2020年 09月 17日
「シチリアーノ 裏切りの美学」
「The Traitor」2019 イタリア/フランス/ドイツ/ブラジル

1980年代初頭のシチリアではマフィアの全面戦争が激化していた。パレルモ派の大物トンマーゾ・ブシェッタは抗争の仲裁に失敗し、三番目の妻マリア・クリスティーナと幼い子供たちを連れてブラジルへ逃走する。しかしその間にシチリアに残ったブシェッタの息子や仲間たちが、コルレオーネ派の報復によって次々と抹殺されていった。やがてブラジルで逮捕されイタリアに引き渡されたブシェッタは、マフィア撲滅に執念を燃やす判事のジョヴァンニ・ファルコーネから捜査への協力を求められる…
トンマーゾ・ブシェッタは判事ファルコーネに組織の情報を提供することを決意。だがその行為は”コーザ・ノストラ”の”血の掟”に背くものだった。
実際に起こった出来事をもとに描いているので裁判のシーンが多く登場するが、その裁判のシーンが壮絶。審理中、後ろの檻のような中に入れられた容疑者たちが騒ぎまくるのだ。裁判官が”静かにして!ここは禁煙です!”と言ってもお構いなしで、大声で騒ぎ続けタバコを吸いまくる。あのシーンは壮絶ながら面白かった。
大物マフィアを演じるのはInternational俳優ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ。50代から亡くなる70代までのトンマーゾ・ブシェッタを大熱演している。
”裏切り者”の原タイトルに”美学”を付け加えるところは実に日本の配給会社らしい。
実話がもとの「運命に逆らったシチリアの少女/2008」や、少々ファンタジックに描かれる「シシリアン・ゴースト・ストーリー/2017」でもマフィアの世界が描かれている。どちらもイタリアン・マフィアの凄さを語っているが、こちらはかなり強烈でマフィアの報復の凄さは半端ない。
トンマーゾ・ブシェッタに「家族にサルーテ! イスキア島は大騒動/2018」のピエルフランチェスコ・ファヴィーノ。
サルヴァトーレ・コントルノに 「われらの子供たち/2004」のルイジ・ロ・カーショ。
ジョヴァンニ・ファルコーネに「司令官とコウノトリ/2013」のファウスト・ルッソ・アレシ。
マリア・クリスティーナ・ブシェッタにマリア・フェルナンダ・カンディド。
ピッポにファブリツィオ・フェラカン。
トトにニコラ・カリ。
ガエターノ・バラダメンティにジョバンニ・カルカーニョ。
ルチアーノ・レッジョに「盗まれたカラヴァッジョ/2019」のビンチェンツォ・ピロッタ。
ステファノ・ボンターテにゴフリード・ブルーノ。
監督は「甘き人生/2016」のマルク・ベッキオ。
ヒューマントラストシネマ有楽町にて

