2023年 05月 08日
イタリア映画祭2023「乾いたローマ」
「Siccità」...aka「Dry」2022 イタリア

3年間全く雨が降っていないローマ。水は配給制で警察は水の違法な使用者を処罰している。テヴェレ川は干し上がり川底から新たな古代ローマの遺物が発見される…
ゴキブリを媒介として”眠り病”を引き起こす病魔に侵されるローマ市民。
群像劇でその中には妻殺しの受刑者/Taxiドライバー/自己中な元舞台俳優/医師/気象学者/俳優etc.
車を洗車したり、植物に水を与えると処罰となる。自己中な元舞台俳優アルフレドの妻ミラは生活のためにスーパーで働き内緒で薔薇に水を与えている。Taxiドライバー、ロリスの車は見事なまでに汚れ悪態をつきながらの客待ち。刑務所にいるはずのアントニオが自らの意思ではなく脱走し娘探しを開始。
少々コメディタッチで描かれるドラマは地球温暖化が語られる今、興味深く面白かったけど、雨が降らないローマは気候変動による未来を語っているようで恐ろしい。雨が異常に多い年と異常に少ない年。それは極端過ぎる。
シルヴィオ・オルランドとヴァレリオ・マスタンドレアがnice。
モニカ・ベルッチってどの役もモニカ・ベルッチでしかないが、50代後半でもゴージャスで美しい。
映画が始まる前に出演者の一人であるトンマーゾ・ラーニョが登壇。通訳の女性に促されて”何を話せば?”と言いつつ、”監督はパンデミックによりイタリアから人影が消えた様を見てアイデアが浮かんだ。”と映画について説明した。”日本に呼んでくれてありがとう。”との感謝もありシャイな感じの人で、ルイジ・ロ・カーショ同様普段着?だった。
アントニオに「靴ひものロンド/2020」のシルヴィオ・オルランド。
ロリスに「幸せな感じ/2018」のヴァレリオ・マスタンドレア。
アルフレドに「幸福なラザロ/2018」「ムッソリーニの財宝を狙え/2022」のトンマーゾ・ラーニョ。
ミラに「3つの鍵/2021」のエレナ・リエッティ。
サラに「ただ、ひとりの父親/2008」のクラウディア・パンドルフィ。
ルカに「ザ・プレイス/2017」のヴィニーチョ・マリキオーニ。
ヴァレンティーナに「007 スペクター/2015」「男と女 人生最良の日々/2019」のモニカ・ベルッチ。
デル・ヴェッキオ教授にディエゴ・リポン。
監督、原案、脚本は「人間の値打ち/2013」「歓びのトスカーナ/2016」「ロング,ロングバケーション/2017」のパオロ・ヴィルズィ。
有楽町朝日ホール

トンマーゾ・ラーニョってよく知らない俳優ですが、
その辺歩いているおじさんて感じでしたね。
街それぞれですね。

