2025年 05月 14日
「山猫」TVミニシリーズ 1シーズン/6エピソード
「The Leopard」2025 イタリア/UK

1860年、イタリア統一に向けて歴史が動く中、誇り高いシチリア貴族サリーナ公爵は愛する甥タンクレディと新興勢力である村長の娘アンジェリカの恋を後押しする…
ルキノ・ヴィスコンティの「山猫/イタリア語・完全復元版/2003」は20年位前に新宿のタイムズスクエアの映画館(現在は閉館)の大スクリーンで鑑賞した。
メインのキャストはサリーナ公爵、ファブリツィオ/バート・ランカスター、タンクレディ/アラン・ドロン、そしてアンジェリカ/クラウディア・カルディナーレ。
ファブリツィオの長女コンチェッタや、妻で公爵夫人のマリア・ステラや、アンジェリカの父で村長(市長)のドン・カロージョ・セダーラを演じたイタリアの俳優たちの記憶がない。
しかしこのシリーズではファブリツィオが愛してやまない美しいコンチェッタにスポット当てて描いている。
アンジェリカ役のデーヴァ・カッセルの両親はヴァンサン・カッセル&モニカ・ベルッチ。母似で妖艶。
ドラマシリーズの原作である「山猫」はイタリアではとても有名な小説。しかしながら読んだことはない。
ちょっと調べたところルキノ・ヴィスコンティの「山猫」は全8章のうち第6章までを描いている。
本シリーズはファブリツィオの死まで全てを描いているので原作小説を読んだ気になる。
キム・ロッシはサリーナ公爵に相応しい俳優ではないと思ったが、舞台裏のドキュメンタリー「山猫:制作の舞台裏/2025」で、本人も役にふさわしくないと語っている。しかし監督トム・シャンクランドは彼こそがサリーナ公爵に相応しいと絶賛したそう。
キム・ロッシのサリーナ公爵も中々味わい深い。
タンクレディに恋をしたコンチェッタはもちろん、タンクレディとアンジェリカの夫婦関係など詳細に描かれている。
シチリアでロケされ、大掛かりなセットを作って、ドラマとしてもとても見応えがあった。
サリーナ公爵に「警部ダリオ・マルテーゼ 遺志を継ぐ男/2017」「誰もがダイヤを愛してる/2023」のキム・ロッシ・スチュアート。
コンチェッタに「7人の女たち/2021」のベネデッタ・ポルカローリ。
タンクレディに「スーパーセックス/2024」のサウル・ナンニ。
アンジェリカにデーヴァ・カッセル。
ドン・カロージョ・セダーラに「幸せの列車に乗せられた少年/2024」のフランチェスコ・ディ・レーヴァ。
マリア・ステラにアストリッド・メローニ。
ピローネ神父に「いつだってやめられる/2014」のパオロ・カラブレージ。
監督は「ザ・サーペント/12021」のトム・シャンクランド。
Netflix
これはサリーナ家を中心に当時の時代背景が描かれ、ドキュメンタリータッチの歴史ドラマで、とても面白かったです。ロケが始まった頃は、ヴィスコンティの『山猫』をドラマ化するなんて、無謀なことを!と危惧していましたが、見応えがありました。アラン・ドロンとサウル・ナンニは比べるまでもなく、そこだけちょっぴり残念でした。キム様ごひいきの若手役者で、何度か共演してますね。
ハイスミスの『リプリー』はまだ序盤のニューヨークで足踏みしたままですが(全然進まない…苦笑)、『山猫』は頑張って原作を最後まで読みました。コンチェッタの苦渋の思いが凝縮されたラストシーンが印象的でした。
どうも嬉しい嬉しいコメントありがとうございます。
>サリーナ家を中心に当時の時代背景が描かれ、ドキュメンタリータッチの歴史ドラマ...
まさにそうでしたね。ドラマはとても興味深く見れました。
特にタンクレディに恋をしたコンチェッタと、タンクレディを夢中にしたアンジェリカが対照的
で上手く描かれていました。
コンチェッタの苦渋は辛かったでしょうが、ラスト、力強く生きていく様は素晴らしかったです。
アラン・ドロンとサウル・ナンニはどうしても比べますね?ドロンのイメージが強すぎて、
どうなるのやらと思いつつ見てました。
イタリア映画は日本ではあまり公開されないのでキムとサウル映画を見るには無理かもです。
ハイスミス原作の映画は面白いですが、小説はそれほどでもないですね。

