人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像」

Tuntematon mestari…akaOne Last Deal」「Dark Christ2018 フィンランド

「ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像」_a0051234_20464474.jpg

ヘルシンキに暮らす年老いたオラヴィは美術商。近頃では経営が厳しく引退も考える日々。そんなある日、疎遠だった娘のレアから連絡があり息子のオットーをしばらく預かってくれないかと頼まれる。少々問題児のオットーを無理やり預かることになったオラヴィは彼に仕事を与える。それはオークションで手に入れた肖像画の作者探しだった


一枚の絵画を通して疎遠だった孫との再会。その後二人で共にした作業の数々。ラストはちょっと悲しかったが良いエンディングだった。

主演のオラヴィは「ヤコブへの手紙」で温かく慈悲深いヤコブ牧師を演じたヘイッキ・ノウシアイネン。ヤコブ牧師同様孤独だが、本作では頑固な老人を好演している。


フィンランドのアテネウム美術館などが全面協力したという。

邦題にある名前を失くした肖像はロシアの巨匠イリヤ・レーピンの作品 (男の肖像画=イエスキリスト)。もちろんこの絵画は初めて見た。作者がサインをしなかったのは教会への寄贈だったから。

シアターでこの映画の予告編は何度見たか数えられないくらい。

北欧映画大好きなのと、主人公が画商ということでとても楽しみにしていて、素晴らしい作品だった。

初日の夕方の回に見たが意外に人が入っていなくてコロナの影響?かなとも思ったけど、その次の週に見たフランス映画「レ・ミゼラブル/2019」はかなりの入りだったので、フィンランド映画って好まれないのだなと実感した。

でもやはりシアターは以前よりは観客が少ない。新宿武蔵野館は中高年憩いの場所的映画館で、待合はいつもごった返しているが、最近はそれほど混んではいない。

観光客減少でJR新宿東口(ルミネエスト)前で客待ちしているタクシーの多さに驚き、デパ地下の営業時間も短縮となってツラい。都内の美術館は既に休館となったし、映画館が休館になったらもっとツラい。


オラヴィに「ヤコブへの手紙/2009」のヘイッキ・ノウシアイネン。

レアに「DEADWIND:刑事ソフィア・カルピ/2018」のピルヨ・ロンカ。

オットーにアモス・ブロテルス。

パトゥにペルッティ・スヴェホルム。

アルバート・ジョンソンに「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女/2009」のステファン・サウク。

監督は「ヤコブへの手紙/2009」「こころに剣士を/2015」のクラウス・ハロ。


新宿武蔵野館にて

「ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像」_a0051234_21111099.jpg
「ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像」_a0051234_21111458.jpg


Commented by at 2020-10-13 19:15
こんばんは。以前お邪魔させていただいたSlowDreamの瞳です。
本作、私も鑑賞したばかりです。
曇天のフィンランドの風景が映画の雰囲気と相まって、とても良かったです。
オラヴィ最後の勝負は残念なことになりましたが、「誇示よりも謙虚を」というサインをしなかった理由を知れたこと(だからこそ、あのお金持ちに渡らなくて良かった!)や孫のオットーに伝わっている想い、
いいラストでしたね。

こちらに伺うとヨーロッパ映画が本当に豊富で楽しませていただいています。


Commented by margot2005 at 2020-10-15 19:31
> 瞳さん
こんばんは。
コメントありがとうございます。
いつも見てくださってありがとうございます。
>曇天のフィンランドの風景...
映画の舞台にふさわしくてとても良かったです。
西洋美術が大好きなのでドラマを楽しみました。
オラヴィと孫が膨大な資料から本物を探し出す様も
見応えありました。ラスト、ナイスでしたね。

by margot2005 | 2020-03-04 21:39 | 北欧 | Comments(2)