2023年 02月 07日
「すべてうまくいきますように」
「Tout s'est bien passé」…aka「Everything Went Fine」2021 フランス/ベルギー

”安楽死を決断した父と、戸惑いながらもわがままな父の最後の願いを叶えてあげようと協力していく家族の葛藤と絆をユーモアを織り交ぜ描いたヒューマン・ドラマ。”
85歳のアンドレは楽しい人生を送っていたが、ある日突然脳卒中で倒れ、命は取り留めたものの身体の自由がきかなくなってしまう。現実を受け入れることができないアンドレは安楽死を決断する。父アンドレの決断にショックを受ける長女のエマニュエル。しかし頑固な父は一歩も譲らない。妹のパスカルにも相談し安楽死について調べ始める。
アンドレが娘だけではなく他の人に話したことから騒動が起きる。警察に尋問されたりしたがなんとか乗り越え、手配した救急車でスイス国境(ベルン近く)まで到着。ところが事情を知った運転手がイスラム教徒で”これ以上は手伝えない。”と言ったり...。少々ユーモアを交えて描いたのが良いなと思った。
映画を観終わってもちろん「母の身終い/2012」思い出した。女性が自身で貯めた金で尊厳死に挑む。オゾン版と違ってかなりシリアスに描いていた。
本作の男性はとても裕福。ドラマの中で安楽死には1万ユーロかかるとある。”貧乏人は安楽死できないな”という台詞はフランスの貧富の差を感じる一言だった。
ソフィー・マルソーはいつまでもチャーミング。アンドレ・デュソリエが85歳の寝たきり老人役。こういった役柄を見ると俳優も大変だなぁと思わざるを得ないけど、アンドレ・デュソリエは寝たきり老人になりきっていた。
少ししか登場しないシャーロット・ランプリングはアンドレの彫刻家の妻役。娘のエマニュエルが母クロードに”なぜ離婚しなかったの?”との質問に”バカね、愛していたのよ。”と答えるシーンがniceだけど、アンドレとクロード夫婦は複雑だった?
演じるシャーロット・ランプリング出番はわずかでも相変わらずの貫禄。
安楽死の手配をするもの静かなスイスのマダムを演じるハンナ・シグラが役柄にピッタリで、ソフィー、アンドレ同様niceキャスティング。
タイトル「すべてうまくいきますように」がトレビアン!
フランスでは法律で認められていない安楽死と尊厳死。そして安楽死と尊厳死には違いがあることを知らなかったので調べてみた。
”尊厳死は、延命治療を施さずに自然な最期を迎えることであり、安楽死は人為的に寿命を短くさせることであり、日本では犯罪とされます。”とあった。本作でも警察が介入してくるエピソードあり。
エマニュエルに「マーガレットと素敵な何か/2010」のソフィー・マルソー。
アンドレに「ブラックボックス:音声分析捜査/2021」のアンドレ・デュソリエ。
パスカルに「17歳/2013」「マルセイユ/シーズン2/2016〜2018」のジェラルディーヌ・ペラス。
クロードに「ともしび/2017」「DUNE/デューン 砂の惑星/2020」のシャーロット・ランプリング。
セルジュに「グレース・オブ・ゴッド 告発の時/2018」のエリック・カラヴァカ。
スイスのマダムに「そして、私たちは愛に帰る/2007」のハンナ・シグラ。
監督、脚本は「Summer of 85/2020」のフランソワ・オゾン。
新宿武蔵野館
新宿サザンテラスは高島屋タイムズスクエアの真向かいにある広場(遊歩道)。映画の上映時間が遅かったので、その前にNEWoManにでも行こうと思っていたら明かりが見えて足がそちらに...。ここのライトアップを見たのはかなり前。今回のライトアップは3年ぶりで2/14まで。










