2022年 08月 13日
「アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台」
「Un triomphe」…aka「The Big Hit」2020 フランス
リヨンに暮らすエチエンヌは役者生命が崖っぷち。そこで刑務所のワークショップのドラマコーチとして、囚人たちの演技指導を引き受ける。演劇などに興味のない囚人たちはスタンダップコメディをやりたいという。しかしエチエンヌは自らを鼓舞する狙いなのか、難解な不条理劇『ゴドーを待ちながら』を提案する。やがて稽古が始まり様々な個性を持つ囚人たちに悪戦苦闘の日々が始まる。
まさか?と思った、パリ、オデオン座のラストに驚きつつ、エチエンヌ/カド・メラッドの独演に感動。
劇中劇を演じる俳優はほとんど知らない。自分の役柄以外の役を演じるって大変だろうなと思った。みなさんトレビアン!
もちろん模範囚ばかりが集められたが、過去に犯した罪で服役する男たちと心を通わすエチエンヌが素晴らしい。カド・メラッドはこういったキャラが似合う。
弁護士を辞めて刑務所長になったアリアンヌと、エチエンヌの友人で選出家のステファンの存在が良かった。
実話(実話の舞台はスウェーデン)を基にしたコメディドラマ。原案はスウェーデンの俳優件監督のヤン・ヨンソン。
これは観るのをかなり迷った。でも週に1回はシアターに行きたいので、他の映画と比べてこれにした。最近、全く観ない邦画ばかりで外国映画の公開が少なく比べることもほぼないのが寂しいけど...。
ドラマの良さを語るのは少々難しい。と言うのもノーベル賞を受賞した著名なる作家サミュエル・ベケットの不条理劇『ゴドーを待ちながら』を全く知らないから…。『ゴドーを待ちながら』は日本でも上演されている。舞台を観ないので全く知らなかった。
サービスデイ(最終回)だし新宿ってこともありだけど、万人が観る映画ではないにも関わらず観客が多くてびっくりした。舞台劇『ゴドーを待ちながら』を知っている人が集まったのかも?
新宿ピカデリーはシネコンながらヨーロッパ映画の上映があって嬉しい。
エチエンヌに「クイーンズ・オブ・フィールド/2019」のカド・メラッド。
パトリックにダヴィド・アヤラ。
アレックスにラミネ・シソコ。
カメルに「母へ捧げる僕たちのアリア/2021」のソフィアン・カメス。
ジョルダンにピエール・ロタン。
ムサにワビレ・ナビエ。
ボイコにアレクサンドル・メドヴェージェフ。
アリアンヌに「世界にひとつの金メダル/2013」「エルヴィラの嘘/2019」のマリナ・ハンズ。
ステファンに「1001グラムハカリしれない愛のこと/2014」「セザンヌと過ごした時間/2016」のロラン・ストケル。
監督、脚本は「灯台守の恋/2004」「君を想って海をゆく/2009」の脚本家エマニュエル・クールコル。
新宿ピカデリー