「ファーザー」

「The Father」2020 UK／フランス

ロンドンのあるフラット（集合住宅）の一室。アンは認知症の兆候が見え始める80歳の父親アンソニーを心配しヘルパーを付けようと手配する。しかし気難しいアンソニーは難癖をつけて拒否し追いだしてしまう...

"現実と幻想の境界が崩れゆく父..."

誰が誰だかわからない。自分が何処にいるのかわからない。認知症って恐ろしいなぁ...と実感した。

自分の身体を木に例えて”まるで葉を全て失ってしまったような気がする。”と語るアンソニーの言葉が哀しい。

時折アンに当たるアンソニー。ポールはそれが許せないがアンは父を優しく諭す。自分の人生と父の世話の間で葛藤するアン。彼女の優しさに心打たれる。

大絶賛される映画はやはり素晴らしかった！とても良い映画だった。

オスカーの主演男優賞に輝いたアンソニー・ホプキンスはもちろん。オスカーにノミネートされたオリヴィア・コールマンも素晴らしかった。私的には本作が作品賞に選ばれて欲しかった。オリヴィアの助演女優賞も...。

今年のMY BESTに決まり！

連日ル・シネマが満席だったのは座席を半分しか販売していなかったから。でもようやくD列が空いていたので観賞することができた。

NetflixのTVシリーズ「ザ・クラウン／2016〜」にハマっている。クイーン・エリザベス二世を演じるオリヴィア・コールマンはクレア・フォイ同様役柄にぴったり。

アンソニーに「2人のローマ教皇／2019」のアンソニー・ホプキンス。

アンに「女王陛下のお気に入り／2018」「ザ・クラウン／2019～2020」のオリヴィア・コールマン。

男に「女王陛下のお気に入り」のマーク・ゲイティス。

女に「ヴィクトリア女王 最期の秘密／2017」のオリヴィア・ウィリアムズ。

ポールに「ジュディ　虹の彼方に／2019」のルーファス・シーウェル。

ローラに「ビバリウム／2019」のイモージェン・プーツ。

ドクター・サライにアイーシャー・ダルカール。

監督はフロリアン・ゼレール。

共同脚本は「危険な関係／1988」「危険なメソッド／2011」のクリストファー・ハンプトン＆フロリアン・ゼレール。

Bunkamura ル・シネマにて

緊急事態宣言発令中の東京、渋谷はスクランブルスクエアの大きなモニター画面の広告が消えて寂しい。周辺の広告も明かりが消されていて、TOHOシネマズ渋谷も真っ暗だった。