2022年 08月 28日
「残り火」
「Kærlighed for voksne」…aka「Loving Adults」2022 デンマーク

妻以外の女性を愛してしまった男。やがて妻は浮気現場を目撃する。愛は憎しみへと変わりもう後戻りできない。一線を越えてしまった夫婦の行方は…
重い病気を患っていた一人息子も手術の結果元気になり高校を卒業するまでに成長していた。結婚20年の夫婦は幸せに見えたが、夫は職場の若い女性と不倫関係にあり、妻と別れようと企んでいた。
妻レオノラはプロのヴァイオリン奏者になるのが夢だった。でも病気の息子を抱えていたためキャリアを諦めるしかなかった。一方で夫クリスチャンは事業に成功し若い女と浮気している。絶対に許せないレオノラは過去にクリスチャンが起こした不正(レオノラも加担していたけど...)を警察に暴露すると脅し始める。
サスペンスはネタばれしないで書くのが難しい。
クリスチャンのスーパー怪しい行動やレオノラの過去などなど…。
バックに流れるクラシックなヴァイオリン曲がストーリーを盛り上げているのは言うまでもない。
北欧、デンマークの美しい森や湖。そして瀟洒な住まいがとても素敵だった。
結婚式を控えた娘に担当刑事が事件を語っている。”大半の殺人には愛が絡んでいる。事件の半数は配偶者や恋人による犯行で、動悸は大抵嫉妬や情熱だ。”と言う。
刑事の父が結婚式前の娘に<夫婦の愛について>諭す姿が面白い。なぜ結婚式前なのか納得した。
邦題「残り火」が最初何を意味するのか想像できず、ましてやオープニングはとっても衝撃的。ラスト、意味深な「残り火」はオープニングの湖のシーンとつながっていてなるほどだった。
妻に脅かされてるのに、”これほど愛したのは君だけだ!”と愛人に訴えるクリスチャン。諦めきれない情けないクリスチャンに対してレオノラが猛烈に強いのだ。演じる二人がgoodキャスティング。
監督も原作者も女性ならではのドラマ。
デンマーク&World wide タイトルの「「Loving Adults」がパーフェクト。この手のサスペンス・スリラーは大好きなのでドラマを楽しんだ。
クリスチャンに「Face to Face -尋問-/2019」「ブラック・クラブ /2022」のダール・サリム。
レオノラに「フォロー・ザ・マネー 詐欺対策班 2/2016「きっと、いい日が待っている/2016」のソニア・リヒター。
クリスチャンの愛人にスス・ウィルキンス。
刑事に「アナザーラウンド/2020」のラース・ランゼ。
監督はバルバラ・トップソー=ローゼンボリ。
原作はアンナ・エクバリ。
Netflix

