「ブラックボックス：音声分析捜査」

「Boîte noire」…aka「Black Box」2021 フランス／ベルギー

ヨーロピアン航空の最新型旅客機がアルプスで墜落し、乗客、乗員合わせて316人が犠牲になる。司法警察立ち合いの下、航空事故調査局（BEA）の音声分析官がボイスレコーダー（ブラックボックス）を調べる。いつもなら責任者のポラックは並外れた聴覚を持つマチューを同行させるが、ヘリコプター墜落の調査で意見の相違がありマチューは捜査から外されていた。ところが調査後ポラックが謎の失踪を遂げる。そこでレニエ局長はマチューに捜査を委ねるのだった…

マチューは記者会見で”男がコックピットに侵入した。”と発表する。やがて乗客の中にイスラム過激派と思われる男がいたことが判明し、彼の分析が高く評価される。マチューはレニエ局長から調査の報告をまとめるよう促され本格的に調査を開始する。ほどなく一人の被害者が夫に残した事故直前の留守番電話を聞く機会を得る。言葉の後ろに入る雑音はブラックボックスから聴いた音ではなかった。

回収したブラックボックスを開けるシーンがとてもリアル。そしてボックスから音声をPCにダウンロードし分析が始まる。

音声分析捜査官が主人公のサスペンススリラーってどのように描く？？と想像をたくましくしていた。捜査官マチューはPCで音を聞いているだけではなく後半の暴走がスゴかった。

神経質なイメージのピエール・ニネがパーフェクト！

ブロンドでショートカットのルー・ドゥ・ラージュが過去の映画と全く違ったイメージで最初誰だかわからなかった。本作の彼女はとってもクール！

アンドレ・デュソリエは貫禄たっぷり。

日本のポスターに”聴覚が暴走する体験型サスペンススリラー！”とある。半端なく臨場感ありでドラマにグイグイと引き込まれた。

フランスで大ヒットしたのも納得の一作。スゴくサスペンスフルでスリリングで面白かった。

ヤン・ゴズランはスリリングな展開を描くのがホントに上手い。

「バーンアウト／2017」のレビューに”ヤン・ゴズランの「パーフェクトマン　完全犯罪」はピエール・ニネ主演のサスペンスドラマ。とても見応えのあるスリリングなストーリーで今一度観たくなった。”と書いている。検索してみたらAmazon Primeで配信あり！で、観賞した。

マチュー・ヴァスールに「母との約束、250通の手紙／2017」「パリのどこかで、あなたと／2019」のピエール・ニネ。

ノエミ・ヴァスールに「白雪姫～あなたが知らないグリム童話～／2019」のルー・ドゥ・ラージュ。

フィリップ・レニエ局長に「あの頃エッフェル塔の下で／2015」「ボン・ボヤージュ　家族旅行は大暴走／2016」のアンドレ・デュソリエ。

グザヴィエ・ルノーにセバスチャン・プドルース。

ヴィクトール・ポラックに「バーンアウト／2017」のオリヴィエ・ラブルダン。

バルサンに「ラブ・クライム　偽りの愛に溺れて／2012」のギョーム・マルケ。

監督、脚本は「パーフェクトマン　完全犯罪／2015」「バーンアウト／2017」のヤン・ゴズラン。

TOHOシネマズ・シャンテ