2023年 06月 25日
「アシスタント」
「The Assistant」2019 USA

名門大学を卒業し映画プロデューサーを夢見るジェーンは有名エンターテインメント企業に就職する。そして業界の大物である会長のもとジュニア・アシスタントとして働き始める。事務所ではハラスメントが常習化しており、誰もボスに逆らうことはできない。夢のためには耐えるしかないが、ある日、ボスの許されない行為を知りジェーンは立ち上がる….
早朝から深夜まで猛烈に忙しいジェーンの1日を描くドラマ。
会話がほとんどなくて、事務所内で発生するPCの操作音、電話での会話、水道が流れる音、冷蔵庫を開けたり閉めたり、棚から物を出したり…そういった雑音が耳に響く。
2019年の作品なので日本ではようやくの一般公開。製作国の米国では2019年8月と、2020年1月の映画祭で公開された。英国は2020年1月に、他の多くの国々でも2020年に公開済み。
”わたしはどうする”のフレーズがスゴく良い。
猛烈なパワハラに”わたしはどうする”のジェーンはウィルコックに相談に行く。ウィルコックは総務のようなところで働く人。全く経験もなくただ若くて綺麗なシエナが採用されたことが相談にいった一番の理由。
ジェーンはウィルコックにボス(会長)のいるホテルにシエナを送り届けたことなど色々と話す。するとウィルコックは書き留めておいたメモ取り、”これを報告するか?それとも破り捨てるか?その後君がどうなるかはわかるだろう?”と優しく諭す。ジェーンの心と現実は相容れないが、やはり無かったことに…。ジェーンが去る前にウィルコックがかけた言葉は”君は彼のタイプじゃないよ”だった。
映画案内に”憧れの映画業界に就職した新人アシスタントが、ワンマンなボスの下でパワハラやセクハラが横行する職場に葛藤を深めていく姿をリアルな筆致で描き出す。”とある。
ジェーンの周りの人物は皆見て見ないふりをしている。特に男性アシスタントの二人。辛そうなジェーンを見て面白がっているように見える。パワハラは電話でボスの妻からもあり。
とてもリアルで、ほぼ一人舞台のジュリア・ガーナーがナイスキャスティング。
それにしても有名エンターテインメント企業が入るビルは古くてエレベーターの軋む音が気になるくらい。華やかさとは全く無縁の殺風景なオフィスで驚いた。
ジュリア・ガーナーが出演する「令嬢アンナの真実」と「オザークへようこそ」はNetflixでどちらも挫折中。「令嬢アンナの真実」は再び観るかも?「オザークへようこそ」は長すぎる。
途中から出てくるウィルコックを演じる英国人俳優のマシュー・マクファディンがnice。
ボスは声のみで姿は表さない。
87分と短いドラマに作者キティ・グリーンの思い入れが凝縮されていて素晴らしい。エンディングに”膨大な実話を基に…”と記されていた。
ジェーンに「令嬢アンナの真実/2022」「オザークへようこそ2017~2022」のジュリア・ガーナー。
ウィルコックに「オペレーション・ミンスミート ―ナチを欺いた死体―/2021」のマシュー・マクファディン。
シエナにクリスティン・フロセス。
男性アシスタント1に「シカゴ7裁判/2020」のノア・ロビンズ。
男性アシスタント2にジョン・オルシーニ。
監督、製作、脚本、編集は「ジョンベネ殺害事件の謎 /2017」のキティ・グリーン。
新宿シネマカリテ


