「バック・ノール」

「BAC Nord」…aka「The Stronghold」2020 フランス

2012年、フランスのマルセイユ。北部地区はフランスで最も犯罪率の高い地域。警察官のグレッグ、アントワーヌ、ヤスの3人はBAC Nord（防犯旅団）のメンバーで、安い給料で更に死と隣り合わせの日々を送っている。ある日、グレッグは上司のイヴォンから麻薬組織の摘発を命じられアントワーヌ、ヤスと共に行動を起こす…

3人の刑事の過酷な運命を描くサスペンスアクション。

ジル・ルルーシュ&フランソワ・シヴィルの出演に興味を惹かれて鑑賞。しかしながら恐ろしく過激なドラマだった。おまけに実話がベースなので非常に緊迫感あり。

警察官グレッグは熱い男で常に怒りを爆発させる。演じるジル・ルルーシュは激しいキャラがぴったり。相反しておっとりしたアントワーヌ。演じるフランソワ・シヴィルもぴったりのキャラ。フランソワの警察官役は初？年上で先輩のグレッグにバカにされてもめげない陽気な警察官を好演。

独身で家では熱帯魚に癒されるグレッグと、愛犬とベッドを共にするアントワーヌ。ファミリーマンのヤスと妻のノラの存在が過酷なドラマの中で少し落ち着きを取り戻す。グレッグにイジられても能天気っぽいアントワーヌの笑顔が良かった。

アデル・エグザルコプロスはタハール・ラヒムと共演した「アナーキスト　愛と革命の時代／2015」も良かったけどやはり「アデル、ブルーは熱い色／2013」が最高！本作ではヤスの身重の妻ノラが可愛い。

それぞれに移民たちが暮らす団地での争いが激しいドラマと映画がある。TVシリーズ「マルセイユ2016〜2018」と、イル＝ド＝フランスの犯罪防止班の警官の姿を描いた「レ・ミゼラブル／2019」を思い起こした。

エンディングにアニマルズの歌う♪朝日の当たる家♪が流れる。この曲インパクトある！

ちょっとネタばれ…

ラストに3人の未来（現在）が語られる。

3人は警察官を辞職。その中で、アントワーヌが一時期収容されていた刑務所での辛い体験から、刑務所の看護師になったという話が面白い。この人潔癖性だったみたい。独房に入るなり汚い便器を洗いまくっていたし...。

実際にはBAC Nordの18人のメンバーが組織化された麻薬密売と恐喝で逮捕され、7人が裁判の前に刑務所入り。それはフランスで大きなスキャンダルとなり首相が部隊を解散させる事態となった。

グレッグに「ダーティ・ガイズ　パリ風俗街潜入捜査線／2018」「シンク・オア・スイム　イチかバチか俺たちの夢／2018：監督」のジル・ルルーシュ。

アントワーヌに「ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから／2019」のフランソワ・シヴィル。

ヤスに「アナーキスト　愛と革命の時代」のカリム・ルクルー。

ノラに「ホワイト・クロウ　伝説のダンサー／2018」のアデル・エグザルコプロス。

イヴォンに「ウルフズ・コール／2019」のジャ＝イヴ・ベルトルート。

アメルにケンザ・フォルタス。

監督、脚本は「ナチス第三の男／2017」のセドリック・ヒメネス。

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