2021年 04月 02日
「水を抱く女」
「Undine」2020 ドイツ/フランス

ベルリンの博物館でガイドとして働く歴史家のウンディーネは、ある日、恋人のヨハネスに別れを告げられる。悲観し嘆く彼女の前に愛情深い潜水作業員のクリストフが博物館見物に現れる。クリストフはウンディーネに惹かれ彼女も彼に恋をする…
”愛が終わるとき、哀しき殺意のとき”
”水の精・ウンディーネ”の神話をモチーフにしていて、水の精とは人魚のことでもある。水の精と潜水作業員のカップルとはなんとも素敵な組み合わせ。
”水”が舞台のドラマはとてもミステリアスかつロマンティック。もちろん映像も美しい。バックに何度も流れる哀愁を帯びたバッハの旋律が儚い恋の物語を盛り上げている。
神秘的なウンディーネを妖艶に演じたパウラ・ベーアは第70回ベルリン国際映画祭銀熊賞(女優賞/2020)を受賞。
ベーア&ロゴフスキは「未来を乗り換えた男/2018」以来の共演。
パウラ・ベーアにはどうも魅力を感じないと他のレビューに書いてる。でも本作のウンディーネ役は彼女の魅力を引き出していると思った。
フランツ・ロゴフスキが役柄にピッタリ。彼は演じるキャラがいづれもキマるナイスな俳優。
クリスティアン・ペッツォルト作品はどれも素晴らしいものばかり。
ウンディーネに「ある画家の数奇な運命/2018」のパウラ・ベーア。
クリストフに「名もなき生涯/2019」「希望の灯/2018」のフランツ・ロゴフスキ。
モニカにマリアム・ザリー。
ヨハネスに「5パーセントの奇跡~嘘から始まる素敵な人生~/2017」のヤコブ・マッチェンツ。
アネにアネ・ラテ=ポレ。
監督、脚本は「東ベルリンから来た女/2012」「あの日のように抱きしめて/2014」「未来を乗り換えた男/2018」のクリスティアン・ペッツォルト。
新宿武蔵野館にて

ペッツォルト監督の作品が好きなので本作も楽しみにしていました。
ウンディーネの物語、儚くて、でも運命に抗おうとするような強さ、情熱も感じました。
ウンディーネのガイドするベルリンの歴史もとても興味深かったです。
パウラ・ベーア、フランツ・ロゴフスキ、とても良かったですね。
ピアノの旋律も心に残って・・・、余韻を今もひきづっています。
>ペッツォルト監督の作品が好きなので...
わたしも大好きです。叙情たっぷりに描かれる世界はいつも素敵です。
パウラ・ベーアはベルリンのガイドと水の精ウンディーネを
上手く演じ分けて素晴らしかったと思います。
ベルリンの歴史面白かったですね。
フランツ・ロゴフスキはいつもナイスです。
バックに流れるピアノ曲がドラマを盛り上げていました。

