。 オゾン監督だからこそ、プボーの魅力を引き出させたのではないのでしょうか? 彼というか、この作品に感じられる、甘美なエロチシズム! 死を扱っていながら、見た後の嫌悪感は全然ないのも良かったです! 職業用のカメラをおいて、デジカメで撮影する事に彼の心の変化を表現していましたよねっ。 余談ですが、恋人のサシャを撮る時は確かニコンでした。つい私は映画でカメラがでると会社名に注目してしまう。
紫の上 さん、ご覧になりましたか。私もこの作品は今年のマイ・ベストに入りますね。オゾン映画の中でも特にお気に入りの作品となりました。
ヨーロッパのゲイの人々はかなりオープンらしいですよ。私はパリで何度も目撃しましたゲイ・カップル。 “死”がテーマの割にはそれほど暗くもなく(フランス映画なのに...)さっぱりと描かれていて好感度アップでありました。 オゾンのラスト・シーンはいつも楽しみなんですが...一人ビーチに残された主人公...後は波の音だけでエンディング...ニクいですね演出...。 NIKONそうでしたか?気がつかなかった...でもNIKONか?CANONが世界的に一番ですものね。
TBどうもでした。
テデスキさんのオバサン化・・ちょっと深刻ですわね(他人事) 笑 そうですか~おフランスではもうおおっぴらなんですね? それにしても プポー自身は大丈夫なんでしょうか・・心配です。
マダム、どうもこちらこそ...
テデスキさんやはりイタリアのobasanですわね。遺伝子には勝てないようですわ。 プヴォーはどうなんでしょう??俳優はゴシップ、ネタになるから、もしゲイ??でも隠してるでしょうね??
>MACHIさん
ぎゃ、、、、ありがとうございますだ♪
MACHI さんどうも、やはりプヴォーはnormalでしたのね...知りもしないでマダムと勝手に...
エンドクレジットも波の音が聞こえて、ステキでした。
壮絶な死もあるけれど、穏やかな死もある。自分では選べないのがほとんど。でも、不幸にして?この主人公のようになった場合、自分はどんな葬り方をするかなあ・・・と考えました。
カオリさんこんばんは!
エンディングの波の音はほんと素敵でしたね。 ロマンは家族や愛する人に打ち明けられずに苦悶し、死へと旅立つのが一番早い祖母に打ち明ける...なるほど...と納得したりしました。 わたしもこれを観て自分自身の死と言うものについて少々考えたりしましたね。いざとなったらどうでしょう?この映画のロマンのように冷静に受け入れられれば良いなと感じます。
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