「ファイアーブランド ヘンリー８世最後の妻」

「Firebrand」2023 UK／USA

”陰謀渦巻く宮廷で、暴君である国王を相手に、命懸けのサバイバルを繰り広げるキャサリンの運命をスリリングに描き出す。

ヘンリー８世の6番目の妻キャサリン・パーは、王が海外で戦っている間摂政に任命される。馬上槍試合で脚に怪我を負ったヘンリーは傷口が悪化し、馬に乗れず杖をついている。被害妄想気味の王は、イングランド国教会とは異なる宗教観を持つキャサリンは異端者なのか？と疑いを深める。キャサリンは信念に基づいてより良い未来へ導きたいと願うが、ヘンリーはキャサリンの幼なじみを反逆罪で告発し火刑に…。やがて国王と対立する立場にあると告発された王妃は、前妻たちのように処刑されるのか？それとも王が先に倒れるのか？

王のラストは史実とは異なる描き方でとてもドラマティック。オープニングタイトルの巨大な文字は赤。それはヘンリー８世と妻たちにまつわるbloodを連想する。エンディングロールのBack Musicも過激。

現在50代となったジュード・ロウは晩年のヘンリー８世が似合う。

アン・ブーリン時代のヘンリーを演じたエリック・バナの「ブーリン家の姉妹／2008」と「ウルフ・ホール／2015」のダミアン・ルイスもヘンリー８世が似合っていた。

英国の歴史物の大ファンなので観るのを楽しみにしていた。2023年製作ドラマは日本でようやく公開された様子。

アン・ブーリンの娘エリザベスと、ジェーン・シーモアとの間に産まれたエドワードは、ヘンリー８世、キャサリン・パーと共に宮殿に暮らしている。そしてジェーン・シーモアの兄弟エドワードとトマスも、後にエドワード6世となる甥を守るため宮廷にいる。この辺りの勢力争いは深く掘り下げていない。

ドラマの中心はあくまでもキャサリン・パー。彼女はエリザベスとエドワードのステップマザーではあるが、父親（ヘンリー8世）に愛されない彼らを愛している。

ヘンリー８世亡き後、エドワードが王位に就くが15歳で亡くなり、エリザベスがイングランドのクイーンとなる。

「THE TUDORS～背徳の王冠～／2007～1010」はキャサリン・オブ・アラゴンからキャサリン・パーまで6人の女性と結婚したヘンリー８世を描く壮大なるドラマ。ジョナサン・リース＝マイヤーズ主演のドラマは非常に面白かった。今一度観たい。

キャサリン・パーを演じるアリシア・ヴィキャンデルはniceキャスティング。

ジュード主演の「不都合な理想の夫婦／2019」をhuluで鑑賞した、ジュードのこんなキャラ初めて。「オーダー／2024」は配信で鑑賞中。

本作の監督カリン・アイヌーズの「もしも建物が話せたら／2014」はwowowで鑑賞した。建物を見たり写真を撮ったりするのが好きなので、とても興味深いドキュメンタリー（オムニバス）だった。

キャサリン・パーに「グリーン・ナイト／2021」のアリシア・ヴィキャンデル。

ヘンリー8世に「レイニーデイ・イン・ニューヨーク／2019」「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密／2022」のジュード・ロウ。

トマス・シーモアに「キュリー夫人　天才科学者の愛と情熱／2019」「フリー・ファイアー／2016」のサム・ライリー

エドワード・シーモアに「オペレーション・フォーチュン／2023」のエディ・マーサン。

スティーヴン・ガーディナー司教に「スターリンの葬送狂騒曲／2017」「オペレーション・フィナーレ／2018」のサイモン・ラッセル・ビール。

エリザベス王女にジュニア・リース。

エドワード王子にパトリックバックリー。

監督はカリン・アイヌーズ。

TOHOシネマズシャンテ