2023年 08月 23日
「ふたりのマエストロ」
「Maestro(s)」2022 フランス/ベルギー

フランソワとドニ・デュマールは共にクラシック界で活躍する指揮者の親子。フランソワは40年のキャリアがあるが、ドニは大きな賞を受賞し勢いに乗っていた。そんな折、フランソワに世界最高峰の“ミラノ・スカラ座”からの音楽監督就任の依頼が入る。それは彼の夢だった。妻のエレーヌに”一緒にミラノに行こう!”と嬉しさが止まらない。しかし実際は息子ドニへの依頼を、誤って父フランソワに告げていた事がわかる…
父が選ばれた時、素直に喜べなかった息子ドニは、本当のことを伝える勇気がない。葛藤し合う父と息子の姿は見ていてツラい。親子で同業だからどうしようもないけど...。
エンドクレジットの楽曲のオーケストラのところに”Ozawa”の文字があった。ドニが“ミラノ・スカラ座”で指揮をする小澤征爾をPCで見るシーンもある。
たまに大きな音で美しい音楽を聴くと心が洗われる。ストレスが溜まる日々において気分転換になった音楽ドラマは素晴らしかった。ラストのパフォーマンスはちょっとあり得ない?見たことないかも??
”2011年のカンヌ国際映画祭で脚本賞に輝いたイスラエル映画「フットノート」を「コーダ あいのうた」の製作陣がリメイクした”らしい。全く知らなかった。ちなみにイヴァンはテルアビブ生まれのユダヤ人でフランスへ移民。
最近のイヴァン映画はダニー・ブーン監督、主演の「ヒューマニティ通り8番地/2021」。ロックダウンのパリの住民を描いたコメディ。Netflixで配信されたが日本でも真っ最中だったので鑑賞はやめにした。結局最後に見たのは「セバーグ/2019」。
イヴァン映画を最初に見たのはフランス映画祭で上映されたイタリア&フランスの俳優ヴァレリア・ブルーニ・テデスキが監督の「ラクダと針の穴/2003」。その後スピルバーグの「ミュンヘン/2005」や、D.クレイグ主演の「ザ・インタープリター/2005」などに出演している。ふと思ったのはイヴァン主演映画は初めて見た気がする。日本ではイヴァン・アタルはシャルロット・ゲンズブールのパートナーとして有名なのかも知れない。
ドニ・デュマールに「ぼくの妻はシャルロット・ゲンズブール/2001」「フレンチなしあわせのみつけ方/2004」「フランス特殊部隊 RAID/2016」「セバーグ/2019」のイヴァン・アタル。
フランソワ・デュマールに「ベル・エポックでもう一度/2019」のピエール・アルディティ。
エレーヌに「タイピスト!/2012」「コンフェッション -時効前夜の告白-/2013」「ザ・ラスト・マーセナリー/2021」のミュウ=ミュウ。
ヴィルジニに「パリ、嘘つきな恋/2018」のキャロリーヌ・アングラーデ。
ジャンヌに「オートクチュール/2021」「ロストブレッド2/2022」のパスカル・アルビロ。
マチューにニルス・オトナン=ジラール。
監督、脚本はブリュノ・シッシュ。
ヒューマントラストシネマ有楽町

