2023年 02月 22日
「西部戦線異状なし」
「Im Westen nichts Neues」…aka「All Quiet on the Western Front」2022 ドイツ/USA

第一次世界大戦の欧州。祖国のために戦おうと意気揚々と西部戦線へ赴いた17歳のパウル。だがその高揚感と志は、最前線の悲惨な現実を前に打ち砕かれる…
前線で戦死した兵士たちの死体が処理されるところから始まる。身体から服を剥ぎ取り集めた後、トラックに載せ工場へと運ばれる。洗浄され補修されて新たに兵士のユニフォームとなる。
第一次世界大戦から3年目の1917年。17歳のパウルは学友のアルベルト、フランツ、ルードヴィッヒたちとドイツ帝国陸軍に入隊する。やがて仲間と一緒に北フランスのラ・マルメゾンに配属される。トラックの中では”もうすぐパリだ!/女性と遊べるという意味合い”の気分の若者たち。しかし前線でフランス兵との激しい戦いに彼らの希望は打ち砕かれる。
エンディングに…
”僅か数百メートルの陣地を得るため300万以上の兵士が死亡/第一次世界大戦では約1700万人が命を落とした”と記される。
Netflixで配信が始まったが戦争映画は苦手なので、見るのをずっと躊躇っていた。しかしオスカー作品賞にノミネートされ、先日の英国アカデミー賞では作品、監督、脚色などなど7部門で受賞した。で、これは見ないと思って鑑賞に至った。
ドキュメンタリー「西部戦線異状なし 制作の舞台裏/2022」も併せて鑑賞。
主人公パウル役のフェリックス・カメラーは主に舞台俳優だそうで、ドキュメンタリーの中で、監督が彼の演技を絶賛していた。
チェコ、プラハの北にセットの戦場や塹壕を作って撮影された。
1930年に制作され日本でも一般公開された「西部戦線異状なし」は映画史に残るアメリカ戦争映画の名作。なんだかTVとかで見たような気になっていた作品。そして原作小説を書いたレマルクの名前も知っているが、映画は見てはいなかった。今回ドイツ版の本作を見て”映画史に残るアメリカ戦争映画の名作”に納得した。
パウル・ボイメルにフェリックス・カメラー。
スタニスラウス・カチンスキーに「さよなら、ベルリン またはファビアンの選択について/2021」のアルブレヒト・シュッフ。
アルベルト・クロップにアーロン・ヒルマー。
フランツ・ミュラーにモリッツ・クラウス。
ルードヴィッヒ・ベームにアドリアン・グリューネヴァルト。
チャーデン・スタックフリートにエディン・ハサノヴィッチ。
連合国軍総司令官フェルディナン・フォッシュに「MISS ミス・フランスになりたい!/2020」のティボール・ド・モンタレンベール。
フリードリヒ将軍にデーヴィト・シュトリーゾフ。
大臣マティアス・エルツベルガーに「エンテベ空港の7日間/2018」「キングスマン ファースト・エージェント/2021」のダニエル・ブリュール。
監督、脚本、製作は「ぼくらの家路/2013」のエドワード・ベルガー。
Netflix
ワタシの昨年のベスト10に入ってますが、こういう秀作をもっとNethlixで配信してほしいです。
ほぼ一世紀前のオリジナルが観てみたくなりました。
今晩は。
9部門ですか?いやいやスゴいことです。非英語作品なのに...。
itukaさんベスト10でしたか。これってほんと秀作ですよね。
Netflix映画は結構駄作もありますが、秀作も多いです。もっともっと!ですね。
オリジナルちょっと見たいです。
ドイツ語だからこそのリアリティがありましたね。
私は合わせて旧作も鑑賞しましたが、旧作のほうが少しシニカルに描かれていて、テーマが伝わり易かった気がしました。
勿論今作も充分に戦争の愚かさが伝わってきますが・・・
アカデミー賞かなり有力かもしれませんね。
こんにちは。
とうとう見ました。
”映画史に残るアメリカ戦争映画の名作”に実感です。傑作と言いたいですね。
旧作とはストーリーが違っているようですが、ドイツで製作されたことに
意義があったような気がします。戦争の愚かさ十分に伝わりました。
オスカー是非!!ですね。

