2023年 05月 16日
「TAR ター」
「Tár」2022 USA

偉大なる芸術家として各界の尊敬を集めるリディア・ターはレズビアンを公言し、私生活ではコンサートマスターでヴァイオリニストの恋人シャロンと共に養女ペトラを育てている。マーラーの交響曲で唯一残っていた第5番の録音が目前に迫り大きなプレッシャーに晒されていた最中、ターが指導した若手指揮者の訃報が入る。それは自殺だった。自らのせいと疑問視し追い詰められていくター。ターが重圧により被害妄想に陥り正気を失っていく様はまるでホラーのよう。
ターの秘書フランチェスカ(副指揮者)を演じるフランスの俳優ノエミ・メルランがリディア・ター=ケイト・ブランシェットに圧倒されている様が見ていて面白い。
ニーナ・ホスは有楽町の朝日ホールで開催されたドイツ映画祭2007の「イェラ/2007」で初めてお目にかかったドイツ人俳優。2008年は朝日ホール、2009年は新宿バルト9で開催されそれぞれ観に行ったがその後は記憶にない。
ニーナ・ホスはケイトより6歳も若いのに年上にしか見えない。急速におばさん化している。
ケイトはやはりレズビアンを演じた「キャロル/2015」の頃とほとんど変わっていなくて驚異的!
気の毒なキャラのマーク・ストロングは今回髪の毛あり。スキンヘッドの指揮者っていない?指揮者ってロン毛のイメージかも?
オープニング、自伝発表のインタビューを受けるリディア・ター。演じるケイト・ブランシェットはとても美しい。ラスト近く、アジアに拠点を移したターは疲れ果てた顔でシワも増えている。メイクアップ・アーティストの技はもちろんだけどケイトの演技は素晴らしい。キャラになりきる様は流石。
158分と長くとってもシリアスなドラマながらエンディングは少々笑えた。ラスト近くのマッサージルームでのエピソード…係の女性がずらりと並んだ女の子を指差して”何番を選びますか?”の質問に、その場を逃げ出して嘔吐するリディアが気の毒ながら失笑を買うシーンで面白い。
架空の人物を描いているから少々笑えるシーンもありかと思えた。
Webサイトに“マーラーの交響曲第5番第4楽章はルキノ・ヴィスコンティの「ベニスに死す」に使われたことが大衆的な曲と見なされるようになった…”と書いてある。そのCDを買ったのは「ベニスに死す」ではなく「マーラー 君に捧げるアダージョ/2010」を見た後。
ドラマではターが語るグスタフ・マーラーと妻アルマのエピソードもあった。
リディア・ターに「ナイトメア・アリー/2021」のケイト・ブランシェット。
シャロン・グッドナウに「男と女、モントーク岬で/2017」「THE DEFEATEDー混沌のベルリンー/2020」のニーナ・ホス。
フランチェスカ・レンティーニに「パリ13区/2021」のノエミ・メルラン。
オルガ・メトキナにソフィ・カウアー。
エリオット・カプランに「1917 命をかけた伝令/2019」「クルエラ/2021」のマーク・ストロング。
監督、脚本、製作は「リトル・チルドレン/2006」「イン・ザ・ベッドルーム/2001」のトッド・フィールド。
TOHOシネマズ池袋
あの後、中止となったのか続行したのか気になるところです。
ケイトが知的で徐々に狂気と化していく様は流石と思いました。
あの国はフィリピンですかね~最後のマッサージで5番の子指名してほしかったです(汗)
カオス状態のコンサート。
あれは幻のコンサートだったのかも?。劇場はさすがドイツですね。
マークのBunkamuraというセリフに渋谷のオーチャードホール(現在休館中)
のことだと嬉しくなりました。
5番の子お気に入りですね?随分いっぱいいましたよね。
ケイトの演技はほんと流石です。
本作、楽しい作品ではないけれど、権力の本質が描かれていて
知人と重ね合わせながら興味深く見ました。
ケイトの演技、怜悧で冷酷さをあわせもったターになりきっていて
すばらしかったです。性格はともかくとしてかっこよかった!
(オルガを追いかけてケガするところは情けなかったけれど)
こんばんは。
ケイトってカッコ良いですよね。いつもそう思います。
本作ではターになりきっていました。
どんなキャラも自分のものにしてしまう技は流石です。
映画はホラー風でラストも面白かったです。
ここにケイトブランシェットあり!のドラマでした。
>オルガを追いかけて..そうそう転んでいた。

