2020年 01月 30日
「バニシング」
「The Vanishing/Keepers」2018 UK


1900年に起こった「アイリーン・モア灯台事件」をベースに、3人の男たちの運命を描くクライム・サスペンス。
”絶海の孤島で、3人の男が忽然と消えた。その「謎」は今も、そして永遠に、解かれることはないーーー。”
スコットランドのはるか沖合にあるフラナン諸島最大の無人島アイリーン・モア島に3人の灯台守がやって来る。これより6週間共同生活で仕事をするのは、灯台守歴25年のベテラン、トマス、粗暴で短気な大男ジェームズ、そして新米の若者ドナルド。ある日流れ着いたボートと漂流者をドナルドが発見する。漂流者を助けようとしたが逆に襲われてしまい、とっさに殺してしまう。そして驚くことにボートに積まれていた木箱には金塊が詰まっていた。やがてLockeとBoor二人の外国人がやって来る。
繰り返される殺戮。3人の間に疑心暗鬼が生じ始める。そして誰もいなくなった…。ネタばれするので書けないのがもどかしい。
ただしこれは映画。「アイリーン・モア灯台事件」では3人が消えてしまったのだから、実際に何があって誰が誰を?というのは誰も知らない。
本作は大胆な仮説と解釈で描いており、ドラマにグイグイ引き込まれた。
で、「アイリーン・モア灯台事件」をウィキペディア調べてみた。
1900年の12月に、ジェームズ・デュカット、ドナルド・マッカーサー、トマス・マーシャルの3人が灯台守としてアイリーン・モア島に赴く。同月15日に貨物船がアイリーン・モア灯台の光が消えていることを発見。その後定期的に食料を届けていた船が灯台に到着し呼びかけたが応答がなかった。船員がボートに乗って灯台に入り調査したところ、中は整理されていたが誰もいなかったという。
今やハリウッド俳優と化してしまったスコットランド人のジェラルド・バトラーが久方ぶりにスコットランド人を熱演している。そして久方ぶりに彼のハスキーな歌声も聞くことができる。顔下半分ヒゲのジェラルドは熊みたい。本作では製作者でもある。
ピーター・ミュランはいぶし銀という言葉がぴったりの名優。彼もジェラルドと同じくスコットランド人。
ジェームズに「ハンターキラー 潜航せよ/2018」「エンド・オブ・ステイツ/2019」のジェラルド・バトラー。
トマスに「サンシャイン/歌声が響く街/2013」のピーター・ミュラン。
ドナルドにコナー・スウィンデルズ。
メアリーにエマ・キング。
ケニーに「リトル・ダンサー/2000」「フィルス/2013」のゲイリー・ルイス。
Lockeに「ハートストーン/2016」のソーレン・マリン。
Boorに「MEG ザ・モンスター /2016」のオラフル・ダッリ・オラフソン。
監督、製作総指揮は「THE KILLING/キリング/2007~2009:監督」のクリストファー・ニーホルム。
ヒューマントラストシネマ渋谷にて

明治通りと美竹通りの角に建つcocotiビルの7階と8階にあるヒューマントラストシネマ渋谷。ここは世界中の映画を上映しているお気に入りミニシアター。

