「やさしい嘘」

「Depuis qu'Otar est parti...」...aka「Since Otar Left」2003 フランス/ベルギー
セザール賞(新人監督賞/ジュリーベルトゥチェリ)受賞!
a0051234_2246796.jpg

監督はフランス人のジュリーベルトゥチェリ。主演のエカおばあちゃんは90才の役を演じているが、撮影時は85才だったというエステール・ゴランタン。娘のマリーナにニノ・ホマスリゼ 、その娘アダにディナーラ・ドルカーロワ。台詞はグルジア語、フランス語、ロシア語。東京では2004年の秋に公開された。やはり何度も予告編を観たのだが、映画館へは行かなかった。今回wowowで放送があったので観た。DVDは発売されている。

ソ連邦の崩壊により一つの国となったグルジアを舞台に、祖母、母、娘3人の家族の絆を描いた感動のドラマ。グルジアの首都トリビシの貧しいアパートに暮らすエカおばんちゃん(ゴランタン)。彼女はパリへ出稼ぎに行った息子オタールからの手紙を楽しみに生きている。ソ連邦崩壊後の混乱で、生活は貧しかった。娘マリーナ(ホマスリゼ)が郵便局で働き、家族は細々と生きていた。フランス語が流暢に話せる孫のアダ(ドルカーロワ)は、将来この生活から抜け出そうと考えている。ある日、オタールが建設現場の事故で亡くなったとの知らせがはいる。ヴィザも所持していない、フランスでの彼は不法労働者で、遺体はパリの地に仮埋葬されたとのことであった。マリーナは悩む、息子オタールからの便りを生き甲斐にしているエカに真実が告げられようか?悩んだ末、マリーナはアダに、オタールのふりして祖母エカに手紙を書いてやってくれと頼む。しばらくこの“嘘”が続いたが...やはりこの“やさしい嘘”に疑問を抱いていたのだろうか?エカは娘、孫を伴ってオタールが住んでいたフランスへと旅立つ。ラストシーンが余りにもせつない。

息子に対する母親の限りない愛。息子ばかりで一緒に暮らす娘マリーナはちょっと気の毒だが、息子に対する母の愛は海よりも深いのであろうか?アダのボーイ・フレンドが“トルコに行こう!”と誘うのはグルジアの隣国がトルコであったためかと納得した。エカの亡くなった夫の蔵書がフランス語の本ばかりで、ソ連邦の人たちはフランスに憧れがあるのだなぁと又また納得。
とにかく心暖まるハート・ウオーミング・ストーリーである。主演のエステール・ゴランタン80才になってから女優になったというスゴイ方。背中はかなり曲がってるが、足取りはOKな元気なばあちゃんだ。

下の写真“願いの木”(その辺の道路端に植えてある普通の木)と呼ばれているらしい。これに神社のおみくじのように...この国は紙ではなく、布であるが...結んで願いを叶えるという。それぞれの国によってやり方は違うが考えることはさほど変わらないなと思った。
a0051234_23365214.jpg

[PR]
by margot2005 | 2005-11-20 23:52 | フランス | Trackback | Comments(4)
トラックバックURL : https://margot2005.exblog.jp/tb/2657941
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by ラクサナ at 2005-11-24 19:16 x
レンタルDVDで観ました。移民問題、グルジア国の現状なんかも切なく教えてくれてますね。でもあの御年で魅力的なばあ様だこと!あの古びた観覧車で、タバコを吸うシーンなんぞ素敵!娘や孫娘の「やさしい嘘」からくる葛藤も切なかったですね。特典映像でのインタヴューに応えるばあ様も可愛かったですよ。^^
Commented by margot2005 at 2005-11-24 22:47
ラクサナさんレンタルでご覧になたのね?そうレンタルの特典にはゴランタンおばあちゃまのインタビューが入っているようですね。観たかったわ。思わず世界地図でグルジアの場所調べましたわ。観覧車のシーン良かったですよね。貫禄でタバコ吸ってましたもの。あこまで年取ると肺がんも怖く亡かったりして...。
Commented by CaeRu_noix at 2005-12-01 17:05
大好きな作品です。去年のベスト3くらいだったかな。
オタール・イオセリアーニが好きなので、その助監督をされていた女性の作品というのがまた嬉しかったですー。
Commented by margot2005 at 2005-12-02 00:19
CaeRuさん、コメントありがとうございました。シャンテでご覧になったのですね!?ベスト3ですか?確かに素晴らしい作品でした。これはほんと女性映画ですわよね。エンディングは胸きゅんでございました。
<< 「Jの悲劇」 「隣の女」 >>