2025年 01月 23日
「太陽と桃の歌」
「Alcarràs」2022 スペイン/イタリア

ソレ家はカタルーニャで三世代に渡って桃農園を営んでいる。収穫を迎えようとした時、地主から夏の終わりに土地を明け渡すよう迫られる。家族でロヘリオが所有する土地の契約書を探すが見つからない。やがてロヘリオは契約書などない。先代との口約束だったと告げる。ロヘリオの息子夫婦キメットとドロレスはまだ学生の長男ロジェー、長女マリオナ、そして幼いイリスを抱えていた…
地主の新しい計画は桃の木を伐採して、代わりにソーラーパネルを敷き詰めることだった。ドロレスとキメットの妹夫婦は「楽に稼げる」という囁きに心を動かされる。
市場で、”桃で儲からないなら、マリファナでも栽培するか。”の言葉に触発されたロジェーはトウモロコシ畑で大麻栽培を始める。頑固なロヘリオは全く譲らないが、どうにもならなくての男泣きは気の毒。
第72回ベルリン国際映画祭金熊賞に輝いたヒューマン・ドラマ。
このドラマの見どころはキャストにはプロの俳優ではなく、地元の人々が起用されたこと。てっきり俳優だとばっかり思っていたので皆さん素晴らしかったと思う。
でもそう言えば、この一家はとても自然な感じで、カタルーニャの土地に溶け込んでいる。
桃の収穫のシーンはとてもリアルでドキュメンタリーのよう。
イリス役のアイネットがイタズラ好きのキュートな女の子でnice。
バルセロナに住むキメットの妹役が唯一のプロで監督の妹とのこと。
原タイトルの「Alcarràs/アルカラス」はカタルーニャ地方にある町の名前。
昨年12月に日比谷のシャンテで公開されたが、鑑賞したのは今年になってから。すっかり忘れていたドラマは伝統的な桃の収穫に携わる家族の最後の夏の物語。心に残る良い映画だった。
ロヘリオにジュゼップ・アバッド。
キメットにジョルディ・ プジョル・ ドルセ。
ドロルスにアンナ・ オティン。
ロジェーにアルベルト・ボスク。
マリオナにシェニア・ ロゼット。
イリスにアイネット・ジョウノウ。
監督、脚本は「悲しみに、こんにちは/2017」のカルラ・シモン。

