2020年 08月 24日
「ホロウ・クラウン/嘆きの王冠 リチャード3世」
The Hollow Crown : Richard III」2016 UK

エドワードが王座につき弟のリチャードは兄をサポートするかに見えたが、王座を虎視眈々と狙うこの男は次々と邪魔者を消していく(エドワード4世は病死)。やがて念願の王座を手に入れリチャード3世となったが平和な日は訪れなかった…
リチャードは悪知恵が働く心がひねくれた人間だった。生まれつき背中にコブがある醜い体が劣等感をさらに高める。常にブツブツとつぶやき、イライラと机に指を叩きつける。そんなリチャードに側近のバッキンガム公や、生みの母セシルは恐怖を覚え始める。やがてセシルは”自分の子宮にいたのが間違いだった!”とリチャードに言い放つ。
セシル、王妃エリザベス、マーガレットはリチャードを呪い、ランカスター派のリッチモンド伯ヘンリー・テューダーはフランスから兵を集める。ボズワースの戦いでヘンリーはリチャードを倒し王座についた。そしてヘンリー7世が誕生する。
王座を狙うリチャードはエドワード4世の弟で、自身の兄クラレンス公ジョージを殺害。その上エドワード4世の邪魔な二人の王子も殺害するよう側近に命令する。
カンバーバッチが邪魔者(子供も…)を次々と殺害する悪魔のような男を演じているが、顔的にはあまり悪魔っぽく見えない。
ジュディ・デンチはさすがの貫禄。
リチャードは薔薇戦争最後を飾る王で戦死した最後のイングランド王。
ヘンリー7世はエドワード4世のプリンセスだったエリザベス・オブ・ヨークと結婚しヘンリー8世(エリザベス1世の父)が誕生した。
ヘンリー5世は平和を願い、息子ヘンリー6世も平和主義で敬虔な人物であり博愛心も合わせ持っていた。30年にも渡って争いが繰り返された王位をめぐる権力戦争である薔薇戦争(ヨーク家/白薔薇とランカスター家/赤薔薇の戦い)は終結したが、イングランドとフランスの間には薔薇戦争の前にも百年戦争があり、ナポレオンの時代(ナポレオン戦争/19世紀初頭)まで戦争は繰り返された。
グロスター公リチャード(リチャード3世)に「ホロウ・クラウン/嘆きの王冠 ヘンリー6世 Part2/2016」のベネディクト・カンバーバッチ。
ヨーク公夫人セシル・ネヴィルに「シェイクスピアの庭/2018」のジュディ・デンチ。
マーガレット・オブ・アンジュー(元王妃)に「ホロウ・クラウン/嘆きの王冠 ヘンリー6世 Part2」ソフィー・オコネドー。
王妃エリザベスに「ホロウ・クラウン/嘆きの王冠 ヘンリー6世 Part2」のキーリー・ホーズ。
エドワード4世に「ホロウ・クラウン/嘆きの王冠 ヘンリー6世 Part2」のジョフリー・ストリートフェイルド。
クラレンス公ジョージに「ホロウ・クラウン/嘆きの王冠 ヘンリー6世 Part2」のサム・トゥルートン。
バッキンガム公に「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分/2013」のベン・ダニエルズ。
アン・ネヴィル(リチャード3世の王妃)に「イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり/2019」のフィービー・フォックス。
リッチモンド伯ヘンリー・テューダーに「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ/2016」のルーク・トレッダウェイ。
監督は「ホロウ・クラウン/嘆きの王冠 ヘンリー6世 Part2」のドミニク・クック。
ウィリアム・シェイクスピアの歴史劇を基に製作された「ホロウ・クラウン/嘆きの王冠」は素晴らしい作品だった。ヨーロッパ古典ものの大ファンなので、2017年に公開された時鑑賞できなくて残念だったが、今回2週間限定公開があり、1週間毎日シネ・リーブル池袋に通った。ゴージャスな歴史ドラマやはり劇場で観て良かった。
俳優たちもとてもゴージャスで、王を演じるベン・ウィショー、ジェレミー・アイアンズ、トム・ヒドルストン、トム・スターリッジ、ベネディクト・カンバーバッチ、そして王妃のソフィー・オコネドー。皆それぞれに素晴らしかったけど、やはりベン・ウィショーが最高だった。弱気のトム・スターリッジ&強気のソフィー・オコネドーのカップルもナイスだった。で、一番クールだったのはトム・ヒドルストン。これは役柄(ヘンリー5世)のせいもある。カンバーバッチに悪魔のように描かれる王は似合わない気もしたけど...。

