2021年 11月 20日
「パワー・オブ・ザ・ドッグ」
「The Power of the Dog」2021 UK/オーストラリア/USA/カナダ/ニュージーランド


大牧場主のフィル・バーバンクは威圧的でカリスマ性に満ちた男。ある時、弟のジョージが食堂件宿屋を経営する未亡人ローズと彼女の息子ピーターに出会う。そして兄フィルとは真逆で温厚で優しい性格のジョージはローズと結婚し牧場の家へ迎え入れる。しかし彼らの結婚にショックを受けたフィルは、ローズとピーターに対して冷酷な敵意を剥き出しにする。フィルには長年隠されてきた秘密があった…
オープニング...父親が亡くなり”僕が母を守る!”と誓った息子のピーター。その誓いを果たしたラストは衝撃的ながらとても余韻の残るエンディングだった。
舞台はアメリカ、モンタナ州だが撮影地は監督の出身地であるニュージーランド。シアターで観ることが出来たのでドラマの背景となる美しい大自然を満喫した。
ベネディクト・カンバーバッチはスーパーヒーローも似合うけど、やはり個性のある役柄が光る。40代半ばとなったカンバーバッチは既に英国の性格俳優の一人。とても存在感のある俳優で、本作でのパフォーマンスは素晴らしい。
最初は他の俳優にオファーされていたものの、出演したキルステン・ダンストとジェシー・プレモンスもナイスキャスティングだった。
第78回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門で銀獅子賞受賞も納得の作品。
ジェーン・カンピオンの描く世界はいつも美しい。そして「ピアノ・レッスン/1993」ではカンヌ国際映画祭パルム・ドールとアカデミー脚本賞を受賞した。
製作会社はBBC FilmやNew Zealand Film Commission他。
配給はNetflix。12/1にNetflixで配信される前にシアターで一般公開された。
フィル・バーバンクに「クーリエ:最高機密の運び屋/2020」「モーリタニアン 黒塗りの記録/2021」のベネディクト・カンバーバッチ。
ローズ・ゴードンに「ギリシャに消えた嘘/2014」「The beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ/2017」のキルステン・ダンスト。
ジョージ・バーバンクに「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書/2017」「ゲーム・ナイト/2018」のジェシー・プレモンス。
ピーター・ゴードンに「ザ・ロード/2009」「X-MEN:ダーク・フェニックス/2019」のコディ・スミット=マクフィー。
監督、脚本は「ブライト・スター~いちばん美しい恋の詩(うた)~/2009」のジェーン・カンピオン。
原作はトーマス・サヴェージの「The Power of the Dog」。
シネ・リーブル池袋(期間/時間限定公開中)
すばらしい作品でしたね。
雄大な自然を舞台にしているので、劇場で見て正解でした。
主要な4人、特にフィルとピーターの心理的かけひきに
びりびりするような緊張感を味わいました。
2人の意外な側面は劇中ところどころでさりげなく明かされていましたが、それでも
まさかあのような結末になるとは驚きました。
カンバーバッチはじめ、俳優たちの演技もそれぞれすばらしかったですね。
こんばんは。
過去の作品同様ジェーン・カンピオンの抒情的なドラマは素晴らしいです。
>フィルとピーターの心理的かけひき...
配役もカンバーバッチ&プレモンスとぴったりで、心理的かけひきは強烈でした。
カンバーバッチ見せますね。プレモンスも上手いです。
わたしも何となく感じてはいましたが、あのような結果になるとはスーパー驚きでした。
キルステンが中年のママ役とは歳月を感じます。

