2020年 03月 04日
「ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像」
「Tuntematon mestari」…aka「One Last Deal」「Dark Christ」2018 フィンランド

ヘルシンキに暮らす年老いたオラヴィは美術商。近頃では経営が厳しく引退も考える日々。そんなある日、疎遠だった娘のレアから連絡があり息子のオットーをしばらく預かってくれないかと頼まれる。少々問題児のオットーを無理やり預かることになったオラヴィは彼に仕事を与える。それはオークションで手に入れた肖像画の作者探しだった…
一枚の絵画を通して疎遠だった孫との再会。その後二人で共にした作業の数々。ラストはちょっと悲しかったが良いエンディングだった。
主演のオラヴィは「ヤコブへの手紙」で温かく慈悲深いヤコブ牧師を演じたヘイッキ・ノウシアイネン。ヤコブ牧師同様孤独だが、本作では頑固な老人を好演している。
フィンランドのアテネウム美術館などが全面協力したという。
邦題にある”名前を失くした肖像”はロシアの巨匠イリヤ・レーピンの作品 (男の肖像画=イエス・キリスト)。もちろんこの絵画は初めて見た。作者がサインをしなかったのは教会への寄贈だったから。
シアターでこの映画の予告編は何度見たか数えられないくらい。
北欧映画大好きなのと、主人公が画商ということでとても楽しみにしていて、素晴らしい作品だった。
初日の夕方の回に見たが意外に人が入っていなくてコロナの影響?かなとも思ったけど、その次の週に見たフランス映画「レ・ミゼラブル/2019」はかなりの入りだったので、フィンランド映画って好まれないのだなと実感した。
でもやはりシアターは以前よりは観客が少ない。新宿武蔵野館は中高年憩いの場所的映画館で、待合はいつもごった返しているが、最近はそれほど混んではいない。
観光客減少でJR新宿東口(ルミネエスト)前で客待ちしているタクシーの多さに驚き、デパ地下の営業時間も短縮となってツラい。都内の美術館は既に休館となったし、映画館が休館になったらもっとツラい。
オラヴィに「ヤコブへの手紙/2009」のヘイッキ・ノウシアイネン。
レアに「DEADWIND:刑事ソフィア・カルピ/2018」のピルヨ・ロンカ。
オットーにアモス・ブロテルス。
パトゥにペルッティ・スヴェホルム。
アルバート・ジョンソンに「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女/2009」のステファン・サウク。
監督は「ヤコブへの手紙/2009」「こころに剣士を/2015」のクラウス・ハロ。
新宿武蔵野館にて


本作、私も鑑賞したばかりです。
曇天のフィンランドの風景が映画の雰囲気と相まって、とても良かったです。
オラヴィ最後の勝負は残念なことになりましたが、「誇示よりも謙虚を」というサインをしなかった理由を知れたこと(だからこそ、あのお金持ちに渡らなくて良かった!)や孫のオットーに伝わっている想い、
いいラストでしたね。
こちらに伺うとヨーロッパ映画が本当に豊富で楽しませていただいています。
こんばんは。
コメントありがとうございます。
いつも見てくださってありがとうございます。
>曇天のフィンランドの風景...
映画の舞台にふさわしくてとても良かったです。
西洋美術が大好きなのでドラマを楽しみました。
オラヴィと孫が膨大な資料から本物を探し出す様も
見応えありました。ラスト、ナイスでしたね。

