2020年 07月 02日
「その手に触れるまで」
「Le jeune Ahmed」…aka「Young Ahmed」2019 ベルギー/フランス


13歳の少年アメッドは母や兄弟とベルギーに暮らしている。最近までゲームに夢中の少年だったが、今ではイスラム教導師が行う礼拝に熱心に通い、コーランに夢中になっている。ある時、さよならの挨拶で”大人のムスリムは女性に触れない”と教師のイネスに宣言する。それを聞いた母は息子を叱るが、逆に”酒ばかり呑んで!”と母を非難する。やがて尊敬する導師の過激な思想に感化されるアメッドは、教師のイネスを背教者と決めつけ、”アラーは偉大なり”と叫び隠し持っていたナイフで襲いかかる…
アメッドはイネスを襲った罪で少年院に収監される。
邦題の「その手に触れるまで」…配給会社はこのような優しいタイトルが好きらしい。確かに”若きアメッド”じゃ映画のタイトルとしてつまらない。しかしドラマはズバリ!”若きアメッド”ならではの行動を描いている。
どこにでもいるゲーム好きだった少年がムスリムにのめり込んで行く。母に”なぜベールをかぶらないの?”と責める息子。
少年院に入り、そこで学んだアメッドは果たして変わることができたのだろうか?
無宗教の自分にとって宗教の重みを強烈に感じる作品だった。
ジャン=ピエール・ダルデンヌ&リュック・ダルデンヌ映画は「ロゼッタ/1999」から始まって9本目。ジェレミー・レニエの「イゴールの約束/1996」も見ているがレビューを書いていない。
「午後8時の訪問者」のレビューに”ダルデンヌ兄弟の描く世界はいつも社会の底辺に住む人々が主人公。”と書いている。それがダルデンヌ兄弟の世界。
アメッドにイディル・ベン・アディ。
イネスに「少年と自転車/2011」「サンドラの週末/2014」のミリエム・アケディウ。
アメッドの母にクレール・ボドソン。
教育官に「午後8時の訪問者/2016」のオリヴィエ・ボノー。
ルイザにビクトリア・ブラック。
監督、脚本、製作は「午後8時の訪問者/2016」のジャン=ピエール・ダルデンヌ&リュック・ダルデンヌ。
新宿武蔵野館にて

